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東亰異聞 (新潮文庫) 文庫 – 1999/4/26
小野 不由美
(著)
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帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。夜道で辻斬りの所業をはたらく闇御前。さらには人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる……。人の心に巣くう闇を妖しく濃密に描いて、官能美漂わせる伝奇ミステリ。
- ISBN-104101240221
- ISBN-13978-4101240220
- 出版社新潮社
- 発売日1999/4/26
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ443ページ
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【新潮文庫】小野不由美 作品 | 人魂売りに首遣い、さらには闇御前に火炎魔人、魑魅魍魎が跋扈する帝都・東亰。夜闇で起こる奇怪な事件を妖しく描く伝奇ミステリ。 | 私は失踪した女性作家を探すため、禁断の島を訪れた。奇怪な神をあがめる人々。凄惨な殺人事件……。絶賛を浴びた長篇ミステリ。 | 何かが畳を擦る音、いるはずのない赤ん坊の泣き声……。転居先で起きる怪異に潜む因縁とは。戦慄のドキュメンタリー・ホラー長編。〈山本周五郎賞受賞〉 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1999/4/26)
- 発売日 : 1999/4/26
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 443ページ
- ISBN-10 : 4101240221
- ISBN-13 : 978-4101240220
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 129,244位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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大分県中津生れ。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に在籍。「東亰異聞」が1993(平成5)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となり、話題を呼ぶ(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 黒祠の島 (ISBN-13: 978-4396331641)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年11月23日に日本でレビュー済み
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お品の状態も良く、満足。お話は、思ったよりオカルトではなかったけど、面白かった。
2016年1月20日に日本でレビュー済み
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ホラーで突き進むと思いきや・・・流れる文体に飲み込まれました。江戸時代は過ぎたが現代すぎることもない。文明開化後の洋式文化が微妙に日本に混じりだしたいびつな時代の雰囲気が描き出されています。「和」の怖れがジワジワ来ました。
2016年3月26日に日本でレビュー済み
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とても読みたかった本で探していたものなので手に入れられて良かった。
2013年2月8日に日本でレビュー済み
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某ラジオの書評に惹かれ購入。
京極夏彦ばりの世界観、と思いきや大脱線。どっちつかずのエンディング。
そりゃないでしょ。
京極夏彦ばりの世界観、と思いきや大脱線。どっちつかずのエンディング。
そりゃないでしょ。
2004年6月15日に日本でレビュー済み
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美しい文楽人形を操る黒衣の人形遣いをはじめ、闇を闊歩する異形の者達。翻弄され闇の餌食となる人々。何が真相で何がこの世の理では説明できないことなのか、読み進むにつれ混乱し、顛末にあっと言わせられます。
難を言えば、ここまで残虐な事件の原因が弱い気もしますが、公爵家という家と時代に縛られた優しい人の弱さと悲しさ故と納得させられるかも。最後の最後に、暗闇に溶けていくような妖しい結末に小野不由美らしさを感じました。
夜の暗さに映える火閻魔人の炎や、闇御前の緋色の衣装、東亰の描写が綺麗で映画か舞台を観ているような気になります。
難を言えば、ここまで残虐な事件の原因が弱い気もしますが、公爵家という家と時代に縛られた優しい人の弱さと悲しさ故と納得させられるかも。最後の最後に、暗闇に溶けていくような妖しい結末に小野不由美らしさを感じました。
夜の暗さに映える火閻魔人の炎や、闇御前の緋色の衣装、東亰の描写が綺麗で映画か舞台を観ているような気になります。
2013年7月23日に日本でレビュー済み
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とても面白いです!!さすが小野不由美作品。最後までまったく展開が読めませんでした。
最後は少し切ないですね・・・兄弟愛を感じましたし、意外な展開にびっくりでした。
読んで損のない作品です!
最後は少し切ないですね・・・兄弟愛を感じましたし、意外な展開にびっくりでした。
読んで損のない作品です!
2019年9月27日に日本でレビュー済み
お話の冒頭から1/4くらいまではその美しい文章と妖しげな世界観に大きく期待させられた。菊枝と新太郎のピリピリとした初対面のシーンもよかった。会話のシーンは途中までは抜群にいい。
おかしくなりだしたのは、謎解きに比重が大きく傾きだしてから。結局、自分はいわゆる『ミステリ(=謎解き)小説』にほとんど興味がないのだ。時刻やトリックを細かく摺り合わせたりするのは退屈この上ない。ちょっとムチャだろ・・・と思った箇所もたくさんあるし。
p.134「河童だの人魚だの、見世物があっても本物だったことはござんせん。それでも人が集まるのは、嘘でもいっこうに構やしない、むしろ嘘を観るために集まっていたからじゃァありますまいか」皮肉にもこのの万造の台詞に逆行して物語は進んでいく。綺麗な女性に誘われて路地裏に歩みいれると切り裂かれて命を落とす。「本は売れませんな」という謎の読売り。なんとも耽美で幻想的。
自分はそこに答えを望んでないんだな。手品の種明かしを見たいですか?謎は謎だからおもしろいのでしょう?
妖しげな世界で遊んでいてほしかった。
なら、なぜ高評価を付けているのかといえば、それは幕間に挟まれる女性のお人形とその人形遣いのやり取りが艶かしくて最高だからだ。
『蛇身に変じて灼き殺してみしょうか』p.56
『わしゃァ、それが幸せだもの。この身には縁のないことなれば、たとえ芝居のうえだとて、嬉しゅうて声も弾もうほどに』p.170
もうたまらんね、このあたりの文章。
だから、言ってるんだ、種明かしなんて不要だと。
中盤以降の筋立てはもひとつ得心しないところもあったし、各登場人物の性格が首尾一貫していないんじゃないか?と思ったとこも少なからずあった。けど、そんなのどうでもよし。
可愛らしく色っぽいお人形に魅惑された。すばらしい。
おかしくなりだしたのは、謎解きに比重が大きく傾きだしてから。結局、自分はいわゆる『ミステリ(=謎解き)小説』にほとんど興味がないのだ。時刻やトリックを細かく摺り合わせたりするのは退屈この上ない。ちょっとムチャだろ・・・と思った箇所もたくさんあるし。
p.134「河童だの人魚だの、見世物があっても本物だったことはござんせん。それでも人が集まるのは、嘘でもいっこうに構やしない、むしろ嘘を観るために集まっていたからじゃァありますまいか」皮肉にもこのの万造の台詞に逆行して物語は進んでいく。綺麗な女性に誘われて路地裏に歩みいれると切り裂かれて命を落とす。「本は売れませんな」という謎の読売り。なんとも耽美で幻想的。
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『蛇身に変じて灼き殺してみしょうか』p.56
『わしゃァ、それが幸せだもの。この身には縁のないことなれば、たとえ芝居のうえだとて、嬉しゅうて声も弾もうほどに』p.170
もうたまらんね、このあたりの文章。
だから、言ってるんだ、種明かしなんて不要だと。
中盤以降の筋立てはもひとつ得心しないところもあったし、各登場人物の性格が首尾一貫していないんじゃないか?と思ったとこも少なからずあった。けど、そんなのどうでもよし。
可愛らしく色っぽいお人形に魅惑された。すばらしい。
2004年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画「K-PAX」がSFなのか、それともただの哀れな男の偶然の発見なのか、そう言う解釈の多面性と言う点で、この作品もラストまでミスディレクションで先を読ませる力がある(4幕に入ってからは得に)。 種明かしが分かった時点でハッと思い起こしたのが「ユージュアル・サスペクツ」、ああ、これもケビン・スペイシー繋がりだな? で、中盤までの判別がつかない「お家騒動」の探偵ごっこから、後半の怪しくなり、明らかになって行く真実、これは脱帽だな。 黒衣と浄瑠璃人形の対話こそ、この複線とも思えるテーマを一貫させ得るものだ。 「あなたは妖怪変化や魑魅魍魎、そしてUFOにアンビリーバボーを信じますか?」(メルギブソン主演の「サイン」は酷かったね) その答えはここには無い。 しかし、曖昧で奥ゆかしく、どちらともつかず、答えをハッキリ言わないやさしい日本人の美学がここに現れていると思う。 それは「文明開化」と「明治維新」そしてその後の「軍事国家、大日本帝国」への暗闇の時代を経て、失われてしまった。 そして、私たちは小泉八雲(ハーン)の見た視点を追うことで、自分たちのルーツを再発見する。 その美しさと怖さがこの本の中にも生きている。 あっぱれ、小野不由美!