筒井康隆はアイディアの宝庫だ。
読んでいると自分の頭の堅さ、想像力の希薄さを恥じ入るばかり。
そんなコチコチの脳みそが大爆発を起こしかねない作品がこのサルモネラ人間である。
表題作からとにかくやられてしまった。奇怪なビジュアルの生物はへんてこで吐き気を催しかねない気持ち悪さに
とどまらず行為自体もまた妙な気色悪さを放っている。読んで後悔したといいつつ最後まで読み進めてしまった。今でもずっと頭の片隅に離れずべちゃっとはりついている。インパクトというトラウマが一生離れないだろう。
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ポルノ惑星のサルモネラ人間―自選グロテスク傑作集 (新潮文庫) 文庫 – 2005/7/28
筒井 康隆
(著)
地球から学術調査隊が訪れた「ポルノ惑星」で、美人隊員の島崎博士が妊娠した! 原因は妖草ゴケハラミ。その処置を年中丸裸の原住民に聞きだしに向ったおれが見た、密林を跋扈する奇怪な動植物の数々。常識に凝り固まった脳みそを爆砕するモンスター・オンパレードの表題作の他、妻が冬眠から目覚めて羽化、産卵して脱皮までする「妻四態」など、異次元グロテスクワールド全開の7編。
- 本の長さ332ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2005/7/28
- ISBN-104101171475
- ISBN-13978-4101171470
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2005/7/28)
- 発売日 : 2005/7/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 332ページ
- ISBN-10 : 4101171475
- ISBN-13 : 978-4101171470
- Amazon 売れ筋ランキング: - 78,515位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。
1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年5月20日に日本でレビュー済み
ナンセンスなスラップスティック系ショートショートを書かせたら天下一品な筒井康隆の、無駄にグロテスクな話だけを集めた短編集。
と言っても意外とバラエティに富んでおり、読みにくいことこの上ない実験小説「歩くとき」、確実に思いつきだけで書いただろうという「妻四態」など笑えるものも多い。
だが「偽魔王」、この話のグロテスクさは常軌を逸している。ただスプラッタを描きたかったというだけのモチベーションで書かれたものらしく、登場人物がゴミクズのように死んでいく。臓物やら排泄物やらここでは書くことのできない性描写を、ストーリー無視で凄まじいテンションで書ききっている。ダメな人は絶対ダメ。精神的な気持ち悪さではなく、汚物を眺めるような表面的嫌悪感を抱く作品。筒井作品でいうと「問題外科」あたりに近いだろうか。お祭り騒ぎ的スプラッタを読みたい方にはぜひお勧め。ストレス解消にもなるかもしれない。
と言っても意外とバラエティに富んでおり、読みにくいことこの上ない実験小説「歩くとき」、確実に思いつきだけで書いただろうという「妻四態」など笑えるものも多い。
だが「偽魔王」、この話のグロテスクさは常軌を逸している。ただスプラッタを描きたかったというだけのモチベーションで書かれたものらしく、登場人物がゴミクズのように死んでいく。臓物やら排泄物やらここでは書くことのできない性描写を、ストーリー無視で凄まじいテンションで書ききっている。ダメな人は絶対ダメ。精神的な気持ち悪さではなく、汚物を眺めるような表面的嫌悪感を抱く作品。筒井作品でいうと「問題外科」あたりに近いだろうか。お祭り騒ぎ的スプラッタを読みたい方にはぜひお勧め。ストレス解消にもなるかもしれない。
2009年4月29日に日本でレビュー済み
ポルノ惑星のサルモネラ人間
妻四態
歩くとき
座右の駅
イチゴの日
偽魔王
カンチョレ族の繁栄
妻四態
歩くとき
座右の駅
イチゴの日
偽魔王
カンチョレ族の繁栄
2005年8月30日に日本でレビュー済み
筒井さんに熱中したのは、大学の頃だから、もう25年位前になります。
あの時は、「どうしてこんなすごい本が作者がいるのだろう」と鳥肌さえ立った。
私の書斎には筒井さんの全集が並んでいるし、その全集のプレゼントで、「農協月に行く」の自筆の原稿用紙も持っている。
しかしこの本はあの昔の興奮とは全く別次元の本である。やはり作者も読者も年を取ると感性が変わってしまうのか…。
あの時は、「どうしてこんなすごい本が作者がいるのだろう」と鳥肌さえ立った。
私の書斎には筒井さんの全集が並んでいるし、その全集のプレゼントで、「農協月に行く」の自筆の原稿用紙も持っている。
しかしこの本はあの昔の興奮とは全く別次元の本である。やはり作者も読者も年を取ると感性が変わってしまうのか…。
2017年7月20日に日本でレビュー済み
グロテスクという割にはスプラッターは抑え目で、どちらかというと精神的なえげつなさと不条理さを押し出している作品がラインナップされている感じ。ただ、それなりに筒井康隆を読みなれてきてしまったので、だんだんこのノリにも食傷気味になってきた自分がいて、それを何かしら乗り越える作品が欲しいとも思う今日この頃。本作に収録されているものの中では「偽魔王」がなかなかちゃんとしていて、おもしろい。
2005年12月27日に日本でレビュー済み
ただ単にグロテスクな表現をしようと思えば
それなりにであれば誰にだってできるのではないだろうか。
しかし、その際に出来たものはいかにグロテスクにという
印象を与えようとした唯のスプラッターショーという
一辺倒の物になるのではないか。
これはスプラッタを素材にした喜劇集であり、人間がいかに崇高ではなく
吐き気がするほど汚いけど意地やプライドによって
人間らしく生きているという人間への皮肉が込められている気がする。
軽い読み物としておすすめです。
それなりにであれば誰にだってできるのではないだろうか。
しかし、その際に出来たものはいかにグロテスクにという
印象を与えようとした唯のスプラッターショーという
一辺倒の物になるのではないか。
これはスプラッタを素材にした喜劇集であり、人間がいかに崇高ではなく
吐き気がするほど汚いけど意地やプライドによって
人間らしく生きているという人間への皮肉が込められている気がする。
軽い読み物としておすすめです。
2010年9月21日に日本でレビュー済み
「グロテスク」をテーマにした自選アンソロジー。「宇宙衛星博覧会」に収められたタイトル作の他、「妻四態」、「座右の駅」(「串刺し教授」)、「歩くとき」(「エロチック街道」)、「イチゴの日」、「偽魔王」(「薬菜飯店」)、「カンチョレ族の繁栄」(「将軍が目醒めた時」)から成る。一般にアンソロジーは既読の作品を含むという欠点があるが、作品を再評価出来るという利点もある。特に筒井のような作家の場合には。
以下ではタイトル作に絞って述べるが、再読なのに作品の世界に引き込まれた。極端な生態系を持つ異星での出来事であるが、飽くまで人間の心理に焦点が当てられている。「いやらしい事がある」のではなくて、「いやらしいと思う心がある」という主張であり、一番グロテスクなのは人間の心という主張でもある。探検隊の教授と雑役係与八との間の滑稽な嫉妬心や歪んだ優越・劣等感も見事に映し出されている。与八こそが「ポルノ惑星」に相応しい人間であり、件の教授もやがて同化して行くという設定もグロテスクな面白さを持っている。
これに、筒井が信奉する「退化論」、様々な畸形動植物と言葉遊びをふんだんに使ったその命名法、生態系に対する筒井流解釈が加わり、物語を彩っている。本アンソロジーでは、畸形動植物の模型写真が載っており、お得感もある。事件の発端となった島崎博士が一度も顔を出さないという設定も可笑しい。
こうしたアンソロジーをきっかけに、筒井のオリジナルの短編集が更に読まれるようになる事を祈りたい。
以下ではタイトル作に絞って述べるが、再読なのに作品の世界に引き込まれた。極端な生態系を持つ異星での出来事であるが、飽くまで人間の心理に焦点が当てられている。「いやらしい事がある」のではなくて、「いやらしいと思う心がある」という主張であり、一番グロテスクなのは人間の心という主張でもある。探検隊の教授と雑役係与八との間の滑稽な嫉妬心や歪んだ優越・劣等感も見事に映し出されている。与八こそが「ポルノ惑星」に相応しい人間であり、件の教授もやがて同化して行くという設定もグロテスクな面白さを持っている。
これに、筒井が信奉する「退化論」、様々な畸形動植物と言葉遊びをふんだんに使ったその命名法、生態系に対する筒井流解釈が加わり、物語を彩っている。本アンソロジーでは、畸形動植物の模型写真が載っており、お得感もある。事件の発端となった島崎博士が一度も顔を出さないという設定も可笑しい。
こうしたアンソロジーをきっかけに、筒井のオリジナルの短編集が更に読まれるようになる事を祈りたい。