誘拐された老人のためにその息子が20億円もの金塊を用意するところから物語は始まる。黒川作品らしいユーモアとペーソスあふれる人物描写と
漫才のような大阪弁のセリフのやり取りは相変わらず面白い。そして、この誘拐作品では、WhyとHowが最後まで謎として残る構成にしている。
誘拐を扱った数多い小説の中でも、プロットの設定やストーリー展開ではトップクラスの作品だと思う。誘拐された老人と犯人の男の友情がエンディングを
飾るのも黒川らしくていい。黒川博行は、余りにも真実に近い作品を書いたということで、「グリコ森永事件」では参考人として事情聴取されて
いるらしいし、最近の「後妻業」でも事件発覚前に、ほとんど現実そのものの犯罪を描いた。つまり、彼自身の経験(自分が犯罪を犯したと
いう意味ではない)と情報ルートを通じて作品を仕上げていることが多い。この「大博打」でもディーテールをおろそかにしない。徹底して現実的だ。
刑事たちの描き方がコメディ風であることから、この作品を軽く見るとしたら大間違い。これはかなりハイクラスの誘拐犯罪小説である。さすが黒川博
行である。
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大博打 (新潮文庫) 文庫 – 1998/3/30
黒川 博行
(著)
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購入オプションとあわせ買い
無茶苦茶な誘拐事件だった。身代金が金塊二トン(時価32億)。受け渡しはどうするのか、大阪府警は驚愕するが、犯行計画は緻密だった。大阪湾に繋留中の漁船に金塊を積み、オートジャイロをセットしろという。金塊を積み無人の漁船が闇をゆく。だが、奪取寸前、漁船は偶然にもタンカーと衝突炎上してしまう。万事休すと思いきや、犯人の真骨頂はここからだった。大胆不敵な誘拐サスペンス。
- 本の長さ374ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1998/3/30
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101370125
- ISBN-13978-4101370125
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【新潮文庫】黒川博行 作品 | なんと身代金として金塊二トンを要求する誘拐事件が発生。驚愕する大阪府警だが、犯行計画は緻密を極めた。驚天動地のサスペンス。 | 建設コンサルタントと現役ヤクザが、産廃処理場の巨大な利権をめぐる闇の構図に挑んだ。欲望と暴力の世界を描き切る圧倒的長編! | 一攫千金か奈落の底か、人生を賭した最後のキツイ一発!裏社会で燻る面々が立てた完全無欠の犯行計画とは?浪速ノワール七篇。 | 最凶「疫病神」コンビが東京進出!巨大宗派の秘宝に群がる腐敗刑事、新宿極道、怪しい画廊の美女。金満坊主から金を分捕るのは。 | 5億の金塊を追う堀内と伊達に、西日本中のワルが襲い掛かる――暴力と混沌の中でしか生きられない男たちを描くノワール小説の最高峰。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1998/3/30)
- 発売日 : 1998/3/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 374ページ
- ISBN-10 : 4101370125
- ISBN-13 : 978-4101370125
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 237,681位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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黒川 博行 (くろかわ・ひろゆき)
1949年愛媛県生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。大阪府立高校の美術教師を経て、83年『二度のお別れ』でサントリーミステリー大賞佳作。86年『キャッツアイころがった』でサントリーミステリー大賞を受賞。96年「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2014年『破門』で直木賞を受賞。
(本データは『海の稜線』が刊行された当時に掲載されていたものです。)「BOOK著者紹介情報」より
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年9月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年5月4日に日本でレビュー済み
会社社長の父が誘拐され、犯人から身代金の要求が届く。
だが社長と父はあまりうまくいっていないようだ。
捜査する警察、どことなく不穏な動きを見せる社長、そして誘拐犯。
この三つの動きに、誘拐された社長の父の破天荒なキャラクターが加わり、
物語の深みが増していく。
誘拐犯が身代金として金塊2トンを要求するアイデアはおもしろい。
その運搬方法やトリックも意外性があった。
読後感もよかった。
だが社長と父はあまりうまくいっていないようだ。
捜査する警察、どことなく不穏な動きを見せる社長、そして誘拐犯。
この三つの動きに、誘拐された社長の父の破天荒なキャラクターが加わり、
物語の深みが増していく。
誘拐犯が身代金として金塊2トンを要求するアイデアはおもしろい。
その運搬方法やトリックも意外性があった。
読後感もよかった。
2016年2月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者の作品はほぼ読了しましたが、本作は帯の解説が、大袈裟だったので後回しにしてました。しかしコンパクトな容量の中に二転三転ぎっしり詰まっていて比重で言うと金塊のようでした。サクッと読めます。関西の方には特に…。
2015年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
黒川博行作品の神髄を行くのではないかな、最後の下りがミドルハッピーエンドは素晴らしいの一言です。
2019年2月22日に日本でレビュー済み
前半は刑事の一人称が誰なのかなかなかわからないし(結局竹内だとわかる)、展開がわかりにくくてかったるいなーと思いながら読んだんだけど、中盤からどんどん引き込まれて読み終わった今は面白かったの一言。刑事たちの描写が多いけどあまり意味がなくて、犯人が追い詰められるようであまり追い詰められないからあれらのシーンはなんなのかなとも思う。人質の爺さんのキャラが最高で、ラストも凄く良かった。破滅的なラストしか無いような題材で、あのラストはすごく好き。流石黒川博行。
2015年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
黒川さんにハズレなし。極道モノ好きだし、主人公のノリツッコミは最高!笑える。
2014年12月4日に日本でレビュー済み
疫病神シリーズ3冊読んだあと本書を読みました。3冊に感じた冗長さは、あと少しで終わりというところまで無くて、話にスピード感がありました。その最後のところですが、そもそもの理由に何か泣かせる仕掛けがありそうに物語が進むので期待が膨らんだのに、それほどのこともなくて終わってしまったので、ちょっとガッカリ感が残りました。それで星一つ足りません。
でも、同じ星4つでも、上記3冊より良かったと思います。
でも、同じ星4つでも、上記3冊より良かったと思います。
2015年1月14日に日本でレビュー済み
ついに,黒川作品文庫版全読破、最後にこれ、面白いのが残ってたー、最高のヱンターティメント作品。