大学時代に世界史をとっていて、本当によかった。
ざっくり流れを把握していないと読みにくいと思います。
若い時に読むのではなく、30代で仕事していてリーダーシップのとり方とかを意識するようになってくる頃に読むと、とっても役立つ。
大昔も今も、いっしょやん!おなじ人間やん!(命の価値は違うけど)
この塩野さんのあっけらかんとした口調とローマ愛が絡み合っていて本当に読みやすい。
歴史もので笑ってしまうなんて、この本でしかないです。
かわいい息子たちを描いていらっしゃるような。
塩野さん解説で、NHKで海外版大河ドラマしてほしいなあ。
本当におもしろいです。
BBCのドキュメンタリーにも興味が出てくるようになります。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥539¥539 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥539¥539 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥88¥88 税込
配送料 ¥240 6月7日-9日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】 販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
¥88¥88 税込
配送料 ¥240 6月7日-9日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ローマ人の物語〈34〉迷走する帝国〈下〉 (新潮文庫 し 12-84) 文庫 – 2008/8/28
塩野 七生
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥539","priceAmount":539.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"539","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"pqfeDwS%2BK6TXw4mkbJeolc1r6sE4ZW3b0Stw7UlxHXok4a3lTBFTq9%2FR%2BEROI0e%2Fjow8zKTbBDHaOINwQbY2HAZmH2BIK0J89xEgl%2BSYNsvtr6uCmjY3HxqyVeDgeOr%2F","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥88","priceAmount":88.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"88","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"pqfeDwS%2BK6TXw4mkbJeolc1r6sE4ZW3bYFbWS9p0wcR%2BFnN6Lfpw3JkxUvf0rhTj5PDgb9TafejtCFWJ5dqNx4YozwVWicPDPuPm7sW9NxR%2BHyiQn1wB6qDV7RuDZtfTpX2yFBXobjLivi86dPgC%2Ftt%2BwPTOdGCtXZDXJF5IPamAvzvTloHUIA%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
疫病の流行や自然災害の続発、そして蛮族の侵入といった危機的状況が続く中、騎兵団長出身のアウレリアヌスが帝位に就く。内政改革を断行するとともに、安全保障面でも果断な指導力を発揮し、パルミラとガリアの独立で三分されていた帝国領土の再復に成功。しかし、そのアウレリアヌスも些細なことから部下に謀殺され、ローマは再び混沌のなかに沈み込んでいく。のちに帝国を侵食するキリスト教も、静かに勢力を伸ばしつつあった。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2008/8/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101181845
- ISBN-13978-4101181844
よく一緒に購入されている商品
対象商品: ローマ人の物語〈34〉迷走する帝国〈下〉 (新潮文庫 し 12-84)
¥539¥539
最短で6月5日 水曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
¥506¥506
最短で6月5日 水曜日のお届け予定です
残り7点(入荷予定あり)
¥473¥473
最短で6月5日 水曜日のお届け予定です
残り6点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
出版社より
【32】迷走する帝国〔上〕 | 【33】迷走する帝国〔中〕 | 【34】迷走する帝国〔下〕 | |
---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.5
33
|
5つ星のうち4.3
33
|
5つ星のうち4.5
30
|
価格 | ¥473¥473 | ¥506¥506 | ¥539¥539 |
【新潮文庫】『ローマ人の物語』全43巻 | 皇帝が敵国に捕囚されるという前代未聞の不祥事がローマを襲う──。紀元三世紀、ローマ帝国は「危機の世紀」を迎えた。 |
愛の年代記 | チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 | コンスタンティノープルの陥落 | ロードス島攻防記 | レパントの海戦 | マキアヴェッリ語録 | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.3
58
|
5つ星のうち4.3
102
|
5つ星のうち4.4
288
|
5つ星のうち4.5
173
|
5つ星のうち4.4
124
|
5つ星のうち4.2
293
|
価格 | ¥572¥572 | ¥781¥781 | ¥693¥693 | ¥649¥649 | ¥572¥572 | ¥572¥572 |
【新潮文庫】 塩野七生 作品 | 欲望、権謀のうず巻くイタリアの中世末期からルネサンスにかけて、激しく美しく恋に身をこがした女たちの華麗なる愛の物語 9 編。 | ルネサンス期、初めてイタリア統一の野望をいだいた一人の若者──〈毒を盛る男〉としてその名を歴史に残した男の栄光と悲劇。〈毎日出版文化賞受賞〉 | 一千年余りもの間独自の文化を誇った古都も、トルコ軍の攻撃の前についに最期の時を迎えた──。甘美でスリリングな歴史絵巻。 | 一五二二年、トルコ帝国は遂に「喉元のトゲ」ロードス島の攻略を開始した。島を守る騎士団との壮烈な攻防戦を描く歴史絵巻第二弾。 | 一五七一年、無敵トルコは西欧連合艦隊の前に、ついに破れた。文明の交代期に生きた男たちを壮大に描いた三部作、ここに完結! | 浅薄な倫理や道徳を排し、現実の社会のみを直視した中世イタリアの思想家・マキアヴェッリ。その真髄を一冊にまとめた箴言集。 |
サイレント・マイノリティ | イタリア遺聞 | イタリアからの手紙 | サロメの乳母の話 | ルネサンスとは何であったのか | ルネサンスの女たち | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.1
30
|
5つ星のうち4.3
61
|
5つ星のうち4.1
54
|
5つ星のうち4.0
47
|
5つ星のうち4.3
146
|
5つ星のうち4.3
105
|
価格 | ¥605¥605 | ¥649¥649 | ¥605¥605 | ¥506¥506 | ¥693¥693 | ¥781¥781 |
「声なき少数派」の代表として、皮相で浅薄な価値観に捉われることなく、「多数派」の安直な正義を排し、その真髄と美学を綴る。 | 生身の人間が作り出した地中海世界の歴史。そこにまつわるエピソードを、著者一流のエスプリを交えて読み解いた好エッセイ。 | ここ、イタリアの風光は飽くまで美しく、その歴史はとりわけ奥深く、人間は複雑微妙だ。──人生の豊かな味わいに誘う 24 のエセー。 | オデュッセウス、サロメ、キリスト、ネロ、カリグラ、ダンテの裏の顔は?「ローマ人の物語」の作者が想像力豊かに描く傑作短編集。 | イタリア・ルネサンスは、美術のみならず、人間に関わる全ての変革を目指した。その本質を知り尽くした著者による最高の入門書。 | イタリア・ルネサンスは、美術のみならず、人間に関わる全ての変革を目指した。その本質を知り尽くした著者による最高の入門書。 |
神の代理人 | 想いの軌跡 | 塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック | 海の都の物語 1~6 | 小説 イタリア・ルネサンス 1~4 | |
---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.4
78
|
5つ星のうち4.3
35
|
5つ星のうち4.2
61
|
5つ星のうち4.3
70
|
5つ星のうち4.5
126
|
価格 | ¥825¥825 | ¥825¥825 | ¥1,155¥1,155 | ¥605¥605 | ¥1,210¥1,210 |
信仰と権力の頂点から見えたものは何だったのか──。個性的な四人のローマ法王をとりあげた、塩野ルネサンス文学初期の傑作。 | 地中海の陽光に導かれ、ヨーロッパに渡ってから半世紀──。愛すべき祖国に宛てた手紙ともいうべき珠玉のエッセイ、その集大成。 | ローマ帝国の栄光と衰亡を描いた大ヒット歴史巨編のビジュアル・ダイジェストが登場。『ローマ人の物語』をここから始めよう! | 外交と貿易、軍事力を武器に、自由と独立を守り続けた「地中海の女王」ヴェネツィア共和国。その一千年の興亡史を描いた歴史大作。〈サントリー学芸賞〉 | ヴェネツィアの外交官マルコとローマから来た高級遊女オリンピアの恋の行方は──。塩野七生、唯一の歴史小説。豪華口絵を附す。 |
わが友マキアヴェッリ 1~3 | ローマ亡き後の地中海世界 1~4 | 十字軍物語 1~4 | 皇帝フリードリッヒ二世の生涯〔上・下〕 | |
---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.2
48
|
5つ星のうち4.6
42
|
5つ星のうち4.5
160
|
5つ星のうち4.5
277
|
価格 | ¥605¥605 | ¥737¥737 | ¥880¥880 | ¥1,045¥1,045 |
権力を間近で見つめ、自由な精神で政治と統治の本質を考え続けた政治思想家の実像に迫る。塩野ルネサンス文学の最高峰、全三巻。 | ローマ帝国滅亡後の地中海は、北アフリカの海賊に支配される「パクス」なき世界だった!大作『ロ ーマ人の物語』の衝撃的続編。 | 中世ヨーロッパ史最大の事件「十字軍」。それは侵略だったのか、進出だったのか。信仰の「大義」を正面から問う傑作歴史長編。 | 法王の権威を恐れず、聖地を手中にし、学芸を愛した──時代を二百年先取りした「はやすぎた男」の生涯を描いた傑作歴史巨編。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2008/8/28)
- 発売日 : 2008/8/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 256ページ
- ISBN-10 : 4101181845
- ISBN-13 : 978-4101181844
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 247,973位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1937年7月7日、東京生れ。
学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。
1982年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。1983年、菊池寛賞。1992年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくむ(2006年に完結)。1993年、『ローマ人の物語I』により新潮学芸賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。2007年、文化功労者に選ばれる。2008-2009年、『ローマ亡き後の地中海世界』(上・下)を刊行。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
ぐっジョ~
Amazonで購入
ペルシャに捕囚されてローマ人から見放され、忘れ去られてしまった
ヴァレリアヌス帝だが、彼によって抜擢された者たちのなかの何人か
は後に皇帝になったのを見ると、ヴァレリアヌス帝は人の能力を見極
めて適所に配置する才能は優れていたのかなと思う。彼は当然そのよ
うな結果を見ることなく亡くなった訳だが、せめてもの慰めか。
ヴァレリアヌス帝だが、彼によって抜擢された者たちのなかの何人か
は後に皇帝になったのを見ると、ヴァレリアヌス帝は人の能力を見極
めて適所に配置する才能は優れていたのかなと思う。彼は当然そのよ
うな結果を見ることなく亡くなった訳だが、せめてもの慰めか。
Saburo Ochiaigawa
Amazonで購入
「短期間の皇帝をやっただけで殺された男たちが多かったこの時代に、在位五年というのは長いほうに属する。しかし、アウレリアヌス帝の真価は、在位期間にはない。この皇帝を具体的に読者に見てもらうために肖像を探したのだが見つからず、通貨に彫られた横顔も、私には満足いくものがなかった。美男でもイイ顔でもなかったのだろうが、何と言おうが鋳造技術が退化していたのである。国力の衰退が通貨にも表れてくるようでは、やはりこの時代は、歴史学で言われる「三世紀の危機」であったと思うしかない。かわいそうに、彫像をつくらせる暇もないくらいに国中を駆けまわって、帝国を立て直そうと努めた人なのに、と思ってしまう。ユリウス・カエサルは、ローマの防衛は国境でやると言って、それまであったローマの城壁を壊した。その三百二十五年後、アウレリアヌスは城壁をつくる。考えてみて下さい、この間の歩みを。」(「カバーの銀貨について」より)
「多民族国家であるローマ帝国を束ねる役割をになっていたローマ皇帝が、敵方の捕虜になるというローマ史上はじめての不祥事がもたらした影響は、あらゆる面にわたっていた。まず、この不祥事は、ローマ帝国皇帝の権威の失墜以外の何ものでもなかった。そして、この変化を誰よりも強く感じていたのは、前線で兵士を率いて実際に帝国を防衛していた、総督や軍団長であったのだ。皇帝捕わるの報に接した当初にこの人々を襲ったのは茫然自失の状態だったが、その後につづいたのは、帝国存亡の危機を前にしての団結ではなくて分裂だった。人間世界では、なぜか、権威失墜の後に訪れるのは、残された者同士の団結ではなく、分裂である場合が圧倒的に多い。束ねる役割を果たしていた存在が消滅したことによって、それまで自分たちよりは上の存在によって束ねられていた人々は、いったんはバラバラになるしかないのかもしれない。数は大げさだが、世に言う「三十人皇帝」の時代に突入したのだった。」(12〜13頁)
「このガリエヌスが立案し成立させた法、つまり考え実施した政策、の中で後世の評価が一致して悪いのは、「元老院」と「軍隊」の完全分離を定めた法である。元老院議員を、ローマ軍の将官クラスから、完全に排除することを決めた法であった。(中略)元老院議員たちは、自分たちを軍務からしめ出すこの法に、賛成票を投じたのである。ガリエヌス以降の皇帝には軍人出身の皇帝が輩出するが、軍人皇帝は軍人たちがつくり出したのではない。非軍人がつくり出したのであった。そしてこれは、この三世紀の特色でもあった、ローマ人の非ローマ化、の一例にもある。つまり、これ以降も将来にわたってローマ帝国の方向を決めてしまう「法」になるのである。」(36〜38頁)
「属州民への市民権授与を定めたカラカラ帝による「アントニヌス勅令」は、属州民を全員ローマ市民にしたことによって、ローマ市民権を取得権から既得権に変えてしまった。五賢帝時代の小プリニウスは、「ローマ市民権は魅力があるものでなければならない」と言ったが、誰もが生まれたときから持つものになっては、魅力が失われる。国家のために尽くした人ならば人種や宗教の別なく与えられる権利であったローマ市民権は、カラカラ帝の法以後、その真の意味を失ったのである。ガリエヌス帝による軍務と政務の完全分離を定めた法も、ローマを非ローマ化するうえで果たした役割は、カラカラの法に匹敵する重要度であったと私は思っている。カラカラの法は一般市民のやる気を殺ぐことになったからであった。しかし、非ローマ化への舵をきったということならば同じでも、激しく変化する現実に対処するには他に方策はなかったという理由で、弁護可能な法もある。それは、同じくガリエヌス帝が実施した政策だが、軍の構成を、重装歩兵を主体にしたローマ伝統のシステムから、騎兵を主体にした、言ってみればゲルマン的な軍構成に変えたことであった。」(40〜41頁)
「皇帝ヴァレリアヌスがペルシアに捕われた紀元260年以来、皇帝ガリエヌスが八年をかけ、その後を継いだ皇帝クラウディウス・ゴティクスがさらに二年と、二人の皇帝が合計十年をかけても成し遂げえなかったことを、アウレリアヌスは、四年でやり遂げてしまったのである。(中略)政治の世界は、シンポジウムの席ではない。具体的に見、感じられる事実として、有権者に示さなくてはならない。ローマ皇帝にとってのそれは、何よりも先に、外敵からの帝国の防衛、であった。それには、帝国の各部分が離れ離れになっていたのでは充分に機能できないのが、ローマという帝国の特質でもあったのである。」(130頁)
「皇帝アウレリアヌスの死に方もこのプロブスの死にようも、この時期の統治する側と統治される側の距離が、限度を超えて短縮していたことを示している。彼ら軍人出身の皇帝たちは、言ってみれば実力重視政策の成果であった。生れも育ちも非エリート階級に属した彼らが帝位にまで登りつめたのも、既成の指導者層に絶望した世の中が、実力をもつ者の登場を求めたからである。だが、正当であるのは明らかな実力重視路線だが、昨日まで自分と同格であった者が、今日からは自分に命令する立場に立つ、ということでもある。この現実を直視し納得して受け入れるには相当の思慮が求められるが、そのような合理的精神をもち合わせている人は常に少ない。いわゆる「貴種」、生れや育ちが自分とかけ離れている人に対して、下層の人々が説明しようのない敬意を感じるのは、それが非合理だからである。多くの人にとってより素直に胸に入ってくるのは、合理的な理性よりも非合理的な感性のほうなのだ。」(157〜158頁)
「多民族国家であるローマ帝国を束ねる役割をになっていたローマ皇帝が、敵方の捕虜になるというローマ史上はじめての不祥事がもたらした影響は、あらゆる面にわたっていた。まず、この不祥事は、ローマ帝国皇帝の権威の失墜以外の何ものでもなかった。そして、この変化を誰よりも強く感じていたのは、前線で兵士を率いて実際に帝国を防衛していた、総督や軍団長であったのだ。皇帝捕わるの報に接した当初にこの人々を襲ったのは茫然自失の状態だったが、その後につづいたのは、帝国存亡の危機を前にしての団結ではなくて分裂だった。人間世界では、なぜか、権威失墜の後に訪れるのは、残された者同士の団結ではなく、分裂である場合が圧倒的に多い。束ねる役割を果たしていた存在が消滅したことによって、それまで自分たちよりは上の存在によって束ねられていた人々は、いったんはバラバラになるしかないのかもしれない。数は大げさだが、世に言う「三十人皇帝」の時代に突入したのだった。」(12〜13頁)
「このガリエヌスが立案し成立させた法、つまり考え実施した政策、の中で後世の評価が一致して悪いのは、「元老院」と「軍隊」の完全分離を定めた法である。元老院議員を、ローマ軍の将官クラスから、完全に排除することを決めた法であった。(中略)元老院議員たちは、自分たちを軍務からしめ出すこの法に、賛成票を投じたのである。ガリエヌス以降の皇帝には軍人出身の皇帝が輩出するが、軍人皇帝は軍人たちがつくり出したのではない。非軍人がつくり出したのであった。そしてこれは、この三世紀の特色でもあった、ローマ人の非ローマ化、の一例にもある。つまり、これ以降も将来にわたってローマ帝国の方向を決めてしまう「法」になるのである。」(36〜38頁)
「属州民への市民権授与を定めたカラカラ帝による「アントニヌス勅令」は、属州民を全員ローマ市民にしたことによって、ローマ市民権を取得権から既得権に変えてしまった。五賢帝時代の小プリニウスは、「ローマ市民権は魅力があるものでなければならない」と言ったが、誰もが生まれたときから持つものになっては、魅力が失われる。国家のために尽くした人ならば人種や宗教の別なく与えられる権利であったローマ市民権は、カラカラ帝の法以後、その真の意味を失ったのである。ガリエヌス帝による軍務と政務の完全分離を定めた法も、ローマを非ローマ化するうえで果たした役割は、カラカラの法に匹敵する重要度であったと私は思っている。カラカラの法は一般市民のやる気を殺ぐことになったからであった。しかし、非ローマ化への舵をきったということならば同じでも、激しく変化する現実に対処するには他に方策はなかったという理由で、弁護可能な法もある。それは、同じくガリエヌス帝が実施した政策だが、軍の構成を、重装歩兵を主体にしたローマ伝統のシステムから、騎兵を主体にした、言ってみればゲルマン的な軍構成に変えたことであった。」(40〜41頁)
「皇帝ヴァレリアヌスがペルシアに捕われた紀元260年以来、皇帝ガリエヌスが八年をかけ、その後を継いだ皇帝クラウディウス・ゴティクスがさらに二年と、二人の皇帝が合計十年をかけても成し遂げえなかったことを、アウレリアヌスは、四年でやり遂げてしまったのである。(中略)政治の世界は、シンポジウムの席ではない。具体的に見、感じられる事実として、有権者に示さなくてはならない。ローマ皇帝にとってのそれは、何よりも先に、外敵からの帝国の防衛、であった。それには、帝国の各部分が離れ離れになっていたのでは充分に機能できないのが、ローマという帝国の特質でもあったのである。」(130頁)
「皇帝アウレリアヌスの死に方もこのプロブスの死にようも、この時期の統治する側と統治される側の距離が、限度を超えて短縮していたことを示している。彼ら軍人出身の皇帝たちは、言ってみれば実力重視政策の成果であった。生れも育ちも非エリート階級に属した彼らが帝位にまで登りつめたのも、既成の指導者層に絶望した世の中が、実力をもつ者の登場を求めたからである。だが、正当であるのは明らかな実力重視路線だが、昨日まで自分と同格であった者が、今日からは自分に命令する立場に立つ、ということでもある。この現実を直視し納得して受け入れるには相当の思慮が求められるが、そのような合理的精神をもち合わせている人は常に少ない。いわゆる「貴種」、生れや育ちが自分とかけ離れている人に対して、下層の人々が説明しようのない敬意を感じるのは、それが非合理だからである。多くの人にとってより素直に胸に入ってくるのは、合理的な理性よりも非合理的な感性のほうなのだ。」(157〜158頁)
森浩明
Amazonで購入
福島の避難区域の近くですが、速やかに送付して頂きました。ありがとうございます。紙のブックカバーがあると助かります。
romarin
Amazonで購入
『迷走する帝国』の題名通り、文庫34巻でも、どの皇帝が即位しどのような理由で代わったのか把握しておくことができないような状況が引き続き描かれる。
大挙して押し寄せる「蛮族」など、外部からの問題や時代の変化も大きいのだが、この時代のローマは不運にも見舞われたといえるようだ。
皇帝がせっかく戦争に勝利し、効果の出そうな政策を実施していこうとしても、その矢先に病死したり、突然落雷で死んだり、ちょっとしたことで殺されたりする。
ようやく有能そうな人材が帝位に就いても、不慮の死などで在位が長く続かないのである。即位し出征したら行軍の旅が老齢の体にこたえたのかさっさと死んでしまったりもする。
このように、うまくいきそうだったのに突如その治世が終わりになるというケースが多く、安定したある程度の長さの治世を持てていれば、
ローマももう少しは情勢を立て直してもう少しもったかもしれないと思わされた。当時の感覚で言えば、まさに神々が助けてくれなくなった、という感である。
そしてようやく、一定の長さの治世をもてたディオクレティアヌス帝について語られると思われた所で本書は一転、キリスト教の考察に入る。
なぜキリスト教は最初から急激には増えず、この頃台頭してきたのかを、2つの先行研究を踏まえながら著者自身の考えで述べているので、
プレ中世ヨーロッパ史としても興味深い。キリスト教がなぜあんなに流行ったのか、個人的にも疑問に思っていたので、様々な見地からの著者の考察は興味深く読んだ。
また、ローマにもともといる数多の神と、一神教のユダヤ教と、同じく一神教でも柔軟性を持ち合わせていたキリスト教との比較も面白い。
数多の神々のもたらす助けと、キリスト教の神のもたらす助けは、言われてみれば確かに違う。私自身は完全な無宗教だが、同様に不安な時代に生きる人間として、
混迷の時代やローマ社会の変化に絡めた著者の考察はなるほどと思わされた。まとめれば、ローマがローマン・スピリットを失ってしまったことが、
宗教の面から軍備の面まで社会のあらゆる側面に根本的な影響を及ぼしたと言えるのではないか。
大挙して押し寄せる「蛮族」など、外部からの問題や時代の変化も大きいのだが、この時代のローマは不運にも見舞われたといえるようだ。
皇帝がせっかく戦争に勝利し、効果の出そうな政策を実施していこうとしても、その矢先に病死したり、突然落雷で死んだり、ちょっとしたことで殺されたりする。
ようやく有能そうな人材が帝位に就いても、不慮の死などで在位が長く続かないのである。即位し出征したら行軍の旅が老齢の体にこたえたのかさっさと死んでしまったりもする。
このように、うまくいきそうだったのに突如その治世が終わりになるというケースが多く、安定したある程度の長さの治世を持てていれば、
ローマももう少しは情勢を立て直してもう少しもったかもしれないと思わされた。当時の感覚で言えば、まさに神々が助けてくれなくなった、という感である。
そしてようやく、一定の長さの治世をもてたディオクレティアヌス帝について語られると思われた所で本書は一転、キリスト教の考察に入る。
なぜキリスト教は最初から急激には増えず、この頃台頭してきたのかを、2つの先行研究を踏まえながら著者自身の考えで述べているので、
プレ中世ヨーロッパ史としても興味深い。キリスト教がなぜあんなに流行ったのか、個人的にも疑問に思っていたので、様々な見地からの著者の考察は興味深く読んだ。
また、ローマにもともといる数多の神と、一神教のユダヤ教と、同じく一神教でも柔軟性を持ち合わせていたキリスト教との比較も面白い。
数多の神々のもたらす助けと、キリスト教の神のもたらす助けは、言われてみれば確かに違う。私自身は完全な無宗教だが、同様に不安な時代に生きる人間として、
混迷の時代やローマ社会の変化に絡めた著者の考察はなるほどと思わされた。まとめれば、ローマがローマン・スピリットを失ってしまったことが、
宗教の面から軍備の面まで社会のあらゆる側面に根本的な影響を及ぼしたと言えるのではないか。
草雲雀
この巻は最後に“ローマ帝国とキリスト教”と言う章があります。
そこでイギリス人のギボンとドッズの見解を説明している。
まずギボン、
一.断固として一神教を通したこと。
二.未来の生を保証する教理。
三.奇跡の数々。
四.純粋で禁欲的な生き方。
五.キリスト教のコミュニティ。
そして、ドッズ。
1)排他性。
2)誰に対しても開かれていた。
3)希望を与えた。
4)現実の世界でも利益をもたらした。
結局はローマ帝国の弱体化疲弊化がキリスト教徒によるローマ帝国のっとりに寄与したと。
(筆者はローマの多神教文化が好きらしい)
そこでイギリス人のギボンとドッズの見解を説明している。
まずギボン、
一.断固として一神教を通したこと。
二.未来の生を保証する教理。
三.奇跡の数々。
四.純粋で禁欲的な生き方。
五.キリスト教のコミュニティ。
そして、ドッズ。
1)排他性。
2)誰に対しても開かれていた。
3)希望を与えた。
4)現実の世界でも利益をもたらした。
結局はローマ帝国の弱体化疲弊化がキリスト教徒によるローマ帝国のっとりに寄与したと。
(筆者はローマの多神教文化が好きらしい)
ヒデボン
文庫本化された後も、作者塩野七生は一冊ずつ、表紙になった「皇帝コイン」の解説を丁寧に書いていてくれるので、嬉しい限りである。
本書はこのシリーズの中でも終末期に入ったローマ帝国の、極めてユニークな記述内容の巻となっている。著者塩野七生の薀蓄溢れる意見部分とか、キリスト教に対する先学に加えての自分の考えの吐露とか、作者の考え方が大いに反映されている部分が多い。
本シリーズが、日本の多数の読者に読まれ、人気があり、経営者等々のリーダーにも多くの愛読者がいるのは、古代ローマ帝国の各皇帝の言動ないしは行動等に今日でも見るべきところがあり、日常の意思決定等々にも生かすことができるケースがあると考えるからである。
そういう意見もあるらしい。
塩野はこんなことを言っている。
「人間世界では、なぜか、権威失墜の後に訪れるのは、残された者同士の団結ではなく、分裂である場合が圧倒的に多い。」
嘗てのチトー亡き後の、ユーゴスラビアの分裂国家群の内紛然り。
また、
「同性として毎度のことながら残念に思うのだが、女とは権力を手中にするやいなや、超えてはならない一線を越えてしまうのである。しかもそれを、相手の苦境につけこむやり方で行う。」と。
然り。見に覚えのある女性も多々あるのでは・・・・・。
本書の最後にまるまる1章をさいて書かれた「ローマ帝国とキリスト教」は圧巻である。この章はキリスト教に対する塩野の総括であり、この宗教に対する彼女の明確な意思表明といっていい。
そして、作者も含め、我々のようなキリスト教信者でない読者にとっては最高の、且つお手軽な「古代キリスト教入門」となっている。
痛くて痛くて痛そうな「割礼」もきちんと書いていてくれているのは興味深い。
それにしても、塩野がキリストのいわゆる「奇跡」なるものには全く信じていない、という件の部分には、何故か安心したりしてほっとするのだ。
逆に、だから「彼女の文章は信用できる、読者を納得させる」といえるのかもしれない。
また、文庫本につきものの第三者による「解説」が本文庫シリーズには一切ないのがいい。
塩野自身、この一連の著作に自信があり、他者の解説を望まない、他人に批判されたくないという心境なのだらう。
本書はこのシリーズの中でも終末期に入ったローマ帝国の、極めてユニークな記述内容の巻となっている。著者塩野七生の薀蓄溢れる意見部分とか、キリスト教に対する先学に加えての自分の考えの吐露とか、作者の考え方が大いに反映されている部分が多い。
本シリーズが、日本の多数の読者に読まれ、人気があり、経営者等々のリーダーにも多くの愛読者がいるのは、古代ローマ帝国の各皇帝の言動ないしは行動等に今日でも見るべきところがあり、日常の意思決定等々にも生かすことができるケースがあると考えるからである。
そういう意見もあるらしい。
塩野はこんなことを言っている。
「人間世界では、なぜか、権威失墜の後に訪れるのは、残された者同士の団結ではなく、分裂である場合が圧倒的に多い。」
嘗てのチトー亡き後の、ユーゴスラビアの分裂国家群の内紛然り。
また、
「同性として毎度のことながら残念に思うのだが、女とは権力を手中にするやいなや、超えてはならない一線を越えてしまうのである。しかもそれを、相手の苦境につけこむやり方で行う。」と。
然り。見に覚えのある女性も多々あるのでは・・・・・。
本書の最後にまるまる1章をさいて書かれた「ローマ帝国とキリスト教」は圧巻である。この章はキリスト教に対する塩野の総括であり、この宗教に対する彼女の明確な意思表明といっていい。
そして、作者も含め、我々のようなキリスト教信者でない読者にとっては最高の、且つお手軽な「古代キリスト教入門」となっている。
痛くて痛くて痛そうな「割礼」もきちんと書いていてくれているのは興味深い。
それにしても、塩野がキリストのいわゆる「奇跡」なるものには全く信じていない、という件の部分には、何故か安心したりしてほっとするのだ。
逆に、だから「彼女の文章は信用できる、読者を納得させる」といえるのかもしれない。
また、文庫本につきものの第三者による「解説」が本文庫シリーズには一切ないのがいい。
塩野自身、この一連の著作に自信があり、他者の解説を望まない、他人に批判されたくないという心境なのだらう。
Takashi Yagi
Amazonで購入
他の巻と同様、歴史的事実と著者の主張・推測が入り混じっており、読みにくい。
たとえば、引用箇所などがあれば、巻末に文献リストを載せるだけでなく、それがそうとわかるように、具体的に引用文献名・引用箇所などを付して欲しい。
そもそもこの作品の趣旨・目的がよく分からない。
学術文献?、随想的歴史読み物?、それとも読書感想文?
文体については、権威主義的なものを感じる(「である」調の文章の頻出)。
たとえば、引用箇所などがあれば、巻末に文献リストを載せるだけでなく、それがそうとわかるように、具体的に引用文献名・引用箇所などを付して欲しい。
そもそもこの作品の趣旨・目的がよく分からない。
学術文献?、随想的歴史読み物?、それとも読書感想文?
文体については、権威主義的なものを感じる(「である」調の文章の頻出)。