エンゼルフィッシュと天使と悪魔
聖書 教会
さわちゃんとコウちゃん
ラストが違うーとレビューでみたので、単行本と文庫本、両方読みました。
文庫のほうがもちろん後に出版されているので、ラストは文庫のほうに作者の意図があらわれているのかもしれません。
ですが、私自身は、単行本のラスト2ページで赦された感じがしました。
そんな余韻が残る作品でした。
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エンジェル エンジェル エンジェル (新潮文庫) 文庫 – 2004/2/28
梨木 香歩
(著)
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コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……。
- 本の長さ156ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2004/2/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101253358
- ISBN-13978-4101253350
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出版社より
裏庭 | 西の魔女が死んだ | からくりからくさ | りかさん | エンジェルエンジェルエンジェル | 春になったら莓を摘みに | |
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【新潮文庫】梨木香歩 作品 | 荒れはてた洋館の、秘密の裏庭で声を聞いた──教えよう、君に。そして少女の孤独な魂は、冒険へと旅立った。自分に出会うために。〈児童文学ファンタジー大賞〉 | 学校に足が向かなくなった少女が、大好きな祖母から受けた魔女の手ほどき。何事も自分で決めるのが、魔女修行の肝心かなめで……。 | 祖母が暮らした古い家。糸を染め、機を織る、静かで、けれどもたしかな実感に満ちた日々。生命を支える新しい絆を心に深く伝える物語。 | 持ち主と心を通わすことができる不思議な人形りかさんに導かれて、古い人形たちの遠い記憶に触れた時──。「ミケルの庭」を併録。 | 神様は天使になりきれない人間をゆるしてくださるのだろうか。コウコの嘆きがおばあちゃんの胸奥に眠る切ない記憶を呼び起こす。 | 「理解はできないが受け容れる」──日常を深く生き抜くことを自分に問い続ける著者が、物語の生れる場所で紡ぐ初めてのエッセイ。 |
家守綺譚 | ぐるりのこと | 沼地のある森を抜けて | 渡りの足跡 | 不思議な羅針盤 | エストニア紀行―森の苔・庭の木漏れ日・海の葦― | |
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百年少し前、亡き友の古い家に住む作家の日常にこぼれ出る豊穣な気配……天地の精や植物と作家をめぐる、不思議に懐かしい29章。 | 日常を丁寧に生きて、今いる場所から、一歩一歩確かめながら考えていく。世界(ぐるり)と心通わせて、物語へと向かう強い想いを綴る。 | はじまりは、「ぬかどこ」だった……。あらゆる命に仕込まれた可能性への夢。人間の生の営みの不可思議。命の繋がりを伝える長編。〈紫式部文学賞〉 | 一万キロを無着陸で飛び続けることもある壮大なスケールの 「渡り」。鳥たちをたずね、その生息地へ。奇跡を見つめた旅の記録。〈読売文学賞〉 | 慎ましく咲く花。ふと出会った本。見知らぬ人との会話。日常風景から生まれた様々な思いを、端正な言葉で紡いだエッセイ全28編。 | 郷愁を誘う豊かな自然、昔のままの生活。被支配の歴史残る都市と、祖国への静かな熱情。北欧の小国を真摯に見つめた端正な紀行文。 |
冬虫夏草 | 鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布 | ここに物語が | 村田エフェンディ滞土録 | やがて満ちてくる光の | |
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姿を消した愛犬ゴローを探して、綿貫征四郎は家を出た。鈴鹿山中での人人や精たちとの交流を描く、『家守綺㞍』その後の物語。 | 土地の名まえにはいつも物語がある。地形や植物、文化や歴史、暮らす人々の息遣い……旅した地名が喚起する思いをつづる名随筆集。 | 人は物語に付き添われ、支えられて、一生をまっとうする。長年に亘り綴られた書評や、本にまつわるエッセイを収録した贅沢な一冊。 | 19世紀末のトルコ。留学生、村田が異国の友人らと過ごしたかけがえのない日々。やがて彼らを待つ運命は。胸を打つ青春メモワール。 | 作家として、そして生活者として日々を送る中で感じ、考えてきたことーー。デビューから近年までの作品を集めた貴重なエッセイ集。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2004/2/28)
- 発売日 : 2004/2/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 156ページ
- ISBN-10 : 4101253358
- ISBN-13 : 978-4101253350
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 200,776位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959年生れ。著書に『西の魔女が死んだ』『裏庭』『丹生都比売(におつひめ)』『エンジェル エンジェル エンジェル』『りかさん』『からくりからくさ』『家守奇譚』『村田エフェンディ滞土録』『沼地のある森を抜けて』『f植物園の巣穴』『春になったら莓を摘みに』『ぐるりのこと』『水辺にて』等がある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本当に数時間で読めてしまう短編です。
ですが、読後感としてはもっと長い小説を読んだ後のような深い感慨が残りました。
後書きに「からくり箱のようなお話」といった記述がある通り、あちらこちらに仕掛けが組み込まれ、とても周到によく練られています。
「からくりからくさ」や「りかさん」と同じ系統の物語ですが、
「エンジェルエンジェルエンジェル」では、字体や装丁だけでなく、隅々まで気の行き届いた文章で、本当に完成度が高い作品だと思います。
寝たきりのお祖母さんの少女時代と、現代の少女であるコウコが同時並行的に編み込まれた時点で、何も起こっていないのにも関わらず、私は号泣でした。
ひとは誰しも必ず歳を取る。
そして、お爺さんお祖母さんにも、
そして父母にも、周りの大先輩方にも、少年少女時代は必ずあったのだということ。
そして、私もいつかは必ずお祖母さんになる。
当たり前だけれども、すぐに忘れてしまう、
でも、周りの人を尊重するために、おそらく、とても大切であろうことを思い出しました。
いろいろな切り口で読める作品です。
人におすすめしたくなる本だと思います。
ですが、読後感としてはもっと長い小説を読んだ後のような深い感慨が残りました。
後書きに「からくり箱のようなお話」といった記述がある通り、あちらこちらに仕掛けが組み込まれ、とても周到によく練られています。
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「エンジェルエンジェルエンジェル」では、字体や装丁だけでなく、隅々まで気の行き届いた文章で、本当に完成度が高い作品だと思います。
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当たり前だけれども、すぐに忘れてしまう、
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いろいろな切り口で読める作品です。
人におすすめしたくなる本だと思います。
2010年2月25日に日本でレビュー済み
エンゼルフィシュ、ネオンテトラ、天使、おばあちゃん。
出てくるキーワードは、優しいイメージのものが多いのになぜか優しさだけではないものを感じます。
おばあちゃんの深夜のトイレ当番中に二人だけのときに顔をのぞかせるおばあちゃんの少女時代のかーこ。
かーことさわこの会話にときどきちらつく切なく、暗い陰の部分。
淡々と描く短い作品の中に深い陰影のようなものを感じます。
決してエンジェルではない人間の悪魔的な要素など、深く洞察すればするほど考えさせられるところがある作品でした。
出てくるキーワードは、優しいイメージのものが多いのになぜか優しさだけではないものを感じます。
おばあちゃんの深夜のトイレ当番中に二人だけのときに顔をのぞかせるおばあちゃんの少女時代のかーこ。
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淡々と描く短い作品の中に深い陰影のようなものを感じます。
決してエンジェルではない人間の悪魔的な要素など、深く洞察すればするほど考えさせられるところがある作品でした。
2016年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小学生の孫が梨木香歩さんの「西の魔女は死んだ」を読んでもっと読みたいと言うので、梨木香歩さんの全シリーズをプレゼントしました。
2013年9月16日に日本でレビュー済み
主人公があまりにクールでしっかりしているので年齢不詳(ヒントは出ているので明らかではあるのだが)なところが
ティーン向けにもなりそうなストーリーを大人の雰囲気に仕上げている。
おばあちゃんとの会話が一見ファンタジーなのだが、実はとても厳しい現実を示している。
その辺りのさじ加減が絶妙。
ティーン向けにもなりそうなストーリーを大人の雰囲気に仕上げている。
おばあちゃんとの会話が一見ファンタジーなのだが、実はとても厳しい現実を示している。
その辺りのさじ加減が絶妙。
2010年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読んで損はしないと思います。
1人の少女がおばあちゃんの介護と熱帯魚の飼育を通して
様々な経験をします。
それと同時進行でおばあちゃんの子供時代がよみがえり
最後には、意外なところできれいに話がまとまる・・・
おすすめの一冊です。
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2006年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は文庫本一冊の体をとっているが、実質的には小説雑誌の一篇の読み切り程度の短編だ。
しかし、その内容たるや、複雑に交錯し、しかも有機的な比喩の連続なのには驚く。
コーヒー、エンゼルフィッシュ、ネオンテトラ、その他諸々は、象徴的な意味を持っている。
何が何を比喩しているのかという事を読む事も、この作品の醍醐味だ。
文章も美しく、現代仮名遣いと、旧仮名遣いが複雑に使い分けられる。
攻撃的な場面もあるにはあるが、全体的に穏和な作品。
癒し系だ。
しかし、その内容たるや、複雑に交錯し、しかも有機的な比喩の連続なのには驚く。
コーヒー、エンゼルフィッシュ、ネオンテトラ、その他諸々は、象徴的な意味を持っている。
何が何を比喩しているのかという事を読む事も、この作品の醍醐味だ。
文章も美しく、現代仮名遣いと、旧仮名遣いが複雑に使い分けられる。
攻撃的な場面もあるにはあるが、全体的に穏和な作品。
癒し系だ。
2004年5月28日に日本でレビュー済み
不安定な気持ちを落ち着かせるために、熱帯魚を飼い始めた私。
なんだかちょっと惚けたようになって、孫の私のことも忘れてしまったばあちゃん。
そんなふたりの気持ちがいつしか不思議にシンクロし始めて、別々の時間が
寄り添うように結ばれて行く物語……かな?
奇数章が現代仮名遣いで、偶数章が旧仮名遣いで記されています。
なんでも単行本では、「普通の黒色の活字とセピア色の活字とを使い分けるという
趣向」だったんだそうな。この文庫版でも同じ趣向で印字して欲しかった、
そのために値段がちょっと高めになってもと、そう思いました。
そういう風に文字の色合いを変えて記載したほうが、作品の趣向として
より効果的だったろうと感じたからです。
ばあちゃんが心に抱えてきた自責の念、その深かったことに、と胸を
衝かれました。もはやどうしようもないことかもしれないけれど、
自分の心に潜んでいた悪魔をぬぐい去りたい、何か許しのようなものを得て
心の傷を癒したい、ばあちゃんのそんな思いを感じて切なくなりました。
最終章では、あとちょっとで涙が出てくるところでした。
しみじみと胸に広がり、染みてくるような話の調べ。いい作品ですね。
読み終えて、しんと心に満ちてくるものがありました。
なんだかちょっと惚けたようになって、孫の私のことも忘れてしまったばあちゃん。
そんなふたりの気持ちがいつしか不思議にシンクロし始めて、別々の時間が
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なんでも単行本では、「普通の黒色の活字とセピア色の活字とを使い分けるという
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衝かれました。もはやどうしようもないことかもしれないけれど、
自分の心に潜んでいた悪魔をぬぐい去りたい、何か許しのようなものを得て
心の傷を癒したい、ばあちゃんのそんな思いを感じて切なくなりました。
最終章では、あとちょっとで涙が出てくるところでした。
しみじみと胸に広がり、染みてくるような話の調べ。いい作品ですね。
読み終えて、しんと心に満ちてくるものがありました。