藤田日出夫氏の本書は、証言者に対する地道な聴き取りや、急減圧が本当に起こったかどうかの徹底した実験等を通して、客観的に事故原因の真相究明と事故調の結論の矛盾を証明した名著です。藤田氏の努力に敬意を表します。
日航機墜落事故から35年経ち、マスコミでは何か事故調の最終報告が事実であるかのように取り扱われています。それは非常に問題です。今こそ、藤田氏が調査し、指摘している問題について再調査すべきです。マスコミももっと事故調の報告の矛盾や問題について追及すべき。
本書は新潮文庫ですが、現在中古でないと手に入りません。ぜひ、もっと再版され、多くの人に読んで欲しい。
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隠された証言―日航123便墜落事故 (新潮文庫) 文庫 – 2006/7/28
藤田 日出男
(著)
1985年8月12日、日航123便は群馬県御巣鷹山中に墜落し、520名の犠牲者を出した。発表された事故原因は圧力隔壁破壊。だが、その結論には多くの専門家が首をかしげた。何が隠されたのか。元日航パイロットが、各種の資料を収集し、事故原因を追究する。そして、ついに内部告発者があらわれ、隠されていた証言が事故の真相と隠蔽の構図を浮き彫りにした。迫真のノンフィクション。
- 本の長さ341ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2006/7/28
- ISBN-104101293511
- ISBN-13978-4101293516
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2006/7/28)
- 発売日 : 2006/7/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 341ページ
- ISBN-10 : 4101293511
- ISBN-13 : 978-4101293516
- Amazon 売れ筋ランキング: - 58,140位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,370位新潮文庫
- - 14,583位ノンフィクション (本)
- - 16,208位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年8月13日に日本でレビュー済み
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2020年2月3日に日本でレビュー済み
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関連する書籍が多数出版されていますが、中には、自衛隊のミサイル誤射説、自衛隊機との衝突説、はたまた、その事実を隠ぺいするための撃墜説などあまりにも突拍子のない説で書かれているものがあり、大いに疑問を感じているなか、本書はパイロットとしての視点で書かれているので、ある意味共感が感じられます。それにしても、事故調査委員会とは何なのでしょうか、車の事故で言えば、ペーパードライバーが運転操作・技術に関する意見を述べる、よりもまだ低次元で机上の得られた数値を元に専門家として、誰も納得されない説に固執しているとしか思えません・・・。 なぜに生存者が存在するのにその証言に反するような結論を導き出すのか????不思議・不思議。
2018年11月4日に日本でレビュー済み
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あの当時のことを思いだして
何か悲しい気持ちになります。
何か悲しい気持ちになります。
2017年12月25日に日本でレビュー済み
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本書は、内部告発者が提供する事故資料に基づき、2002年に上梓され、2005年に文庫本にされたものである。内部告発に依らなければ、事故原因の追求が進まない、とは情けないことである。
私が、本書を購入したのは、1985年(昭和60年)8月12日に起きた「日航123便墜落事件」の事故原因に関する本が、今年、3冊上梓され、関心を持ったからである。1966年(昭和41年)2月4日に起きた「全日空B727型機羽田沖墜落事故」まで遡ると、日本の「事故調査委員会」は、国土交通省の下部組織で、航空機製造メーカーからの政治的干渉を受け、科学的、公正な事故原因の追求からは程遠いということを痛感する。
「日航123便墜落事件」の発端は、垂直尾翼の破壊である。この破壊は、①外部からの力によるもの(例えば、自衛隊の無人標的機が激突したとか) ②機体の構造的な欠陥や材料の欠陥によってもたらされる。著書は、機体の構造的欠陥の可能性が高いとの見解である。
事故直後の8月15日、運輸省航空局は、「日航123便事故は、垂直尾翼の損傷が事故の端緒であるとの疑いが強くなったと判断される」とし、垂直尾翼付近の一斉点検を指示した、との記述(290頁)は、私にとって意外なことであった。
私が、本書を購入したのは、1985年(昭和60年)8月12日に起きた「日航123便墜落事件」の事故原因に関する本が、今年、3冊上梓され、関心を持ったからである。1966年(昭和41年)2月4日に起きた「全日空B727型機羽田沖墜落事故」まで遡ると、日本の「事故調査委員会」は、国土交通省の下部組織で、航空機製造メーカーからの政治的干渉を受け、科学的、公正な事故原因の追求からは程遠いということを痛感する。
「日航123便墜落事件」の発端は、垂直尾翼の破壊である。この破壊は、①外部からの力によるもの(例えば、自衛隊の無人標的機が激突したとか) ②機体の構造的な欠陥や材料の欠陥によってもたらされる。著書は、機体の構造的欠陥の可能性が高いとの見解である。
事故直後の8月15日、運輸省航空局は、「日航123便事故は、垂直尾翼の損傷が事故の端緒であるとの疑いが強くなったと判断される」とし、垂直尾翼付近の一斉点検を指示した、との記述(290頁)は、私にとって意外なことであった。
2024年5月24日に日本でレビュー済み
本書は2003年に発刊、2006年に文庫版発刊。自分が読んだのは2009年発行の第六刷。
なので、レビュー内容には多くのネタバレが含まれる。
折に触れて123便墜落事故関連の書籍を読むが、陰謀論系以外の123便関連本を読みたい方は、本書は諦めずに最後まで読む事をお勧めする。
と言うのは、本書序章では「この本もまた自衛隊陰謀論説か?」と思われる描写が散見するからだ。自分も最初は自衛隊陰謀論説の内容かと思って読むのを断念しようかと思ったが、本書中盤に入る手前で、著者自身が陰謀論を一笑に付しているので、そのまま安心して読み進めることが出来た。
ところで本書の評価が低いのは、ひとえに読み辛さから。これは著者の問題では無く編集者の問題だと思う。
著者は元日航パイロットで有り航空事故調査を”職分”とする人物で、123便墜落事故当時もすぐに現場に駆け付けている。
その職業ゆえか、専門的な言葉が非常に多い。それがレビュータイトルの読むのが面倒という意味。
飛行機に乗ったことが無くても、高層ビルのエレベータで気圧の変化による耳鳴りや耳の不調を経験した人は多いと思う。
その気圧の変化という部分に本書は多くのページを割いているが、全てフィート表記。これが直感的にわかり辛い。
「毎分36万フィートの急激な減圧で」と書かれても、普通の日本人はフィートを長さ(や高度)としか捉えられない。
また、パンクという言葉も頻出する。
「垂直尾翼を空気の圧力でパンクさせる」と言われて、直ぐに理解出来る人は少ないのではないだろうか?読解力をもって、この場合のパンクは破壊と言う意味なのだろうなと解釈する。
本書の主旨は、
・事故調査委員会は米国の圧力に負けて、事故は圧力隔壁の修理ミスによる破壊によるものと言う結論ありきの内容で報告しており、つじつまが合わないことが多い報告書になっている。
・生存者の証言からも、急減圧は無かった事が明白。
・急減圧が無かった以上、圧力隔壁の破壊によると言う結論はあり得ない。
・垂直尾翼の破壊は、尾翼を含む近辺部分の金属疲労や破損などによるもの。
・修理ミスとする事で、機種全体の問題では無く123便固有の問題と米国側はしたかった。
というもの。
この結論に関しては、概ね納得できる。その点だけは著者に対して星五つの評価だと思う。
しかし事故直後に現場にいった著者だからこそ、救出に時間が掛かった事に憤慨したのはわかるが、自衛隊が ”敢えて” 事故現場の特定に時間をかけ異なる方面に誤誘導したなど、著者の主張には関係の無い話し。
また、情報提供者と対面した際のドキュメンタリー調のページなども不要。主張を明確にする為に、変に仮名の人物を登場させ、相手が怯えた様子などを描写すると陰謀論っぽくなってしまう。
そう言った部分を排除し、航空機関連の用語に疎い一般読者にもわかり易い用語に変換する様に打合せするのが編集者の役割だと思う。編集者はその役割をはたしていない。
著者の主旨には納得できる。しかし明言は避けているが、機種固有の問題とするにはその後の同型機の事故の報告は無い。ボーイング社が世界中の同型機を運航している各社に対し、補強修理を要請した話しも無い。もしあれば欧米系の記者などがスクープしているだろう。
また、急減圧は無かったという前提の上で、急減圧が起きないレベルでの隔壁破損があった場合の垂直尾翼への影響も考慮して欲しかった。
例えば、圧力隔壁の微細な亀裂や破損 ⇒ それ故の微細な隔壁の歪みの発生 ⇒ 歪みによる後部の振動増加 ⇒ その振動による垂直尾翼近辺の金属疲労増加 ⇒ 垂直尾翼破損 となった場合、直接の垂直尾翼破損は著者の主張通りだが、原因は圧力隔壁の修理ミスとなる。
世間一般が思っている圧力隔壁の ”大きな” 破損は無かったが、 ”小さな” 破損由来の可能性は無かったのか?そこを書いて欲しかった。
なので、レビュー内容には多くのネタバレが含まれる。
折に触れて123便墜落事故関連の書籍を読むが、陰謀論系以外の123便関連本を読みたい方は、本書は諦めずに最後まで読む事をお勧めする。
と言うのは、本書序章では「この本もまた自衛隊陰謀論説か?」と思われる描写が散見するからだ。自分も最初は自衛隊陰謀論説の内容かと思って読むのを断念しようかと思ったが、本書中盤に入る手前で、著者自身が陰謀論を一笑に付しているので、そのまま安心して読み進めることが出来た。
ところで本書の評価が低いのは、ひとえに読み辛さから。これは著者の問題では無く編集者の問題だと思う。
著者は元日航パイロットで有り航空事故調査を”職分”とする人物で、123便墜落事故当時もすぐに現場に駆け付けている。
その職業ゆえか、専門的な言葉が非常に多い。それがレビュータイトルの読むのが面倒という意味。
飛行機に乗ったことが無くても、高層ビルのエレベータで気圧の変化による耳鳴りや耳の不調を経験した人は多いと思う。
その気圧の変化という部分に本書は多くのページを割いているが、全てフィート表記。これが直感的にわかり辛い。
「毎分36万フィートの急激な減圧で」と書かれても、普通の日本人はフィートを長さ(や高度)としか捉えられない。
また、パンクという言葉も頻出する。
「垂直尾翼を空気の圧力でパンクさせる」と言われて、直ぐに理解出来る人は少ないのではないだろうか?読解力をもって、この場合のパンクは破壊と言う意味なのだろうなと解釈する。
本書の主旨は、
・事故調査委員会は米国の圧力に負けて、事故は圧力隔壁の修理ミスによる破壊によるものと言う結論ありきの内容で報告しており、つじつまが合わないことが多い報告書になっている。
・生存者の証言からも、急減圧は無かった事が明白。
・急減圧が無かった以上、圧力隔壁の破壊によると言う結論はあり得ない。
・垂直尾翼の破壊は、尾翼を含む近辺部分の金属疲労や破損などによるもの。
・修理ミスとする事で、機種全体の問題では無く123便固有の問題と米国側はしたかった。
というもの。
この結論に関しては、概ね納得できる。その点だけは著者に対して星五つの評価だと思う。
しかし事故直後に現場にいった著者だからこそ、救出に時間が掛かった事に憤慨したのはわかるが、自衛隊が ”敢えて” 事故現場の特定に時間をかけ異なる方面に誤誘導したなど、著者の主張には関係の無い話し。
また、情報提供者と対面した際のドキュメンタリー調のページなども不要。主張を明確にする為に、変に仮名の人物を登場させ、相手が怯えた様子などを描写すると陰謀論っぽくなってしまう。
そう言った部分を排除し、航空機関連の用語に疎い一般読者にもわかり易い用語に変換する様に打合せするのが編集者の役割だと思う。編集者はその役割をはたしていない。
著者の主旨には納得できる。しかし明言は避けているが、機種固有の問題とするにはその後の同型機の事故の報告は無い。ボーイング社が世界中の同型機を運航している各社に対し、補強修理を要請した話しも無い。もしあれば欧米系の記者などがスクープしているだろう。
また、急減圧は無かったという前提の上で、急減圧が起きないレベルでの隔壁破損があった場合の垂直尾翼への影響も考慮して欲しかった。
例えば、圧力隔壁の微細な亀裂や破損 ⇒ それ故の微細な隔壁の歪みの発生 ⇒ 歪みによる後部の振動増加 ⇒ その振動による垂直尾翼近辺の金属疲労増加 ⇒ 垂直尾翼破損 となった場合、直接の垂直尾翼破損は著者の主張通りだが、原因は圧力隔壁の修理ミスとなる。
世間一般が思っている圧力隔壁の ”大きな” 破損は無かったが、 ”小さな” 破損由来の可能性は無かったのか?そこを書いて欲しかった。
2014年7月25日に日本でレビュー済み
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たまたまYouTubeで、文庫版あとがきにもある 「ボイスレコーダー」という著者と機長の家族の20年間を描いたドラマ(+ドキュメンタリー)を観たので、著者(とこの事故)に興味を持って読んでみた。 TBSで放映されたらしい。 2005年のことなので、それからさらに9年たち、事故からは29年たったことになる。
あくまでも事実・証拠だけから事故原因を追及する姿勢に、事故調査というものはこのようなものなのか、とまるで警察の科学捜査の一端をのぞいているようで、文系の自分には新鮮だった。
たとえば、運輸省(当時)の航空事故調査報告書では 「この時刻のボイスレコーダーの会話が少なくなっているから、パイロットたちは低酸素症」というところを、低酸素症の身体的特徴(耳の痛みなど)がないという証言とともにフライトレコーダーの記録と照らし合わせ、パイロットたちがエンジン推力のみでの操縦を学習していたとみるのが妥当だ、と述べている。
この時刻の後、「激しい波打ち・上下運動(フゴイド)のグラフの幅が目に見えて小さくなっている」、「この操作は低酸素症で能力の低下した頭でできる操作ではない」、「会話の回数だけで断定するのは科学的とはいえない」とする。
そのほか、「ありえない」と判っていながら記載された報告書の事項は、偽証ともいえる内容になっている。
さまざまな方面の都合でつじつまを合わせただけの、あるいは手続きだけの報告書であることがよくわかる、というか説得力がある。
しかし、これでは尾翼が失われていることを知らずに最後まで職責を全うしたパイロットたち、亡くなった520人の乗員・乗客は、草葉の陰からブーイングであろう。
少なくとも、自分自身であれば、自分の命を奪われた理由を知りたいと思う。
「憎まれっ子、世にはばかる」、というけれど。
それはともかく、航空事故調査が専門で、機長の同僚でもある著者は、「原因が究明されない事故からは、何も学べない」、
「事故原因の調査・究明から空の安全を向上させることが、犠牲者の命と遺族の悲しみに答えることにつながっていると信じている」と述べている。
さまざまな異説もあるこの事故、興味から読んだが、20数年の調査と著者の願いとは、なぞ解きよりも、此処のところにあるとみた。
あくまでも事実・証拠だけから事故原因を追及する姿勢に、事故調査というものはこのようなものなのか、とまるで警察の科学捜査の一端をのぞいているようで、文系の自分には新鮮だった。
たとえば、運輸省(当時)の航空事故調査報告書では 「この時刻のボイスレコーダーの会話が少なくなっているから、パイロットたちは低酸素症」というところを、低酸素症の身体的特徴(耳の痛みなど)がないという証言とともにフライトレコーダーの記録と照らし合わせ、パイロットたちがエンジン推力のみでの操縦を学習していたとみるのが妥当だ、と述べている。
この時刻の後、「激しい波打ち・上下運動(フゴイド)のグラフの幅が目に見えて小さくなっている」、「この操作は低酸素症で能力の低下した頭でできる操作ではない」、「会話の回数だけで断定するのは科学的とはいえない」とする。
そのほか、「ありえない」と判っていながら記載された報告書の事項は、偽証ともいえる内容になっている。
さまざまな方面の都合でつじつまを合わせただけの、あるいは手続きだけの報告書であることがよくわかる、というか説得力がある。
しかし、これでは尾翼が失われていることを知らずに最後まで職責を全うしたパイロットたち、亡くなった520人の乗員・乗客は、草葉の陰からブーイングであろう。
少なくとも、自分自身であれば、自分の命を奪われた理由を知りたいと思う。
「憎まれっ子、世にはばかる」、というけれど。
それはともかく、航空事故調査が専門で、機長の同僚でもある著者は、「原因が究明されない事故からは、何も学べない」、
「事故原因の調査・究明から空の安全を向上させることが、犠牲者の命と遺族の悲しみに答えることにつながっていると信じている」と述べている。
さまざまな異説もあるこの事故、興味から読んだが、20数年の調査と著者の願いとは、なぞ解きよりも、此処のところにあるとみた。
2019年8月28日に日本でレビュー済み
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残念ながら真相の究明までは手が届いていないものの、少なくとも機内では急減圧がなかったこと、垂直尾翼は内部隔壁の破壊がもたらしたものではないということの2点をハッキリと証明しているので評価出来る。藤田日出男氏の場合、同じ元JALのパイロットでもこの著書出版の10数年後に本を出した杉江弘氏の稚拙な分析とは大違いで読む者を唸らせるだけの説得力がある。流石に現役時代に社内で様々な航空事故調査も担当していただけのことはある。
2017年1月4日に日本でレビュー済み
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素人でも、おかしい、何を調査しているんだと思った、あの飛行機事故。やっと、真実がこの本で知れました。