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吉里吉里人(上) (新潮文庫) 文庫 – 1985/9/27
井上 ひさし
(著)
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医学立国、農業立国、好色立国を掲げ、東北の一寒村が突如日本から分離独立した!
SF、パロディ、ブラックユーモア、コミック仕立て、
小説のあらゆる面白さ、言葉の魅力を満載した記念碑的巨編。全三巻。
日本SF大賞、読売文学賞受賞作。
ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券(りょげん)ば持(も)って居(え)だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。
政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つ、おかしくも感動的な新国家。
目次
第一章(でーえっしょ) あんだ旅券(りょげん)ば持って居(え)だが
第二章(でーぬしょ) 俺達(おらだ)の国語ば可愛(めんご)がれ
第三章(でーさんしょ) 吉里吉里人(ちりちりづん)は眼(まんなご)はァ静(すんず)がで
第四章(でーよんしょ) これがまんず最初(せーしょ)の切札(ちりふんだ)なんだっちゃ
第五章(でーごんしょ) 降って来た煙草(たんばこ)の番号はァ一〇〇〇一六一一〇(えづじぇろじぇろじぇろえづろぐえづえづじぇろ)す
第六章(でーろぐしょ) 此処(こご)らで第二(でえぬ)の切札(ちりふんだ)ば出すべがな
第七章(でーななしょ) 双頭(ふたづあだま)の犬(えぬ)は吉里吉里名物(めえぶづ)なのっしゃ
第八章(でーはっしょ) 俺達(おらだ)は泣ぐが嫌(えや)さに笑って居(え)んのだよ
本文より
古橋健二が吉里吉里国営食堂「伏見屋」の購買部から、『吉里吉里語四時間・吉日、日吉辞典つき』と表紙に刷った小冊子を二部、大事そうに捧げ持って駅前空地に出たとき、『十和田3号』の約八百の乗客たちは欅並木の大通りを西の森に向ってすでに移動をはじめていた。西の森には、少年警官イサム安部によれば〔病床数千六百五十の吉里吉里国立病院〕があるというが、全長一粁(キロ)ほどの大通りを西に進むにつれてその病院のクリーム色の壁が森の木々の緑の梢の向うへ隠れて行った。
(「第三章 吉里吉里人は眼はァ静がで……」)
井上ひさし(1934-2010)
山形県生れ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係を務めた後、「ひょっこりひょうたん島」の台本を共同執筆する。以後『道元の冒険』(岸田戯曲賞、芸術選奨新人賞)、『手鎖心中』(直木賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『腹鼓記』、『不忠臣蔵』(吉川英治文学賞)、『シャンハイムーン』(谷崎潤一郎賞)、『東京セブンローズ』(菊池寛賞)、『太鼓たたいて笛ふいて』(毎日芸術賞、鶴屋南北戯曲賞)など戯曲、小説、エッセイ等に幅広く活躍した。2004(平成16)年に文化功労者、2009年には日本藝術院賞恩賜賞を受賞した。1984(昭和59)年に劇団「こまつ座」を結成し、座付き作者として自作の上演活動を行った。
SF、パロディ、ブラックユーモア、コミック仕立て、
小説のあらゆる面白さ、言葉の魅力を満載した記念碑的巨編。全三巻。
日本SF大賞、読売文学賞受賞作。
ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券(りょげん)ば持(も)って居(え)だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。
政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つ、おかしくも感動的な新国家。
目次
第一章(でーえっしょ) あんだ旅券(りょげん)ば持って居(え)だが
第二章(でーぬしょ) 俺達(おらだ)の国語ば可愛(めんご)がれ
第三章(でーさんしょ) 吉里吉里人(ちりちりづん)は眼(まんなご)はァ静(すんず)がで
第四章(でーよんしょ) これがまんず最初(せーしょ)の切札(ちりふんだ)なんだっちゃ
第五章(でーごんしょ) 降って来た煙草(たんばこ)の番号はァ一〇〇〇一六一一〇(えづじぇろじぇろじぇろえづろぐえづえづじぇろ)す
第六章(でーろぐしょ) 此処(こご)らで第二(でえぬ)の切札(ちりふんだ)ば出すべがな
第七章(でーななしょ) 双頭(ふたづあだま)の犬(えぬ)は吉里吉里名物(めえぶづ)なのっしゃ
第八章(でーはっしょ) 俺達(おらだ)は泣ぐが嫌(えや)さに笑って居(え)んのだよ
本文より
古橋健二が吉里吉里国営食堂「伏見屋」の購買部から、『吉里吉里語四時間・吉日、日吉辞典つき』と表紙に刷った小冊子を二部、大事そうに捧げ持って駅前空地に出たとき、『十和田3号』の約八百の乗客たちは欅並木の大通りを西の森に向ってすでに移動をはじめていた。西の森には、少年警官イサム安部によれば〔病床数千六百五十の吉里吉里国立病院〕があるというが、全長一粁(キロ)ほどの大通りを西に進むにつれてその病院のクリーム色の壁が森の木々の緑の梢の向うへ隠れて行った。
(「第三章 吉里吉里人は眼はァ静がで……」)
井上ひさし(1934-2010)
山形県生れ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係を務めた後、「ひょっこりひょうたん島」の台本を共同執筆する。以後『道元の冒険』(岸田戯曲賞、芸術選奨新人賞)、『手鎖心中』(直木賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『腹鼓記』、『不忠臣蔵』(吉川英治文学賞)、『シャンハイムーン』(谷崎潤一郎賞)、『東京セブンローズ』(菊池寛賞)、『太鼓たたいて笛ふいて』(毎日芸術賞、鶴屋南北戯曲賞)など戯曲、小説、エッセイ等に幅広く活躍した。2004(平成16)年に文化功労者、2009年には日本藝術院賞恩賜賞を受賞した。1984(昭和59)年に劇団「こまつ座」を結成し、座付き作者として自作の上演活動を行った。
- ISBN-104101168164
- ISBN-13978-4101168166
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1985/9/27
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ592ページ
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対象商品: 吉里吉里人(上) (新潮文庫)
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イーハトーボの劇列車 | 父と暮らせば | 一週間 | 言語小説集 | 新版 國語元年 | 新釈遠野物語 | |
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井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 | 黙阿彌オペラ | 井上ひさしの日本語相談 | 下駄の上の卵 | だけどぼくらはくじけない 井上ひさし歌詞集 | |
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1985/9/27)
- 発売日 : 1985/9/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 592ページ
- ISBN-10 : 4101168164
- ISBN-13 : 978-4101168166
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 24,328位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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昭和9年(1934)、山形県生まれ。上智大学外国語学部フランス語科卒。浅草フランス座文芸部兼進行係などを経て、戯曲「日本人のへそ」、NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」などを手がける。47年「手鎖心中」で直木賞受賞、54年「しみじみ日本・乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞、翌年読売文学賞戯曲賞を受賞。56年「吉里吉里人」で日本SF大賞、翌年読売文学賞小説賞を受賞。平成11年、菊池寛賞受賞。平成16年、文化功労者。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ボローニャ紀行 (文春文庫) (ISBN-13:978-4167111281 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年3月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分が小学生の時に読んで衝撃を受けたのを思い出し、懐かしくて購入。やっぱり面白い
2011年10月15日に日本でレビュー済み
東北地方の一寒村が日本国から独立。「吉里吉里国」を宣言。
国民である吉里吉里人は、吉里吉里語(日本語の東北訛りによく似た言語)を公用語とする4,200人弱。
稲作、畑作の重視を国是とし、全国民の自給自足を実現。
牧場では1,500頭の牛が放し飼いにされており、肉のほかにバター、チーズも自給。
これは、食料自給率40%足らずの日本国(当時)からの独立の、いち要因でもあった。
また、吉里吉里国内には地熱発電所があり、エネルギーの供給にも支障はない。
国民に対しては、手厚い保護を約束しており、自国の産業による収入で国政をまかなうので、税金の徴収はしない。
国内には木炭バスが巡回していて、石油を使う自動車もない。
石油の使用をなるべく減らすという方針から得られた結論です。
そしてこの木炭バスこそ、国会議事堂車とも呼ばれ、国政の殆どを担っている重要機関なのですが…
その仕組み、見事でありますが、詳しくは本文に譲ります。
日本国からの独立承認を得る為の、吉里吉里国の持つ切り札は数多く、実に多才です。
一枚も二枚も先を読んだ政策には驚くばかり…
日本国がまともに相手にしないのであれば、政治的に相手にする他国との関係を強める手法を選びます。
吉里吉里国通過<イエン>は、金本位制の兌換銀行券。
いつでも「金」との交換が可能。
さらには、タックスヘイブン、無税国家を標榜し、他国からのマネーの流入を促します。
また世界中から優秀な医者を集め、医療立国を目指す。
高度な医療技術と金本位制。
この2本を軸に進められた独立国家騒動。
そこには、国際社会や国内問題の軋轢に疲弊している日本国政府への批判を、
ユーモアをもって指摘する著者の姿勢が垣間見られました。
国民である吉里吉里人は、吉里吉里語(日本語の東北訛りによく似た言語)を公用語とする4,200人弱。
稲作、畑作の重視を国是とし、全国民の自給自足を実現。
牧場では1,500頭の牛が放し飼いにされており、肉のほかにバター、チーズも自給。
これは、食料自給率40%足らずの日本国(当時)からの独立の、いち要因でもあった。
また、吉里吉里国内には地熱発電所があり、エネルギーの供給にも支障はない。
国民に対しては、手厚い保護を約束しており、自国の産業による収入で国政をまかなうので、税金の徴収はしない。
国内には木炭バスが巡回していて、石油を使う自動車もない。
石油の使用をなるべく減らすという方針から得られた結論です。
そしてこの木炭バスこそ、国会議事堂車とも呼ばれ、国政の殆どを担っている重要機関なのですが…
その仕組み、見事でありますが、詳しくは本文に譲ります。
日本国からの独立承認を得る為の、吉里吉里国の持つ切り札は数多く、実に多才です。
一枚も二枚も先を読んだ政策には驚くばかり…
日本国がまともに相手にしないのであれば、政治的に相手にする他国との関係を強める手法を選びます。
吉里吉里国通過<イエン>は、金本位制の兌換銀行券。
いつでも「金」との交換が可能。
さらには、タックスヘイブン、無税国家を標榜し、他国からのマネーの流入を促します。
また世界中から優秀な医者を集め、医療立国を目指す。
高度な医療技術と金本位制。
この2本を軸に進められた独立国家騒動。
そこには、国際社会や国内問題の軋轢に疲弊している日本国政府への批判を、
ユーモアをもって指摘する著者の姿勢が垣間見られました。
2021年8月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多少古臭さがあっても、清潔感がありよかったです。東日本大震災の時に単行本で持っていた吉里吉里人がだめになり、読みたいと思ってました。早速読んでます。ありがとうございました。
2023年12月1日に日本でレビュー済み
昭和の終わり頃のいわゆる滑稽小説と呼ばれる類の作品です。東北の人々が中央政府が国益を振りかざして、それまで平和に農業を営んでいた人々の生活や美しい自然を台無しにすることに不満を爆発して「吉里吉里国」という独立国家を立ち上げるという話です。
主人公は作者の井上ひさしと同様の遅筆で有名な作家の古橋健二。遅筆だけでなく過度な記憶障害で、過度の健忘症になったり滅茶苦茶に覚えてしまったり。
独自の言語(ズーズー弁)、独自の通貨に加えて独自の警察や自衛隊まで備えた吉里吉里国は意外に外国(日本国も含む)の情勢、文化に詳しかったりします。
これを書いているときにちょうど「翔んで埼玉2」が上映されていますが、東北をディスって愛するという意味では「翔んで埼玉」の元ネタは東北にありき、といったところです。
古橋を中心として吉里吉里国と日本政府とのつばぜり合いが描かれるわけですが、滑稽小説なのでストーリー展開がテーマではなく、ズッコケ、下ネタ、ドタバタで読者を笑わせることが目的です。
昭和の時代では、本書を読みながら読者は大笑いして「もっと読みたいから書いてくれ〜」とお願いしたのでしょうが、あらゆるメディアでお笑いネタが発信されている令和の時代に読んでも、まぁ、時々ハハハと笑うこともありますが、特に面白いわけでもなく。
何よりボリュームがすごい。上巻だけで約500ページ。これが中巻、下巻とあるのでさすがに全部読むわけにもいかず上巻だけでリタイアしました。
主人公は作者の井上ひさしと同様の遅筆で有名な作家の古橋健二。遅筆だけでなく過度な記憶障害で、過度の健忘症になったり滅茶苦茶に覚えてしまったり。
独自の言語(ズーズー弁)、独自の通貨に加えて独自の警察や自衛隊まで備えた吉里吉里国は意外に外国(日本国も含む)の情勢、文化に詳しかったりします。
これを書いているときにちょうど「翔んで埼玉2」が上映されていますが、東北をディスって愛するという意味では「翔んで埼玉」の元ネタは東北にありき、といったところです。
古橋を中心として吉里吉里国と日本政府とのつばぜり合いが描かれるわけですが、滑稽小説なのでストーリー展開がテーマではなく、ズッコケ、下ネタ、ドタバタで読者を笑わせることが目的です。
昭和の時代では、本書を読みながら読者は大笑いして「もっと読みたいから書いてくれ〜」とお願いしたのでしょうが、あらゆるメディアでお笑いネタが発信されている令和の時代に読んでも、まぁ、時々ハハハと笑うこともありますが、特に面白いわけでもなく。
何よりボリュームがすごい。上巻だけで約500ページ。これが中巻、下巻とあるのでさすがに全部読むわけにもいかず上巻だけでリタイアしました。
2016年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
数年前、夜眠れなくなってしまった時があり、その時寝る前に少しずつ本を読むことにした。
10分20分の読書が、私の思考を切り替えてくれたのか、本の匂いと相まって心地よい眠りに誘ってくれて助けられた。
この本はそんな時読んだ本なのだが、でも逆に眠気をおしてまで読み続けたくなるほど面白い本であった。
上・中・下巻と長いが、ページが少なくなるにつれ「終わって欲しくない…」という、何か寂しい気持ちが押し寄せてきたのを覚えている。
登場人物の「吉里吉里国」の人々の気概が、その頃ネガティブだった私に、どれだけ新たな気持ちを持たせてくれたか。どれだけ笑いをもって包んでくれたか。
細かな事や主義主張は気にしない。イッタカキタカ号が出てきたあたりで、もうそんなことはどうでも良くなった(笑)。 要は気持ちなのだ。
ニュアンスが伝わるのなら、世界中の人に読んで欲しい位の、私の中の10冊に数えたい作品。
10分20分の読書が、私の思考を切り替えてくれたのか、本の匂いと相まって心地よい眠りに誘ってくれて助けられた。
この本はそんな時読んだ本なのだが、でも逆に眠気をおしてまで読み続けたくなるほど面白い本であった。
上・中・下巻と長いが、ページが少なくなるにつれ「終わって欲しくない…」という、何か寂しい気持ちが押し寄せてきたのを覚えている。
登場人物の「吉里吉里国」の人々の気概が、その頃ネガティブだった私に、どれだけ新たな気持ちを持たせてくれたか。どれだけ笑いをもって包んでくれたか。
細かな事や主義主張は気にしない。イッタカキタカ号が出てきたあたりで、もうそんなことはどうでも良くなった(笑)。 要は気持ちなのだ。
ニュアンスが伝わるのなら、世界中の人に読んで欲しい位の、私の中の10冊に数えたい作品。
2017年9月14日に日本でレビュー済み
文庫本で500頁が3冊の合計1500頁、原稿用紙2500枚だそうです。初めは「終末から」という雑誌の連載となっていますが、私の記憶では、たしか1回目が200枚とあったように思います。筆の遅いので有名なこの作者に200枚というのだから、相当いろんな制約を外したのではと思っているのです。それで、あちこち脱線しまくって、作者の意見を発表する場となったり、日本語の言葉遊びの場となったり、かなりエロかったり、もうそれは大変なのです。そのうちの意見の発表については、右も左もなく、あちこちの猛毒を吐いているのが面白いですが、中でも自衛隊と医療制度は、結論としてどうかと思ってしまうので不可ですが、それらの意見のかなりの部分が、今でもそのままであるというのが、一番すごいところかもしれません。
とは言え、そのくらいまとまりなく進行するのに、どういうわけか、最後は無茶苦茶なりに収束してしまうのでした。
残念ながら、主人公が全然好きになれないので、少しマイナスします。
とは言え、そのくらいまとまりなく進行するのに、どういうわけか、最後は無茶苦茶なりに収束してしまうのでした。
残念ながら、主人公が全然好きになれないので、少しマイナスします。
2019年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
東北の農村が独立国家になるというアイディアが面白いです。
そのアイディアにリアリティを与える細かな設定や物語展開も素晴らしかったです。
そのアイディアにリアリティを与える細かな設定や物語展開も素晴らしかったです。
2021年6月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上巻と下巻の最後半は面白いです。はっきりいって娯楽小説の中では最高峰といっても差し支えないでしょう。特に吉里吉里語に関する設定は実に練り込まれていて「リアル」さを演出するという役割は十二分に達成していますし、この小説の中では一種の白眉だと思っています。(それは小説というメディアのもつページの分厚さという“権威付け”を効果的に利用しているといえます。もっとも読む必要はありません。「おお、こんなに設定があるのだな」と納得できれば結構です)
さて、星マイナス3するまでの理由を述べます。それは文量の割に内容が薄いからです。一巻後半から中巻の三分のニまで続く裁判編ですが、作者としては司法権について描いたつもりでしょうが、ネタバレになるので書きませんがあの設定では行政と立法と司法が一緒くたになっています。これはモンテスキューについて調べて頂ければ結構でしょう。また、この「最強独裁体制」を担っているのが障害者であるという点にとても鼻持ちならないものをかんじます。それは障害者は純真で悪事を試みることはないというような考え、思想がなければ、あのような体制を描こうとは思えないでしょう。つまり筆者の浅い障害者への思想を垣間見させるだけの効果しか発揮していないのです。ここまで長々と書きましたが、ここまでの批判部分は読まなくても大して問題を生じさせるとは思えないのも問題です。
さて、星マイナス3するまでの理由を述べます。それは文量の割に内容が薄いからです。一巻後半から中巻の三分のニまで続く裁判編ですが、作者としては司法権について描いたつもりでしょうが、ネタバレになるので書きませんがあの設定では行政と立法と司法が一緒くたになっています。これはモンテスキューについて調べて頂ければ結構でしょう。また、この「最強独裁体制」を担っているのが障害者であるという点にとても鼻持ちならないものをかんじます。それは障害者は純真で悪事を試みることはないというような考え、思想がなければ、あのような体制を描こうとは思えないでしょう。つまり筆者の浅い障害者への思想を垣間見させるだけの効果しか発揮していないのです。ここまで長々と書きましたが、ここまでの批判部分は読まなくても大して問題を生じさせるとは思えないのも問題です。