女性同士の愛を扱った短編集ですが、読んでみると女性のほろ苦い経験に対する機微が上手に書かれてます、それはもう感心する上手さ。
ストーリーは侘び寂びテイストや、ちょっと寂しくなるものが多いですが、後味はスッキリでなんなら清涼感さえあるし、他の作品も読んでみたくなりました。
アホなのでよくわかりませんが、こういうのを文学っていうんでしょうかね?
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花伽藍 (新潮文庫 な 41-3) 文庫 – 2004/9/1
中山 可穂
(著)
- 本の長さ271ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2004/9/1
- ISBN-104101205337
- ISBN-13978-4101205335
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2004/9/1)
- 発売日 : 2004/9/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 271ページ
- ISBN-10 : 4101205337
- ISBN-13 : 978-4101205335
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,712,869位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年3月9日に日本でレビュー済み
女性どうしの恋愛小説を読んだのは中山さんの作品が初めてでした。「白い薔薇の淵まで」であります。
なんかヒリヒリするようなものがあって、私はなかなか好きです。男女問わず、同性愛ものに通じる所のある「どこにも行き着かない」感じが。
ただ、ご本人曰く、「性的少数者の置かれた社会的な立場等について、発言・行動する気はない」「権利の向上を求める運動に興味はない」とのこと。
勿論、本書も他の著作も、そんな目的で書かれてはいないでしょうし、何を描こうが作家本人の自由ですから、誰にも強制する権利や権力はありません。
だから、こーゆー所でそーゆーことを言うのもどうかとは思うんですが、敢て言うならば、私個人の希望としましては、是非、政治的な方面でも積極的に声を上げて頂きたい。何といっても、これだけの筆力がおありの方ですし、恐らく、日本で唯一、レスビアンであることを公言して作家活動をしておられる方だと思いますので。唯一ではなくても、一番有名、一番キャリアが長いのは間違いないでしょうから、その影響力は大変大きいでしょう。
その件と関連するかどうかはわかりませんが(多分関連すると思うから言うのですが)、この作品集に収められた「鶴」に関して、気になった点を少しだけ。
「ノンケの人妻をいくら抱いても・・・・」という表現があります。
「ノンケ」即ち、同性愛の「ケ」がない(ノン)、異性愛者、ヘテロセクシャル、ってことですわね?
しかし、果たして、「ノンケ」と何の説明もなく言って、一般の読者に通じるものでしょうか。
そりゃ、そういう隠語といいますか、専門用語を知ってるくらい、事情に通じている人でなければ中山さんの本は手に取らないかも知れません。知らなくたって、勘のいい人ならわかるでしょうし、わからなくたって、調べる気があれば昔と違って簡単ですしね。
せやけど、そういう読者ばっかりやないですよ。ネット上のことではありますが、私自身、自称ゲイの人相手に、「ヘテロ」という言葉を使って話をしようとしたら、「ヘテロって何ですか」って訊かれて驚いたことがありますから。
中山さん自身が、当事者やシンパにしか読んでもらわなくて結構、と思っておられるかも知れませんが、私は、沢山の人に中山さんの本を読んでほしいですから、そういう意味でわかりやすく書いてほしい。
我ながら色気のないこと言ってるかな?という気がしないでもないですが、そのことによって文学性が損なわれるということはないと思いたい。
同じ箇所について、もう一つ違和感がありました。
主人公であるレスビアンの女性をしてそう言わしめているわけですが、彼女と恋をして、性的な関係を持っているという時点で、その人妻は既に、「ノンケ(ヘテロセクシャル)」ではなく、「バイセクシャル」じゃないんですか?
「主人公と出会うまではヘテロセクシャルだった」「元々はヘテロセクシャルだった」ってことだよな、と思ってるんですが、もしかしたら私の理解の仕方が間違ってるかも知れません。セクシャリティを表す言葉って、非常に微妙なニュアンスを含むものが多くて、だからこそ誤解を招きがちだったり、説明することが難しかったりしますからね。
作品の完成度等に関しましては言うことないと思うのですが、上記のことがありましたので☆四つ。
なんかヒリヒリするようなものがあって、私はなかなか好きです。男女問わず、同性愛ものに通じる所のある「どこにも行き着かない」感じが。
ただ、ご本人曰く、「性的少数者の置かれた社会的な立場等について、発言・行動する気はない」「権利の向上を求める運動に興味はない」とのこと。
勿論、本書も他の著作も、そんな目的で書かれてはいないでしょうし、何を描こうが作家本人の自由ですから、誰にも強制する権利や権力はありません。
だから、こーゆー所でそーゆーことを言うのもどうかとは思うんですが、敢て言うならば、私個人の希望としましては、是非、政治的な方面でも積極的に声を上げて頂きたい。何といっても、これだけの筆力がおありの方ですし、恐らく、日本で唯一、レスビアンであることを公言して作家活動をしておられる方だと思いますので。唯一ではなくても、一番有名、一番キャリアが長いのは間違いないでしょうから、その影響力は大変大きいでしょう。
その件と関連するかどうかはわかりませんが(多分関連すると思うから言うのですが)、この作品集に収められた「鶴」に関して、気になった点を少しだけ。
「ノンケの人妻をいくら抱いても・・・・」という表現があります。
「ノンケ」即ち、同性愛の「ケ」がない(ノン)、異性愛者、ヘテロセクシャル、ってことですわね?
しかし、果たして、「ノンケ」と何の説明もなく言って、一般の読者に通じるものでしょうか。
そりゃ、そういう隠語といいますか、専門用語を知ってるくらい、事情に通じている人でなければ中山さんの本は手に取らないかも知れません。知らなくたって、勘のいい人ならわかるでしょうし、わからなくたって、調べる気があれば昔と違って簡単ですしね。
せやけど、そういう読者ばっかりやないですよ。ネット上のことではありますが、私自身、自称ゲイの人相手に、「ヘテロ」という言葉を使って話をしようとしたら、「ヘテロって何ですか」って訊かれて驚いたことがありますから。
中山さん自身が、当事者やシンパにしか読んでもらわなくて結構、と思っておられるかも知れませんが、私は、沢山の人に中山さんの本を読んでほしいですから、そういう意味でわかりやすく書いてほしい。
我ながら色気のないこと言ってるかな?という気がしないでもないですが、そのことによって文学性が損なわれるということはないと思いたい。
同じ箇所について、もう一つ違和感がありました。
主人公であるレスビアンの女性をしてそう言わしめているわけですが、彼女と恋をして、性的な関係を持っているという時点で、その人妻は既に、「ノンケ(ヘテロセクシャル)」ではなく、「バイセクシャル」じゃないんですか?
「主人公と出会うまではヘテロセクシャルだった」「元々はヘテロセクシャルだった」ってことだよな、と思ってるんですが、もしかしたら私の理解の仕方が間違ってるかも知れません。セクシャリティを表す言葉って、非常に微妙なニュアンスを含むものが多くて、だからこそ誤解を招きがちだったり、説明することが難しかったりしますからね。
作品の完成度等に関しましては言うことないと思うのですが、上記のことがありましたので☆四つ。
2020年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
活字が苦手ですが、すーっと読めました❗️久々におもしろい本にであえて嬉しかったです。美しい作品❗️
2013年12月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コストパフォーマンス最高です。読みたい本が
こんなに安く買えるのは素晴らしいです。
こんなに安く買えるのは素晴らしいです。
2008年5月30日に日本でレビュー済み
中山さんの小説を読んだのはこれが最初です。
短編集から読んでみようと思ったのと、女性同士の恋愛が描かれているという事がキッカケです。
全ての作品が素晴らしいと思いましたし、切なさに涙がこぼれました。
『燦雨』という最終話で私は号泣しました。
自分は最期を共にする相手を心から愛しているだろうか?という疑問も浮かび、老女2人の美しき愛の形に涙が止まらなかった。
他の作品についても書きたいと思ったけれど、言葉では言い表せない。
自分が同じ女だからというか、似た様な境遇を感じ取ったからというか、心の奥で共鳴するものがあって泣かずにはいられない。
感情の表現がとても生々しく、急に昔の恋愛最盛期を思い出してそんなこともあったと苦笑いした。
女性同士の恋愛模様を、こんなにも日常的に書いている作家さんが存在したとは驚きです。
心が苦しくなっても彼女の作品は全て読みたいと思っています。
短編集から読んでみようと思ったのと、女性同士の恋愛が描かれているという事がキッカケです。
全ての作品が素晴らしいと思いましたし、切なさに涙がこぼれました。
『燦雨』という最終話で私は号泣しました。
自分は最期を共にする相手を心から愛しているだろうか?という疑問も浮かび、老女2人の美しき愛の形に涙が止まらなかった。
他の作品についても書きたいと思ったけれど、言葉では言い表せない。
自分が同じ女だからというか、似た様な境遇を感じ取ったからというか、心の奥で共鳴するものがあって泣かずにはいられない。
感情の表現がとても生々しく、急に昔の恋愛最盛期を思い出してそんなこともあったと苦笑いした。
女性同士の恋愛模様を、こんなにも日常的に書いている作家さんが存在したとは驚きです。
心が苦しくなっても彼女の作品は全て読みたいと思っています。
2008年7月22日に日本でレビュー済み
同性愛者であるということは、現行法における日本では、最愛の人と結婚できないということだ。
5つの短編の主人公達は、同性愛者だ。同時に、幸せな結婚という制度の外から温かな家庭というものに憧れの眼差しを送る、独身女性達の物語と言ってもよいだろう。
独りでいれば誰も頼ることのできない孤独感に、誰かといればいつか来る別れへの不安感に、打ち震える。普通のことをできていないという劣等感や、自分の代で血を途絶えさせるという罪悪感を覚えることもあるかもしれない。
そんな不全感を購うような、婚姻制度によらない家族の可能性を示す短編も含まれている。作者が描く男性も魅力的であるし、とても美しい関係を築くカップルも登場する。
また、短編となると、この作者の身も心も切り裂くような息苦しい痛みを描くには足りない紙数になるのか、むしろユーモアの面が浮き上がってくるように感じた。
だから、この本は、ビアンかヘテロかに関わらず、結婚や出産をあきらめようとしている30代以上の独身女性に訴える力を持っていると思う。
5つの短編の主人公達は、同性愛者だ。同時に、幸せな結婚という制度の外から温かな家庭というものに憧れの眼差しを送る、独身女性達の物語と言ってもよいだろう。
独りでいれば誰も頼ることのできない孤独感に、誰かといればいつか来る別れへの不安感に、打ち震える。普通のことをできていないという劣等感や、自分の代で血を途絶えさせるという罪悪感を覚えることもあるかもしれない。
そんな不全感を購うような、婚姻制度によらない家族の可能性を示す短編も含まれている。作者が描く男性も魅力的であるし、とても美しい関係を築くカップルも登場する。
また、短編となると、この作者の身も心も切り裂くような息苦しい痛みを描くには足りない紙数になるのか、むしろユーモアの面が浮き上がってくるように感じた。
だから、この本は、ビアンかヘテロかに関わらず、結婚や出産をあきらめようとしている30代以上の独身女性に訴える力を持っていると思う。
2008年2月21日に日本でレビュー済み
私はこの短編集が大好きなので、作品の魅力をできるだけわかりやすく伝えたいと思うのですが、すべての人がこの作品を読んで面白いと思うかというと、それは違います。残念だけど、それはしょうがない。
すべての短編に女性同性愛者が出てくるし、彼女たちの選択は登場人物たちや世間には少しも祝福されない。読後感がいいかというと、良くない。だって彼女たちはおそらく「不幸」になっている。
中山さんの作品を読むと、その感情のあまりの深さに息苦しくなる。愛情とかそんな穏やかな言葉で片付けられる感情なんだろうか。嘘を許さない、ずっと刃をつきつけられているような、そんな気持ちになる。
感情の奔流の最後の最後で、この本の中に納められている「燦雨」のような結末で終わるなら、それはまぎれもない幸せなんじゃないだろうか。冬の寒い明け方あたりに読むのがお勧めです。
すべての短編に女性同性愛者が出てくるし、彼女たちの選択は登場人物たちや世間には少しも祝福されない。読後感がいいかというと、良くない。だって彼女たちはおそらく「不幸」になっている。
中山さんの作品を読むと、その感情のあまりの深さに息苦しくなる。愛情とかそんな穏やかな言葉で片付けられる感情なんだろうか。嘘を許さない、ずっと刃をつきつけられているような、そんな気持ちになる。
感情の奔流の最後の最後で、この本の中に納められている「燦雨」のような結末で終わるなら、それはまぎれもない幸せなんじゃないだろうか。冬の寒い明け方あたりに読むのがお勧めです。
2008年12月17日に日本でレビュー済み
愛する人を永遠に欲し、その人と充足し合い、補い合い、慈しみ合い、そして死を遂げる。
死ぬまで愛す、という人生をどれほどの人が成就しているだろうか。ただ夫婦であることではない。ただ一緒にいるのではない。愛す、とは、形なきものゆえ、それを感じなければ存在しない。人として生まれた以上、それ以外に何を成就することがあろうか。中山さんの作品はどれもその深みの中の愛が溢れている。こういうふうにしか生きられない、という同じ感覚の人間にしてみれば、彼女の作品は代弁してくれているものとして最高に優れている。
死ぬまで愛す、という人生をどれほどの人が成就しているだろうか。ただ夫婦であることではない。ただ一緒にいるのではない。愛す、とは、形なきものゆえ、それを感じなければ存在しない。人として生まれた以上、それ以外に何を成就することがあろうか。中山さんの作品はどれもその深みの中の愛が溢れている。こういうふうにしか生きられない、という同じ感覚の人間にしてみれば、彼女の作品は代弁してくれているものとして最高に優れている。