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ダンシング・ヴァニティ (新潮文庫) 文庫 – 2010/12/24
筒井 康隆
(著)
美術評論家のおれが住む家のまわりでは喧嘩がたえまなく繰り返され、老いた母と妻、娘たちを騒ぎから守ろうとおれは繰り返し対応に四苦八苦。そこに死んだはずの父親や息子が繰り返し訪ねてきて……。コピー&ペーストによって執拗に反復され、奇妙に捩れていく記述が奏でるのは錯乱の世界か、文学のダンスか? 巨匠が切り開いた恐るべき技法の頂点にして、前人未到の文学世界!
- 本の長さ348ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/12/24
- 寸法10.5 x 1.4 x 15 cm
- ISBN-104101171521
- ISBN-13978-4101171524
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2010/12/24)
- 発売日 : 2010/12/24
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 348ページ
- ISBN-10 : 4101171521
- ISBN-13 : 978-4101171524
- 寸法 : 10.5 x 1.4 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 394,974位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,477位新潮文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。
1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
期待以上の美本でした。新刊で入手できない本なので有り難かった。
2015年3月3日に日本でレビュー済み
何度も何度もくり返されるデジャヴのようなシーン。
おっとそこにつながるのかと思わされる驚きを何度も体験させられて、ページをめくる手が止まらなくなる。
奇妙極まりない登場人物たちの動きをぜひ視覚でも楽しみたい。
おっとそこにつながるのかと思わされる驚きを何度も体験させられて、ページをめくる手が止まらなくなる。
奇妙極まりない登場人物たちの動きをぜひ視覚でも楽しみたい。
2008年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
筒井さんは40を超えている私の父親より年上なのに...どこから来るのだろうか、このパワーは?ただ、ただ、圧倒されてしまった。
あえて名前を挙げないが、日本SF界の巨匠と呼ばれる方は結構、晩年または近年の作品がガス欠状態になっている場合が多いのだ。それなのに、今年74歳になろうかという筒井御大は、まだまだ進歩を続けているではないか。いったい私たちをどこまで連れて行ってくれるのか?
作品の感じとしては「夢の木坂分岐点(これも傑作だ!)」にちょっと似ているが、「ダンシング・ヴァニティ」の方が毒が強く、かつ浮き世を超越した視点から語られている。この本の文章は、まさに優れた音楽だ。繰り返しながら、微妙に変化していく旋律は読者を予想もしない世界へと導いていく。
日本国は総力を挙げて筒井康隆を保護すべし。まさに人類の宝である。
あえて名前を挙げないが、日本SF界の巨匠と呼ばれる方は結構、晩年または近年の作品がガス欠状態になっている場合が多いのだ。それなのに、今年74歳になろうかという筒井御大は、まだまだ進歩を続けているではないか。いったい私たちをどこまで連れて行ってくれるのか?
作品の感じとしては「夢の木坂分岐点(これも傑作だ!)」にちょっと似ているが、「ダンシング・ヴァニティ」の方が毒が強く、かつ浮き世を超越した視点から語られている。この本の文章は、まさに優れた音楽だ。繰り返しながら、微妙に変化していく旋律は読者を予想もしない世界へと導いていく。
日本国は総力を挙げて筒井康隆を保護すべし。まさに人類の宝である。
2018年1月12日に日本でレビュー済み
365歩のマーチをBGMにして双六をする感じですかね、一言でいうと。
いつのまにか家の外で喧嘩している云々という場面に戻ります。
最初は何じゃこれと思うのですが、そのうち快感に変わり、
早く戻ってくれ、という期待感が醸成されます。
でも個人的にはめんどくさい感じもあって、結構な斜め読みになりました。
最初の20ページと最後の20ページを読めば完結するんですよ。
凡人には激賞する気にはなりませんでしたので星3つ。
追伸
そういえば、昔「平行世界」という短編がありました。
あの作品が上下の空間的な広がりだとすると、
この作品は左右の時間的な広がりを感じます。
時空を超えるとどんな作品になるんですかね。
いつのまにか家の外で喧嘩している云々という場面に戻ります。
最初は何じゃこれと思うのですが、そのうち快感に変わり、
早く戻ってくれ、という期待感が醸成されます。
でも個人的にはめんどくさい感じもあって、結構な斜め読みになりました。
最初の20ページと最後の20ページを読めば完結するんですよ。
凡人には激賞する気にはなりませんでしたので星3つ。
追伸
そういえば、昔「平行世界」という短編がありました。
あの作品が上下の空間的な広がりだとすると、
この作品は左右の時間的な広がりを感じます。
時空を超えるとどんな作品になるんですかね。
2013年9月6日に日本でレビュー済み
遅ればせながら読みました。
最初の「繰り返し」がやってきたとき、あー変奏曲だな、筒井康隆だから
+インプロビゼーション? と思ったけど、途中から、
おやおやこれは、もしもあのとき - 人生の選択 - といったドラマのようでもあるな、と思い始め、
タイムトラベル物とも思いました。
次はどう変化するのかとワクワクしながら読んでしまいます。
予想通りのときもあれば、「おーそう来たか」と裏切られることも度々。
そして最後は、
「ですよねー、筒井先生。人生ですよねー」と何百回目かの脱帽です。
よかった。面白かった。
最後は「おれ」に向かって、「いくなーーーーー!」と叫びそうになりました。
未読の方、ぜひ読んでみてください。
間違いなく楽しめます。
最初の「繰り返し」がやってきたとき、あー変奏曲だな、筒井康隆だから
+インプロビゼーション? と思ったけど、途中から、
おやおやこれは、もしもあのとき - 人生の選択 - といったドラマのようでもあるな、と思い始め、
タイムトラベル物とも思いました。
次はどう変化するのかとワクワクしながら読んでしまいます。
予想通りのときもあれば、「おーそう来たか」と裏切られることも度々。
そして最後は、
「ですよねー、筒井先生。人生ですよねー」と何百回目かの脱帽です。
よかった。面白かった。
最後は「おれ」に向かって、「いくなーーーーー!」と叫びそうになりました。
未読の方、ぜひ読んでみてください。
間違いなく楽しめます。
2014年10月25日に日本でレビュー済み
物語というよりも繰り返し訪れる文章に楽しみを、と思いつつも物語すら面白いのだから筒井氏、天才。もう平伏します。あなたの才能に私は圧倒的な衝撃を受けました。かないません、ごめんなさい、とこうべを垂れてしまう。「残像に口紅を」だってあんなに感動的だったのに、この作品だってここまで美しいのだから、もう人間国宝だ。重要文化人、国が保護すべき才能。
踊る虚栄心・空虚。まるでこの本そのもの。虚栄心といえば筒井氏の内部にある心か。空虚だとすれば文学に対するちょっぴりの皮肉か。それが踊り続けているのだから、かなうわけないさ。私はね、もう感動しすぎて悲しみや憤りすら覚える。いつか筒井さんに会ってその事を伝えなければならない。彼が生きている間に、私も自分の能力で彼と出会って対峙して語り合いたい。何について?ーただ、文学について言葉について心について感情について、ひたすら繰り返し何度も、語りあいたい。
踊る虚栄心・空虚。まるでこの本そのもの。虚栄心といえば筒井氏の内部にある心か。空虚だとすれば文学に対するちょっぴりの皮肉か。それが踊り続けているのだから、かなうわけないさ。私はね、もう感動しすぎて悲しみや憤りすら覚える。いつか筒井さんに会ってその事を伝えなければならない。彼が生きている間に、私も自分の能力で彼と出会って対峙して語り合いたい。何について?ーただ、文学について言葉について心について感情について、ひたすら繰り返し何度も、語りあいたい。
2008年2月27日に日本でレビュー済み
読み始めて、なんじゃこりゃぁ!と戸惑った。乱丁ありまくりではないか、というより全ページが乱丁で出来ているのだ。「美は乱丁にあり」という駄洒落が浮かんだが、筒井もついに「壊れ」たのか?ともちょっと思ってしまったのだが、いやいや、そんなもんじゃない。
そう、つまりこれは方法・手法として、何度も何度も同じ場面を、しかし微妙にディテールを変化させつつ繰り返すというやり方なのだ。これは明らかにコピー&ペーストを多用した執筆方法ではある。コンピュータがなければ書き得なかった作品と言っていいかも知れない。それぞれの場面は、かなり極端な現実離れしたスラプスティックなストーリーが続く。人が宙に浮いたり、白いフクロウが覗き込んでいたり、ヤクザが家の前で喧嘩してたのが、相撲取りになったり、自衛隊になったり…これはいかにも筒井らしい世界だ。個々の場面はそれなりに面白く楽しめる。
思い出したのは中学生の頃読んだ筒井初期の短編「しゃっくり」だ。何度も同じ時間帯が繰り返されるのだが、一見非常に似ている。しかし、このしつこいまでの繰り返し(と言うより変形、いやむしろ変奏というべきか?)の意図は、結末に至って明らかになる。なーるほど、そうなのか!と感心した。ネタばれ厳禁なのでこれ以上は書けない。筒井作品の中でも重要な位置づけになるのではないか?とは言える。
ところで、東浩紀の「ゲーム的リアリズムの誕生」(講談社現代新書)という本があるが、これは東が筒井に出された宿題への提出答案として書いたものだとあとがきにある。その本が、今度はこの小説の末尾の参考文献の中に載っている。ということは、これがまた東に対する回答なのかも知れない。確かにシュールではあるけれども、何度も繰り返されるところなどは、リセットして再プレイするような〈ゲーム的リアリズム〉なのかも。
そう、つまりこれは方法・手法として、何度も何度も同じ場面を、しかし微妙にディテールを変化させつつ繰り返すというやり方なのだ。これは明らかにコピー&ペーストを多用した執筆方法ではある。コンピュータがなければ書き得なかった作品と言っていいかも知れない。それぞれの場面は、かなり極端な現実離れしたスラプスティックなストーリーが続く。人が宙に浮いたり、白いフクロウが覗き込んでいたり、ヤクザが家の前で喧嘩してたのが、相撲取りになったり、自衛隊になったり…これはいかにも筒井らしい世界だ。個々の場面はそれなりに面白く楽しめる。
思い出したのは中学生の頃読んだ筒井初期の短編「しゃっくり」だ。何度も同じ時間帯が繰り返されるのだが、一見非常に似ている。しかし、このしつこいまでの繰り返し(と言うより変形、いやむしろ変奏というべきか?)の意図は、結末に至って明らかになる。なーるほど、そうなのか!と感心した。ネタばれ厳禁なのでこれ以上は書けない。筒井作品の中でも重要な位置づけになるのではないか?とは言える。
ところで、東浩紀の「ゲーム的リアリズムの誕生」(講談社現代新書)という本があるが、これは東が筒井に出された宿題への提出答案として書いたものだとあとがきにある。その本が、今度はこの小説の末尾の参考文献の中に載っている。ということは、これがまた東に対する回答なのかも知れない。確かにシュールではあるけれども、何度も繰り返されるところなどは、リセットして再プレイするような〈ゲーム的リアリズム〉なのかも。
2012年3月21日に日本でレビュー済み
少しずつ状況を変えながら繰り返しながら進んでいく、美術評論家の「おれ」の半生を描いた作品。
内容は突拍子もない出来事や、何かを象徴するかのようなモーメントが散りばめられています。
少しずつ内容が変わりながら繰り返すと描きましたがその全てが空想や妄想の類ではなく、現実として描写されています。
これには何か意味があるのだろうか?と期待しながら読んでみると期待を裏切られるかもしれません。
これは実験小説的で読者自身が意味を見出してニヤリとしていくモノなのかな、と思います。
ですから散りばめられているコーラス達やフクロウなどから「おれ」の心理的な描写を読み取ろうとするのは良いのですが
それ自体に正解はありません。
恐らく考えさせる事が目的?なのでしょう。
こういう奇想天外な物語に意味を求めて模索するのが好きな人には大受けしますし
エンターテイメントとして物語を進めた人にとってはまったくの駄作とも受け取れるのかと。
ですから★は3つにしました。
後、余談ですがこの「おれ」に筒井さん自身何か自分を重ねているような気がします。
内容は突拍子もない出来事や、何かを象徴するかのようなモーメントが散りばめられています。
少しずつ内容が変わりながら繰り返すと描きましたがその全てが空想や妄想の類ではなく、現実として描写されています。
これには何か意味があるのだろうか?と期待しながら読んでみると期待を裏切られるかもしれません。
これは実験小説的で読者自身が意味を見出してニヤリとしていくモノなのかな、と思います。
ですから散りばめられているコーラス達やフクロウなどから「おれ」の心理的な描写を読み取ろうとするのは良いのですが
それ自体に正解はありません。
恐らく考えさせる事が目的?なのでしょう。
こういう奇想天外な物語に意味を求めて模索するのが好きな人には大受けしますし
エンターテイメントとして物語を進めた人にとってはまったくの駄作とも受け取れるのかと。
ですから★は3つにしました。
後、余談ですがこの「おれ」に筒井さん自身何か自分を重ねているような気がします。