読み終えてから十年以上経ちます、自分は一度読めばその世界を十分に感じるので2度読む事はないのですが、3回以上は読みました、惣角さんのインパクトが強かったし、時代の変遷の面白さと惣角さんの時間が過ぎるのをノスタルジックにもリアルに感じたかったのかもしれません
江戸(幕末)、明治、大正、昭和と生き抜いた武人はこの人しかいません、と言うか知りません、これだけでもドラマチックな一生を送った稀有な人です。
合気の極意を体得できなかった惣角さんが悪者に迫られた土壇場で、合気を体得する辺りは努力が一気に開花する映画のようで気分が高揚して踊らされました。
北海道の峠での道路工事でヤクザ崩れや荒くれ者を大勢相手にして大立ち回りをして、ツルハシで体を刺されて病院送りされても復活するのだから普通の人じゃありません
北海道で勢いのあったヤクザとも大暴れし、その元締めとも互いの度量の深さで知り合いになるし、彼らを取り締まる北海道警察の柔道の猛者連中も惣角さんの実力に先生と認めるのには放心
大男の武術の達人の話のようで、実際には150センチにも満たない小男の惣角さん、精神は誰もが畏怖する鬼そのもの、会って見たかったと思いました。
老いて倒れた惣角さんを介抱した息子さんに、袴に挿していた小刀で切りつける侍の条件反射に感心と息子さんへの同情も湧きました。
昭和13年でしたか、全国で柔術を教えて回っていた高齢の惣角さんが路上で倒れて亡くなる件は「ごくろうさまでした」と目頭熱く、頭が下がりました。
激動の時代を幾つも突き抜けた惣角さん、感動が今も続いていて、今でもたまに、映画にならないかと思うくらい凄い人だと思います。
これも、ドキュメンタリーと市井感の漂う津本先生の文体の魅力、惣角さんへの感動があってこそだと思います。
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鬼の冠 (新潮文庫 つ 6-4) 文庫 – 1991/5/1
津本 陽
(著)
- 本の長さ263ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1991/5/1
- ISBN-104101280045
- ISBN-13978-4101280042
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1991/5/1)
- 発売日 : 1991/5/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 263ページ
- ISBN-10 : 4101280045
- ISBN-13 : 978-4101280042
- Amazon 売れ筋ランキング: - 597,193位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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5 星
感動の人生
読み終えてから十年以上経ちます、自分は一度読めばその世界を十分に感じるので2度読む事はないのですが、3回以上は読みました、惣角さんのインパクトが強かったし、時代の変遷の面白さと惣角さんの時間が過ぎるのをノスタルジックにもリアルに感じたかったのかもしれません江戸(幕末)、明治、大正、昭和と生き抜いた武人はこの人しかいません、と言うか知りません、これだけでもドラマチックな一生を送った稀有な人です。合気の極意を体得できなかった惣角さんが悪者に迫られた土壇場で、合気を体得する辺りは努力が一気に開花する映画のようで気分が高揚して踊らされました。北海道の峠での道路工事でヤクザ崩れや荒くれ者を大勢相手にして大立ち回りをして、ツルハシで体を刺されて病院送りされても復活するのだから普通の人じゃありません北海道で勢いのあったヤクザとも大暴れし、その元締めとも互いの度量の深さで知り合いになるし、彼らを取り締まる北海道警察の柔道の猛者連中も惣角さんの実力に先生と認めるのには放心大男の武術の達人の話のようで、実際には150センチにも満たない小男の惣角さん、精神は誰もが畏怖する鬼そのもの、会って見たかったと思いました。老いて倒れた惣角さんを介抱した息子さんに、袴に挿していた小刀で切りつける侍の条件反射に感心と息子さんへの同情も湧きました。昭和13年でしたか、全国で柔術を教えて回っていた高齢の惣角さんが路上で倒れて亡くなる件は「ごくろうさまでした」と目頭熱く、頭が下がりました。激動の時代を幾つも突き抜けた惣角さん、感動が今も続いていて、今でもたまに、映画にならないかと思うくらい凄い人だと思います。これも、ドキュメンタリーと市井感の漂う津本先生の文体の魅力、惣角さんへの感動があってこそだと思います。
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2015年8月18日に日本でレビュー済み
読み終えてから十年以上経ちます、自分は一度読めばその世界を十分に感じるので2度読む事はないのですが、3回以上は読みました、惣角さんのインパクトが強かったし、時代の変遷の面白さと惣角さんの時間が過ぎるのをノスタルジックにもリアルに感じたかったのかもしれません
江戸(幕末)、明治、大正、昭和と生き抜いた武人はこの人しかいません、と言うか知りません、これだけでもドラマチックな一生を送った稀有な人です。
合気の極意を体得できなかった惣角さんが悪者に迫られた土壇場で、合気を体得する辺りは努力が一気に開花する映画のようで気分が高揚して踊らされました。
北海道の峠での道路工事でヤクザ崩れや荒くれ者を大勢相手にして大立ち回りをして、ツルハシで体を刺されて病院送りされても復活するのだから普通の人じゃありません
北海道で勢いのあったヤクザとも大暴れし、その元締めとも互いの度量の深さで知り合いになるし、彼らを取り締まる北海道警察の柔道の猛者連中も惣角さんの実力に先生と認めるのには放心
大男の武術の達人の話のようで、実際には150センチにも満たない小男の惣角さん、精神は誰もが畏怖する鬼そのもの、会って見たかったと思いました。
老いて倒れた惣角さんを介抱した息子さんに、袴に挿していた小刀で切りつける侍の条件反射に感心と息子さんへの同情も湧きました。
昭和13年でしたか、全国で柔術を教えて回っていた高齢の惣角さんが路上で倒れて亡くなる件は「ごくろうさまでした」と目頭熱く、頭が下がりました。
激動の時代を幾つも突き抜けた惣角さん、感動が今も続いていて、今でもたまに、映画にならないかと思うくらい凄い人だと思います。
これも、ドキュメンタリーと市井感の漂う津本先生の文体の魅力、惣角さんへの感動があってこそだと思います。
江戸(幕末)、明治、大正、昭和と生き抜いた武人はこの人しかいません、と言うか知りません、これだけでもドラマチックな一生を送った稀有な人です。
合気の極意を体得できなかった惣角さんが悪者に迫られた土壇場で、合気を体得する辺りは努力が一気に開花する映画のようで気分が高揚して踊らされました。
北海道の峠での道路工事でヤクザ崩れや荒くれ者を大勢相手にして大立ち回りをして、ツルハシで体を刺されて病院送りされても復活するのだから普通の人じゃありません
北海道で勢いのあったヤクザとも大暴れし、その元締めとも互いの度量の深さで知り合いになるし、彼らを取り締まる北海道警察の柔道の猛者連中も惣角さんの実力に先生と認めるのには放心
大男の武術の達人の話のようで、実際には150センチにも満たない小男の惣角さん、精神は誰もが畏怖する鬼そのもの、会って見たかったと思いました。
老いて倒れた惣角さんを介抱した息子さんに、袴に挿していた小刀で切りつける侍の条件反射に感心と息子さんへの同情も湧きました。
昭和13年でしたか、全国で柔術を教えて回っていた高齢の惣角さんが路上で倒れて亡くなる件は「ごくろうさまでした」と目頭熱く、頭が下がりました。
激動の時代を幾つも突き抜けた惣角さん、感動が今も続いていて、今でもたまに、映画にならないかと思うくらい凄い人だと思います。
これも、ドキュメンタリーと市井感の漂う津本先生の文体の魅力、惣角さんへの感動があってこそだと思います。
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2018年5月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他の方が書いた小説に武田惣角が登場しており、惣角ファンになり、コレを読みましたが幻滅しました。
2010年1月15日に日本でレビュー済み
合気道という武道の名前を聞いたことのある人は、いると思う。中興の祖である武田惣角(そうかく)の名前を知っている人は各地の道場の門下生でもない限り少ないだろう。武田惣角のその神業的なエピソードの数々を津本陽の淡々とした筆致で克明に紹介してくれる痛快な一冊。何より武田惣角が魅力的なのはその148cmくらいしかない低い身長でありながら講道館柔道の最高位の四段、五段の185cm115kgくらいある関取衆のような牛のような怪力無双、米俵3つも5つも抱えて歩くような力自慢の警察署幹部や武道家たちを子供のようにあしらい、投げ飛ばして顔面蒼白にさせてしまうことだ。力はいらないと言いながら、その実、武田惣角は日々何十キロもある鉄棒を何百回ともなく振り続けて鍛錬を欠かさない。たった一人で100人、500人もいるヤクザや無法者の集団に単身乗り込み力ずくでの戦いに行く。
若い武者修行時代、親類筋の日光東照宮の神官宮司(ぐうじ)に弟子入りする。湯飲み茶碗に水を入れ、約1,8m離れた所に置いた茶碗を気合で割る訓練を毎日した。しかし、茶碗は割れなかった。剣道は桃の井道場で学び、小野葉一刀流免許皆伝、槍、棒状術、手裏剣、相撲、柔道、拳法あらゆる武道に秀でた技を身につけた。ほとんど、どこへ行っても敵なしの状態、無敵になった。しかし、神社の宮司には、いともあっけなくコテンパンにやっつけられて竹刀のひと打ちも加えられず散々に痛めつけられて弟子入りすることになった。そして身につけたのが、先祖の甲斐の武田家などにも伝わる壁抜けの法や現在でいう処の霊能力の一種である読心術や予知能力そのほかの不思議な力の数々。水の入った湯飲み茶碗も割れるようになり、武道家たちの体に触れずに、あるいは軽く手首をつかむだけで空中を一回転させて相手を畳に叩きつける。丁度、テレビで熟練の気功師に操られた背中を向けた被験者が意図しないのに手や足が操り人形のように動かされてしまうように。後の総理大臣を始め、帝国の陸海軍の大将や各県の警察署署長や議員や経済界の大御所たちが、武田惣角が旅して巡教して行く各県や北海道の先々で神業の驚異を見せつけられて門下生として弟子入りする。暴力団のヤクザさえ恐れず乗り込み子供扱いにし痛めつけて屈服させる。そんな武田惣角も茶碗を気合で割る能力を身につける以前は神仏も心霊能力も信じない人間であった。
武田惣角の先祖は源氏であり武田信玄を出した甲斐の武田家と同じ新羅三郎源義光。福島県で惣角の父は神社の宮司をしていた。下天は夢か、に始まり「異形の将軍 田中角栄の生涯」とこの「鬼の冠」は津本陽の作品はどれも凄いが、この一冊も外せない。私も茶碗を割る日を夢見て、座右の書として机の上に置き片時も放さないつもりだ。
若い武者修行時代、親類筋の日光東照宮の神官宮司(ぐうじ)に弟子入りする。湯飲み茶碗に水を入れ、約1,8m離れた所に置いた茶碗を気合で割る訓練を毎日した。しかし、茶碗は割れなかった。剣道は桃の井道場で学び、小野葉一刀流免許皆伝、槍、棒状術、手裏剣、相撲、柔道、拳法あらゆる武道に秀でた技を身につけた。ほとんど、どこへ行っても敵なしの状態、無敵になった。しかし、神社の宮司には、いともあっけなくコテンパンにやっつけられて竹刀のひと打ちも加えられず散々に痛めつけられて弟子入りすることになった。そして身につけたのが、先祖の甲斐の武田家などにも伝わる壁抜けの法や現在でいう処の霊能力の一種である読心術や予知能力そのほかの不思議な力の数々。水の入った湯飲み茶碗も割れるようになり、武道家たちの体に触れずに、あるいは軽く手首をつかむだけで空中を一回転させて相手を畳に叩きつける。丁度、テレビで熟練の気功師に操られた背中を向けた被験者が意図しないのに手や足が操り人形のように動かされてしまうように。後の総理大臣を始め、帝国の陸海軍の大将や各県の警察署署長や議員や経済界の大御所たちが、武田惣角が旅して巡教して行く各県や北海道の先々で神業の驚異を見せつけられて門下生として弟子入りする。暴力団のヤクザさえ恐れず乗り込み子供扱いにし痛めつけて屈服させる。そんな武田惣角も茶碗を気合で割る能力を身につける以前は神仏も心霊能力も信じない人間であった。
武田惣角の先祖は源氏であり武田信玄を出した甲斐の武田家と同じ新羅三郎源義光。福島県で惣角の父は神社の宮司をしていた。下天は夢か、に始まり「異形の将軍 田中角栄の生涯」とこの「鬼の冠」は津本陽の作品はどれも凄いが、この一冊も外せない。私も茶碗を割る日を夢見て、座右の書として机の上に置き片時も放さないつもりだ。
2006年5月3日に日本でレビュー済み
合気道の元とも言え、そして他の武道にも多大なる影響を与えたと言える「大東流合気柔術」。
その中興の祖とも言える武人、武田惣角の一生を描いた小説です。
小説ゆえ、多少は脚色されているにしても、武田惣角の「合気」のすごさ、そして明治〜昭和初期という近代化の中で「武士」として生き抜いたすさまじい人生に触れることができます。
その中興の祖とも言える武人、武田惣角の一生を描いた小説です。
小説ゆえ、多少は脚色されているにしても、武田惣角の「合気」のすごさ、そして明治〜昭和初期という近代化の中で「武士」として生き抜いたすさまじい人生に触れることができます。
合気道の元とも言え、そして他の武道にも多大なる影響を与えたと言える「大東流合気柔術」。
その中興の祖とも言える武人、武田惣角の一生を描いた小説です。
小説ゆえ、多少は脚色されているにしても、武田惣角の「合気」のすごさ、そして明治〜昭和初期という近代化の中で「武士」として生き抜いたすさまじい人生に触れることができます。
その中興の祖とも言える武人、武田惣角の一生を描いた小説です。
小説ゆえ、多少は脚色されているにしても、武田惣角の「合気」のすごさ、そして明治〜昭和初期という近代化の中で「武士」として生き抜いたすさまじい人生に触れることができます。
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2001年12月17日に日本でレビュー済み
武道を修行している人間にとって、一度は読むべき一冊ではないだろうか。小説としても、津本陽という作家の筆力、取材力に感服しながら、楽しんで読める。こんな世界があったのか、こんな武術家がいたのか、と感動できる。誰でも、そんな武術があるなら、やってみたいな、と思わせる、そんな一冊で、津本氏が、この本を書いてくれたことで、日本でもそれほど表舞台に出ていない武術の一端が、世に知られる契機(武術界では周知有名だったとしても)となったのではないだろうか。この本が、翻訳されて、海外においても、日本の伝統武術の一つとして知られるようになることを念願してやまない。