「独身手当 公務員のトンデモ給与明細」というタイトルや、いしいひさいちの表紙の漫画は「いかにもおもしろそう」というイメージがあり、思わず本書を手にとった。でも、つまらない本です。
本書は、必ずしも給与制度や手当のことばかり書いてあるわけではない。むしろ、公務員の働きぶりやセクハラ・不祥事、予算の使い方まで様々なことが、いきあたりばったりに書かれている。
私は、「深い考察や真偽の裏打ち取材のない断片情報ばかり」、「国のキャリア公務員も、地方の行政職公務員も、現業職の公務員もごちゃごちゃに論じてもどうしょうもない」、「役所の批判をしておけば一般うけするだろうという著者の薄っぺらな意識が透けてみえ、印象の悪い本」と感じた。
本書には、独立行政法人勤務時には周りの人が働いていなかったという体験が何度も繰り返し書かれているが、それをもって公務員全体が働いていないというのは無理がある。働きぶりや給与制度に関するきちんとした取材がないままに、批判記事を書くのではジャーナリストとは言えない。
本書は、ほとんどの部分が、インターネットを検索したり新聞や本からネタ探しした断片情報を、適当に再構成しただけの本というのがよくわかります。
はっきり言って、カネを出して買って読む本ではありません。
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独身手当: 公務員のトンデモ給与明細 (新潮文庫 わ 9-1) 文庫 – 2010/2/26
若林 亜紀
(著)
- 本の長さ258ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/2/26
- ISBN-104101300917
- ISBN-13978-4101300917
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2010/2/26)
- 発売日 : 2010/2/26
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 258ページ
- ISBN-10 : 4101300917
- ISBN-13 : 978-4101300917
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,563,031位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年2月26日に日本でレビュー済み
「独身手当」って何のこと?と思ったのが、まずこの本を手に取ったきっかけ。
私自身は大学卒業のとき、いくら安定していてもつまらない仕事は嫌だったので、公務員になるという選択は全く考えたことが無かった。でも公務員は「公共の仕事をして人の役に立つ」ことを自分の生きがいとして頑張っている人たち、小学校の給食のおばさんや市営バスの運転手も、黙々と市民のために続ける忍耐力のある人、というプラスのイメージでみていた。でも、この本を読んだら、公務員っていうのは、別の世界、「働く天国」に住む人たちなんだ!と、不況で厳しい世の中を知った今は、しみじみ感じてしまう。
年収の比較表では、私の住んでいる神奈川県の職員が、なんと弁護士や大企業の社員よりも全然高い!と知って、びっくり仰天。イメージまるで違った。
表題の「独身手当」(実際そういう名前の制度ではないが、言ってみればそのようなもの、という表現)みたいに、普通の企業では考えられないような、いろんな「お手当」が沢山あることで、最初はそれほど高額でもない基本給も、どんどん上乗せされて盛られていくんだろう。サラリーマンが、給料から厚生年金やら保険やらでどんどん引かれて、知らないうちに手取りが何分の一か減っているのとまったく逆。
頭の良い公務員の偉い人たちが、せっせと作ってきた法律で堂々と守られる、公務員による公務員のための素晴らしいお給料の仕組みの結果なんじゃない。ふーーとため息が出る。でも、税金払っている身からするとなんか納得行かない。日本という国の中の、言ってみれば一番大きな「不公平」を垣間見ることができる本ではないか。ところどころいしいひさいちさんの漫画も入っていて、息抜きが出来てよいし、文章も簡潔で読みやすい。
私自身は大学卒業のとき、いくら安定していてもつまらない仕事は嫌だったので、公務員になるという選択は全く考えたことが無かった。でも公務員は「公共の仕事をして人の役に立つ」ことを自分の生きがいとして頑張っている人たち、小学校の給食のおばさんや市営バスの運転手も、黙々と市民のために続ける忍耐力のある人、というプラスのイメージでみていた。でも、この本を読んだら、公務員っていうのは、別の世界、「働く天国」に住む人たちなんだ!と、不況で厳しい世の中を知った今は、しみじみ感じてしまう。
年収の比較表では、私の住んでいる神奈川県の職員が、なんと弁護士や大企業の社員よりも全然高い!と知って、びっくり仰天。イメージまるで違った。
表題の「独身手当」(実際そういう名前の制度ではないが、言ってみればそのようなもの、という表現)みたいに、普通の企業では考えられないような、いろんな「お手当」が沢山あることで、最初はそれほど高額でもない基本給も、どんどん上乗せされて盛られていくんだろう。サラリーマンが、給料から厚生年金やら保険やらでどんどん引かれて、知らないうちに手取りが何分の一か減っているのとまったく逆。
頭の良い公務員の偉い人たちが、せっせと作ってきた法律で堂々と守られる、公務員による公務員のための素晴らしいお給料の仕組みの結果なんじゃない。ふーーとため息が出る。でも、税金払っている身からするとなんか納得行かない。日本という国の中の、言ってみれば一番大きな「不公平」を垣間見ることができる本ではないか。ところどころいしいひさいちさんの漫画も入っていて、息抜きが出来てよいし、文章も簡潔で読みやすい。
2010年4月16日に日本でレビュー済み
評者は公務員ではないが、公務員でない人でもたいてい親戚や友人に何人か公務員がいるものだ。
彼らは一様に実直で誠実であり、暮らしぶりも堅実、税金を自分のフトコロにいれようなどという雰囲気はみじんもない。
本書に登場する様々な手当やその他のトンデモな厚遇は、私腹を肥やそうとしてうまれたのではないだろう。
公務員が、自分たち公務員の生活と暮らしを守ろうと、ほんの少しずつ労働条件をよくしてきた結果であり、公務員の中の誰かが不利益をこうむることがないように、不利な環境の人には手厚くしようとバランスをとって、独身には手当が、対外交渉する仕事のストレスには補償が必要だという判断をしてきたに違いない。
つまり彼らなりの「平等」を手当を通じて実現してきた結果、トンデモな給与体系と給与水準が出来上がった、という不幸を、本書は示している。
それはどこまでいっても「公務員の中だけの平等」だが。
問題は公務員の手当が多いことではない。彼ら自身に悪意はなく、むしろ市民のために働こうと考えている。にもかかわらず少しずつ報酬や組織が肥大化していくという、公務員組織のメカニズムにこそ問題がある。
本書のようなエピソード集は、それはそれで特異な部分を国民に知らせる効果はあるし、「トンデモ」な箇所は笑えるが、ただこれ以上公務員への嫉妬や憎しみを煽っても、しかたないとも思う。
公務員の給与や手当にメスを入れてこなかったこれまでの議会や政治のあり方を見直さなければ、どこまでいっても「この業務には手当が必要」「いや不要」という水掛け論しか生まない。
民間の賃金水準の調査、それに準じた平均報酬額や上限の設定等、報酬決定のルールを見直す必要があるのであって、公務員の手当を槍玉にあげて、それを取り払ったところで、第二第三の手当は知らないあいだにつくられるということを、読者は知っておく必要がある。
彼らは一様に実直で誠実であり、暮らしぶりも堅実、税金を自分のフトコロにいれようなどという雰囲気はみじんもない。
本書に登場する様々な手当やその他のトンデモな厚遇は、私腹を肥やそうとしてうまれたのではないだろう。
公務員が、自分たち公務員の生活と暮らしを守ろうと、ほんの少しずつ労働条件をよくしてきた結果であり、公務員の中の誰かが不利益をこうむることがないように、不利な環境の人には手厚くしようとバランスをとって、独身には手当が、対外交渉する仕事のストレスには補償が必要だという判断をしてきたに違いない。
つまり彼らなりの「平等」を手当を通じて実現してきた結果、トンデモな給与体系と給与水準が出来上がった、という不幸を、本書は示している。
それはどこまでいっても「公務員の中だけの平等」だが。
問題は公務員の手当が多いことではない。彼ら自身に悪意はなく、むしろ市民のために働こうと考えている。にもかかわらず少しずつ報酬や組織が肥大化していくという、公務員組織のメカニズムにこそ問題がある。
本書のようなエピソード集は、それはそれで特異な部分を国民に知らせる効果はあるし、「トンデモ」な箇所は笑えるが、ただこれ以上公務員への嫉妬や憎しみを煽っても、しかたないとも思う。
公務員の給与や手当にメスを入れてこなかったこれまでの議会や政治のあり方を見直さなければ、どこまでいっても「この業務には手当が必要」「いや不要」という水掛け論しか生まない。
民間の賃金水準の調査、それに準じた平均報酬額や上限の設定等、報酬決定のルールを見直す必要があるのであって、公務員の手当を槍玉にあげて、それを取り払ったところで、第二第三の手当は知らないあいだにつくられるということを、読者は知っておく必要がある。
2010年8月6日に日本でレビュー済み
大筋では「まあそうだろう」と言えるが、細部では相当な誇張、ごまかし的表現がある。
この本では、「給与明細でわかる」と言っているが、「分からない」ものもかなりあるはずだ。
なぜならば、すべてを「手当」という言葉で言っているがそこに「ごまかし」「誇張」があるのだ。「手当」と「給付金」とを意図的に混同している。「手当」は給与の一部であり、「給付金」は「共済組合」(民間で言う健保組合)から出るものだ。民間でも健保組合の財政状態により、様々な給付金に違いがある。
「手当」は給与の一部なので、「給与明細」に載る。しかし、共済(健保)組合の「給付金」は明細には載らないのだ。
作者は「特殊法人に在籍していた」という。その違いが分からぬはずがない。
それを敢えて混同しているところが、この本全体の胡散臭さ、アジテーション本らしさを物語っている。
勿論、公務員全体に一般的な「貰わなきゃぁ損!!」とばかりに、労使で各種手当てをお手盛りしている習慣が問題だという指摘に異論はない。
まあ、公務員だけを槍玉に挙げても仕方ないだろうな。もとになる法律を作る議員が既にお手盛り手当で潤っているのだから。「政務調査費」の領収書すら義務づけできない。
そして、それを性懲りもなく選んでいるのは私たち国民だし。
結局、私たち国民のレベルに見合った議員・公務員なんだよなあ。
この本では、「給与明細でわかる」と言っているが、「分からない」ものもかなりあるはずだ。
なぜならば、すべてを「手当」という言葉で言っているがそこに「ごまかし」「誇張」があるのだ。「手当」と「給付金」とを意図的に混同している。「手当」は給与の一部であり、「給付金」は「共済組合」(民間で言う健保組合)から出るものだ。民間でも健保組合の財政状態により、様々な給付金に違いがある。
「手当」は給与の一部なので、「給与明細」に載る。しかし、共済(健保)組合の「給付金」は明細には載らないのだ。
作者は「特殊法人に在籍していた」という。その違いが分からぬはずがない。
それを敢えて混同しているところが、この本全体の胡散臭さ、アジテーション本らしさを物語っている。
勿論、公務員全体に一般的な「貰わなきゃぁ損!!」とばかりに、労使で各種手当てをお手盛りしている習慣が問題だという指摘に異論はない。
まあ、公務員だけを槍玉に挙げても仕方ないだろうな。もとになる法律を作る議員が既にお手盛り手当で潤っているのだから。「政務調査費」の領収書すら義務づけできない。
そして、それを性懲りもなく選んでいるのは私たち国民だし。
結局、私たち国民のレベルに見合った議員・公務員なんだよなあ。
2010年6月18日に日本でレビュー済み
手当手当の押し売りですね。
しかもしれに税金がかかっていない点に注目したほうがいいですよ。
サラリーマン・企業側でできるのは、いかに税金を払わないようにするか、と言うことだけです。
出世困難手当なんて有るんですね。
その手当貰っている人間を、公衆の面前で指さして笑ってやりたい、くらいです。
いいすぎ?
しかもしれに税金がかかっていない点に注目したほうがいいですよ。
サラリーマン・企業側でできるのは、いかに税金を払わないようにするか、と言うことだけです。
出世困難手当なんて有るんですね。
その手当貰っている人間を、公衆の面前で指さして笑ってやりたい、くらいです。
いいすぎ?
2011年10月28日に日本でレビュー済み
文と漫画がおもしろいのでブラックジョークとして楽しく読める。これだけ財政悪化してるのにお手盛り手当てに格安住宅とは、公務員はほんと呑気な連中だ。危機意識がまったく欠如している。ギリシャの公務員を笑えないね。財政が破綻するまで、こんな調子なんだろうか。
2011年10月28日に日本でレビュー済み
調べが足りず、乱雑な印象があります。著者の一つの例で、すべてがそうだと言うのは無理があります。
とはいえ、役人の給料のめちゃくちゃぶりの一端を知ることができるのは価値があります。出世困難手当とかなんじゃそりぁ・・・と驚かされるものばかりでした。
とはいえ、役人の給料のめちゃくちゃぶりの一端を知ることができるのは価値があります。出世困難手当とかなんじゃそりぁ・・・と驚かされるものばかりでした。