本書エッセイの核となるのは著者が亡き父の取材旅行と同じルートを巡るポルトガル旅行記「父の旅 私の旅」です。悪戦苦闘しながら父と同じホテルに泊まり同じレストランで料理を食べ同じ出会った人々と話す著者の姿から、急逝した父に対する深い愛情と尊敬の思いがひしひしと伝わってきました。ポルトガルの街並みや人々の情景描写も素晴らしくとても面白い旅行記となっています。
他は短いエッセイが数多く収録されているのですがなかでも奥様の出産を描いた冒頭のエッセイが印象に残りました。出産当日の緊迫した様子が手に取るように伝わってきて生まれた瞬間は本当に良かったと安堵。ユーモアを交えながら感動的なエッセイに仕立て上げる著者のセンスが光る一品です。
阿川佐和子さんの解説も良かったです。
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数学者の休憩時間 (新潮文庫) 文庫 – 1993/3/2
藤原 正彦
(著)
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「正しい論理より、正しい情緒が大切」。数学者の気取らない視点で見た世界は、プラスもマイナスも味わい深い。選りすぐりの随筆集。
- 本の長さ313ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1993/3/2
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101248036
- ISBN-13978-4101248035
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1993/3/2)
- 発売日 : 1993/3/2
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 313ページ
- ISBN-10 : 4101248036
- ISBN-13 : 978-4101248035
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 360,904位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,146位新潮文庫
- - 6,262位近現代日本のエッセー・随筆
- - 15,921位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2014年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私の記憶しているかぎりでは、1981年1月に実施された第2回共通一次試験・数学Ⅰのお茶の水女子大試験会場で、藤原先生は同校理学部数学科助教授として試験監督をされておりました。先生は、試験終了後、概略「今回の数学問題は一部難問奇問があり苦労されたと思うが、皆条件は同じ。失敗したと思っている者もいるかもしれないが、挽回可能である。数Ⅰの試験のことは忘れて、この後の試験科目に最大限努力してもらいたい。」旨訓示されたとのこと。
そのことは、この文庫本の旧刷には載っていたはずですが、現在入手出来る刷では確認出来ませんでした。斜め読みしたから見落としたのか、それとも藤原先生の別の著作と記憶違いしているのか、分かりません。
「共通一次試験・数学Ⅰは、センター試験よりも簡単だった。」、という評判を目にして、本当かしらと思い、聖文教社「30ケ年 共通一次・センター試験[数学問題 ]総集編 昭和50年(1975)~平成17年(2005)」を見ていたら、1981年共通一次・数学Ⅰの第一問目が記憶と全く違うことに気づきました。そこで、藤原先生の言葉を確認したかったのですが・・・
私は、1962年4月生まれで、共通一次試験は一度しか受験していません。私の受けた数Ⅰの第一問目は因数分解の超難問でした。これに引っかかって数Ⅰの成績はガタガタで後の科目も点数が伸びず、志望校変更を余儀なくされました。因数分解なんて閃きがなければ、解けない問題は100分の制限時間では解きようがありません。
私立難関中の入試算数も東大・京大入試数学も、受験塾・受験予備校に通えば問題パターンに応じた解法テクニックを教えてくれ、それをどれだけ覚えこんで制限時間内に条件反射できるかが勝負なのではないでしょうか。どの受験塾でも、まず問題を一覧し条件反射出来ない新傾向の問題は捨てて構わないと教えてくれると聞きます。合格ラインは7割程度(東大文系なら2問完答+アルファ)ですから、限られた試験時間を有効に使わなければ敗者になるだけだと。難問奇問も平易な問題も同じ点数配分だからと。
私が受けなければならなかった、あの因数分解の問題は、果たして共通一次試験問題として妥当なものだったのでしょうか。数学的センスを問う問題なのか、パズルゲームなのか、非常に疑問です。思い付きで出題しているから、「思いつかなければ=閃かなければ」解けない問題です。普通の才能で普通の努力を積み重ねた受験生を愚弄し、踏みにじる行為でなかったのではないでしょうか。あの因数分解問題に引っかかって、志望校を変更させられ人生が変わってしまった、と思うのは敗者の泣き言なのでしょうか。わざわざ第一問目に配題していることにも、理解不能な悪意すらを感じました。
もちろん、簡単に解けた方もいらっしゃるでしょう。でも、その方は、数学的パズルゲームの天才なのではないでしょうか。
そこで、冒頭の藤原先生の言葉です。やはり、藤原先生は理解してくれている。藤原先生の著作に通底している、普遍的な価値を持つ豊かな人間性は素晴らしい。時には、権力などを持つ者に対して激しく庶民のプロテクトの声を代弁してくれ、時には弱者にそっと寄り添ってくれます。
数学的にみて、美しいと感じられるとき、その数学的言辞なり証明は真善なり。中世キリスト教徒にとって、ユークリッド幾何学は神の存在を証明するものでした。私自身も、ユークリッド幾何の問題で、考えに考えてうまく補助線が引けたとき、視界全体がパッと明るくなる想いがします。それは、素晴らしい叡智の一端に触れた、という全身的な感覚です。
ー続く
そのことは、この文庫本の旧刷には載っていたはずですが、現在入手出来る刷では確認出来ませんでした。斜め読みしたから見落としたのか、それとも藤原先生の別の著作と記憶違いしているのか、分かりません。
「共通一次試験・数学Ⅰは、センター試験よりも簡単だった。」、という評判を目にして、本当かしらと思い、聖文教社「30ケ年 共通一次・センター試験[数学問題 ]総集編 昭和50年(1975)~平成17年(2005)」を見ていたら、1981年共通一次・数学Ⅰの第一問目が記憶と全く違うことに気づきました。そこで、藤原先生の言葉を確認したかったのですが・・・
私は、1962年4月生まれで、共通一次試験は一度しか受験していません。私の受けた数Ⅰの第一問目は因数分解の超難問でした。これに引っかかって数Ⅰの成績はガタガタで後の科目も点数が伸びず、志望校変更を余儀なくされました。因数分解なんて閃きがなければ、解けない問題は100分の制限時間では解きようがありません。
私立難関中の入試算数も東大・京大入試数学も、受験塾・受験予備校に通えば問題パターンに応じた解法テクニックを教えてくれ、それをどれだけ覚えこんで制限時間内に条件反射できるかが勝負なのではないでしょうか。どの受験塾でも、まず問題を一覧し条件反射出来ない新傾向の問題は捨てて構わないと教えてくれると聞きます。合格ラインは7割程度(東大文系なら2問完答+アルファ)ですから、限られた試験時間を有効に使わなければ敗者になるだけだと。難問奇問も平易な問題も同じ点数配分だからと。
私が受けなければならなかった、あの因数分解の問題は、果たして共通一次試験問題として妥当なものだったのでしょうか。数学的センスを問う問題なのか、パズルゲームなのか、非常に疑問です。思い付きで出題しているから、「思いつかなければ=閃かなければ」解けない問題です。普通の才能で普通の努力を積み重ねた受験生を愚弄し、踏みにじる行為でなかったのではないでしょうか。あの因数分解問題に引っかかって、志望校を変更させられ人生が変わってしまった、と思うのは敗者の泣き言なのでしょうか。わざわざ第一問目に配題していることにも、理解不能な悪意すらを感じました。
もちろん、簡単に解けた方もいらっしゃるでしょう。でも、その方は、数学的パズルゲームの天才なのではないでしょうか。
そこで、冒頭の藤原先生の言葉です。やはり、藤原先生は理解してくれている。藤原先生の著作に通底している、普遍的な価値を持つ豊かな人間性は素晴らしい。時には、権力などを持つ者に対して激しく庶民のプロテクトの声を代弁してくれ、時には弱者にそっと寄り添ってくれます。
数学的にみて、美しいと感じられるとき、その数学的言辞なり証明は真善なり。中世キリスト教徒にとって、ユークリッド幾何学は神の存在を証明するものでした。私自身も、ユークリッド幾何の問題で、考えに考えてうまく補助線が引けたとき、視界全体がパッと明るくなる想いがします。それは、素晴らしい叡智の一端に触れた、という全身的な感覚です。
ー続く
2005年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
個人的には善意で生きてるはずなのに、なぜーか裏目にでる、お年玉、中央気象台官舎というエピソードがほほえましくって先生のお人柄に愛情を感じた。
社会に対する洞察にもうなずけて、数学者独特の慧眼を感じた。
出産の秘話や内輪話は臨場感あふれていて、新田次郎先生への気持ちなども、家族の絆という誰しも経験する共通のあたたみをあたえると共に、別れの切なさを見事に描き、喜怒哀楽を短時間のうちにたくさん感じ取ったせいか、人生を立派にやりとげたような爽快な気持ちになった。
先生もっともっと書いてください。
社会に対する洞察にもうなずけて、数学者独特の慧眼を感じた。
出産の秘話や内輪話は臨場感あふれていて、新田次郎先生への気持ちなども、家族の絆という誰しも経験する共通のあたたみをあたえると共に、別れの切なさを見事に描き、喜怒哀楽を短時間のうちにたくさん感じ取ったせいか、人生を立派にやりとげたような爽快な気持ちになった。
先生もっともっと書いてください。
2009年6月24日に日本でレビュー済み
1987年に新潮社から出た単行本『父の旅 私の旅』の改題・文庫化。
ただし、多数の文章が新たに加えられている。新聞や雑誌に書かれた短文がほとんど。
妻の出産、受験勉強、アメリカ体験、数学の未来、鼻毛の話と内容は多岐にわたっている。しかし、どの話題も面白く、文章力のある人なのだなと感心させられる。
メインとなっているのは、父親である新田次郎の足跡をポルトガルにたどった旅。亡き父の旅程を律儀にひとつずつ訪ねていく。そのなかで父子のつながり、家族の思い出のようなものがこみあげてくる。こういう文章はややもするとセンチメンタルであったり、部外者には分かりにくくなったりしてしまうのだが、きちんと透徹した眼で記しているところが偉い。
ただし、多数の文章が新たに加えられている。新聞や雑誌に書かれた短文がほとんど。
妻の出産、受験勉強、アメリカ体験、数学の未来、鼻毛の話と内容は多岐にわたっている。しかし、どの話題も面白く、文章力のある人なのだなと感心させられる。
メインとなっているのは、父親である新田次郎の足跡をポルトガルにたどった旅。亡き父の旅程を律儀にひとつずつ訪ねていく。そのなかで父子のつながり、家族の思い出のようなものがこみあげてくる。こういう文章はややもするとセンチメンタルであったり、部外者には分かりにくくなったりしてしまうのだが、きちんと透徹した眼で記しているところが偉い。
2008年7月4日に日本でレビュー済み
「条件文(If..., then...)を用いたアプローチ」というのは契約交渉の場で意識していなければ致命的です。If..., then...というのは、「こうなら」という前提を踏み台にして、「こうですね」と論を積み上げて展開する論法です。「風が吹けば、桶屋がもうかる」の例のように「本当だろうか」と思えるものもあります。
「こうなら」の部分に自分が望ましい契約内容を入れて置いて、それを踏み台にして論ずると、先ほどまで「仮の前提」でしかなかったはずが、いつのまにか「確固たる前提」にシフトし、ぐらついていたはずの踏み台がしっかりしてくる、というこの不可思議さがあります。
この論法はアメリカ人が得意とするところです。相手方がこの論法を仕掛けてきたら、必ず「こうなら」の部分の「状況の実現度」を検証し、問題にすることです(つまりその実現度は「万が一」かもしれないわけです)。
『数学者の休憩時間』では「風が吹けば桶屋が儲かる」という条件文(If..., then...)を紹介しています。「風が吹く→ほこりが舞い上がる→ほこりで目を悪くする→盲人が増える→三味線ひきが増える→三味線に必要な猫が減少する→ネズミが増える→風呂桶がかじられる→桶屋がもうかる」の、どのステップも完全なナンセンスではない。しかしながら、舞い上がったホコリで目を悪くする確率は1%未満、盲人が三味線ひきになる率も1%未満…と、各ステップのパーセンテージを掛けると桶屋がもうかる確率は億に一つにもならない、と藤原正彦さんは説明しています。
一方で、自分から仕掛ける場合は、アサーティヴ[断定的]に、手早く踏み台としてキュッキュッと踏み固めてしまうことです。
以上の文章は私がビジネス書の翻訳をしたときに本の前書きで書いたものですが、この論理展開は本当に要注意です。藤原正彦さんの著作を読んで意識を高め、条件文(If..., then...)に騙されない人になってください。
「こうなら」の部分に自分が望ましい契約内容を入れて置いて、それを踏み台にして論ずると、先ほどまで「仮の前提」でしかなかったはずが、いつのまにか「確固たる前提」にシフトし、ぐらついていたはずの踏み台がしっかりしてくる、というこの不可思議さがあります。
この論法はアメリカ人が得意とするところです。相手方がこの論法を仕掛けてきたら、必ず「こうなら」の部分の「状況の実現度」を検証し、問題にすることです(つまりその実現度は「万が一」かもしれないわけです)。
『数学者の休憩時間』では「風が吹けば桶屋が儲かる」という条件文(If..., then...)を紹介しています。「風が吹く→ほこりが舞い上がる→ほこりで目を悪くする→盲人が増える→三味線ひきが増える→三味線に必要な猫が減少する→ネズミが増える→風呂桶がかじられる→桶屋がもうかる」の、どのステップも完全なナンセンスではない。しかしながら、舞い上がったホコリで目を悪くする確率は1%未満、盲人が三味線ひきになる率も1%未満…と、各ステップのパーセンテージを掛けると桶屋がもうかる確率は億に一つにもならない、と藤原正彦さんは説明しています。
一方で、自分から仕掛ける場合は、アサーティヴ[断定的]に、手早く踏み台としてキュッキュッと踏み固めてしまうことです。
以上の文章は私がビジネス書の翻訳をしたときに本の前書きで書いたものですが、この論理展開は本当に要注意です。藤原正彦さんの著作を読んで意識を高め、条件文(If..., then...)に騙されない人になってください。
2011年7月22日に日本でレビュー済み
教育問題への著者の考えと、
ラマーズ法出産をめぐる医療への考察と妻への思いが披露されている。
ラマーズ法出産をめぐる医療への考察と妻への思いが披露されている。
2007年6月11日に日本でレビュー済み
著者が父の足跡をたどって、ポルトガルを
旅する稿が印象的でした。
亡くなった新田氏に対する著者の強い愛情と追慕の
感情が旅に駆り立てたのでしょう。
きっと著者が原点に戻るための旅だったのだと思います。
情緒が大切だと主張する著者。
論理はいくつでも成立し、情緒のみが
正しい論理を選択することができる。
「国家の品格」の原点となった思想がすでに
この本においても展開されています。
著者がポルトガルで出会ったサウダーデも
情緒のたまものだと思います。
旅する稿が印象的でした。
亡くなった新田氏に対する著者の強い愛情と追慕の
感情が旅に駆り立てたのでしょう。
きっと著者が原点に戻るための旅だったのだと思います。
情緒が大切だと主張する著者。
論理はいくつでも成立し、情緒のみが
正しい論理を選択することができる。
「国家の品格」の原点となった思想がすでに
この本においても展開されています。
著者がポルトガルで出会ったサウダーデも
情緒のたまものだと思います。