広田の視点を通して、
戦争前後の日本歴史が分かりました。
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落日燃ゆ (新潮文庫) 文庫 – 1986/11/27
城山 三郎
(著)
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平和につくした外交官が、なぜ、A級戦犯となり、絞首刑となったのか。
元首相・外相、広田弘毅の生涯。毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞。
東京裁判で絞首刑を宣告された七人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元総理、外相広田弘毅。戦争防止に努めながら、その努力に水をさし続けた軍人たちと共に処刑されるという運命に直面させられた広田。そしてそれを従容として受け入れ一切の弁解をしなかった広田の生涯を、激動の昭和史と重ねながら抑制した筆致で克明にたどる。
本文より
昭和三十四年四月、興亜観音の境内に、吉田茂の筆になる「七士の碑」が建てられ、友人代表としての吉田茂や荒木元大将はじめ遺族やゆかりの人約百人が集まり、建立式が行われた。
だが、このときも、広田の遺族は、一人も姿を見せなかった。
広田の遺族たちは、そうした姿勢をとることが故人の本意であると考えていた。広田には、ひっそりした、そして、ひとりだけの別の人生があるべきであった。せめて彼岸に旅立ったあとぐらい、ひとりだけの時間を過させてやりたい。
たとえ、事を荒立てるように見えようと、心にもなく参加すべきではないと、考えていた。(「はじめに」)
城山三郎(1927-2007)
名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『官僚たちの夏』『秀吉と武吉』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。
元首相・外相、広田弘毅の生涯。毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞。
東京裁判で絞首刑を宣告された七人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元総理、外相広田弘毅。戦争防止に努めながら、その努力に水をさし続けた軍人たちと共に処刑されるという運命に直面させられた広田。そしてそれを従容として受け入れ一切の弁解をしなかった広田の生涯を、激動の昭和史と重ねながら抑制した筆致で克明にたどる。
本文より
昭和三十四年四月、興亜観音の境内に、吉田茂の筆になる「七士の碑」が建てられ、友人代表としての吉田茂や荒木元大将はじめ遺族やゆかりの人約百人が集まり、建立式が行われた。
だが、このときも、広田の遺族は、一人も姿を見せなかった。
広田の遺族たちは、そうした姿勢をとることが故人の本意であると考えていた。広田には、ひっそりした、そして、ひとりだけの別の人生があるべきであった。せめて彼岸に旅立ったあとぐらい、ひとりだけの時間を過させてやりたい。
たとえ、事を荒立てるように見えようと、心にもなく参加すべきではないと、考えていた。(「はじめに」)
城山三郎(1927-2007)
名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『官僚たちの夏』『秀吉と武吉』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。
- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1986/11/27
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101133182
- ISBN-13978-4101133188
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総会屋錦城 | 役員室午後三時 | 雄気堂々〔上〕 | 雄気堂々〔下〕 | 毎日が日曜日 | 官僚たちの夏 | |
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【新潮文庫】城山三郎 作品 | 直木賞受賞の表題作は、総会屋の老練なボス錦城の姿を描いて株主総会のからくりを明かす異色作。他に本格的な社会小説6編を収録。 | 日本繊維業界の名門華王紡に君臨するワンマン社長が地位を追われた──企業に生きる人間の非情な闘いと経済のメカニズムを描く。 | 一農夫の出身でありながら、近代日本最大の経済人となった渋沢栄一のダイナミックな人間形成のドラマを、維新の激動の中に描く。 | 日本経済の牽引車か、諸悪の根源か総合商社の巨大な組織とダイナミックな機能・日本的体質を、商社マンの人生を描いて追究。 | 国家の経済政策を決定する高級官僚たち──通産省を舞台に、政策や人事をめぐる政府・財界そして官僚内部のドラマを捉えた意欲作。 |
黄金の日日 | 男子の本懐 | 硫黄島に死す | 冬の派閥 | 落日燃ゆ | 打たれ強く生きる | |
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豊かな財力で時の権力者・織田信長、豊臣秀吉と対峙する堺。小僧から身を起こしルソンで財をなした豪商の生き様を描く歴史長編。 | 〈金解禁〉を遂行した浜口雄幸と井上準之助。性格も境遇も正反対の二人の男が、いかにして一つの政策に生命をṌしたかを描く長編。 | 〈硫黄島玉砕〉の四日後、ロサンゼルス・オリンピック馬術優勝の西中佐はなお戦い続けていた。文藝春秋読者賞受賞の表題作など7編。 | 幕末尾張藩の勤王・佐幕の対立が生み出した血の粛清劇〈青松葉事件〉をとおし、転換期における指導者のありかたを問う歴史長編。 | 戦争防止に努めながら、A級戦犯として処刑された只一人の文官、元総理広田弘毅の生涯を、激動の昭和史と重ねつつ克明にたどる。〈毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞〉 | 常にパーフェクトを求め他人を押しのけることで人生の真の強者となりうるのか?著者が日々接した事柄をもとに静かに語りかける。 |
秀吉と武吉―目を上げれば海― | わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯― | 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく― | 静かに健やかに遠くまで | 部長の大晩年 | 無所属の時間で生きる | |
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瀬戸内海の海賊総大将・村上武吉は、豊臣秀吉の天下統一から己れの集団を守るためいかに戦ったか。転換期の指導者像を問う長編。 | 社会から得た財はすべて社会に返す──ひるむことを知らず夢を見続けた信念の企業家の、人間形成の跡をḷり反抗の生涯を描いた雄編。 | 神風特攻隊の第一号に選ばれた関行男大尉、玉音放送後に沖縄へ出撃した中津留達雄大尉。二人の同期生を軸に描いた戦争の哀切。 | 城山作品には、心に染みる会話や考えさせる文章が数多くある。多忙なビジネスマンにこそ読んでほしい、滋味あふれる言葉を集大成。 | 部長になり会社員として一応の出世はした。だが、異端の俳人・永田耕衣の本当の人生は、定年から始まった。元気の出る人物評伝。 | どこにも関係のない、どこにも属さない一人の人間として過ごす。そんな時間の大切さを厳しい批評眼と暖かい人生観で綴った随筆集。 |
そうか、もう君はいないのか | 少しだけ、無理をして、生きる | よみがえる力は、どこに | 勇者は語らず | どうせ、あちらへは手ぶらで行く | |
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作家が最後に書き遺していたもの──それは、亡き妻との夫婦の絆の物語だった。若き日の出会いからその別れまで、感涙の回想手記。 | 著者が魅了され、小説の題材にもなった人々の生き様から浮かび上がる、真の人間の魅力、そしてリーダーとは。生前の貴重な講演録。 | 「負けない人間」の姿を語り、人がよみがえる力を語る。困難な時代を生きてきた著者が語る「人生の真実」とは。感銘の講演録他。 | 沈黙を守り、どんな無理にも耐えるのが日本人のあるべき姿なのか。戦後、日本車輸出に命を賭したビジネスマンの気骨を描く長編。 | 作家の手帳に遺されていた晩年の日録。そこには、老いを自覚しながらも、人生を豊かに過ごすための「鈍々楽」の境地が綴られていた。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1986/11/27)
- 発売日 : 1986/11/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 464ページ
- ISBN-10 : 4101133182
- ISBN-13 : 978-4101133188
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 12,766位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1927-2007)名古屋生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎えた。一橋大学卒業後、愛知学芸大学に奉職、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』により文学界新人賞、1959年『総会屋錦城』で直木賞を受け、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞受賞の『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『黄金の日日』『役員室午後三時』『毎日が日曜日』『官僚たちの夏』『もう、きみには頼まない』『硫黄島に死す』『指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。1996(平成8)年、菊池寛賞を、2002(平成14)年、朝日賞を受賞。2007年3月22日没。享年79。没後発見された愛妻への遺稿『そうか、もう君はいないのか』と、愛妻が倒れる前年から最晩年まで自らを励ますかのように綴られた手帳の記述をまとめた『どうせ、あちらへは手ぶらで行く』は世代を超えたベストセラーとなった。
イメージ付きのレビュー
4 星
本当の戦争責任は誰にあったかを問う
広田弘毅。A級戦犯でありただ一人文官であった彼は戦争回避に奔走しながらも戦争を止めなかった不作為の罪を問われる格好となった。裁判では一切の証言を拒否し自らの責任を受け入れた。どう考えてもA級戦犯には馴染まなないと思うものの戦争責任者を全て同一に扱ってきた日本の教育の矛盾を考えざるを得ない作品だった。一般文学通算1838作品目の感想。2017/03/11 16:05
フィードバックをお寄せいただきありがとうございます
申し訳ありませんが、エラーが発生しました
申し訳ありませんが、レビューを読み込めませんでした
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上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年11月15日に日本でレビュー済み
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目の付け所が違うので、面白い
2023年7月22日に日本でレビュー済み
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率直な感想として、広田弘毅は結局どんな思想を持った人なのかわからなかった。
庶民から総理大臣となり、軍部に対抗した文官が東京裁判のA級戦犯として唯ひとり文官で処刑された、悲劇の主人公のような描かれかたをしているが事なかれ主義者のようにも感じたし。他の本も読みたくなった
庶民から総理大臣となり、軍部に対抗した文官が東京裁判のA級戦犯として唯ひとり文官で処刑された、悲劇の主人公のような描かれかたをしているが事なかれ主義者のようにも感じたし。他の本も読みたくなった
2022年9月12日に日本でレビュー済み
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東京裁判で死刑になった唯一の文官だった広田弘毅の生涯をその当時の時代背景を基に描いてあり、学校ではあまり勉強することの無い日本の近代史、昭和史をうかがい知ることができた。
2022年6月8日に日本でレビュー済み
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文官ながら戦争責任を問われた広田弘毅・松岡洋右・東郷茂徳らに興味があり、関連書籍を読み漁る中で、広田については、最も著名な本書から手に取った。
小気味よく引き締まった硬質の文体に惹き込まれ、悲劇の主の半生記としては、極めて心地良く読み進めることができたが、一方で、近現代史上の人物伝としては、高潔な人格に疑いの余地はないとしても、政治的手腕や歴史的実績には、擁護論・同情論に混じって、大勢への追随者との指弾に止まらず、冷徹な無能論で酷評する向きまでがあるのも事実であり、聖人君子然とした清廉一辺倒の描写では、いかにもステレオタイプでリアリティに欠け、逆に厚みを損なうと言わざるを得ない。『落日燃ゆ』のタイトルも、今ひとつピンと来ないことに加え、いかにも美化し過ぎな印象が強く、正直物足りなさは残る。
とはいえ、「物来順応」の信条が示す恬淡な処世訓に徹し、最期まで貧乏籤続きの運命を全うした広田の生涯は、戦犯の汚名を濯げぬまま獄死した東郷同様、結果として、開戦の一端を担うことになった謗りは免れ得ないとしても、命の終焉に際しても、抗わぬ生き様を貫き通した、まるで石のように重く確かなものだったことは、充分に伝わってきた。処刑前に、万歳を漫才と皮肉ったエピソードの真偽は定かでないらしいが、文官ながら、武人以上の武士道を体現して逝った広田の歴史小説として見れば、この程度の解釈或いは脚色は許されることだろう。
広田の茫洋とした風貌には、品性とともに、底知れぬ深みを感じる。もう少々多面的な広田像に触れたい気持ちがあり、次は『黙してゆかむ 広田弘毅の生涯』(北川晃二/講談社)・『広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像』(服部龍二/中央公論新社)あたりを読んでみようかと思う。
小気味よく引き締まった硬質の文体に惹き込まれ、悲劇の主の半生記としては、極めて心地良く読み進めることができたが、一方で、近現代史上の人物伝としては、高潔な人格に疑いの余地はないとしても、政治的手腕や歴史的実績には、擁護論・同情論に混じって、大勢への追随者との指弾に止まらず、冷徹な無能論で酷評する向きまでがあるのも事実であり、聖人君子然とした清廉一辺倒の描写では、いかにもステレオタイプでリアリティに欠け、逆に厚みを損なうと言わざるを得ない。『落日燃ゆ』のタイトルも、今ひとつピンと来ないことに加え、いかにも美化し過ぎな印象が強く、正直物足りなさは残る。
とはいえ、「物来順応」の信条が示す恬淡な処世訓に徹し、最期まで貧乏籤続きの運命を全うした広田の生涯は、戦犯の汚名を濯げぬまま獄死した東郷同様、結果として、開戦の一端を担うことになった謗りは免れ得ないとしても、命の終焉に際しても、抗わぬ生き様を貫き通した、まるで石のように重く確かなものだったことは、充分に伝わってきた。処刑前に、万歳を漫才と皮肉ったエピソードの真偽は定かでないらしいが、文官ながら、武人以上の武士道を体現して逝った広田の歴史小説として見れば、この程度の解釈或いは脚色は許されることだろう。
広田の茫洋とした風貌には、品性とともに、底知れぬ深みを感じる。もう少々多面的な広田像に触れたい気持ちがあり、次は『黙してゆかむ 広田弘毅の生涯』(北川晃二/講談社)・『広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像』(服部龍二/中央公論新社)あたりを読んでみようかと思う。
2021年3月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
広田広毅の生涯を冷静に描いた作品。
昭和前期の戦争の時代を知る為にも、読むべき一冊だと思います。
昭和前期の戦争の時代を知る為にも、読むべき一冊だと思います。