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遊鬼―わが師わが友 (新潮文庫) 文庫 – 1998/6/30
白洲 正子
(著)
何もせず、何も遺さず、「数寄」に命を賭けた人、青山二郎。いつも疾走し、ある一点を見つめ、生きている証拠だけが充満した時間を生きた人、小林秀雄。行住座臥、筆を持たぬ時でさえ、常に描いていた人、梅原龍三郎。実に正直で、飾り気がなく、自由で、そして怖い人、洲之内徹……。韋駄天の正子が全身でぶつかり全霊で感電した、とびきりの人生の名人、危うきに遊んだ鬼たち。
- 本の長さ268ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1998/6/30
- ISBN-104101379041
- ISBN-13978-4101379043
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1998/6/30)
- 発売日 : 1998/6/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 268ページ
- ISBN-10 : 4101379041
- ISBN-13 : 978-4101379043
- Amazon 売れ筋ランキング: - 448,035位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,093位新潮文庫
- - 7,376位近現代日本のエッセー・随筆
- - 18,832位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1910-1998)東京・永田町生れ。薩摩隼人の海軍軍人、樺山資紀伯爵の孫娘。幼時より梅若宗家で能を習う。14歳で米国留学、1928(昭和3)年帰国。翌年、白洲次郎と結婚。1943年『お能』を処女出版。戦後、小林秀雄、青山二郎らを知り、大いに鍛えられて審美眼と文章をさらに修業。1964年『能面』で、また1972年には『かくれ里』で、ともに読売文学賞を受賞している。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても綺麗な商品でした。また機会が御座いましたら宜しくお願い致します。
2016年3月1日に日本でレビュー済み
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著者晩年のエッセイ集。そうはいっても著者は長命(88歳)であったからまだまだ現役であったろう。
高名な人からマイナーな人でまで丁寧に紹介されている。
著者の交遊関係の広さと、溢れんばかりの教養には脱帽する。
手の空いた時間、個々のエッセイは独立しているものが多いのでどこから読んでも良い。
特に注目に値するのは、今の憲法の素案はGHQから出されたものを、旦那と外務官僚2名で、3日間徹夜して和訳したという場面であり、現憲法制定の裏話が分かったことである。とにかく肩の凝らない趣のある一品である。
こういう憲法制定の裏話を聞くと現憲法は今のままで良いのかという気にはなる。なりませんか?皆さん。
高名な人からマイナーな人でまで丁寧に紹介されている。
著者の交遊関係の広さと、溢れんばかりの教養には脱帽する。
手の空いた時間、個々のエッセイは独立しているものが多いのでどこから読んでも良い。
特に注目に値するのは、今の憲法の素案はGHQから出されたものを、旦那と外務官僚2名で、3日間徹夜して和訳したという場面であり、現憲法制定の裏話が分かったことである。とにかく肩の凝らない趣のある一品である。
こういう憲法制定の裏話を聞くと現憲法は今のままで良いのかという気にはなる。なりませんか?皆さん。
2016年11月27日に日本でレビュー済み
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「北京の空は裂けたか 梅原龍三郎」
白洲正子『遊鬼 わが師 わが友』新潮文庫(187-188頁)
「それについて思い出すのは、四月に出版された「新潮」の「小林秀雄追悼記念号」に、吉井画廊の吉井長三さんが書いている話である。
ーーある日、吉井さんが、梅原さん(九十代半ば)のお宅へ行くと、先生はこんなことをいわれた。
「今朝起きたら、バラの花がとても美しかった。それで、十五号のカンバスにさらっと描いてみたが、一寸(ちょっと)いいのが出来た。絵具がまだぬれてるので、そこに裏返しにして立て懸けてあるから、よかったら見給(たま)え」
そこで吉井さんは探してみたが、そんな絵はどこにもない。先生は勘違いをされていたのである。その話を小林さんにすると、吉井さんは叱(しか)られた。
「絵は、実際には描いてなかったって? だから何なのだ。勘違いが、おかしいか。…お前はな、それは、大変なことを聞いているんだぞ。判(わか)るか。梅原さんは、行住座臥(ざが)、描いているんだ。筆を持たなくたっても、描いているんだ。常に描いているから勘違いもする。…だいたい、梅原さんの言葉は、もう言葉でない。絵なんだ。言葉が絵なんだ」から、君は大事に聞いて、記録しておけ、といわれたそうである。
小林さんが昂奮(こうふん)している様子が目に見えるようだが、私もこの文章を読んだ時は感動した。」
白洲正子『遊鬼 わが師 わが友』新潮文庫(187-188頁)
「それについて思い出すのは、四月に出版された「新潮」の「小林秀雄追悼記念号」に、吉井画廊の吉井長三さんが書いている話である。
ーーある日、吉井さんが、梅原さん(九十代半ば)のお宅へ行くと、先生はこんなことをいわれた。
「今朝起きたら、バラの花がとても美しかった。それで、十五号のカンバスにさらっと描いてみたが、一寸(ちょっと)いいのが出来た。絵具がまだぬれてるので、そこに裏返しにして立て懸けてあるから、よかったら見給(たま)え」
そこで吉井さんは探してみたが、そんな絵はどこにもない。先生は勘違いをされていたのである。その話を小林さんにすると、吉井さんは叱(しか)られた。
「絵は、実際には描いてなかったって? だから何なのだ。勘違いが、おかしいか。…お前はな、それは、大変なことを聞いているんだぞ。判(わか)るか。梅原さんは、行住座臥(ざが)、描いているんだ。筆を持たなくたっても、描いているんだ。常に描いているから勘違いもする。…だいたい、梅原さんの言葉は、もう言葉でない。絵なんだ。言葉が絵なんだ」から、君は大事に聞いて、記録しておけ、といわれたそうである。
小林さんが昂奮(こうふん)している様子が目に見えるようだが、私もこの文章を読んだ時は感動した。」
2014年8月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
出で来る人たちの考え方や、生き様が面白い。白洲先生の書き方が素晴らしい。高野山、道成寺など浮かべがら読み終えました。
2006年6月18日に日本でレビュー済み
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白州次郎氏の家内という動機で読んでみました。当時、(戦中、戦後あたりですか?)活躍されていた美術界、文芸界の著名人とのおつきあいを描かれています。まるで、現在の我々に残しておかないといけないと強くおもわれて、書きつづけておられたようにおもいます。感謝しなければなりません。今現在、当時の文化と比較してみて、なにかすぐれたものがあるでしょうか?大事なものを失いつつあるのではないでしょうか?
とても簡潔で、きれいなまとめ方でもってかいておられます。読むことそのものが日本語の文章の勉強にもなったりしますね。
とても簡潔で、きれいなまとめ方でもってかいておられます。読むことそのものが日本語の文章の勉強にもなったりしますね。
2005年4月6日に日本でレビュー済み
青山二郎、小林秀雄、鹿島清兵衛、洲之内徹など、ここで白洲正子が描く故人たちのなんと独自性を持って輝いていることか。そして、正子の筆のなんとみずみずしいことか。個性に殉じることの喜びと哀しみを痛感する一冊である。
近年、グローバル化が進み、その悪い面として、文化の世界的な無個性化が加速している状況の中で、確固とした他者の姿を発見することができる。こういう他者との出会いのみが「私」の「個性」の何たるかを示唆してくれるのだ。
近年、グローバル化が進み、その悪い面として、文化の世界的な無個性化が加速している状況の中で、確固とした他者の姿を発見することができる。こういう他者との出会いのみが「私」の「個性」の何たるかを示唆してくれるのだ。
2007年1月26日に日本でレビュー済み
青山二郎、小林秀雄、梅原龍三郎、洲之内徹、などなど、白洲正子の「師」であり「友」であった人たちの、白洲正子視点からの回顧録です。
もともとの題材(上記の方々の人生)自体が非常に人並み外れていておもしろいので、白洲正子を抜きにしても普通に興味をそそられる本ですね。
というか、実際には白洲正子が語る必要すらないのかも、という気すらします。
本書には、彼らの人生に近くで触れてきた白洲さんならではの話もたくさん出てきますが、たぶんそのことはそんなに本質的ではなくて、白洲さんはあくまでも語り手というかナレーターというか。
いやむしろ、変に主観が入っちゃってる分、かえって本質を読み取りづらいというか。
・・・う〜ん、なんか妙に白洲さん批判になってきましたね(笑
でもとりあえずこの本は「本物の文化人」たちのエピソードが満載でとっても面白いので、オススメです☆
もともとの題材(上記の方々の人生)自体が非常に人並み外れていておもしろいので、白洲正子を抜きにしても普通に興味をそそられる本ですね。
というか、実際には白洲正子が語る必要すらないのかも、という気すらします。
本書には、彼らの人生に近くで触れてきた白洲さんならではの話もたくさん出てきますが、たぶんそのことはそんなに本質的ではなくて、白洲さんはあくまでも語り手というかナレーターというか。
いやむしろ、変に主観が入っちゃってる分、かえって本質を読み取りづらいというか。
・・・う〜ん、なんか妙に白洲さん批判になってきましたね(笑
でもとりあえずこの本は「本物の文化人」たちのエピソードが満載でとっても面白いので、オススメです☆
2007年11月14日に日本でレビュー済み
1989年に出た単行本の文庫化。
「わが師 わが友」と副題にある通りの内容。追悼文として書かれたものが多い。
取り上げられているのは、青山二郎、秦秀雄、小林秀雄、梅原龍三郎、洲之内徹、白洲次郎など。
主として骨董・美術関係の人々であり、白洲正子の人脈の広さ、交友の華やかさに驚かされる。みんなから随分と可愛がられたようで、実にうらやましい。
文章の特徴は、極端なまでの前向きさ。どの人を取り上げても、肯定的な評価を与えるのだ。凄い人物だったことを頑張って表現しようとしているのが伝わってくる。みんな、超人ででもあるかのように描かれている。
まあ、いかにも白洲正子らしい書き方だ。好きな人は好きだろう。私などは彼女の文章は大分割り引いて読むことにしているので、やや感動が薄れてしまうが。
「わが師 わが友」と副題にある通りの内容。追悼文として書かれたものが多い。
取り上げられているのは、青山二郎、秦秀雄、小林秀雄、梅原龍三郎、洲之内徹、白洲次郎など。
主として骨董・美術関係の人々であり、白洲正子の人脈の広さ、交友の華やかさに驚かされる。みんなから随分と可愛がられたようで、実にうらやましい。
文章の特徴は、極端なまでの前向きさ。どの人を取り上げても、肯定的な評価を与えるのだ。凄い人物だったことを頑張って表現しようとしているのが伝わってくる。みんな、超人ででもあるかのように描かれている。
まあ、いかにも白洲正子らしい書き方だ。好きな人は好きだろう。私などは彼女の文章は大分割り引いて読むことにしているので、やや感動が薄れてしまうが。