山本周五郎の作品の中では,特に淡々とした展開に思いました.
ではありながら,主人公の独語,考えの中に自分の今の生き方を見直させてくれる者があることは確かです.
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山彦乙女 (新潮文庫) 文庫 – 1974/10/22
山本 周五郎
(著)
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武田家再興――百三十余年にわたる悲願に翻弄される甲州甘利郷のみどう一族。江戸の新御番、安倍半之助は甲府勤番中に失踪した叔父の遺品を調べるうち、叔父を狂気へと導いた武田家の莫大な遺産をめぐる「かんば沢」の妖しい謎のとりことなり、己れもまた甲州へと出奔してゆく。著者の郷里甲州の雄大な自然を舞台に謳いあげた、周五郎文学に特異な位置を占める怪奇幻想の大ロマン。
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1974/10/22
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410113426X
- ISBN-13978-4101134260
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1974/10/22)
- 発売日 : 1974/10/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 304ページ
- ISBN-10 : 410113426X
- ISBN-13 : 978-4101134260
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 317,693位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年8月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年7月22日に日本でレビュー済み
過去も現在も、未来も、人間は生きてきて、悩んだり苦しんだり、愛したり憎んだりしながら、やがて死んでゆき、忘れられてしまう。――山本周五郎の伝奇小説『山彦乙女』(新潮文庫)の一節である。
「人間の為したこと、為しつつあること、これから為すであろうことは、すべて時間の経過のなかに、かき消されてしまう」と続く。これだけだと溜め息が出そうになるが、「慥(たし)かなのは、自分がいま生きている、ということだ。生きていて、ものを考えたり、悩んだり、苦しんだり、愛しあったりすることができる、ということだ」という部分までくると救われる。
「人間はなにを為したかではなく、何を為そうとしたか」が大切だというのが、周五郎の人生観であった。
周五郎の作品の中から心に染み入ってくる言葉を選び出し、「下町――人情のぬくもり」「職人――矜持と意地」「岡場所――苦界の女たちの涙」「士道――武士の本分」「医道・芸道・婦道――ひとすじの道」「滑稽――ユーモアとペーソス」「不思議――夢か現かワンダーランド」「法――裁きとゆるし」「現代――都市と人間」「エッセイ――読者へのエール」のジャンルに分類したのが、『山本周五郎のことば』(清原康正著、新潮新書)である。恰好の周五郎文学案内にもなっている。
「人間の為したこと、為しつつあること、これから為すであろうことは、すべて時間の経過のなかに、かき消されてしまう」と続く。これだけだと溜め息が出そうになるが、「慥(たし)かなのは、自分がいま生きている、ということだ。生きていて、ものを考えたり、悩んだり、苦しんだり、愛しあったりすることができる、ということだ」という部分までくると救われる。
「人間はなにを為したかではなく、何を為そうとしたか」が大切だというのが、周五郎の人生観であった。
周五郎の作品の中から心に染み入ってくる言葉を選び出し、「下町――人情のぬくもり」「職人――矜持と意地」「岡場所――苦界の女たちの涙」「士道――武士の本分」「医道・芸道・婦道――ひとすじの道」「滑稽――ユーモアとペーソス」「不思議――夢か現かワンダーランド」「法――裁きとゆるし」「現代――都市と人間」「エッセイ――読者へのエール」のジャンルに分類したのが、『山本周五郎のことば』(清原康正著、新潮新書)である。恰好の周五郎文学案内にもなっている。
2021年12月16日に日本でレビュー済み
・武田家再興、これをテーマに据えた作品の中で、周五郎ならではの面白味が凝らされた、幻想味ある壮快な浪漫小説。大衆作家の自負が濃く匂う快作。