雑誌『ポパイ』に連載していた2ページの記事を30回分まとめて一冊にしたのが本書です。1984年の夏から1985年の夏までの1年間に、作家･片岡義男が毎回1冊のアメリカの書籍をとりあげ、どんなことを感じたかを3000字くらいで書く、というスタイル。
著者が語る書物のテーマは多彩で、アロハ･シャツの歴史、ドナルドダック、ケチャップについての本まであります。写真集は比較的多く、小説はロバート･Ｂ･パーカー『Love and Glory』1冊しかありません。私はベレニス･アボット、スティーヴン･ショアやマイエロヴィッツの作品を初めてこの本で知り、その写真集を購入しました。ただの書評ではなく、著者がよく知っているはずのアメリカ文化の奥深さ、発見の喜びまで伝わってくるのです。
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