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関ケ原(上) (新潮文庫) 文庫 – 1974/6/24
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現代日本の形を決めた世紀の闘い。天下分け目の決戦「関ケ原」。武将たちはいかに戦ったのか?
東西両軍の兵力じつに十数万、日本国内における古今最大の戦闘となったこの天下分け目の決戦の起因から終結までを克明に描きながら、己れとその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦国諸雄の人間像を浮彫りにする壮大な歴史絵巻。秀吉の死によって傾きはじめた豊臣政権を簒奪するために家康はいかなる謀略をめぐらし、豊家安泰を守ろうとする石田三成はいかに戦ったのか?
【目次】
高宮の庵
人と人
女と女
奈良
軒猿たち
伏見城下
菓子
秀吉と家康
狼藉
秀吉の死
博多の清正
桔梗紋
霜の朝
訴訟
藤十郎の娘
暗躍
大坂へ
問罪使
評判
暗殺
向島
黒装
藤堂屋敷
利家の死
暮春
密約
脱走
変幻
謀才・謀智・謀略・謀議
瀬田の別れ
威望
大芝居
大坂城へ
西ノ丸
芳春院
司馬遼太郎(1923-1996)
大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を一新する話題作を続々と発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。1993(平成5)年には文化勲章を受章。“司馬史観"とよばれる自在で明晰な歴史の見方が絶大な信頼をあつめるなか、1971年開始の『街道をゆく』などの連載半ばにして急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。
- 本の長さ544ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1974/6/24
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101152128
- ISBN-13978-4101152127
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【新潮文庫】司馬遼太郎 作品 | 信長、秀吉……権力者たちの陰で、凄絶な死闘を展開する二人の忍者の生きざまを通して、かげろうの如き彼らの実像を活写した長編。〈直木賞受賞〉 | 幕末の混乱の中で、劣等感から命ぜられるままに人を斬る男の激情と苦悩を描く表題作ほか変革期に生きた人間像に焦点をあてた 8 編。 | 戦国時代の武将たちに利用され、やがて殺されていった忍者たちを描く表題作など、歴史に埋もれた興味深い人物や事件を発掘する。 | 戦国の争乱期に遅れた伊達政宗の生涯を描く表題作。坂本竜馬ひきいる海援隊員の、英国水兵殺害に材をとる「慶応長崎事件」など 7 編。 | 歴史小説に新時代を画した司馬文学の発想の源泉と積年のテーマ、”権力とは””日本人とは”に迫る、独自な発想と自在な思索の軌跡。 | 初めてこの地を旅した著者が、「文明」と「文化」を見分ける独自の透徹した視点から、人類史上稀有な人工国家の全体像に肉迫する。 |
草原の記 | 司馬遼太郎が考えたこと 1~15 | 国盗り物語〔一〕~〔四〕 | 燃えよ剣〔上・下〕 | 新史 太閤記〔上・下〕 | 花神〔上・中・下〕 | |
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一人のモンゴル女性がたどった苛烈な体験をとおし、 20 世紀の激動と、その中で変わらぬ営みを続ける遊牧の民の歴史を語り尽くす。 | 40年以上の創作活動のかたわら書き残したエッセイの集大成シリーズ。第 1 巻は新聞記者時代から直木賞受賞前後までの 89 篇を収録。 | 貧しい油売りから美濃国主になった斎藤道三、天才的な知略で天下統一を計った織田信長。新時代を拓く先鋒となった英雄たちの生涯。 | 組織作りの異才によって、新選組を最強の集団へ作りあげてゆく”バラガキのトシ”──剣に生き剣に死んだ新選組副長土方歳三の生涯。 | 日本史上、最もたくみに人の心を捉えた”人蕩し”の天才、豊臣秀吉の生涯を、冷徹な史眼と新鮮な感覚で描く最も現代的な太閤記。 | 周防の村医から一転して官軍総司令官となり、維新の渦中で非業の死をとげた、日本近代兵制の創始者大村益次郎の波瀾の生涯を描く |
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秀頼、淀殿を挑発して開戦を迫る家康。大坂冬ノ陣、夏ノ陣を最後に陥落してゆく巨城の運命に託して豊臣家滅亡の人間悲劇を描く。 | 秦の始皇帝没後の動乱中国で覇を争う項羽と劉邦。天下を制する”人望”とは何かを、史上最高の典型によってきわめつくした歴史大作。 | 猿飛佐助の影となって徳川に立向った忍者霧隠才蔵と真田十勇士たち。屈曲した情熱を秘めた忍者たちの人間味あふれる波瀾の生涯。 | 徳川三百年の礎を、隷属忍従と徹底した模倣のうちに築きあげていった徳川家康。俗説の裏に隠された”タヌキおやじ”の実像を探る。 | 幕末の激動期に、封建制の崩壊を見通しながら、武士道に生きるため、越後長岡藩をひきいて官軍と戦った河井継之助の壮烈な生涯。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1974/6/24)
- 発売日 : 1974/6/24
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 544ページ
- ISBN-10 : 4101152128
- ISBN-13 : 978-4101152127
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 26,393位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1923年大阪市生まれ。大阪外国語学校蒙古語部卒。「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞、『梟の城』で直木賞を受賞。『竜馬がゆく』『国盗り物語』『坂 の上の雲』『空海の風景』『翔ぶが如く』など構想の雄大さ、自在で明晰な視座による作品を多数発表。この他『街道をゆく』『風塵抄』『この国のかたち』な どの紀行、エッセイも多数。’96年逝去(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 司馬遼太郎と寺社を歩く (ISBN-13: 978-4334747213)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
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小早川が裏切らなかったら、、毛利本隊が関ヶ原まで来ていたら、、「もし」を何個も考えてしまうが結果そうなっていないのだから家康派の策謀により合戦前から勝敗は決していたのかな。
初芽は架空の人物とのことだが初芽を登場させることにより「小説」としてはかなり面白くなっていると思う。
私はその主人公格の4人の中で、特に本田正信の性格が印象に残っている。鷹匠から成りあがった人物で、立身出世の野心というものはまるでなく、大名より身分の低い発給の身で、家康の権威をかさに着て大名や高貴な身分にある人と会い、その人物を吟味することを無上の喜びとする人物として描かれていた。これは司馬の作家になる前の職業であるマスコミに従事する者のあるべき姿か、もしくは実在する司馬が好意を持つマスコミ従事者のありのままの姿のように見えた。このような正信の人物像を際立たせるために、第2次上田合戦での徳川秀忠の失敗について、あえて描かなかったようにも見えた。
わたしは誰のファンにもならなかった。それよりこの戦いにどう対応したかで、滅んだ一族が
あり、明治維新そして現代まで生き延びた一族がいる。まさに歴史の流れを決めた戦いで、
何度読んでも壮大な歴史のロマンに打たれるからである。
「九州の余った米が大阪に運ばれ、それを東北の武士が買っていく」というように、経済が日本
全国規模で動き出すのは、秀吉の天下統一後のことである。それ以前は、地域社会の中で動いて
いたにすぎなかった。これが実現したのは秀吉の功績だ。世の中が一度この段階を経験すれば、
もう二度と逆戻りはしないだろう。
しかし秀吉は晩年に無用な朝鮮征伐を起こし、豊臣家の基盤を自ら破壊してしまった。
幼い秀頼では天下統一を維持できず、戦国の世に逆戻りする危険もあった。それなら、天下統一
を維持するにふさわしい人物が表舞台に出てくるしかあるまい。作者が描こうとした当時の世間
の空気は、こういうことであったのだろう。
三成は時代の流れに逆らい、豊臣家を存続させようとした。そこにすべての無理があったのでは
ないだろうか。しかし作者は黒田如水にこう言わせている。「三成のような寵臣までもが、
自己の保身を考えて家康のもとに走り、媚を売ったら、世の姿はくずれ、人はけじめを失う。
その点から言えば、あの男は十分に成功したのだ。」そこを書いてくれただけでも、司馬遼太郎
は歴史を読み取る天才の名にふさわしい。
ただただ感心するばかりの本でした。
本作では石田三成、徳川家康の対峙を主軸に関ヶ原の戦い、司馬さんならではの筆致で描かれています。
今からかなり以前、近所での読書会で読んでいたく感動し、今度は4度目。
令和の今だと豊臣秀吉があまり人気の無い一因には出世できたが最後、その人柄が試されるとあります。
秀吉さんにはさまざまな説があり、ある作家さんは尾張の人じゃ無い、日吉丸の幼名から、神官の血を引いていたという説。
また、それらはウソ、水呑み百姓から身を挙げたと様々な説があるわけです。
本書を読み感じた事は本書は悪役が出てきません。
さぞや徳川家康が悪い奴だと匂わせていますが、石田三成みたいな知恵のまわるだけ、どうも人間性に欠けるとまあ、色んな解釈が読み手としてあるでしょう。
この壮大な小説に結論をつけるのは難しい事ですが、戦国の世は悪人にならなくては生きて行けなかった、これはいえると思います。
僕なりの石田三成は徹底した管理の能力しかありませんでした。
それが悲劇とも思えますし、家康さんの根気強さ、周囲の人物。
戦国は大変だった。
戦って勝てなけれは、食べてゆけなかった。
正室も持てなかった。
司馬さんの後半の戦闘シーンは静か。ひたすら静から。
哀愁まで漂う。
三成が初芽を娶り、静かに暮らしておれば。
今となっては。
戦い終えた強者の痕。
関ヶ原では家康か三成の二者択一をせざる得ないわけで、そこに苦渋の選択が生まれたことでしょう。何せ、この二人の男に自家の運命を左右されることになるんですから。
ですから、現代でも、男の世界ではこの関ヶ原は単なる物語ですますわけにはいかない、だからと言って、家族や親、恋人を失望させるようなやみくもは許されない、人生、どう見切っていくかですね。関ヶ原は今日の物語だと思うのです。