ラノベというより、ノベルゲームのような作品で面白かったです
色々解釈可能な事も含めて、サキがあれほど頑張れていたのは「生きていて嬉しかった」の一言に尽きるのでは
本当のボトルネックは「死んでしまう事」で
生きている限りは、いくらでも未来は変わるよ、という作者のちょっと恥ずかしそうなエールかな、と解釈しました
(世の中そう単純じゃないよね、という恥ずかしさのオブラートに包みすぎて分かりにくい所がこの作者らしいですね)
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ボトルネック (新潮文庫) 文庫 – 2009/9/29
米澤 穂信
(著)
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亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。
- 本の長さ312ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2009/9/29
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101287813
- ISBN-13978-4101287812
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出版社より
ボトルネック | 儚い羊たちの祝宴 | リカーシブル | 満願 | |
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5つ星のうち4.2
1,002
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5つ星のうち4.1
195
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5つ星のうち4.0
2,580
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価格 | ¥693¥693 | ¥737¥737 | ¥825¥825 | ¥825¥825 |
【新潮文庫】米澤穂信 作品 | 自分が「生まれなかった世界」にスリップした僕。そこには死んだはずの「彼女」が生きていた。青春ミステリの新旗手が放つ衝撃作。 | 優雅な読書サークル「バベルの会」にリンクして起こる、邪悪な 5つの事件。恐るべき真相はラストの1行に。衝撃の暗黒ミステリ。 | この町は、おかしい──。高速道路の誘致運動。町に残る伝承。そして、弟の予知と事件。十代の切なさと成長を描く青春ミステリ。 | 磨かれた文体と冴えわたる技巧。この短篇集は、もはや完璧としか言いようがない──。驚異のミステリー 3 冠を制覇した名作。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2009/9/29)
- 発売日 : 2009/9/29
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 312ページ
- ISBN-10 : 4101287813
- ISBN-13 : 978-4101287812
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 25,642位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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米澤 穂信(よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。2001年、第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を『氷菓』で受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』(東京創元社)で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』(新潮社)で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』、15年刊の『王とサーカス』(東京創元社)はそれぞれ3つのミステリ・ランキングで1位となり、史上初の2年連続3冠を達成。
(本データは「いまさら翼といわれても 「古典部」シリーズ」が刊行された当時に掲載されていたものです。「BOOK著者紹介情報」より)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年3月8日に日本でレビュー済み
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感想)いわゆる「パラレルワールド」もの。高校生の嵯峨野リョウは事故死した恋人諏訪ノゾミを弔うため、事故現場の東尋坊を訪れ、強風でパラレルワールドの金沢市に飛ばされる。そこで本当は居るはずのない姉・サキに出会うが・・・・・。何事にも積極的になれないリョウと、正反対に常に前向きで想像力豊かなサキの姉弟?が繰り広げるおかしくも、なぜかもの悲しいお話。
2024年3月12日に日本でレビュー済み
米澤穂信、大好き❤
「満願」とか「儚い羊たちの祝宴」とか背筋が凍るミステリーをたくさん書いてこられたけど‥。この小説は違うこわさ。主人公には生まれなかった自分の姉がいたんだけど、その姉の生きている世界にトリップするお話。パラレルワールド的な。主人公は冷めてて何でもそつなくこなしていくタイプ。熱い人間や一生懸命な人間をちょっと馬鹿にする性格。そんな主人公がこちらの世界に来てみると、あれ、こちらの世界のほうが何か全てが上手く回っている‥人間関係も何もかも。僕のいないこの世界は何だかとっても上手く回っている。あれ、僕っていらない人間なんじゃ‥。というめちゃくちゃこわい話。ある意味1番恐怖だよね。
「満願」とか「儚い羊たちの祝宴」とか背筋が凍るミステリーをたくさん書いてこられたけど‥。この小説は違うこわさ。主人公には生まれなかった自分の姉がいたんだけど、その姉の生きている世界にトリップするお話。パラレルワールド的な。主人公は冷めてて何でもそつなくこなしていくタイプ。熱い人間や一生懸命な人間をちょっと馬鹿にする性格。そんな主人公がこちらの世界に来てみると、あれ、こちらの世界のほうが何か全てが上手く回っている‥人間関係も何もかも。僕のいないこの世界は何だかとっても上手く回っている。あれ、僕っていらない人間なんじゃ‥。というめちゃくちゃこわい話。ある意味1番恐怖だよね。
2017年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
入院療養中に読んだので比較的短時間で読了。面白い着想だしそれなりに納得しながら読み終えたのだが、改めて感想を書こうと思うと筆が重くなった。つまらなかったわけではなかったのに、ほめる所がすぐには浮かばないのだ。
逆に気になる点は多々あった。特に人物造形で、主人公を取り巻く人物がことごとくあざとい感じがして、ストーリーを展開させるため強引に作り上げた人物のような気がしてならなかった。ラノベ的と言うか、誇張し過ぎて現実には存在していそうにない人物ばかりだった。又小説にメッセージ性を求めるわけではないが、作者が何を表現したかったのか、よくわからない。主人公の立場で読むと(1人称だから普通そうだろう)、救いのない終わり方で、元の世界へ戻っても明るい展望は見えないので自殺するしかない、と突き放されてるようにしか読めなかった。私の読解力の問題かも知れないが、作者が自分を投影したような主人公をこんな悲観的な描き方をしては後味が悪すぎる。
まとめてみると、着想そのものは面白く評価出来るのだが、表現が拙くてそれを生かせていない。純文学を目指したわけではないのだろうが、それにしてはエンタメ性が欠けている。総じて今一歩の残念な作品だった。
逆に気になる点は多々あった。特に人物造形で、主人公を取り巻く人物がことごとくあざとい感じがして、ストーリーを展開させるため強引に作り上げた人物のような気がしてならなかった。ラノベ的と言うか、誇張し過ぎて現実には存在していそうにない人物ばかりだった。又小説にメッセージ性を求めるわけではないが、作者が何を表現したかったのか、よくわからない。主人公の立場で読むと(1人称だから普通そうだろう)、救いのない終わり方で、元の世界へ戻っても明るい展望は見えないので自殺するしかない、と突き放されてるようにしか読めなかった。私の読解力の問題かも知れないが、作者が自分を投影したような主人公をこんな悲観的な描き方をしては後味が悪すぎる。
まとめてみると、着想そのものは面白く評価出来るのだが、表現が拙くてそれを生かせていない。純文学を目指したわけではないのだろうが、それにしてはエンタメ性が欠けている。総じて今一歩の残念な作品だった。
2023年2月23日に日本でレビュー済み
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救いのなさが最高です。全体的にラノベっぽさがあってちょっときついところもあったが、ずどんと胸に来ました。
2020年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ジュブナイル、SF、ホラー、ミステリ、様々なジャンルの要素をうまく織り交ぜた傑作小説。
作者のジュブナイルはモラトリアム真っ最中の学生が主人公で、自分を特別視しながらも自分よりも優秀な人間と触れあっていき、残酷な諦めと共にモラトリアムを終えて進んでいく……といったものが主だ。
今作でもそれを踏襲しながらも、しかしかなりショッキングが結末に向かっていく。なのに主人公の心情に共感できてしまう、これはアメリカンニューシネマのようだ。特にラストの台詞は強烈である。
そうして素直に読んでしまうと非情に苦い味わいの残りつつ、それでいて単体のお話として綺麗に完成されているのだが、一度違和感を覚えると文章の至るところに引っかかりが出来はじめ、読者固有のストーリーを読み取ることができるようになってくる。
「想像力が足りない」「思考に限界はない」
なぜ、登場人物は何度も主人公に言い聞かせていたのだろうか?
作中でも明言されていなかった謎も含めて解釈するために再読すると、この物語はさらに深みを増していく。
何度も救いを求めて文章を拾っていくうちに、いつしか最初に読んだときには感じなかった感情を思い浮かべ始め、別のストーリーを読んでる気分にすらなってくるのだ。小説一冊でループ物のADVをプレイしているかのような秀逸な読後感を与えてくれる。
最初は絶望のままに読み終えた。かつての主人公のように終わりを受け入れた。
では受け入れずに考えたら、そこにはどんなストーリーが広がっているのか?
姉であるサキはこの世の終わりであるような場所に向かいながら、落としたおやつを拾って呟く。「三秒ルール?」
三日間の地獄巡りの果てにたどり着いた答えを解釈するのに邪魔な本当のボトルネックがなんなのか、自分の中での決着がついたときのジワジワとくる爽快感はかなりのものだった。
本編中で繰り返されている鏡像関係のように、読者と物語の間で何度も乱反射して、各々の求める物語に帰着していく構造の妙が必見。
作者のジュブナイルはモラトリアム真っ最中の学生が主人公で、自分を特別視しながらも自分よりも優秀な人間と触れあっていき、残酷な諦めと共にモラトリアムを終えて進んでいく……といったものが主だ。
今作でもそれを踏襲しながらも、しかしかなりショッキングが結末に向かっていく。なのに主人公の心情に共感できてしまう、これはアメリカンニューシネマのようだ。特にラストの台詞は強烈である。
そうして素直に読んでしまうと非情に苦い味わいの残りつつ、それでいて単体のお話として綺麗に完成されているのだが、一度違和感を覚えると文章の至るところに引っかかりが出来はじめ、読者固有のストーリーを読み取ることができるようになってくる。
「想像力が足りない」「思考に限界はない」
なぜ、登場人物は何度も主人公に言い聞かせていたのだろうか?
作中でも明言されていなかった謎も含めて解釈するために再読すると、この物語はさらに深みを増していく。
何度も救いを求めて文章を拾っていくうちに、いつしか最初に読んだときには感じなかった感情を思い浮かべ始め、別のストーリーを読んでる気分にすらなってくるのだ。小説一冊でループ物のADVをプレイしているかのような秀逸な読後感を与えてくれる。
最初は絶望のままに読み終えた。かつての主人公のように終わりを受け入れた。
では受け入れずに考えたら、そこにはどんなストーリーが広がっているのか?
姉であるサキはこの世の終わりであるような場所に向かいながら、落としたおやつを拾って呟く。「三秒ルール?」
三日間の地獄巡りの果てにたどり着いた答えを解釈するのに邪魔な本当のボトルネックがなんなのか、自分の中での決着がついたときのジワジワとくる爽快感はかなりのものだった。
本編中で繰り返されている鏡像関係のように、読者と物語の間で何度も乱反射して、各々の求める物語に帰着していく構造の妙が必見。
2018年4月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いつのまにか物語に吸い込まれて、読んでました!
面白いですが後味が悪くも感じました
面白いですが後味が悪くも感じました
2022年10月13日に日本でレビュー済み
何よりも「比べること」の残酷さ。
もしも、自分が生まれていなかったら。その代わり、自分のいるべき場所に別の人物がいたら、
世界はどう変わっていたのだろう。
そんな、知りたくもないもしもを突きつけられた。
もしも、自分が生まれていなかったら。その代わり、自分のいるべき場所に別の人物がいたら、
世界はどう変わっていたのだろう。
そんな、知りたくもないもしもを突きつけられた。