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人情裏長屋 (新潮文庫) 文庫 – 1980/9/25

4.0 5つ星のうち4.0 193個の評価

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居酒屋で、いつも黙って飲んでいる一人の浪人の胸のすく活躍と人情味あふれる子育ての物語「人情裏長屋」など、“長屋もの"11編。
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出版社より

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日に痴平安 町奉行日記 人情裏長屋 雨の山吹 人情武士道 さぶ
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【新潮文庫】山本周五郎 作品 橋本左内の最期を描いた「城中の霜」、武士のまごころを描く「水戸梅譜」、お家騒動をユーモラスにとらえた「日日平安」など、全11編。 一度も奉行所に出仕せずに、奇抜な方法で難事件を解決してゆく町奉行の活躍を描く表題作ほか、「寒橋」など傑作短編10編を収録する。 居酒屋で、いつも黙って飲んでいる一人の浪人の胸のすく活躍と人情味あふれる子育ての物語「人情裏長屋」など、”長屋もの” 11 編。 子供のある家来と出奔し小さな幸福にすがって生きる妹と、それを斬りに遠国まで追った兄との静かな出会い──。表題作など10編。 昔、縁談の申し込みを断られた女から夫の仕官の世話を頼まれた武士がとる思いがけない行動を描いた表題作など、初期の傑作12編。 職人仲間のさぶと栄二。濡れ衣を着せられ捨鉢になる栄二を、さぶは忍耐強く支える。友情を通じて人間のあるべき姿を描く時代長編。
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つゆのひぬま 四日のあやめ 一人ならじ 花杖記 扇野 あんちゃん
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娼家に働く女の一途なまごころに、虐げられた不信の心が打負かされる姿を感動的に描いた人間讃歌「つゆのひぬま」等 9編を収める。 武家の法度である喧嘩の助太刀のたのみを、夫にとりつがなかった妻の行為をめぐり、夫婦の絆とは何かを問いかける表題作など 9 編。 合戦の最中、敵が壊そうとする橋を、自分の足を丸太代りに支えて片足を失った武士を描く表題作等、無名の武士の心ばえを捉えた 14 編。 父を殿中で殺され、家禄削減を申し渡された加乗与四郎が、事件の真相をあばくまでの記録「花杖記」など、武家社会を描き出す傑作集。 なにげない会話や、ふとした独白のなかに男女のふれあいの機微と、人生の深い意味を伝える”愛情もの”の秀作 9 編を選りすぐった。 妹に対して道ならぬ感情を持った兄の苦悶とその思いがけない結末を通して、人間関係の不思議さを凝視した表題作など 8編を収める。
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やぶからし 花も刀も 朝顔草紙 夜明けの辻 ならぬ堪忍 おさん
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幸せな家庭や子供を捨ててまで、勘当された放蕩者の前夫にはしる女心のひだの裏側を抉った表題作ほか、「ばちあたり」など全 12 編。 剣ひと筋に励みながら努力が空回りし、ついには意味もなく人を斬るまでの、平手幹太郎(造酒)の失意の青春を描く表題作など 8 編。 顔も見知らぬ許婚同士が、十数年の愛情をつらぬき藩の奸物を討って結ばれるまでを描いた表題作ほか、「違う平八郎」など全 12 編収録。 藩の内紛にまきこまれた二人の青年武士の、友情の破綻と和解までを描いた表題作や、”こっけい物”の佳品「嫁取り二代記」など 11 編。 生命を賭けるに値する真の”堪忍”とは──。「ならぬ堪忍」他「宗近新八郎」「鏡」など、著者の人生観が滲み出る戦前の短編全 13 作。 純真な心を持ちながら男から男へわたらずにはいられないおさん──可愛いおんなであるがゆえの宿命の哀しさを描く表題作など 10 編。
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赤ひげ診療譚 日本婦道記 青べか物語 五瓣の椿 柳橋物語・むかしも今も 季節のない街
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貧しい者への深き愛情から”赤ひげ”と慕われる、小石川養生所の新出去定。見習医師との魂のふれあいを描く医療小説の最高傑作。 厳しい武家の定めの中で、愛する人のために生き抜いた女性たちの清々しいまでの強靭さと、凜然たる美しさや哀しさが溢れる31編。 うらぶれた漁師町・浦粕に住み着いた私はボロ舟「青ベか」を買わされた──。狡猾だが世話好きの愛すべき人々を描く自伝的小説。 連続する不審死。胸には銀の釵が打ち込まれ、傍らには赤い椿の花びら。おしのの復讐は完遂するのか。ミステリー仕立ての傑作長編。 幼い恋を信じた女を襲う悲運「柳橋物語」。愚直な男がṃんだ幸せ「むかしも今も」。男女それぞれの一途な愛の行方を描く傑作二編。 生きてゆけるだけ、まだ仕合わせさ──。貧民街で日々の暮らしに追われる住人たちの 15 の悲喜を描いた、人生派・山本周五郎の傑作。
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おごそかな渇き 寝ぼけ署長 栄花物語 周五郎少年文庫 臆病一番首―時代小説集― 大炊介始末
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”現代の聖書”として世に問うべき構想を練った絶筆「おごそかな渇き」など、人生の真実を求めてさすらう庶民の哀歓を謳った 10 編。 署でも官舎でもぐうぐう寝てばかりの”寝ぼけ署長”こと五道三省が人情味あふれる方法で難事件を解決する。周五郎唯一の警察小説。 非難と悪罵を浴びながら、頑ななまでに意志を貫いて政治改革に取り組んだ老中田沼意次父子を、時代の先覚者として描いた歴史長編。 合戦が終わるまで怯えて身を隠している「違う方の」本多平八郎の奮起を描く表題作等、少年向け時代小説に新発見2編を加えた21編。 自分の出生の秘密を知った大炊介が、狂態を装って父に憎まれようとする姿を描く「大炊介始末」のほか、「よじょう」等、全 10 編を収録。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1980/9/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1980/9/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 376ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101134324
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101134321
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 193個の評価

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山本 周五郎
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2022年2月27日に日本でレビュー済み
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もっと早く読むべきだった
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2020年10月30日に日本でレビュー済み
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テレビで「子連れ信兵衛」をやっていて、
初めて山本周五郎を読む。
はずむような文章のリズム、一気に読んでしまう。
「裏長屋」はもちろん、良かったが
とくに、「泥棒と若殿」は感動した。

人間のこころ、人間の自由、人間の責任について、考えさせられた。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年9月29日に日本でレビュー済み
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特にない
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年6月29日に日本でレビュー済み
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1~9作は時代物で昭和20年代に書かれた物。10~11作は昭和ひと桁代の作品で少し違う。明らかに1~9作は良く出来ている。10~11作まだ周五郎氏若かりし頃かな。私が言うのも憚れるが、筆の上達さが伺える。
「おもかげ抄」
梶派一刀流、剣の達人、鎌田孫次郎は亡き妻の椙江のおもかげを忘れられず長屋では甘太郎とバカにされていた。ある時、たまたま通りかかった沖田源左衛門は孫次郎の剣術の優れている事を知り「倅に教授されたい」望み、沖田家へ通ううちに孫次郎の心根の優しさに心を打たれ、孫次郎に重大なお願いをする。源左衛門の人を見る目の確かさ、それを確信した時の思い切った行動に読んでいて心が清々しくなりました。
「三年目」
広田屋の棟梁伊兵衛は普請場で大怪我をして儚い事になってしまった。臨終する少し前、伊兵衛は弟子の友吉に娘のお菊と一緒になって広田屋を盛り返して欲しいと遺言する。だが一つ心配なのは友吉が手慰みをする事だと付け加えた。匕首で胸を刺された様なショックを受けた友吉は二度とサイコロには手を出さぬと親方に約束し、江戸にいる悪仲間と離れるため上方へ行って性根を入れ替え一生懸命働いた。留守中お菊の事は弟弟子の角太郎に任せた。三年経って立派な立ち直った友吉が帰ってみると、思いもよらない事態になっており、角太郎の裏切りに怒りが込み上げてきた。でも事実は違う処にあった。「さぶ」の栄二とさぶの関係にも似たような兄弟弟子二人の友情を記した心温まる名作でした。
「風流化物屋敷」
安芸の国広島の城下に幽霊が出ると噂され人も寄せ付けぬ化物屋敷があり柘榴屋敷と呼ばれていた。江戸家老の植田主水を絶家した二十七歳の三男坊御座平之助が、その屋敷へ越してきた。彼は何不自由なく育ち、のんびりした性格で純真無垢で生一本で明朗でほとんど民情に疎かった。ある夜、噂通り平之助の寝床へ一つ目の幽霊が表れた。彼はそんなのんびりした世間知らずだから恐れるどころか「目が一つしか無かったら、さぞ不自由だろう」と心配するほどだった。(ここで私は大笑いでした)幽霊の格好までしてこの屋敷に人を寄せ付けない様にするのは、何が目的だったのだろう。とみ嬢が表れそんな平之助に上手く知恵をつけ大団円に終わる秀逸な滑稽噺でした。
「人情裏長屋」
松村信兵衛は木挽町の裏長屋に住む浪人だった。彼はいつも酒に酔っているが人々への面倒見も良く長屋の住人には好かれていた。家賃の立て替えなどしばしばだった。ある日長屋へ帰った信兵衛は吃驚した。数日前越して来て家賃も工面した沖石主殿が身を立てるため、世に出たら迎えに来ると言って乳呑み児の鶴之助を長屋に置いていってしまったのだ。信兵衛は非情な親だと憤るのだが、優しい性格の彼は哀れな乳呑み児を見て放ってはおけず世話をし始め、立派に育てるからと懸命に育児に励む様になる。世話すれば世話するほど信兵衛は赤子が可愛くなり、すぐにレロレロの父親になってしまう。ここは読んでいて微笑ましい。すっかり鶴之助に愛情を注ぎこんだ信兵衛だったが、ある日、沖石が戻ってくるのだ。
信兵衛はどうしたか?立派でした。心情あふれる超素晴らしい名作でした。
「泥棒と若殿」
成信は、その古びた屋敷に入ってから幾日か経っていた。金も無ければ煮炊きも出来ず、後は飢えて死ぬまでと観念していた。ある夜、伝九郎と言う一人の頓馬な泥棒が屋敷に入り込んだ。古びた屋敷で床板が腐り落ち頓馬な伝九郎は溝にはまってしまう。それでも抜け出し部屋を物色するが何も無かった。それでも一人ぽつねんとしている成信を見つけると、脅して金の在りかを聞き出すが持っていない事に諦めてしまう。成信の姿を見て生への諦めの様なものを感じ、伝九郎は信成の衣食の世話をすると言う奇妙な共同生活が始まった。伝九郎は、昼は外に出て賃仕事で稼ぎ夕方屋敷に戻って成信の食事を用意する。ここらあたりの二人の人間関係は実に美しい。跡目継承の問題が片付き久左衛門が成信を迎えに来て、嫌だという成信を説得し城へ帰ることになってしまう。成信が、歯を食いしばり、耳を塞いで伝九郎と別れるところは実に辛い。
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この時代は身分が人の一生を左右していた。天一坊と言う者が身分を偽って吉宗公の嫡出子であると名乗って江戸へ乗り込んだ事件が有った。縄屋吾助は縄屋を開業し業務に精を出し三十八軒ほどある長屋まで所有するほどに財をなしていた。だが吾助は天一坊の事件を知り、武家大名の御落胤を捜し出して世話をし、それによって自らも出世しようと目論んだ。長屋中の住人に隠された身分の者がいるのではないかと調べ始める。その魂胆を見抜いた長屋の金太と銀太は柳原堤から一人の男を連れて来て、ある有名な大名の御落胤だと仕立てあげる、吾助はまんまと罠に嵌ってしまう。欲に駆られた人間が回りを見る事が出来なくなり、自分の都合の良い様に事物を捉えていく様を絶妙に描き、考えさせながら読んでしまった。
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桶屋の弥六はなまけ者だった。仕事をすれば良い仕事をするのだけど、真面目に働いた両親が、あっけなく死んでしまった事で、人間焦って働いても死んだら終わりだと考える様になってしまったからだ。妻お兼は弥六の代わりに賃仕事をして生活を助けたが、それがかえっていけないと思い、弥六に立ち直ってもらいたいと言う気持ちで実家へ帰った。一人になった弥六は、のんびりしたものだったが、ある夜、染次と言う辰巳で芸妓をして成仏出来ずに幽霊になっている女が表れた。幽霊だから何処へも行けて酒、飯、肴は何処からでも持ってこられる。楽な生活をしった弥六は、そんな粋で濃艶な幽霊と夫婦の契りを結んでしまうのだ。ただ、どうしても金だけは持ってこられず、二人で考えた新しい商売を始めるのだ。弥六の様な考えは人間だったら一度は誰でも考えた事が有るのではないかと思う。だが、人間は生きているうちに出来る事は出来る様にやらねばならぬのだ。
「雪の上の霜」
三沢伊兵衛は代々二百五十石で仕えた主家を浪人し以来七年あまり妻おたよと共に放浪の旅を続けている。今は、おたよが二か月も病気で倒れ、なお、お滝沢の湯治宿で予後の治療を続けていた。伊兵衛は稀な才能を持っている。学問は朱子、陽明、老子。武芸は刀法、槍、薙刀、柔術、棒、馬術、水連。どれをとっても一級の師範になれた。だが伊兵衛は、他人を押しのけたり出来ないばかりか、自分が誰かを押しのけ邪魔になっていると分かると、自分から身を引いてしまう。おたよは夫は出世出来ないと分かっていた。ある日伊兵衛の力量を見抜いた小室青岳に自分の道場で稽古を付けて欲しいと頼まれ、高額の謝礼を貰い通う事になる。だが青岳は扶持を取っていた。扶持を取っているばかりに扶持を失いたくない、道場や門人を失いたくない、安楽な生活を失いたくないと考えるあまり、武士たちが町人たちに無礼な振る舞いをしたり、貧しい者達に刀で脅かしたりする様を見て見ぬ振りをしなければならなかった。伊兵衛にはそういう事に折り合いをつける事が出来なかった。
「秋の籠」
南八丁堀の裏長屋に住む六助と中次は組棒のカゴ屋だった。二人は実の兄弟の様に仲が良かったが、つまらない事ですぐ喧嘩をしてしまう。そんな時北八丁堀にある「金魚」のお梅が、いつもそれと無く仲直りさせていたのだ。その「金魚」にいそと言う旦那風な男が来ていて、二人に箱根まで通しで五両の駄賃で言ってくれと頼まれる。思わぬ大金に二人は勇んで箱根までの路を進が、行く手に思いもかけない出来事が待っていた。正直者だった二人が最後に良い思いをして、心さわやかな気分になれた。
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動物園から何人も人間に噛みついた事が有るという豹が逃げ出した。町中を徘徊する豹の姿に人々は怯えた。正三の兄はアメリカで客死していて兄嫁は神戸に住んでいた。父の勧めもあり正三は兄の家が有った処の須磨に行き、兄嫁の純子は母屋に、正三は離れで暮らしていた。そんな折の豹の逃亡だったので、純子は不用心だからと正三に母屋の二階で寝る様に勧めた。ある夜、豹が表れたと純子が正三の部屋にくる。だが純子が言った数時間前に豹は捕まっていたのだった?
「麦藁帽子」
温泉のある海村へやってきた斧田は断崖の岬の方へ散歩に行った。そこに一人の老人が大きな麦藁帽子を被ってぽつねんと釣り糸を垂れていた。隣に座り込んだ斧田は老人の古い話を聞かされる。宿に帰った斧田は女中に、それは作り話ですよ、と老人をバカにした。だが斧田は再び今度は自分も釣竿を持って、老人が釣りをしている処を訪れる。老人は昨日の話の続きを話し出した。東京へ帰った斧田の元へ一通の手紙が届き老人が麦藁帽子を握ったまま海に落ちて死んだ事が書いてあった。本当の真実を知っているのは斧田だけになってしまった。

全11作のうち10作と11作の「豹」「麦藁帽子」は昭和8~9年に書かれた作で直木賞辞退以前の作で、他は時代物なのに2作は比べて趣が違う。周五郎不遇の時代の作で少し力無さを感じてしまった。それまでが良かっただけに。1~9作は昭和20年代の作で周五郎氏はすでに世に知れ渡って頃の作だと思う。この9作に共通しているのが1作の中に二つのプロットと言うか挿話が有り2度楽しめる。どれも素晴らしいが取り分けて言えば「人情裏長屋」で人間の感情や心理が場面や状況によって揺れ動く様を描き、特に信兵衛が赤ちゃん言葉を使うシーンなどは笑ってしまった。最後に涙ありで良作でした!
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2016年1月18日に日本でレビュー済み
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TVドラマになるので読みました。だいぶ規約本は異なっていますが、楽しい作品です。
2019年12月12日に日本でレビュー済み
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小学生のときに読んで以来、山周のファンになりました。今回45年ぶりに読んでいますが、いいですね。小説というのは大概悪人が出てくるものですが、山周にはそれがない、読み終わったあとは幸せな気持ちだけが残る。まだの方は是非ともご一読を
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2013年2月16日に日本でレビュー済み
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人生における人情の重要性を上手に描いているが、良く似た内容の短編が続き少しあきる。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2013年12月14日に日本でレビュー済み
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高橋英樹の時代劇が懐かしくて検索していたら、これが原作と知って購入
短編集なので面白かったり、退屈だったり、いろいろ
テレビの原作になっていた編は、面白かった
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