自らの税制・会計解釈を「税とは、会計とは」という理念から実用に昇華させ、その筋金入りの碩学で
彼を貶めようとする国税の高級官僚も論破した飯塚氏は、怨念ともいえる仕打ちで訴訟を起こされます。
部下が捕まり、客も離れ、完全に追い詰められた状況でも決して信念を曲げず、最後は自分を支持する
有力者たちも巻き込んで裁判に勝利する姿は、昭和世代(私の親の世代ですが)の気骨を十分に感じさせ
感動させてくれます。
その後も会計の大家として、実業化として日本の会計を草の根から底上げした氏の胆力・努力には
感服せざるを得ません。
戦後の偉人というと松下やホンダの創業者が良く知られるとこですが、あらゆるジャンルで日本を
敗戦国から先進国へ押し上げた隠れた英雄がいることをこの本は教えてくれます。
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不撓不屈〈上〉 (新潮文庫) 文庫 – 2006/1/30
高杉 良
(著)
権力は、抗う者には容赦なく牙を剥く──。税理士・飯塚毅は、中小企業のためにとった税務手法を否定され、当局を相手に訴訟を起こした。だが、横暴な大蔵キャリア官僚は、それを許しはしない。メンツのためだけに、飯塚の顧客へ理不尽な税務調査が行われ、さらに彼の事務所には検察の捜査までもが及んだ。それでも男は権力と闘いつづけるのか。生きる勇気を与える、実名経済小説。
- 本の長さ326ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2006/1/30
- ISBN-104101303223
- ISBN-13978-4101303222
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2006/1/30)
- 発売日 : 2006/1/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 326ページ
- ISBN-10 : 4101303223
- ISBN-13 : 978-4101303222
- Amazon 売れ筋ランキング: - 297,422位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 169位経済・社会小説 (本)
- - 5,446位新潮文庫
- - 7,284位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1939年東京生まれ。
石油化学業界紙の記者、編集長を経て、75年『虚構の城』で作家デビュー。以後、『小説 日本興業銀行』をはじめ、綿密な取材に裏打ちされた企業・経済小説を次々に発表し注目を集める。
97年、書き下ろし作品『金融腐蝕列島』で銀行不祥事を暴き、以降、『再生 続・金融腐蝕列島』『混沌 新・金融腐蝕列島』『消失 金融腐蝕列島・完結編』と続く一連のシリーズは、金融大再編を描く壮大な平成金融経済史となり、スピンオフ的に書かれた『呪縛 金融腐蝕列島Ⅱ』は銀行と裏社会との癒着を告発、映画化されて話題を呼んだ。近年の代表作は『小説ザ・外資』『乱気流 小説・巨大経済新聞』、近著は『挑戦 巨大外資』『反乱する管理職』など。「高杉良経済小説全集」(全15巻)がある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年1月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あらすじ
TKC創業者、公認会計士・税理士の飯塚毅の清廉で壮絶な生涯。
上巻は、生い立ちから飯塚事件の勃発までを描きます。
感想
ノンフィクションであるということは、
多少の脚色があるとしても、実際にあった話なわけですが、
飯塚さんが凄過ぎて、あんまりリアリティーは感じられません。
例えていうと、戦国時代や幕末の偉人伝を読んでいる様でした。
飯塚さんは、不用意に敵を作ってしまったことで、
大変な目に遭うわけですが、
そこから私が学んだことは、
例えそれが正しいことでも、つつがなく推し進めるためには、
それなりに段取りがいるってことです。
気を付けないと。。。
TKC創業者、公認会計士・税理士の飯塚毅の清廉で壮絶な生涯。
上巻は、生い立ちから飯塚事件の勃発までを描きます。
感想
ノンフィクションであるということは、
多少の脚色があるとしても、実際にあった話なわけですが、
飯塚さんが凄過ぎて、あんまりリアリティーは感じられません。
例えていうと、戦国時代や幕末の偉人伝を読んでいる様でした。
飯塚さんは、不用意に敵を作ってしまったことで、
大変な目に遭うわけですが、
そこから私が学んだことは、
例えそれが正しいことでも、つつがなく推し進めるためには、
それなりに段取りがいるってことです。
気を付けないと。。。
2013年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
国税当局からの不条理・過酷な仕打ちを受ける税理士の事情が、如実に描かれていますがそれだけ。もう少し、作者の熱が欲しかった。なお、下巻は全く小説の体をなしていない。
2014年9月14日に日本でレビュー済み
徴税当局の権力と闘った税理士の話です。物語(実話)のハイライトはその闘争部分にありますが、私はむしろ「良き職業人のモデル」としての主人公のあり方に注目しました。
まず、主人公の発言や書くものの水準が、大変高いことに強い印象を受けました。このことは、主人公の発言に含まれる語彙が豊富であることや、主人公が引用する情報の質からして自明です。長く禅寺に学んだことや専門職として継続的に研鑽を積んできたことの成果が意図することなく現れています。
また、主人公の高い職業意識にも感銘を受けました。主人公は税理士であることについて、次のように述べています。「私はこの職業に祈りをもっている。恵まれない中小企業を、全力をかけて救わねばならぬとの、使命感であり、祈りである。」(上巻308頁)。「祈り」の意味は、「願い」といいかえても良いのかもしれません。
このような職業を生きた主人公について考え、(多少は?)啓発され、読んで良かったと思っています。
まず、主人公の発言や書くものの水準が、大変高いことに強い印象を受けました。このことは、主人公の発言に含まれる語彙が豊富であることや、主人公が引用する情報の質からして自明です。長く禅寺に学んだことや専門職として継続的に研鑽を積んできたことの成果が意図することなく現れています。
また、主人公の高い職業意識にも感銘を受けました。主人公は税理士であることについて、次のように述べています。「私はこの職業に祈りをもっている。恵まれない中小企業を、全力をかけて救わねばならぬとの、使命感であり、祈りである。」(上巻308頁)。「祈り」の意味は、「願い」といいかえても良いのかもしれません。
このような職業を生きた主人公について考え、(多少は?)啓発され、読んで良かったと思っています。
2006年7月22日に日本でレビュー済み
映画も観ました。
時代背景が、現代とは大きく異なる点で比べようもない(想像しにくい)ことを割り引いても、やや美化しすぎて描かれている。
(TKCに気をつかっての表現ともとれるが)
その意味で、団塊の世代向け?
とはいえ、国家に挑んでいく姿勢については心打たれるものがある。
今の時代にはなくなったかもしれない気骨。
これを失ってはいけないと感じた。
時代背景が、現代とは大きく異なる点で比べようもない(想像しにくい)ことを割り引いても、やや美化しすぎて描かれている。
(TKCに気をつかっての表現ともとれるが)
その意味で、団塊の世代向け?
とはいえ、国家に挑んでいく姿勢については心打たれるものがある。
今の時代にはなくなったかもしれない気骨。
これを失ってはいけないと感じた。
2006年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
実は、直前に「燃ゆるとき」をよんでこちらを読んだので、
よけいに際立ったのかもしれませんが、日本人離れしていますね。
とうぜん、いい意味でですけども。
ただ、疑問のあるところは、みんなの前でコテンパンにするのでなく
場所を変えて話し合えば、いいのにナーと素直に思うのは、
私だけでしょうか?
しかし、基本の正義を貫く姿勢は大切ですし、こうゆう人の
おかげで日本が良くなってきたことは良くわかりました。
よけいに際立ったのかもしれませんが、日本人離れしていますね。
とうぜん、いい意味でですけども。
ただ、疑問のあるところは、みんなの前でコテンパンにするのでなく
場所を変えて話し合えば、いいのにナーと素直に思うのは、
私だけでしょうか?
しかし、基本の正義を貫く姿勢は大切ですし、こうゆう人の
おかげで日本が良くなってきたことは良くわかりました。
2013年6月2日に日本でレビュー済み
中小企業に携わる者として、
TKCの礎をあまりに知らなかったことを恥ずかしく思うとともに、
飯塚氏の精神、心、崇高さに触れ、ただただ感動の連続であった。
TKCの礎をあまりに知らなかったことを恥ずかしく思うとともに、
飯塚氏の精神、心、崇高さに触れ、ただただ感動の連続であった。
2013年10月20日に日本でレビュー済み
本書の主人公であるTKCの創業者飯塚毅氏は、税務署に再三楯突いたために睨まれて、税務署から徹底的に苛められ、最後は刑事訴訟として検察局から従業員4名が逮捕される事態にまで陥る。これは飯塚事件として昭和39年以降新聞紙上も賑わした事件のようだが、本書ではその詳細が描かれる。
ここで描かれるのは、公権力を握った人間がそれを不正に行使すると恣意的に税理士を抹殺するような横暴な行為を平気で行い、それを指摘されても平気で嘘をつく、という戦慄するような状況である。このような事態を監視するためにマスコミは存在するはずであるが、実際は逆で税務署の発表を鵜呑みにして記事を書くだけで存在価値はまったくない。唯一の救いは正義感のある政治家がこれを問題視して国会で取り上げたことである。
断固として戦った飯塚氏の態度には心から賞賛を送りたいし、この事件を過去のものではなく、今後も起きうるものとして肝に銘じておく必要があるだろう。
ここで描かれるのは、公権力を握った人間がそれを不正に行使すると恣意的に税理士を抹殺するような横暴な行為を平気で行い、それを指摘されても平気で嘘をつく、という戦慄するような状況である。このような事態を監視するためにマスコミは存在するはずであるが、実際は逆で税務署の発表を鵜呑みにして記事を書くだけで存在価値はまったくない。唯一の救いは正義感のある政治家がこれを問題視して国会で取り上げたことである。
断固として戦った飯塚氏の態度には心から賞賛を送りたいし、この事件を過去のものではなく、今後も起きうるものとして肝に銘じておく必要があるだろう。