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おせん (新潮文庫) 文庫 – 1985/9/27
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再び味わいたい、池波正太郎の世界。
「あなたね、女なんてものは裸にして見ないと、結局のところ、わからぬもんですよ」……。
直木賞受賞後、昭和40代半ばまでに書かれた、女性を主人公とした短編を集める。
〔けころ〕とよばれる娼家から身請けされ、いまは囲われ者となっているおせんと、かつてのなじみ客でゆすりの罪で島流しにあった男の母親との心のふれあいを描いた表題作。それがその男の口ぐせとも知らず“不作の生大根"という罵言にかっとなり、思わず殺してしまった世間知らずの娘の、その後の人生を追った「三河屋お長」。
ほかに「あいびき」「お千代」「梅屋のおしげ」など全13編収録。
【目次】
蕎麦切おその
烈女切腹
おせん
力婦伝
御菓子所・壺屋火事
女の血
三河屋お長
あいびき
お千代
梅屋のおしげ
平松屋おみつ
おきぬとお道
狐の嫁入り
解説:重金敦之
本書収録「三河屋お長」より
それから、四日目の朝であったが……。
坂本三丁目裏の正洞院の小坊主が二人、畑仕事で百姓地へ入って行き、弥市の家の傍を通ると、異様な臭気がただよっている。
只のにおいではない。
そこは、寺のものである。
「死人(しびと)のにおいじゃないか……」
本書「解説」より
「今の役者は、旗本の奥方をやらせても、お側(そば)女中でも、みんなおんなじ着物の着方になっちゃうんだからね」
この一言をもってしても、池波さんの女性に対する厳しい眼が感じられるというものだ。
本書に収録された十三編の短編小説は、いずれも女性を主人公にしており、彼女たちはみな池波さんの厳しい眼をくぐり抜けてきた人たちばかりである。善良な女性もいれば、性悪な女もいる。それは人間である以上、当然のことであって、生きているからこそ、良いこともすれば、悪いことも考えるのだ。
――重金敦之(「週刊朝日」副編集長)
池波正太郎(1923-1990)
東京・浅草生れ。下谷・西町小学校を卒業後、茅場町の株式仲買店に勤める。戦後、東京都の職員となり、下谷区役所等に勤務。長谷川伸の門下に入り、新国劇の脚本・演出を担当。1960(昭和35)年、「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3大シリーズをはじめとする膨大な作品群が絶大な人気を博しているなか、急性白血病で永眠。
- 本の長さ448ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1985/9/27
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101156263
- ISBN-13978-4101156262
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忍者丹波大介 | 男振 | 食卓の情景 | 闇の狩人〔上〕 | 闇は知っている | 上意討ち | |
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【新潮文庫】池波正太郎 作品 | 関ケ原の合戦で徳川方が勝利し時代の波の中で失われていく忍者の世界の信義……一匹狼となり暗躍する丹波大介の凄絶な死闘を描く。 | 主君の嗣子に奇病を侮 された源太郎は乱暴を働くが、別人の小太郎として生きることを許される。数奇な運命をユーモラスに描く。 | 鮨をにぎるあるじの眼の輝き、どんどん焼屋に弟子入りしようとした少年時代の想い出など、食べ物に託して人生観を語るエッセイ。 | 記憶喪失の若侍が、仕掛人となって江戸の闇夜に暗躍する。魑魅魍魎とび交う江戸暗黒街に名もない人々の生きざまを描く時代長編。 | 金で殺しを請け負う男が情にほだされて失敗した時、その頭に残忍な悪魔が棲みつく。江戸の暗黒街にうごめく男たちの凄絶な世界。 | 殿様の尻拭いのため敵討ちを命じられ、何度も相手に出会いながら斬ることができない武士の姿を描いた表題作など、十一人の人生。 |
散歩のとき何か食べたくなって | 雲霧仁左衛門〔前〕〔下〕 | さむらい劇場 | 忍びの旗 | 真田騒動―恩田木工― | 男の作法 | |
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春の浅蜊、秋の松茸、冬の牡蠣……季節折々の食の喜びを綴る「味の歳時記」ほか、江戸の粋を愛した著者の、食と旅をめぐる随筆集。 | 神出鬼没、変幻自在の怪盗・雲霧。政争渦巻く八代将軍・吉宗の時代、狙いをつけた金蔵をめざして、西へ東へ盗賊一味の影が走る。 | 八代将軍吉宗の頃、旗本の三男に生れながら、妾腹の子ゆえに父親にも疎まれて育った榎平八朗 。意地地と度胸で一人前に成長していく姿。 | 亡父の敵とは知らず、その娘を愛した甲賀忍者・上田源五郎。人間の熱い血と忍びの苛酷な使命とを溶け合わせた男の流転の生涯。 | 信州松代藩の財政改革に尽力した恩田木工の生き方を描く表題作など、大河小説『真田太平記』の先駆を成す”真田もの”5編。 | これだけ知っていれば、どこに出ても恥ずかしくない!てんぷらの食べ方からネクタイの選び方まで、”男をみがく”ための常識百科。 |
あほうがらす | 真田太平記(一~十二) | 獅子 | 編笠十兵衛〔上〕〔下〕 | 日曜日の万年筆 | むかしの味 | |
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人間のふしぎさ、運命のおそろしさ……市井もの、剣豪もの、武士道ものなど、著者の多彩な小説世界の粋を精選した11編収録。 | 天下分け目の決戦を、父・弟と兄とが豊臣方と徳川方とに別れて戦った信州・真田家の波瀾にとんだ歴史をたどる大河小説。全12巻。 | 幸村の兄で、「信濃の獅子」と呼ばれた真田信之。九十歳を超えた彼は、藩のため老中酒井忠清と対決する。『真田太平記』の後日譚。 | 幕府の命を受け、諸大名監視の任にある月森十兵衛は、赤穂浪士の吉良邸討入りに加勢。公儀の歪みを正す熱血漢を描く忠臣蔵外伝。 | 時代小説の名作を生み続けた著者が、さりげない話題の中に自己を語り、人の世を語る。手練の切れ味をみせる”とっておきの 51 話”。 | 人生の折々に出会った〔忘れられない味〕。それを今も伝える店を改めて全国に訪ね、初めて食べた時の感動を語り、心づかいを讃える。 |
あばれ狼 | 谷中・首ふり坂 | 黒幕 | 武士の紋章 | 人斬り半次郎 幕末編・賊将編 | おせん | |
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不幸な生い立ちゆえに敵・味方をこえて結ばれる渡世人たちの男と男の友情を描く連作3編と、『真田太平記』の脇役たちを描いた4編。 | 初めて連れていかれた茶屋の女に魅せられて武士の身分を捨てる男を描く表題作など、本書初収録の3編を含む文庫オリジナル短編集。 | 徳川家康の謀略を担って働き抜き、六十歳を越えて二度も十代の嫁を娶った男を描く「黒幕」など、本書初収録の4編を含む11編。 | 敵将の未亡人で真田幸村の妹を娶り、睦まじく暮らした滝川三九郎など、己れの信じた生き方を見事に貫いた武士たちの物語8編。 | 「今に見ちょれ」。薩摩の貧乏郷士、中村半次郎は、西郷と運命的に出遇った。激動の時代を己れの剣を頼りに駆け抜けた一快男児の半生。 | あ く ま で も 男 が 中 心 の 江 戸 の 街 。 そ の 陰 に あ っ て 欲 望 に 翻 弄 さ れ る 女 た ち の 哀 歓 を 見 事 に と ら え た 短 編 全 13 編 を 収 め る 。 |
剣の天地〔上〕 | 男の系譜 | 江戸の味を食べたくなって | 幕末遊撃隊 | スパイ武士道 | 剣客商売(一~十六 | |
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戦国乱世に、剣禅一如の境地をひらいて新陰流の創始者となり、剣聖とあおがれた上州の武将・上泉伊勢守の生涯を描く長編時代小説。 | 戦国・江戸・幕末維新を代表する十六人の武士をとりあげ、現代日本人と対比させながらその生き方を際立たせた語り下ろしの雄編。 | 春の浅蜊、秋の松茸、冬の牡蠣……季節折々の食の喜びを綴る「味の歳時記」ほか、江戸の粋を愛した著者の、食と旅をめぐる随筆集。 | 幕府が組織する遊撃隊の一員となり、官軍との戦いに命を燃やした伊庭八郎。その恋と信念を清涼感たっぷりに描く幕末ものの快作。 | 表向きは筒井藩士、実は公儀隠密の弓虎之助は、幕府から藩の隠し金を探る指令を受けるが。忍びの宿命を背負う若き侍の暗躍を描く。 | 白髪頭の粋な小男・秋山小兵衛と巌のように㞖しい息子・大治郎の名コンビが、剣に命を賭けて江戸の悪事を斬る。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1985/9/27)
- 発売日 : 1985/9/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 448ページ
- ISBN-10 : 4101156263
- ISBN-13 : 978-4101156262
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 179,426位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
大正12年(1923)、東京・浅草生まれ。下谷・西町小学校を卒業後、株式仲買店に勤める。戦後、下谷区役所に勤務して長谷川伸の門下に入り新国劇の脚 本を書いて演出の腕も磨く。昭和35年(1960)、「錯乱」で直木賞を受賞。52年(1977)、吉川英治文学賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕 掛人・藤枝梅安」の三大シリーズが人気絶頂のさなか、急性白血病で逝去する(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 池波正太郎が書いたもうひとつの「鬼平」「剣客」「梅安」 (ISBN-13: 978-4270005859 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
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NHKラジオ深夜便で「平松屋おみつ」 前編を放送したが後編は1週間後なので待ち切れず電子版を購入した。
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「女は・・・」の後に続けるとしたらどんな言葉かです。常日頃から「女は・・・」と男の人がしたり顔で女を語るようなのが嫌いだからです。
この本は正にその答え、池波正太郎の女性観が語り尽くされているようでした。
ユーモアを織り交ぜてストーリーを後味良く片付けてくれています。
つながりのない短編集ですが、順番通りに読むことにも意味があるように思います。