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さぶ (新潮文庫) 文庫 – 1965/12/28

4.4 5つ星のうち4.4 739個の評価

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大丈夫。独りじゃないよ。
生きる力―。人間のあるべき姿を描く、心揺さぶる名作。


江戸下町の表具店で働くさぶと栄二。男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶは、深い友情で結ばれていた。ある日、栄二は盗みの罪を着せられる。怒りのあまり自暴自棄になり、人足寄場に流れ着く栄二。人間すべてに不信感を持つ栄二をさぶは忍耐強く励まし、支える。一筋の真実と友情を通じて人間のあるべき姿を描く時代長編。
葉室麟「山本周五郎と私 人生の問い」、奥野政元「解説 受難と再生の物語」を収録。注釈付文字拡大新装版。

山本周五郎(1903-1967)
山梨県に生まれる。本名は清水三十六(さとむ)。小学校卒業後、銀座の質屋で奉公、後に筆名としてその名を借りることになる店主・山本周五郎の庇護のもと、同人誌などに小説を書き始める。1926年、「文藝春秋」に『須磨寺附近』を発表、文壇デビューを果たした。その後15年近く不遇の時代が続くが、やがて時代小説の分野で認められはじめる。『日本婦道記』(1942-1946)で直木賞に推されるがこれを辞退、生涯で一個の賞も受けることはなかった。『樅ノ木は残った』(1958)、『赤ひげ診療譚』(1958)、『おさん』(1961)など次々と名作を発表し、人間に対する深い愛と洞察力で多くの読者の支持を得た。中でも『青べか物語』(1960)は著者畢生の名作として名高い。


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【新潮文庫】山本周五郎 作品 橋本左内の最期を描いた「城中の霜」、武士のまごころを描く「水戸梅譜」、お家騒動をユーモラスにとらえた「日日平安」など、全11編。 一度も奉行所に出仕せずに、奇抜な方法で難事件を解決してゆく町奉行の活躍を描く表題作ほか、「寒橋」など傑作短編10編を収録する。 居酒屋で、いつも黙って飲んでいる一人の浪人の胸のすく活躍と人情味あふれる子育ての物語「人情裏長屋」など、”長屋もの” 11 編。 子供のある家来と出奔し小さな幸福にすがって生きる妹と、それを斬りに遠国まで追った兄との静かな出会い──。表題作など10編。 昔、縁談の申し込みを断られた女から夫の仕官の世話を頼まれた武士がとる思いがけない行動を描いた表題作など、初期の傑作12編。 職人仲間のさぶと栄二。濡れ衣を着せられ捨鉢になる栄二を、さぶは忍耐強く支える。友情を通じて人間のあるべき姿を描く時代長編。
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つゆのひぬま 四日のあやめ 一人ならじ 花杖記 扇野 あんちゃん
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娼家に働く女の一途なまごころに、虐げられた不信の心が打負かされる姿を感動的に描いた人間讃歌「つゆのひぬま」等 9編を収める。 武家の法度である喧嘩の助太刀のたのみを、夫にとりつがなかった妻の行為をめぐり、夫婦の絆とは何かを問いかける表題作など 9 編。 合戦の最中、敵が壊そうとする橋を、自分の足を丸太代りに支えて片足を失った武士を描く表題作等、無名の武士の心ばえを捉えた 14 編。 父を殿中で殺され、家禄削減を申し渡された加乗与四郎が、事件の真相をあばくまでの記録「花杖記」など、武家社会を描き出す傑作集。 なにげない会話や、ふとした独白のなかに男女のふれあいの機微と、人生の深い意味を伝える”愛情もの”の秀作 9 編を選りすぐった。 妹に対して道ならぬ感情を持った兄の苦悶とその思いがけない結末を通して、人間関係の不思議さを凝視した表題作など 8編を収める。
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やぶからし 花も刀も 朝顔草紙 夜明けの辻 ならぬ堪忍 おさん
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幸せな家庭や子供を捨ててまで、勘当された放蕩者の前夫にはしる女心のひだの裏側を抉った表題作ほか、「ばちあたり」など全 12 編。 剣ひと筋に励みながら努力が空回りし、ついには意味もなく人を斬るまでの、平手幹太郎(造酒)の失意の青春を描く表題作など 8 編。 顔も見知らぬ許婚同士が、十数年の愛情をつらぬき藩の奸物を討って結ばれるまでを描いた表題作ほか、「違う平八郎」など全 12 編収録。 藩の内紛にまきこまれた二人の青年武士の、友情の破綻と和解までを描いた表題作や、”こっけい物”の佳品「嫁取り二代記」など 11 編。 生命を賭けるに値する真の”堪忍”とは──。「ならぬ堪忍」他「宗近新八郎」「鏡」など、著者の人生観が滲み出る戦前の短編全 13 作。 純真な心を持ちながら男から男へわたらずにはいられないおさん──可愛いおんなであるがゆえの宿命の哀しさを描く表題作など 10 編。
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赤ひげ診療譚 日本婦道記 青べか物語 五瓣の椿 柳橋物語・むかしも今も 季節のない街
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貧しい者への深き愛情から”赤ひげ”と慕われる、小石川養生所の新出去定。見習医師との魂のふれあいを描く医療小説の最高傑作。 厳しい武家の定めの中で、愛する人のために生き抜いた女性たちの清々しいまでの強靭さと、凜然たる美しさや哀しさが溢れる31編。 うらぶれた漁師町・浦粕に住み着いた私はボロ舟「青ベか」を買わされた──。狡猾だが世話好きの愛すべき人々を描く自伝的小説。 連続する不審死。胸には銀の釵が打ち込まれ、傍らには赤い椿の花びら。おしのの復讐は完遂するのか。ミステリー仕立ての傑作長編。 幼い恋を信じた女を襲う悲運「柳橋物語」。愚直な男がṃんだ幸せ「むかしも今も」。男女それぞれの一途な愛の行方を描く傑作二編。 生きてゆけるだけ、まだ仕合わせさ──。貧民街で日々の暮らしに追われる住人たちの 15 の悲喜を描いた、人生派・山本周五郎の傑作。
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おごそかな渇き 寝ぼけ署長 栄花物語 周五郎少年文庫 臆病一番首―時代小説集― 大炊介始末
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”現代の聖書”として世に問うべき構想を練った絶筆「おごそかな渇き」など、人生の真実を求めてさすらう庶民の哀歓を謳った 10 編。 署でも官舎でもぐうぐう寝てばかりの”寝ぼけ署長”こと五道三省が人情味あふれる方法で難事件を解決する。周五郎唯一の警察小説。 非難と悪罵を浴びながら、頑ななまでに意志を貫いて政治改革に取り組んだ老中田沼意次父子を、時代の先覚者として描いた歴史長編。 合戦が終わるまで怯えて身を隠している「違う方の」本多平八郎の奮起を描く表題作等、少年向け時代小説に新発見2編を加えた21編。 自分の出生の秘密を知った大炊介が、狂態を装って父に憎まれようとする姿を描く「大炊介始末」のほか、「よじょう」等、全 10 編を収録。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1965/12/28)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1965/12/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 496ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101134103
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101134109
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 739個の評価

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山本 周五郎
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく面白い。江戸庶民の暮らしを通して人の生きる道を示す圧倒的筆力に凄みを感じます。
2023年4月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ミステリーの傑作だと思う。ラストまで、主人公
嵌めた犯人は誰か気が付かなかった。犯人の動機も深いと思う。今までの出来事が全てプラスに働き、ハッピーエンドに着地する展開も見事だと思った
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年2月5日に日本でレビュー済み
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電子書籍で読了出来た 文庫本では今の私には読めなかった
電子書籍のありがたさを感じています
本の内容よりも 電子書籍の便利さに感心しています
79歳くまごろう
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちゃんと届いてよかった。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年9月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
さぶちゃんのひたむきで純真な心と行動に敬服し、栄ちゃんの人間らしい在り方と心の変化が素晴らしい。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年10月27日に日本でレビュー済み
昭和の大小説家山本周五郎に挑戦しようと代表作である本作に挑戦。
表題は「さぶ」だけど主人公は違うのね。
序盤時間の表現に「午後5時」などと出てくるので明治の話か?と思ってしまう。でも武家が出てくるのでやはり江戸時代なんだなと自分を納得させる。読み進めていく内に今度は人足寄場を作った長谷川平蔵(宣以)から100年以上が経ってなどと出てくる。ちょっと面食らう。100年以上経ったら明治や大正になってしまう。
栄二を陥れることになった事件の犯人は○○○ではないかと薄っすらと思っていたのだが、何故かさぶの自供?があり、あぁ間違ったかと思っていると結局私が目星をつけていた人物が真犯人が名乗りを上げて大団円になるのはご都合主義が鼻をつく。しかもさぶだと許せないのにこの真犯人だと許せるどころか感謝までしていまうというのはちょっとね。さぶが可哀相。でも大団円だから良しとしよう。
人足寄場に送られた栄二の事を寄せ場の役人岡安喜兵衛や下役人松田権蔵等が何故目をかけていたのか理由がわからなかった。当時の彼は寄せ場に送られてくる多くの無宿人の一人でしかなく、彼らからすれば特別扱いをする何の理由もなかった。それどころかやたらと楯突く厄介な若造に過ぎなかった。それなのに彼らは何かにつけ目をかけていた。あるいは北町奉行所与力青木某から何らかの事情がありそうだとの情報が伝えられたのかもしれないが、それだけでは特別扱いする理由としては薄い。
寄せ場で問題を起こした栄二が北町奉行所に送られた後何の説明もなく無罪放免になるが、その理由の説明無し。ちょっと不親切と言うか、そりゃあんまりでしょ。ストーリーを進める必要のあった作者の苦肉の策なのか?
とは言え人情の機微と栄二の成長を描く筆の細やかさは気持ち良かったです。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読みやすく 値段も手ごろな価格でよい。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
俳優をしている息子がこのタイトルの舞台に出たので、あらかじめ読んだことでストーリが頭に入っていてステージを楽しく元ができた。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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