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ローマ人の物語 (25) 賢帝の世紀(中) (新潮文庫) 文庫 – 2006/8/29

4.4 5つ星のうち4.4 31個の評価

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トライアヌスの後を継ぎ皇帝となったハドリアヌスは、就任直後、先帝の重臣を粛清し、市民の信頼を失っていた。しかし大胆な政策や改革を実施することにより人気を回復。そして皇帝不在でも機能する組織固めを確実にしたハドリアヌスは紀元121年、念願の帝国視察の大旅行に旅立つ。目的は帝国の安全保障体制の再構築にあった。治世の三分の二を費やした、帝国辺境の旅。それを敢行した彼の信念とは……。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2006/8/29)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2006/8/29
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 192ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101181756
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101181752
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 31個の評価

著者について

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塩野 七生
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1937年7月7日、東京生れ。

学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。

1982年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。1983年、菊池寛賞。1992年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくむ(2006年に完結)。1993年、『ローマ人の物語I』により新潮学芸賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。2007年、文化功労者に選ばれる。2008-2009年、『ローマ亡き後の地中海世界』(上・下)を刊行。

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上位レビュー、対象国: 日本

2016年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
防衛線をくまなく巡回し、ローマ法を集大成し、公共建築を進める等、大忙しのハドリアヌスを描く。
更にローマ市民や元老院を怒らせないための努力は涙ぐましいほど。
領土拡大とその防衛線維持の苦労を見ていると、唐突だが、日本の近代史を思い出される。
『満州と朝鮮は我が国防衛上の生命線』とばかりに戦争を拡大していった日本の姿がダブって見える。
ローマ人は周辺部族を”蛮族”と呼ぶが、彼らは自分のことを”蛮族”とは言っていないだろうし、彼らに
とってローマ人はやはり”蛮族”であったろうと思われる。
ローマ人には許され、日本人には許されないという基準は、どこにあるのだろう。時代の違いはある
にせよ、そんなことを考えながら読んだ。面白かった。
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2010年6月10日に日本でレビュー済み
いわゆる五賢帝時代を扱ったシリーズの文庫第25弾。ハドリアヌスといえばまず思い浮かぶのが英国のハドリアヌスの長城である。
ハドリアヌスはこのようにブリタニアにまで赴いて、帝国の各地をまわっていたのである。
真面目に働き続けた男トライアヌス帝の後を継いだハドリアヌスは、反対派への「処置」を近衛軍団長官に命じたところ反対派が消されてしまう、
という事件を起こしてしまう。しかし、そのまま恐怖政治に突入することはもちろんなく、バッシングも回避して、平穏な治世を始めていく。
本書で重点的に描かれるのは、何年も何年も費やしたハドリアヌスの巡察行である。ローマ帝国の版図は最大となり、英国から西欧、北アフリカから中東まで広がっていた。
ハドリアヌスはローマを留守にして自ら様々な属州をまわり、システムの再構築や見直し、インフラの修理整備や建設などを行っていく。
クルマも電車も飛行機もない時代に、先達が敷設した「高速道路」たるローマ街道やパクス・ロマーナの下安全に旅ができる航路を活用して、
皇帝は巨大帝国の各所をチェックしていくのである。ハドリアヌスは帝国の全体を見渡し、帝国が平穏に続いていくためのメンテナンスを行ったといえる。
また、これだけ首都を長く留守にしても大丈夫であったこと自体が、ローマ帝国が平和であったことと、運営システムがよく機能し続けていたことを示しているといえるだろう。
各地を視察するトライアヌスの地道な業務と共に、女性のことやギリシア好きのこと、美少年との関係など私生活面もほどよく取り交ぜてトライアヌス像が描かれている。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2013年6月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一気に読み切らないように、常に3連番づつ買い足します。眠れなくなるほど夢中に読むほどおもしろいです。
2011年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 「ローマの皇帝たちは、意外にも多く旅をしている。それは、皇帝に課された責務が、一に安全保障、二に属州の統治、三に帝国全域のインフラ整備にあったので、これを果すには現地を知る必要があったからである。」(84頁)「そして、このハドリアヌスを有名にしたのは、治世の三分の二を費やして行われることになる帝国全域への視察旅行だが、この人は何であろうと自分の眼で見、それをもとに自分の頭で判断して統治を行った人である。つまり、何でも自分で決めないと承知しない性格なのだ。このハドリアヌスが、先帝の忠臣たちであり元老院の有力者でもある四人の「対処」という重大事を、最後の詰めもしない形で、要するに中途半端な形で命令を下すであろうか。しかも、彼自身がローマに帰った後とて、より良い方策が見出せるものでもなかったのである。」(67頁)

 「人々が誰でも手にする通貨は、ローマの為政者たちが政策の宣伝に活用した媒体でもあった。ハドリアヌスはそのローマの通貨に、自分のモットーとして、次の言葉を彫らせている。「寛容」「融和」「公正」「平和」。ローマ帝国の統治の最高責任者は、皇帝である。つまり、通貨に彫られたこれらの政見が現実化できるか否かは、ハドリアヌスにかかっているのだった。そして、それを進めていく基盤は、トライアヌスの重臣四人の抹殺を経ることで、完璧になったのである。」(75頁)
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年9月18日に日本でレビュー済み
トライアヌスに続き属州出身の皇帝となるハドリアヌス。
彼も勤勉に働くがトライアヌスより厳しい印象はある。
皇帝になってすぐ4名の執政官経験者が殺される。彼がやったのではなく部下と言うことだが。
彼の皇帝時代は巡行の繰り返しである。ローマ帝国の各地を巡行し、行った先々で改善を行っている。
ギリシアは元々好きでギリシアの建物も作りなおしている。
また、顎鬚を生やし、アンティーノと言うギリシアの青年を寵愛する。彼はエジプトで亡くなっている。
2006年12月29日に日本でレビュー済み
このシリーズは、著者の歴史家のように事実だけを淡々として書くだけでなく、時折、豊富な文献を基に客観的に分析し、時に主観を述べるといった平易に書かれた歴史小説であることがローマ人を面白くさせている要因だと思うが、この巻のローマ人は、五賢帝の三人目に数えられるハドリアヌス帝の治世(若年期から壮年期)までを物語っており、他の皇帝と同様に、皇帝としての功績だけでなく人間性も描かれていて面白い。

壮年期までのハドリアヌス帝の治世に関して言えば、帝国全域の巡行が、単なる旅行気分での視察ではなく、帝国の現状を分析し、安全保障の再構築が目的だったことに皇帝の果たすべき使命感に並々ならぬ思いを感じた。

状況把握において、“百分は一見にしかず”に勝る物はないと思うが、ハドリアヌス帝は実際自分で足を運び、目で確認し、帝国の安全保障の再構築に努めたわけである。

ハドリアヌス帝のしたことは、征服戦争をして凱旋式を挙行するわけでもなく、矢継ぎ早に公共事業をするわけでもなく、帝国の安全保障と既存の建設物の修理など、派手ではないが、パクス・ロマーナを維持することにおいて、帝国の安全と食を保障し、十分すぎる程皇帝の責務を果たしたことに異論はない。

改革路線のトライアヌスを引き継いだことで、なにかと難しいこともあったかと思うが、元老院との関係維持をしながら、ローマ市民の指示も得たことに、実直な人間性の持ち主であったことが計り知れる。

次巻では複雑な性格の持ち主であったことも紹介されてはいる。確かに少しは気分屋な部分もあったと思うが、皇帝という職務をまっとうするには相当な重圧と戦わなければいけない。日常の激務から、解放され、心の落ち着く場所もなく、ぶつける場所もなければ、時に投げやりになっても仕方がない。常に一定の精神性を保つことは、並外れた精神力を持ってしても相当に難しいはずである。

実直な人間性であり、何事にも一生懸命に取り組んだが、不器用だった為に、著者が言う「一貫しないでは一貫した性格」と他人には写ってしまったことに人間として共感を覚えることも多い。

そして、保守的であっても、ローマ人の合理性を体現したことに、まさにローマ市民の“第一人者(プリンチェプス)”であったようにも思う。

ハドリアヌス帝を彫ったコインが現在に多く残されているのと、ギリシアかぶれが興じて、現在に残るギリシア彫刻がハドリアヌス治世の時代に模刻された物が多いことに、記憶より記録に残った皇帝であったと言っても過言ではないように思う。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年7月19日に日本でレビュー済み
前帝トライアヌスを代父とするハドリアヌスの治世を描く本巻。
塩野氏は、ハドリアヌスに対する同時代人や歴史家の「疲れを知らぬ働き者」「機能と効率の信奉者」「天才的オーガナイザー」などさまざまな評価を紹介しながらハドリアヌスの人間性とその業績を浮き彫りにしていきます。
その治世21年のうち14年を帝国各地の巡行にあてた皇帝。それは、現代の企業の社長が現場を廻るような「視察」というレベルではなく、国境防衛線の強化・再構築の陣頭指揮など極めて精力的な仕事ぶりが印象に残ります。そして長い歴史の中で運用されてきた法の再整備を行い、整理した大事業。塩野氏はこれを評して「ローマ帝国を真の意味でリストラした人」と論じます。
就任直後の不人気から、その業績で評価を上げたハドリアヌス。その変遷がよく分かる内容になっています。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年8月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
  立派過ぎて面白く書きようがないと言う感想を持ったトライアヌス帝と違い、ハドリアヌスは就任直後の粛清が、小説家の想像力を働かせるチャンスだった。皇帝の意思で暗殺されたのか否か。以後の動きを見ると、やはり彼の意思えはなかったように思われるが、今風の言葉で言えば忖度だったのだろうか。塩野七生は「私ならこう書く」と言う形で、殺害まで彼の意思であったのだとする仮説を披露している。歴史家ではなく小説家であると言う、彼女の矜持である。
  以下の視察旅行に関しては、歴史的意義はともかく、さほど小説として面白くなる要素はない。それでも、彼女なりの意見感想を述べて、無味乾燥なものとしていないのは流石だ。