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闇の穴 (新潮文庫) 文庫 – 1985/9/27

4.0 5つ星のうち4.0 166個の評価

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この短編集のあちこちに、この私の風景が点在している。――著者
別れた亭主が子と消えた……。女の心の綾を細やかにたどる表題作ほか、哀歓あふれる絶品七編。


わたしを棄てた男が帰ってきた。大江戸の裏店でそっとともした灯を吹き消すような暗い顔。すさんだ瞳が、からんだ糸をひくように、わたしの心を闇の穴へとひきずりこむ――。ゆらめく女の心を円熟の筆に捉えた表題作。
ほかに、殺人現場を目撃したため、恐怖心から失語症にかかってしまった子供を抱えて働く寡婦の薄幸な生を描く「閉ざされた口」等、時代小説短編の絶品七編を収める。

【目次】
木綿触れ
小川の辺
闇の穴
閉ざされた口
狂気
荒れ野
夜が軋む
解説:藤田昌司

著者の言葉
はっきりと郷里の史実に材をとったというものでなく、つくりものの小説を書いているときにも、私はそのなかで郷里の風景を綴っていることがある。そして、それは必ずしも郷里の現実の風景というわけではなく、私の中にある原風景といったものであることが多いようだ。(略)
この短篇集のあちこちに、この私の風景が点在している。時代もののなかに書いて、べつにそれほど不自然な気がしないのは、むかしは近年のようでなく時がゆっくり流れていたからであろう。(本書「あとがき」)

本書「解説」より
藤沢さんが生まれ育った鶴岡市には、内川という幅四、五メートルの川が貫流している。花の季節、城趾は桜の名所となるが、ほどなく散り降る夥しい花びらは、たちまち堀を美しく染め、やがてこの内川へと流れ出、花の葬列となって日本海へ注いで行く。
市の北の外れには、豊かな水量をたたえた赤川が庄内平野を潤し続け、そしてその北方には、〝五月雨(さみだれ)をあつめてはやし〟最上川が雄大な流れを見せている。それら幾筋もの川の流れは、四季折々、装いを変えながら、作者の原風景として息づいているに違いない。
――藤田昌司(時事通信社文化部長)

藤沢周平(1927-1997)
山形県生れ。山形師範学校(現在の山形大学)卒。中学の教員、業界紙の記者を経て、1971年「溟い海」でオール讀物新人賞を受賞し作家デビュー。1973年「暗殺の年輪」で直木賞を、1986年『白き瓶』で吉川英治文学賞を、1989年、作家生活全体の功績に対して菊池寛賞を、1990年『市塵』で芸術選奨文部大臣賞を、1994年、朝日賞、東京都文化賞を受賞。1995年、紫綬褒章を受章。1997年、山形県県民栄誉賞を受賞、鶴岡市から「顕彰の記」が贈られた。2010年、「鶴岡市立藤沢周平記念館」が開館。


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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1985/9/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1985/9/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 260ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101247145
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101247144
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 166個の評価

著者について

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藤沢 周平
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昭和2(1927)年、鶴岡市に生れる。山形師範学校卒業。48年「暗殺の年輪」で第六十九回直木賞を受賞。平成9(1997)年1月逝去(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『乳のごとき故郷  (ISBN-13: 978-4163726502 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2022年6月6日に日本でレビュー済み
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藤沢周平という人は、怖い小説の達人でもあるのだなあ、とつくづく実感させられる短編集。ことに最初の「木綿触れ」は、なにか変事を思わせる出だしが、実は妻が久しぶりに活き活きとして晴れ着を縫っていただけのことだった、という明るい話に転じ、そこから、それが微妙に掛け違って、悲劇へと展開してゆくーー運命の歯車といった言葉を思いおこさせる逸品です。かと思うと、表題作の「闇の穴」のように、なにか得体の知れない不気味さがぽこりぽこりと浮かび上がってくるような作品もある。そして、そのどれもが、間違いなく藤沢周平の世界を感じさせてくれる…。藤沢周平ファン必読の一冊であります。
2021年7月27日に日本でレビュー済み
実に人間を様々な角度から描いている。表の清らかさだけでなく、奥深い襞に分け入って、複雑な相を丹念に拾う。藤沢周平ならではの暗さが、リアリティに重さを添えてもいる。文字を連ねて物語るに込めた、氏の想いまで伝わって来る小篇集、と云えよう。
2012年2月8日に日本でレビュー済み
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藤沢作品は、オチというようなものが無いのに、
そのじわりとくる読後感をもう一度味わいたくて
何度も読むことが多いけど、これはちょっとしんどいかも…。

映画にもなった「小川の辺」を含む短編集ですが、
人の性が非常に有り体に描かれているものが多いです。

そのエグさは、もしかしたら作者が意図したもので
人間という生き物の一側面であるのかも知れませんが、
救いようがないと言えばあまりに救いが無く、
「はあ、嫌なものを見た…」という気分にさせられました。

個人的には「冤罪」や「時雨みち」「麦屋町昼下がり」「橋ものがたり」
などの方が、また、氏の作品では武家ものの方が好きです。

ああ、でもタイトル通りこれは
人の中にある「闇の穴」を覗き込むようなお話なのかも…
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年11月2日に日本でレビュー済み
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武士の悲哀を描いた2編
「木綿触れ」
子を失って悲嘆にくれている妻を励まそうと苦しい生活の中、絹の着物を作らせたことが仇となり以前の上司とのことで妻は自殺を遂げる、という下級武士の無念と悲劇
「小川の辺」
脱藩して江戸へ逃亡した義弟と実妹を主命によって討手として斬らねばならなくなった武士の不条理

江戸の町を舞台に繰り広げられるミステリー3編
「闇の穴」
江戸の路地裏に住む職人の女房
前夫が突然訪ねてきたことから始まる落ち着かない日々
「閉ざされた口」
殺人現場を目撃したショックから言葉を話せなくなった子供を抱えて働く薄幸の寡婦
「狂気」
川べりの草むらで姦されたうえ殺害された幼女の骸が見つかる
幼女が握りしめていた根付けから犯人を追いつめていく町役人

東北の民話のような味わいの2編
「荒れ野」
京の寺から陸奥国へ行こうとしていた若い僧
あと少しというところで道を間違え、しばし世話になった荒れ野の中の一軒家の女主人の正体は?
「夜が軋む」
飯盛り女が客に問われるがままに語る身の上話
大雪の夜、地震でも強風でもないのに激しい家鳴りがした翌朝
家の外で雪に埋もれた男の死体が見つかる

読後すぐは、映画の印象でしょうか「小川の辺」ばかりが思い出されましたが、時間が経つにつれ、あれも良かったこれも良かった状態になりました
藤沢周平さんの原風景の中で創作された物語の数々
まだまだ未読本が多くあって嬉しいです
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年10月18日に日本でレビュー済み
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短編の名手と呼ばれた藤沢周平氏。
この本には7編納められています。
最初の2編が、武家もの。残り5編が町人ものと分けられるかと思います。
町人ものは、ミステリータッチです。
この中では、映画化された『小川の辺』が特別印象深かったです。どれも良いですけど。
藤沢作品は、どれもこれも素晴らしい映画になりますが、短編を原作にすると映画監督の創造性が発揮されるのだと思います。
『小川の辺』を読んで、大胆な省略が行われていることに気づきました。
短編の切れ味につながっている一方で、この部分を映画監督は想像力を発揮するのでしょう。
読んで良し、映画を観て良し。本当に凄い小説家だと思います。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年11月13日に日本でレビュー済み
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7つの小品から成る短編集である。
「木綿触れ」は、子どもを亡くした悲しみから立ち直ろうとしていた妻が、絹物を着て法事に出たことから起こる悲劇である。淡々とした文体を読み終えた後、理不尽へのやり場のない怒りと悲しみがじんわりと伝わってくる。
「小川の辺」では、剣の腕の立つ下級藩士である朔之助が上意討ちの藩命を受けて脱藩した妹婿を斬りにゆく物語である。兄妹とともに育った奉公人の新造がその旅の伴をするが、朔之助は、幼いころの記憶をたどるうち、実は新造と妹の田鶴が互いに惹かれあっていたことに気づく。武士として不条理を引き受けながらも、強情な妹を思いやる兄の、やり切れなさや寂しさが、川べりの美しい景色とともに描かれている。2011年初夏に東山紀之主演で映画化が予定されている。
表題作「闇の穴」は、別れた亭主からの頼まれごとを気軽に引き受けた女性が、その背後にある恐怖を知るという話である。堅気の世界と裏の世界とが交差するところの怖さなのだろうか。
「閉ざされた口」は、殺人を目撃して口を利かなくなった娘とその母を中心に、つつましい生活と、その隣にある恐怖が描かれている。
「狂気」は、親切心から保護したつもりが、幼女へのゆがんだ欲望に突き動かされてしまうという悲劇である。
「荒れ野」は泊めてもらった家の女が人肉食を?という、山姥や雪女の民話を大人向けにしたような雰囲気のホラーである。
「夜が軋む」も亭主と隣人の木こりが誰かに殺されていたことを娼婦が語るホラーであり、言いようのない薄気味悪さが心に残る。
個人的には「木綿触れ」と「小川の辺」が☆5つ、ほかは☆4つ。
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年2月20日に日本でレビュー済み
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紙の色が茶色に変色してて読みにくい状態でした。
2021年8月4日に日本でレビュー済み
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好きなのは最初の2作品だけ。
後は…好きじゃない。
こういう感じの作品も書かれてたのですね。
途中から気分悪くなり、断念。