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凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルⅠ (新潮文庫) 文庫 – 2003/1/29

4.1 5つ星のうち4.1 134個の評価

《異端の民俗学者》蓮丈那智。彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。ある寒村で死者が相次いでいるという。それも禍々しい笑いを浮かべた木造りの「面」を、村人が手に入れてから――(表題作)。暗き伝承は時を超えて甦り、封じられた怨念は新たな供物を求めて浮遊する……。那智の端正な顔立ちが妖しさを増す時、怪事件の全貌が明らかになる。本邦初、民俗学ミステリー。全五編。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2003/1/29)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2003/1/29
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 336ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101207216
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101207216
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 134個の評価

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北森 鴻
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2019年4月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「鬼封会」「凶笑面」「不帰屋」「双死神」「邪宗仏」の5編からなる連作短編集です。
いずれも民俗学に絡めた考察が存分に楽しめます。
読んだ印象ではミステリーより民俗学要素が強めで、初めて読んだときは世界観についていくのにやっとで読むのに時間がかかりました、ただ慣れてくると超面白くなってきます。
民俗学ミステリと言われているシリーズの第一作です。

「それってジャンルとしてあるの?」

という気がしないでもないですが、
多分、このシリーズのためのジャンル名なのでしょう。

“異端の民俗学者”蓮丈那智と、研究室助手の内藤くんがフィールドワークに行くと、もれなく殺人事件に巻き込まれるという構成の短編シリーズです。

こちらに収録されているのは・・・
『鬼封会(きふうえ)』
『凶笑面(きょうしょうめん)』
『不帰屋(かえらずのや)』
『双死神(そうししん)』
『邪宗仏(じゃしゅうぶつ)』
の、全5編。

どれも面白かったですが、表題作と『不帰屋』が良かったかな。
方々で言われていますが、民俗学の知識がおもしろいですね。
そこの考察や解釈などに、現代の「殺人」事件へのブリッジがしっかりあって、構成が素晴らしい。
作者が「量産できない」と言うのも頷けます。

北森鴻作品は別作品とのリンクもあるので関連を探す楽しみもあります。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
基本的に短編(これは連続短編集ですが)は読まないのですが、これは面白かったです。
民俗学も興味深く、例えば、高田崇史氏の本と同じようなことを言っていてもとてもシンプルでわかりやすかったかな、と。登場人物たちのキャラもよく、シリーズを新品で買えないのがとても残念です。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年4月1日に日本でレビュー済み
民俗学と殺人事件をコラボしたミステリー小説。民俗学のフィールドワークに行くたびに、殺人事件に遭遇する女性民俗学者の蓮丈那智と助手の内藤三國。冷ややかで中性的な蓮丈は民俗学への知見を駆使して鮮やかに解いてしまう。その天才的な能力の前であたふたとする内藤の目線で小説は描かれるが、なんかねえ、凡人の私としては身につまされる。蓮丈の言葉遣いには、どうも違和感があって馴染めなかった。
2011年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間の思考は、二項対立の組合せによって世界観を構成しているとある。
民俗学と古代史のように。
しかし、民俗学の方がはるかに飛んでいる。活物と死物の違いがある。
当時35歳の小松和彦「憑霊信仰論」を読んだ時は、その民俗学的想像力に驚いたものだ。

北森鴻という人を初めて知ったがこの人の力量を以ってすれば推理小説仕立てにしないでもいいものをとつい思った。
一粒で二度美味しいというのは滅多なことではない。焦点がボケルのだ。
この人は、「我一人 思ふ心は ただ獨り思ふに 非す祖先の心」市原豊太(民俗学者)の如く日本文化の構造を浮き彫りにすることが出来るだろう。
しかし、これはこれで実に面白い。「鬼封会、凶笑面、喜人面」等全て三字熟語のタイトルが実にいい。
同様の味のものに「舞い降りた天皇」加治将一がある。
出会いを感謝する。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年12月24日に日本でレビュー済み
◆「鬼封会」

  明治期の廃仏毀釈運動を背景に置くことで《鬼封会》と
  ストーカー事件の構図が、それぞれ反転していきます。

◆「凶笑面」

  倉の中で、骨董品業者がガラスビンで頭部を殴打され、殺害された。
  現場は、ビンのなかにあったビー玉が散乱した状態だった……。

  警察は、倉の鍵を持つ当主の女性に容疑をかけます。

  彼女は足が不自由なのですが、二階からガラスビンを
  落とせば、犯行が可能だろう、という考えからです。

  こうした凶器は、犯人が当主に容疑を向けるために選んだものですが、
  犯人にはもう一つ別の目的があったというのが本作の読みどころです。

◆「不帰屋」

  フェミニズムが専門の社会学者・宮崎きくえが、自分の
  実家である護屋家の離屋の民俗調査を那智に依頼した。

  きくえは離屋が、生理中の女性が家族と隔離されて
  暮らした「不浄の間」であったことを証明したいらしい。

  しかし、そんなきくえが、離屋で遺体となって発見されて……。

  加害者の足跡がないという《雪密室》なのですが、
  トリックのキモは、離屋の特異な構造にあります。

  このトリックによって、ミステリと民俗学がシームレスに接続され、密室の謎を
  解明することと旧家の陰惨な因習をあばくことが見事に二重化されています。

◆「双死神」

  《宇佐見陶子》シリーズ第二作
『狐闇』 の裏エピソードといえる作品。

  「だいだらぼっち」伝承と古代製鉄の調査がなされていくうちに、製鉄技術と
  各時代の政治闘争との結びつきが浮き彫りにされていき、さらにそこに、
  《狐》こと宇佐見陶子が関わっている《税所コレクション》が絡んできます。

「邪宗仏」
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
民話や伝説から何をどのように解釈するのかと言うことなのだろう。特に謎めいた儀式に、何が隠されてきたのかという視点での推理が素晴らしい。
空想を超えた理論立てが、ぐいぐいと小説の世界に引き込んでくれる。掛け値無しに面白いシリーズなのだ。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年6月3日に日本でレビュー済み
北森氏の作品は、裏京都ミステリー・シリーズ1冊を読んだだけなので、本流の作品がどんな感じかは知らないのですが、前者に比べて作風がまったく違うのにびっくりしました。いろんなタイプのものを書いておられるようなので、懐の広い作家さんなのだと思います。

ただ、この作品は個人的にはイマイチでした。民俗学は好きだし、歴史、伝承、伝説、伝奇的なことにも興味があるので飛びついたのですが、最後まで読み終えたものの、どうしても違和感がぬぐえませんでした。それが何かというと、そもそもメイン・キャラである蓮丈那智に魅力が感じられないためです。他のレビューアさんで「ただ”美貌の民族学者”といっても、その魅力がいっこうに伝わってきません」と書いていた方がいらっしゃいましたが同感で、ただ”美貌””異端””酷薄””氷のような目””視線だけでまわりの雰囲気を凍りつかせる”と言葉だけを並べても、カリスマが感じられないというか人間が浮かび上がってこないというか・・・。助手を呼ぶ時の呼び方で、”内藤””三國””ミクニ”の違いだけで、相手を震え上がらせるという声音もイマイチぴんときません。なにか言葉で飾って一生懸命補おうとしているけれど、全体としての人物造形がうまくいっていないという感じです。”アンドロイドのような”という形容も出てきますが、まさにその通りで、こんな人間はいないでしょうという違和感がつきまとってしまいました。ドラマ化を意識されていたような気がしたのですが、那智を演じる女優さんによっては、映像ならおもしろいかもしれません。

シリーズはもう一冊あるので、とりあえず読んでみるつもりです。テーマや作品の雰囲気はとても魅力的だと思います。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2003年11月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近の推理小説は、単なるページ稼ぎのための寄り道が多かったり、意味もなく他の作品のタネあかしをしたり、自分の知識をひけらかすだけだったり、本筋から離れる作品が多くがっかりさせられることが多い。しかもトリックがいまいちだと、そのがっかりは怒りにも通じる。
が、この北森さんの那智シリーズは推理小説の要所あるトリックもしっかりしており、かつ作品に仕上がるまでの丹念で深い下調べ、民俗学研究が感じられる、推理小説を読みながら民俗学もわかる一石二鳥な作品だと思う。
他の作家との傑作短編集を読むとそのすばらしさが一層際立つ。(それだけ他の作家がだめなことがわかってしまうってことですが)
今までの人気作家の、ただひたすら書くためにどんどん駄作になってしまう傾向にあると思うが北森さんはそうならないようにひたすら願うばかりです。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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