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パンドラの火花 (新潮文庫) 文庫 – 2008/1/29
黒武 洋
(著)
死刑制度廃止。そのとき、政府が扱いあぐねたのは、すでに判決が確定していた死刑囚たちだったが……。十六歳で家族六人をみな殺しにした横尾友也も、今や五十代の死刑囚。彼に更生の余地ありとする政府は、刑の執行停止を交換条件に、「ある人物」を説得して、その凶行を未然に防ぐことを命じた。果たして、罪とは償えるものなのか? 罪と罰の根源を問うクライム・サスペンス。
- 本の長さ461ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2008/1/29
- ISBN-104101165629
- ISBN-13978-4101165622
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2008/1/29)
- 発売日 : 2008/1/29
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 461ページ
- ISBN-10 : 4101165629
- ISBN-13 : 978-4101165622
- Amazon 売れ筋ランキング: - 992,647位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
子供に頼まれ購入。一気に読んだそうでおもしろかったようです。
2008年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本から黒武作品に入る方は、星は三つぐらいだと思うかもしれない。
さて、過去に戻ってどこかを変えられたら、というのはいろいろなバージョンで嫌というほど考えたテーマだが、「自分」を説得するというのは、私の場合完璧に考えの外だったので新鮮だった。そういう意味では、認めるのはすごく嫌だが、すべてを周りのせいにするガキと大して差はないのかもしれない。
それにしても、この著者の「世間にはびこるどうしようもないガキ」に対する筆の容赦のなさは相変わらずで、その痛快さは「粛清の扉」のときと何ら変わらない。
デビュー作があまりにも鮮烈だったので、1冊の本として物足りないのは事実だが、本作と「メロス・レヴェル」、すべてどこかでつながるようになっている気配があるので、「そして粛清の扉を」がお気に召した方は一応読んでおいた方がいいと思う。
さて、過去に戻ってどこかを変えられたら、というのはいろいろなバージョンで嫌というほど考えたテーマだが、「自分」を説得するというのは、私の場合完璧に考えの外だったので新鮮だった。そういう意味では、認めるのはすごく嫌だが、すべてを周りのせいにするガキと大して差はないのかもしれない。
それにしても、この著者の「世間にはびこるどうしようもないガキ」に対する筆の容赦のなさは相変わらずで、その痛快さは「粛清の扉」のときと何ら変わらない。
デビュー作があまりにも鮮烈だったので、1冊の本として物足りないのは事実だが、本作と「メロス・レヴェル」、すべてどこかでつながるようになっている気配があるので、「そして粛清の扉を」がお気に召した方は一応読んでおいた方がいいと思う。
2005年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
犯罪をおかし、死刑判決を受けたものが、過去の自分を3日以内に説得して犯罪を思い留めさせることができれば放免。できなければ死刑。表向きには死刑制度がなくなった時代、世界の話である。
一人は犯罪者、一人は説得を受ける過去の自分、一人は説得をするために過去へ向かう犯罪者の同伴者。登場人物は変わるものの、これら3人の視点での物語。
現在の自分はもちろん必死であり、説得される過去の自分は突然のことに驚きと戸惑いをかくせない、或いは助言と監視の役割をもった番号で呼ばれる人物である時空監視官はこうした光景をどう見るのか。
面白かったが、章のラスト、エピローグなどが何故そういう方向になるかな、という部分やシステムの話がくどいと思った部分もあった。
一人は犯罪者、一人は説得を受ける過去の自分、一人は説得をするために過去へ向かう犯罪者の同伴者。登場人物は変わるものの、これら3人の視点での物語。
現在の自分はもちろん必死であり、説得される過去の自分は突然のことに驚きと戸惑いをかくせない、或いは助言と監視の役割をもった番号で呼ばれる人物である時空監視官はこうした光景をどう見るのか。
面白かったが、章のラスト、エピローグなどが何故そういう方向になるかな、という部分やシステムの話がくどいと思った部分もあった。
2008年9月4日に日本でレビュー済み
着眼点や発想、映画的な展開は面白かったが、
全くなじむことができなかった。
これでもか、これでもかと展開は続くのだが、
劇画のようでしっくりこなかった。
『13階段』のイメージを引きずり過ぎた私がいけないのだろうが、
SFとして読めば良かったと思う。
全くなじむことができなかった。
これでもか、これでもかと展開は続くのだが、
劇画のようでしっくりこなかった。
『13階段』のイメージを引きずり過ぎた私がいけないのだろうが、
SFとして読めば良かったと思う。
2010年4月18日に日本でレビュー済み
誰もが思い描く、タイムトラベルの話だが、始まり方が良かった。それは、東京拘置所の中からそして、主人公は死刑囚なのである。松木という男からこう告げられる。「つまり、時空移動によって、今から三十五年前の十六歳のあなた自身に会い、説得し、自分の犯罪の罪の実行を食い止めるか、もしくはその権利を放棄し・・・死刑の執行を受け入れるか、これら二者のうちどちらかを選択せよ、ということです」
時空監視官十七番の付き添いで、タイムトラベル後早速若い頃の自分と話した。彼は何より、人としての交流を予感させないほどに、眼が死んでいる。心の腐りようは想像以上だ。しかし彼の気持ちはわかっていた、自分自身なのだから。私は、粘り強く説得した。人を殺して後悔していること、もっと広い世界があることを。しかし彼は、上の空だった。左手が耳たぶから離れようとしない。私は、急速に冷めた。・・・無理だ。こいつは裏切る。私は、彼をナイフで刺した。だが、ナイフは、まだ刃の半分を外気に曝していた。刃先が丸いことを抜きにしても、自分ではそれなりの力を込めたつもりだったのだが、知らぬ間に手加減をしたのか。私は、この三十年以上の年月は無駄ではなかったことを漠然と思った。あの時と違い、抑制が働いたのは、少しはまともな人間になったことの証明だ。
この小説の構成も内容も素晴らしい。死刑囚による短編物語の3話で構成され、最後には大きな線で時空を繋げてきた。アイデア自体は、単純であるがこの構成には驚かされた。最後は、タイムトラベルの矛盾点を感じたが、十九番の生きる目的みたいなものがかっこよくみえた。
時空監視官十七番の付き添いで、タイムトラベル後早速若い頃の自分と話した。彼は何より、人としての交流を予感させないほどに、眼が死んでいる。心の腐りようは想像以上だ。しかし彼の気持ちはわかっていた、自分自身なのだから。私は、粘り強く説得した。人を殺して後悔していること、もっと広い世界があることを。しかし彼は、上の空だった。左手が耳たぶから離れようとしない。私は、急速に冷めた。・・・無理だ。こいつは裏切る。私は、彼をナイフで刺した。だが、ナイフは、まだ刃の半分を外気に曝していた。刃先が丸いことを抜きにしても、自分ではそれなりの力を込めたつもりだったのだが、知らぬ間に手加減をしたのか。私は、この三十年以上の年月は無駄ではなかったことを漠然と思った。あの時と違い、抑制が働いたのは、少しはまともな人間になったことの証明だ。
この小説の構成も内容も素晴らしい。死刑囚による短編物語の3話で構成され、最後には大きな線で時空を繋げてきた。アイデア自体は、単純であるがこの構成には驚かされた。最後は、タイムトラベルの矛盾点を感じたが、十九番の生きる目的みたいなものがかっこよくみえた。
2008年8月10日に日本でレビュー済み
過去の自分を説得して犯罪をやめさせるという奇抜な発想がおもしろかった。物語の語り手が未来の犯罪者、過去の犯罪者、そして未来の犯罪者に同伴する時空捜査官と変化して、それぞれの立場での心情もうまく表現されていて読みやすかった。ただ、どの物語も中途半端に終わって、最後はよく分からない終わり方だったのが残念だった。
2006年1月11日に日本でレビュー済み
時は2040年、死刑囚が“時空移動システム”で35年前に戻り、「凶悪事件を犯す直前の自分自身を説得し、犯行を阻止せよ」、「期限は72時間。成功すれば釈放、失敗なら死」と命じられる。
本書は3人の死刑囚が、名前がなく17番とか18番とか番号で呼ばれる“時空監視官”と共に、過去の自分自身と対峙する物語がオムニバス風に描かれている。
まるでTVシリーズ・タモリの「世にも奇妙な物語」のような奇想サスペンスである。
着想が奇抜である上に、老境に入った死刑囚たちが35年前の若き日の自分自身に対して、戸惑いながらもこれまでの経験を生かして真摯に説得する姿はなかなか迫真である。
説得される側も、いきなり未来の自分が現れて、わけの分からないことを諭され、面食らう姿も興味深い。
また3つのうちの1つのケースは逆に未来の自分が訪れる25歳時の若者の視点から描かれるなど変化をつけ、工夫もうかがえる。
しかし全体的にみて、小さくまとまってしまっている感は否めない。
黒武洋は’00年、『そして粛清の扉を』で「第1回ホラーサスペンス大賞」を受賞して劇的なデビューを飾った。それは、ある高校の女性教師がクラスの生徒を教室に監禁して、現在進行形で次々にほぼ全員を殺害してゆくという『バトルロワイヤル』を超えるほどの衝撃作だった。
『そして粛清の・・・』の印象が強すぎて、私には後続の作品が物足りなく感じてしまう。
あれほどのものは望むべくもないかもしれないが、著者にはあのようなインパクトのある作品をどうしても求めてしまう。
本書は3人の死刑囚が、名前がなく17番とか18番とか番号で呼ばれる“時空監視官”と共に、過去の自分自身と対峙する物語がオムニバス風に描かれている。
まるでTVシリーズ・タモリの「世にも奇妙な物語」のような奇想サスペンスである。
着想が奇抜である上に、老境に入った死刑囚たちが35年前の若き日の自分自身に対して、戸惑いながらもこれまでの経験を生かして真摯に説得する姿はなかなか迫真である。
説得される側も、いきなり未来の自分が現れて、わけの分からないことを諭され、面食らう姿も興味深い。
また3つのうちの1つのケースは逆に未来の自分が訪れる25歳時の若者の視点から描かれるなど変化をつけ、工夫もうかがえる。
しかし全体的にみて、小さくまとまってしまっている感は否めない。
黒武洋は’00年、『そして粛清の扉を』で「第1回ホラーサスペンス大賞」を受賞して劇的なデビューを飾った。それは、ある高校の女性教師がクラスの生徒を教室に監禁して、現在進行形で次々にほぼ全員を殺害してゆくという『バトルロワイヤル』を超えるほどの衝撃作だった。
『そして粛清の・・・』の印象が強すぎて、私には後続の作品が物足りなく感じてしまう。
あれほどのものは望むべくもないかもしれないが、著者にはあのようなインパクトのある作品をどうしても求めてしまう。
2004年12月16日に日本でレビュー済み
前作よりひどい。主人公がコロコロ変りまるで短編集。前作同様、終始システムに固執し内容はスカスカ。半落ちみたいな感じ。もっとまとまりが悪いけど・・この作家が好きな人以外は読まない方がいいかも