登場人物がアイヌ人・ロシア人・松前藩士・ポーランド人・江戸の素浪人・若い坊さんなど多岐にわたっていて
2800枚の内容でも飽きさせない。裏切りや悲しみや陰謀や復讐など実に克明に描かれていて
何故もっと早く作者が直木賞や芥川賞が取れなかったのか、悔やまれる。
砂のクロニクルを読んだ後だけに別の色合いも感じさせる名作だと思う
砂のクロニクル〈上〉 (新潮文庫)砂のクロニクル〈下〉 (新潮文庫)
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蝦夷地別件〈中〉 (新潮文庫) 文庫 – 1998/6/30
船戸 与一
(著)
惣長人サンキチが和人の薬を飲んだ直後に急死し、国後の蝦夷の間には和人との戦いを望む声が一気に高まる。鉄砲なしでは戦えないとする脇長人ツキノエの主張も空しく……。同じころ、フランス革命の余波に震えるペテルブルグで暗躍していたポーランド貴族マホウスキは、ロシア皇帝の情報組織に拘束される。彼の鉄砲三百挺は、果して無事に蝦夷地まで届けられるのか? 緊迫の中巻。
- 本の長さ593ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1998/6/30
- ISBN-104101343144
- ISBN-13978-4101343143
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1998/6/30)
- 発売日 : 1998/6/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 593ページ
- ISBN-10 : 4101343144
- ISBN-13 : 978-4101343143
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,043,204位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1944(昭和19)年、山口県生れ。早稲田大学法学部卒業。
1985年『山猫の夏』で吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。1989(平成元)年『伝説なき地』で日本推理作家協会賞を受賞。1992年『砂のクロニクル』で山本周五郎賞を受賞。2000年『虹の谷の五月』で直木賞を受賞する。主な著書に『猛き箱舟』『炎 流れる彼方』『蝦夷地別件』『龍神町龍神十三番地』『緋色の時代』『三都物語』『河畔に標なく』などがある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
KindleアプリでiPad mini で読んでいます。上巻を終えてから次が下巻ではないと知った時は全体の長さに愕然としましたが、次は本当に下巻です。蝦夷パートはアイヌ語を頭に入れて消化するのに多少難儀しますね。それでも、1780年代 (黒船までまだ60年以上) の北海道と、同時代のロシアなどに興味のある方にはオススメできます。
2001年7月23日に日本でレビュー済み
この小説の中では、蝦夷地にまだ階級社会は生まれてなかったということになっているらしい。指導者は常に評定で決まり、戦争を起こすかどうかも長人たちの評定で決まっていく。住居は竪穴式らしく思えるが、その描写は無い。既に明らかになっていることのみを誠実に再現しようとする作者の態度が伺える。
中巻まで読み終えて、やはりこの「乱」はあまりにも無謀であった、といわざるをえない。しかしアイヌは自らの誇りにかけて立ち上がる。民族を守る闘いに(現代でも)我々は口をはさめない。さらに言えば過去に民族をじゅうりんした我々の祖先を我々は恥じなければならない。
物語は封建社会の支配者である幕府の思惑と、革命が進みつつある西欧の思惑を背景にもちながら進んでいく。世界的な視点でこの「乱」を船戸は描いている。それは正しい。
中巻まで読み終えて、やはりこの「乱」はあまりにも無謀であった、といわざるをえない。しかしアイヌは自らの誇りにかけて立ち上がる。民族を守る闘いに(現代でも)我々は口をはさめない。さらに言えば過去に民族をじゅうりんした我々の祖先を我々は恥じなければならない。
物語は封建社会の支配者である幕府の思惑と、革命が進みつつある西欧の思惑を背景にもちながら進んでいく。世界的な視点でこの「乱」を船戸は描いている。それは正しい。