■雑感
・光が当てられない昭和期の芸人の現実生活にスポット
・孤立と狂気を知らないと役者としては駄目
・「男はつらいよ」は任侠のパロディ的なもので役にど嵌まり
・アウトロー的な存在で渋さを兼ね備えた円熟味のある芸風
・今で言う教官ものや教師ものも観たかった
・喜劇人のお勤めの大変さを実感させられた
・神聖視していないところがまた良かったです。
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おかしな男 渥美清 (新潮文庫) 文庫 – 2003/7/30
小林 信彦
(著)
出会いは、1961年の夏。四角い顔に細い目のその男は、33歳。NHKのドラマで全国区の人気者になる寸前。僕は28歳で、小説を書き始めていた。〈芸〉への強い興味だけでつながっているような、奇妙な関係。底知れぬ凄みを示したかと思えば、なんともいえないおかしみも持っていた彼はやがて、〈寅さん〉となった――。虚構に殉じた男の若き日の素顔を丹念に浮かび上がらせる、実感的人物伝。
- 本の長さ487ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2003/7/30
- ISBN-104101158398
- ISBN-13978-4101158396
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2003/7/30)
- 発売日 : 2003/7/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 487ページ
- ISBN-10 : 4101158398
- ISBN-13 : 978-4101158396
- Amazon 売れ筋ランキング: - 723,297位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年1月30日に日本でレビュー済み
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2023年6月11日に日本でレビュー済み
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「で、おたく、どうしてコメディアンにならなかったの?」
ぼくは絶句した。(P64)
のくだりでハッとした。
同じ草創期のTVに関わったアオシマやマエタケみたいにどうしてならなかったのか?
著者・小林信彦の心情は諸処の著作からうかがい知る以外ないが。
文筆の世界に踏みとどまってなかったら
こうした本も生まれ出ることなくエピソードの多くは歴史に埋もれていってたんだろうな?
と、感慨にふける。
ぼくは絶句した。(P64)
のくだりでハッとした。
同じ草創期のTVに関わったアオシマやマエタケみたいにどうしてならなかったのか?
著者・小林信彦の心情は諸処の著作からうかがい知る以外ないが。
文筆の世界に踏みとどまってなかったら
こうした本も生まれ出ることなくエピソードの多くは歴史に埋もれていってたんだろうな?
と、感慨にふける。
2020年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は寅さんのファンですが、この本を読んで改めて寅さんシリーズの映画を観たいと思っています。
この本の凄いところは、寅さんの裏の裏からの視点も含めて語られているところ。一部の寅さんファンからは不評かもしれないが、
渥美清の栄光と苦悩が感じ取られる内容となっている。シビアな視点でもう一度映画鑑賞をする予定です。
この本の凄いところは、寅さんの裏の裏からの視点も含めて語られているところ。一部の寅さんファンからは不評かもしれないが、
渥美清の栄光と苦悩が感じ取られる内容となっている。シビアな視点でもう一度映画鑑賞をする予定です。
2016年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
行間に著者の渥美清の名声に対する羨望と自身のプライドの葛藤があふれている。
決して悪い意味ではない。何故なら渥美清と小林信彦の2者の人物像が推測できるからだ。「一粒で二度おいしい」と言ったところか。
著者自身が「権威のある」賞から無縁のためか、後半の渥美清の死後「国民栄誉賞」受賞の描写は興味深い。
芸人は所詮「道化」であり、文筆業は「高尚な知識人」、落語は喜劇、漫才などより上位の文化、邦画は洋画の焼き直しなどステレオ的な思想が垣間見えて面白い。
さらに言うと著者の体験からなのか、「力を持つ者」に対する拒否反応が強い。
白鳥のたとえではないが、水上では優雅に見える白鳥が水面下では足をバタバタさせている姿を斜に構えて評している。
「ふん、もっとスマートにできないもんかねぇ」のつぶやきが聞こえてきそうだ。
渥美清が無名時代のカオスのような小屋から抜け出し、あこがれの先輩のように芸人の頂点を目指す。そのためには手段も選ばず、余計なエネルギーを使わぬように煩わしい人間関係から抜け出す。そして念願の「寅」と言う役を掴み頂点の階段を上がり始める。
その階段は上るのみで下りはなく、他所の階にうつる踊り場もない。それを承知で最後まで上り続ける。その道が「天職」と自覚しているのだろう。悪く言えば「役と心中」だ。
そんな姿は常人には真似ができない。素晴らしいが真似できない。真似ができない故に貶めたくもなる。それが著者だ。
横溝正史との対談は象徴的だ。横溝正史が映画「八つ墓村」の金田一役を渥美清にと願ったことを知らずに「コロンボを見て影響されたはず」などと言っている。
この本を読んで思い出したのが映画の「アマデウス」だ。サリエリという家柄も学識も兼ね備えた音楽家がモーツァルトに出会い自信を打ち砕かれる。「天才」を目の当たりにした自分が「凡庸」であることに苦悩する。やがて彼の死を望むようになる。
あまりにも著者は渥美清の才能、生きざまは認めていたのかもしれない。しかし彼が「国民的」な名声を得るようになることは内心忸怩たる思いがあったのだろう。意識的に抑揚しているが読む進むうちに伝わってきてしまう。
本文にある渥美清の「芸人などをネタにして記事を書く連中は芸能界という茶碗にこびり付いた乾いた飯の粒だ」著者は反発していたようだが、まさに彼はそうだと思う。
画商は画家が絵を描かねば商売にならないのだ。
まあ「おかしな男」が渥美清なら著者は「さしづめインテリ」だが「実在したのび太君」といったところか。
それでも先に述べたように2度おいしいので評価は星4つとする。
追記だが筆者は「葛飾柴又」が世間で「東京下町の代表」のように思われることにもいささか不満をお持ちのようで、作中で下町と呼ばれる地域の解説をしている。
この点も彼が「渥美清=寅さん=柴又」が想像以上にメジャーになってしまった事へのささやかなアンチテーゼを感じる。
文章自体はとても上手なのだが嫉妬にも似た羨望が読み取れてこれほど名の売れた人でもそう感じるのだなぁ、と感慨深いものがある。
決して悪い意味ではない。何故なら渥美清と小林信彦の2者の人物像が推測できるからだ。「一粒で二度おいしい」と言ったところか。
著者自身が「権威のある」賞から無縁のためか、後半の渥美清の死後「国民栄誉賞」受賞の描写は興味深い。
芸人は所詮「道化」であり、文筆業は「高尚な知識人」、落語は喜劇、漫才などより上位の文化、邦画は洋画の焼き直しなどステレオ的な思想が垣間見えて面白い。
さらに言うと著者の体験からなのか、「力を持つ者」に対する拒否反応が強い。
白鳥のたとえではないが、水上では優雅に見える白鳥が水面下では足をバタバタさせている姿を斜に構えて評している。
「ふん、もっとスマートにできないもんかねぇ」のつぶやきが聞こえてきそうだ。
渥美清が無名時代のカオスのような小屋から抜け出し、あこがれの先輩のように芸人の頂点を目指す。そのためには手段も選ばず、余計なエネルギーを使わぬように煩わしい人間関係から抜け出す。そして念願の「寅」と言う役を掴み頂点の階段を上がり始める。
その階段は上るのみで下りはなく、他所の階にうつる踊り場もない。それを承知で最後まで上り続ける。その道が「天職」と自覚しているのだろう。悪く言えば「役と心中」だ。
そんな姿は常人には真似ができない。素晴らしいが真似できない。真似ができない故に貶めたくもなる。それが著者だ。
横溝正史との対談は象徴的だ。横溝正史が映画「八つ墓村」の金田一役を渥美清にと願ったことを知らずに「コロンボを見て影響されたはず」などと言っている。
この本を読んで思い出したのが映画の「アマデウス」だ。サリエリという家柄も学識も兼ね備えた音楽家がモーツァルトに出会い自信を打ち砕かれる。「天才」を目の当たりにした自分が「凡庸」であることに苦悩する。やがて彼の死を望むようになる。
あまりにも著者は渥美清の才能、生きざまは認めていたのかもしれない。しかし彼が「国民的」な名声を得るようになることは内心忸怩たる思いがあったのだろう。意識的に抑揚しているが読む進むうちに伝わってきてしまう。
本文にある渥美清の「芸人などをネタにして記事を書く連中は芸能界という茶碗にこびり付いた乾いた飯の粒だ」著者は反発していたようだが、まさに彼はそうだと思う。
画商は画家が絵を描かねば商売にならないのだ。
まあ「おかしな男」が渥美清なら著者は「さしづめインテリ」だが「実在したのび太君」といったところか。
それでも先に述べたように2度おいしいので評価は星4つとする。
追記だが筆者は「葛飾柴又」が世間で「東京下町の代表」のように思われることにもいささか不満をお持ちのようで、作中で下町と呼ばれる地域の解説をしている。
この点も彼が「渥美清=寅さん=柴又」が想像以上にメジャーになってしまった事へのささやかなアンチテーゼを感じる。
文章自体はとても上手なのだが嫉妬にも似た羨望が読み取れてこれほど名の売れた人でもそう感じるのだなぁ、と感慨深いものがある。
2020年9月27日に日本でレビュー済み
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良かったですよ!ありがとうございます。
2019年2月1日に日本でレビュー済み
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おかしな=「面白い」と、「奇異な」のダブルミーニングを思わせるタイトルに、それを超えた渥美清の存在感と、それを見つめる小林信彦の「目」が奇異で面白い
また、渥美清のコメディアンとしての実績や人間性はまったくと言っていいほどに知らないわたしだったが、昭和30年代から大活躍されていた過去のアーカイブを勉強してみたいと思った
浅草出身の芸人はやっぱり面白い!
また、渥美清のコメディアンとしての実績や人間性はまったくと言っていいほどに知らないわたしだったが、昭和30年代から大活躍されていた過去のアーカイブを勉強してみたいと思った
浅草出身の芸人はやっぱり面白い!
2016年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私の確認ミスと思いたい、けど、騙された感が心の芯にある。ほんとにファンは、つらいよ。 寅さんには恨みはないのですが・・・。 同じ内容の本が違う出版社から出版履歴があります。 表紙も違うし、 初版本の出版年月日も違う。 『この著者の、あの本の、続き?読みたい!』 と勝手に判断して楽しみで購入しました。 あぁ~・・・、 もっと辛いのが、600円台から、900円台まで値上がりしてる事。 1行も読んでないのに・・・。 確認しとけばよかったけど・・・ この手の本は、本屋さんには・・・、 いい勉強になりました。 寅さんファンへ、2冊をコレクションとするには もったいない代物ですよね。
2020年5月11日に日本でレビュー済み
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「日本の喜劇人」と併せて読むことをお勧めします。