丸谷氏はかつて日本語論では特に著名な評論家でした。
その丸谷氏がたくさんの大学の入試で出題されている国語の問題を検討。
そして、東大一次の問題はあまりに端的過ぎると切り込む一方、東大二次の国語は脱帽するほど良問だと絶賛!
そして、最後に慶應義塾大学法学部の出題した国語の評論文は支離滅裂で、論外だとバッサリ!
しかも、無理にマークセンスを使って奇問になっているとも指摘。
ただ、この本が刊行された頃(1986年)には、慶應法学部は既に入試の国語を廃止し、論述テストという試験を導入した。
論述テストはだんだん変わっていったが、最初の頃は三木清などの難解な文章を読ませ、その論旨をつかみ、多少とも意見を述べるものとなった。
ただ、国語の試験については、私学では、二項対立の概念をどう把握するかという点がポイントで、国立二次では論理的文章の要旨をつかむ点が求められていると指摘されている。
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完本 日本語のために (新潮文庫) 文庫 – 2011/2/28
丸谷 才一
(著)
日本語教育を難じ、未来を憂う、
いまこそ読みたい決定版「国語」読本!
子どもに詩を作らせるな、文学づくのはよそう、分かち書きはやめよう、
完全な五十音図を教えよう、正しい語感を育てよう……など、国語教科書をめぐる考察。
愚問、珍問、怪問続出、ちんぷんかんぷんの国語入試問題批判。
すでに歴史的名著といっていい日本語論のさきがけ『日本語のために』に
『桜もさよならも日本語』を加えて新編集。
いまこそ読みたい決定版「丸谷才一国語読本」。
目次より
まへがき
i 国語教科書批判
1 子供に詩を作らせるな
2 よい詩を読ませよう
3 中学生に恋愛詩を
4 文体を大事にしよう
5 子供の文章はのせるな
6 小学生にも文語文を
7 中学で漢文の初歩を
8 敬語は普遍的なもの
9 文学づくのはよさう
10 文部省にへつらふな
ii 日本語のために
未来の日本語のために
現在の日本語のために
iii 国語教科書を読む
1 分ち書きはやめよう
2 漢字配当表は廃止しよう
3 完全な五十音図を教へよう
4 読書感想文は書かせるな
5 ローマ字よりも漢字を
6 漢語は使ひ過ぎないやうに
7 名文を読ませよう
8 子供に詩を作らせるな
9 古典を読ませよう
10 話し上手、聞き上手を育てよう
11 正しい語感を育てよう
iv 言葉と文字と精神と
v 大学入試問題を批判する
慶応大学法学部は試験をやり直せ
小林秀雄の文章は出題するな
附録
歴史的仮名づかひの手引き
和語と字音語の見分け方
わたしの表記法について
言葉は単なる道具ではない 大野晋
あとがきにかえて
日本人はなぜ日本語論が好きなのか 聞き手 湯川豊
丸谷才一 1925年山形県鶴岡市生れ。東京大学文学部英文科卒。1967年『笹まくら』で河出文化賞、1968年『年の残り』で芥川賞を受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳と幅広い文筆活動を展開。『たった一人の反乱』(谷崎潤一郎賞)『裏声で歌へ君が代』『後鳥羽院』(読売文学賞)『忠臣蔵とは何か』(野間文芸賞)『輝く日の宮』(泉鏡花文学賞)『持ち重りする薔薇の花』など著書多数。訳書にジョイス『若い藝術家の肖像』(読売文学賞)など。2011年文化勲章受章。2012年没。
いまこそ読みたい決定版「国語」読本!
子どもに詩を作らせるな、文学づくのはよそう、分かち書きはやめよう、
完全な五十音図を教えよう、正しい語感を育てよう……など、国語教科書をめぐる考察。
愚問、珍問、怪問続出、ちんぷんかんぷんの国語入試問題批判。
すでに歴史的名著といっていい日本語論のさきがけ『日本語のために』に
『桜もさよならも日本語』を加えて新編集。
いまこそ読みたい決定版「丸谷才一国語読本」。
目次より
まへがき
i 国語教科書批判
1 子供に詩を作らせるな
2 よい詩を読ませよう
3 中学生に恋愛詩を
4 文体を大事にしよう
5 子供の文章はのせるな
6 小学生にも文語文を
7 中学で漢文の初歩を
8 敬語は普遍的なもの
9 文学づくのはよさう
10 文部省にへつらふな
ii 日本語のために
未来の日本語のために
現在の日本語のために
iii 国語教科書を読む
1 分ち書きはやめよう
2 漢字配当表は廃止しよう
3 完全な五十音図を教へよう
4 読書感想文は書かせるな
5 ローマ字よりも漢字を
6 漢語は使ひ過ぎないやうに
7 名文を読ませよう
8 子供に詩を作らせるな
9 古典を読ませよう
10 話し上手、聞き上手を育てよう
11 正しい語感を育てよう
iv 言葉と文字と精神と
v 大学入試問題を批判する
慶応大学法学部は試験をやり直せ
小林秀雄の文章は出題するな
附録
歴史的仮名づかひの手引き
和語と字音語の見分け方
わたしの表記法について
言葉は単なる道具ではない 大野晋
あとがきにかえて
日本人はなぜ日本語論が好きなのか 聞き手 湯川豊
丸谷才一 1925年山形県鶴岡市生れ。東京大学文学部英文科卒。1967年『笹まくら』で河出文化賞、1968年『年の残り』で芥川賞を受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳と幅広い文筆活動を展開。『たった一人の反乱』(谷崎潤一郎賞)『裏声で歌へ君が代』『後鳥羽院』(読売文学賞)『忠臣蔵とは何か』(野間文芸賞)『輝く日の宮』(泉鏡花文学賞)『持ち重りする薔薇の花』など著書多数。訳書にジョイス『若い藝術家の肖像』(読売文学賞)など。2011年文化勲章受章。2012年没。
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2011/2/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410116911X
- ISBN-13978-4101169118
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出版社より
笹まくら | 完本 日本語のために | |
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カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.1
122
|
5つ星のうち4.4
15
|
価格 | ¥781¥781 | ¥605¥605 |
【新潮文庫】丸谷才一 作品 | 徴兵を忌避して逃避の旅を続ける男の戦時中の内面と、二十年後の表面的安定の裏のよるべない日常にさす暗影──戦争の意味を問う。 | 子供に詩を作らせるな。読書感想文は書かせるな。ローマ字よりも漢字を。古典を読ませよう──いまこそ読みたい決定版日本語論! |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2011/2/28)
- 発売日 : 2011/2/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 352ページ
- ISBN-10 : 410116911X
- ISBN-13 : 978-4101169118
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 241,516位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1925(大正14)年、山形県鶴岡市生れ。東京大学英文科卒。1957年『笹まくら』で河出文化賞、1968年「年の残り」で芥川賞受賞。その後、小説、評論、エッセイ、翻訳と幅広い文筆活動を展開。『たった一人の反乱』(谷崎潤一郎賞)『裏声で歌へ君が代』『後鳥羽院』(読売文学賞評論・伝記部門) 『忠臣藏とは何か』(野間文芸賞)「樹影譚」(川端康成賞)『輝く日の宮』(泉鏡花文学賞、朝日賞)等、多くの著作がある。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 人間的なアルファベット (ISBN-13: 978-4062160995)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書『完本 日本語のために』は、1974年に、『日本語のために』を、2011年に、新版として改訂されて刊行された本である。
間違いだらけの小・中学校の国語教科書や愚劣で稚拙な大学国語入試問題を、多岐にわたって取り上げて徹底的に批判している。
著者は、小・中学校の国語教科書をほとんど読むという大仕事をして、その内容の程度の低さに読むことが苦痛になってしまったとも語っている。
本書初出の1970年代初めころの教科書であるから、今現在の実情などは不明である。
戦後翌年の1946年に、小学校へ入学した我が身を顧みてもあまりにも昔のことで何一つとして思いだすことができません。
記憶にあるのは、評者が通う学校が焼け残った校舎だったから、隣町の小学校が建つまで二部授業だったことや5年生になるころまで腹を空かせて勉強どころではなかったことくらいです。
1952年に、私立の中学へ入学した頃の記憶はさすがに少しあります。
国語教科のなかには、漢文もあり、書道もあり、科目はなんだか覚えていませんが珠算もありましたし、体育には布に被せた“しない競技”もありました。
一年ほど経ったら剣道という名称になり、本当の竹刀が使用されるようになったように記憶しています。
こんな保守的な私立中学だったから覚えた漢詩を未だにいくつか暗唱することが出来ます。
さて、日本古来のいい言葉で「言霊」というのがありますが、著者は如何に言語が大切かを、だれしも考えるのは言語で考えるからだと述べています。
著者が朝日新聞に、このように書いたら読者から来た手紙で氏の書いたことを少し褒めた後で、「しかし人間がものを考えるのは言語があるからだというのはおかしいです。実は私は犬を飼っているんですが・・・・・」とあって、いかにその犬が利口で人間が舌を巻くほどよく考えられた行動をするかという例をあげて、「だから言葉は話さなくてもうちの犬はものを考えます」という手紙でした。(P336~337)
教育というシリアスな問題をテーマにしている本書など、トンカチ頭の老い耄れが手にする書ではなかったと思いましたので、せめて面白いこの犬のエピソード書いてしまいました。
著者は、本書で終始旧かな遣いで書いていましたが、巻末に使用例を添えています。
でも、評者はなんの違和感も覚えず読み進むことができました。
今更、評者がこのような本を読んでも「時すでに遅し」と痛感しながらなんとか読み終えたのです。
間違いだらけの小・中学校の国語教科書や愚劣で稚拙な大学国語入試問題を、多岐にわたって取り上げて徹底的に批判している。
著者は、小・中学校の国語教科書をほとんど読むという大仕事をして、その内容の程度の低さに読むことが苦痛になってしまったとも語っている。
本書初出の1970年代初めころの教科書であるから、今現在の実情などは不明である。
戦後翌年の1946年に、小学校へ入学した我が身を顧みてもあまりにも昔のことで何一つとして思いだすことができません。
記憶にあるのは、評者が通う学校が焼け残った校舎だったから、隣町の小学校が建つまで二部授業だったことや5年生になるころまで腹を空かせて勉強どころではなかったことくらいです。
1952年に、私立の中学へ入学した頃の記憶はさすがに少しあります。
国語教科のなかには、漢文もあり、書道もあり、科目はなんだか覚えていませんが珠算もありましたし、体育には布に被せた“しない競技”もありました。
一年ほど経ったら剣道という名称になり、本当の竹刀が使用されるようになったように記憶しています。
こんな保守的な私立中学だったから覚えた漢詩を未だにいくつか暗唱することが出来ます。
さて、日本古来のいい言葉で「言霊」というのがありますが、著者は如何に言語が大切かを、だれしも考えるのは言語で考えるからだと述べています。
著者が朝日新聞に、このように書いたら読者から来た手紙で氏の書いたことを少し褒めた後で、「しかし人間がものを考えるのは言語があるからだというのはおかしいです。実は私は犬を飼っているんですが・・・・・」とあって、いかにその犬が利口で人間が舌を巻くほどよく考えられた行動をするかという例をあげて、「だから言葉は話さなくてもうちの犬はものを考えます」という手紙でした。(P336~337)
教育というシリアスな問題をテーマにしている本書など、トンカチ頭の老い耄れが手にする書ではなかったと思いましたので、せめて面白いこの犬のエピソード書いてしまいました。
著者は、本書で終始旧かな遣いで書いていましたが、巻末に使用例を添えています。
でも、評者はなんの違和感も覚えず読み進むことができました。
今更、評者がこのような本を読んでも「時すでに遅し」と痛感しながらなんとか読み終えたのです。
2011年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『日本語のために』から「当節言葉づかひ」
『桜もさよならも日本語』から「日本語へらず口」が、ここでは省かれて、
新たに、湯川豊氏による聞き書き「日本人はなぜ日本語論が好きなのか」が付け加えられています。
旧版2冊は現在、新品としては流通していません(「日本語のために」は電子書籍で入手可能)。
『桜もさよならも日本語』から「日本語へらず口」が、ここでは省かれて、
新たに、湯川豊氏による聞き書き「日本人はなぜ日本語論が好きなのか」が付け加えられています。
旧版2冊は現在、新品としては流通していません(「日本語のために」は電子書籍で入手可能)。
2020年9月14日に日本でレビュー済み
本書は『日本語のために』(昭和53年 新潮文庫)と
『桜もさよならも日本語』(平成元年 新潮文庫)の合本版であるが、
合本に際し新たに「日本人はなぜ日本語論が好きなのか」を加え、
さらにページの都合上「当節言葉づかひ」(『日本語~所収』)と
「日本語へらず口」(『桜も~所収』)とを削ったものである事が巻末に記されている。
評価を低くしたのはまさにその点で、
合本にするのは良しとしても、さらに一章を加えるのを良しとしても、
ページの都合なんかで章を削らないで欲しかった。
(絶版になるよりはマシなのかもしれないが・・)
古い本ですが内容は本当に素晴らしく、日本語論の名著と言っても過言ではないと思いますし、
何より著者のクリヤーで論理的な文章は読んでいて気持ちが良いです。
『桜もさよならも日本語』(平成元年 新潮文庫)の合本版であるが、
合本に際し新たに「日本人はなぜ日本語論が好きなのか」を加え、
さらにページの都合上「当節言葉づかひ」(『日本語~所収』)と
「日本語へらず口」(『桜も~所収』)とを削ったものである事が巻末に記されている。
評価を低くしたのはまさにその点で、
合本にするのは良しとしても、さらに一章を加えるのを良しとしても、
ページの都合なんかで章を削らないで欲しかった。
(絶版になるよりはマシなのかもしれないが・・)
古い本ですが内容は本当に素晴らしく、日本語論の名著と言っても過言ではないと思いますし、
何より著者のクリヤーで論理的な文章は読んでいて気持ちが良いです。
2021年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
丸谷才一の書籍であることから、非常に読みやすい
2019年3月18日に日本でレビュー済み
思うことがあり、本棚の隅にあったこの本を手にした。やはり、主張が明快。一番の目的は、大学入試問題について論じている箇所で、慶応法学部の問題を辛辣に評価している。これは30年ほど前の問題となるわけだが、いまの日本社会で、正しく思考する能力を大学は学生に要求してるのだろうか。この疑問が、個人的には最近特に強まっている。この本を読むと、それこそ小学校からの教育が重要となろう。「子供に詩を作らせるな」は慧眼だと思う。
2012年3月23日に日本でレビュー済み
とにかく論理的だなあ、と。この本を読まなければ一生考えなかったような事も含め、言葉に責任を持つ、ということの意味を改めて考えさせられる本。日本語をめぐって何かを考えてみたい人、または何かを考えたいときに例えば日本語を対象とすればこのような考え方がある、という好例として一読をお勧めします。