平成9年出版の本に、文庫版おまけの講義「自己って何?」(約15ページ)が加えられている。全体で200ページの薄い本。
多田先生の講義を受けて、生徒役の南伸坊がコメントを加えつつ自分の言葉で免疫学を記している。
学校時代に習った「抗原・抗体反応」のような視点だけでなく、「免疫は自己と非自己をみわける仕組み」という視点、そしてその仕組みはたいへんに興味深い。
ただ、このような知識は、多田先生が書いた「文庫版おまけの講義」のわずか15ページを読めば極めて簡潔かつ的確に記述されている。
私の場合は、むしろ伸坊さんの記述は「寄り道ばかりでうるさい」と感じ、これだけのページを使うのであれば、もっときちんと解説して欲しいと感じた。
全体を通じていえば、先生がとてもいいので、読む価値は十分にあると思います。
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免疫学個人授業 (新潮文庫) 文庫 – 2000/12/26
病気の原因になる細菌が体内に侵入すると、体はそれらを攻撃する抗体を作る。そのしくみを利用したのが、ジェンナーの種痘。研究者達の奮闘はその後も続くが、やがて素朴な疑問にぶつかる。自分と他人はどうやって区別するのか? そもそも自分とは何か? 免疫学の歴史、研究室でやっているコト、そしてエイズ治療など最先端の研究をやさしく楽しく勉強できる、人気シリーズ第2弾!
- 本の長さ204ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2000/12/26
- ISBN-104101410321
- ISBN-13978-4101410326
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商品の説明
商品説明
ノドがいがらっぽい。これはウイルスが体の中で増殖を始め、インターフェロン(ウイルスの増殖をとめる物質)が出ているせい。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)も働いて、入ってきた異物を殺しにかかっている。熱が出てきたら、マクロファージという細胞がよく働いた証拠。感染したり傷つけられた細胞を食べてしまう。それからT細胞(胸腺細胞)が働いて…。これ、「風邪をひく」という現象の免疫学的な説明。風邪は薬で治るのではなく、免疫が治しているのである。
この本は、サプレッサーT細胞の発見で世界的に知られる東大医学部名誉教授の多田富雄先生から免疫学の個人教授を受けたイラストレーターの南伸坊が、免疫のあれこれを得意のかみ砕いた表現でまとめたもの。免疫とはつまり、「異物に触れて体の反応性が変化する」現象の総称。それで病気を免れることができるが、逆にアレルギー症状に苦しむこともあれば、自分に対して抗体を作り攻撃を仕掛ける「自己免疫病」にかかってしまうこともある。免疫システムにとって、どうやって「自己」と「非自己」を区別するのかは死活問題。自己とは何か。そして、「非自己」を必ずしも一律に排除するわけではないという免疫の反応のしかた。この微妙なあいまいさもまた不可欠なものだ。あいまいだからこそ、しなやかで強靭な生命活動ができる。からだに精神が学ぶことは多いのだ。(家永光恵)
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2000/12/26)
- 発売日 : 2000/12/26
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 204ページ
- ISBN-10 : 4101410321
- ISBN-13 : 978-4101410326
- Amazon 売れ筋ランキング: - 244,597位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
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2016年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
免疫については専門書では難しいのですが「免疫学個人教授」は非常に解りやすい内容になっていました。風邪ってなんだ?の説明ではウイルスが感染してから治癒するまでの体のなかの変化や仕組みが手に取るように理解できて、いわゆる目から鱗が落ちる感じでした。
2016年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
友人に勧められて購入しましたが、あまりのお安さにびっくりしています。
これからもいろいろ買いたいと思っています。。
これからもいろいろ買いたいと思っています。。
2004年8月31日に日本でレビュー済み
免疫学の亜流(?)ばかりHPで見ている気がしたので、本当の免疫学を一度学びたいと思った。しかし、免疫学の教科書を読むのも難しいし、と思っていた時に、書店で免疫学者である東大医学部名誉教授の多田富雄に南伸坊が免疫学を教えてもらう本を見つけた。南伸坊の「個人授業シリーズ
」の一つである「免疫学個人授業」だ。
エイズがどのように発生したか、風邪がどのように直っていくのかなどを免疫学の面から分かりやすく解説しており、読んでいて思わず「へ~」と何回も言ってしまうような本であった。免疫に出てくることば「リンパ球、顆粒球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、Tヘルパー細胞」などなど色々な言葉についても分かりやすく解説してある。まあ読んだ後に忘れてしまう言葉も多いが。
200ページの薄い文庫本なので直ぐに読めてしまう。免疫学素人が最初に読むのに最適。
」の一つである「免疫学個人授業」だ。
エイズがどのように発生したか、風邪がどのように直っていくのかなどを免疫学の面から分かりやすく解説しており、読んでいて思わず「へ~」と何回も言ってしまうような本であった。免疫に出てくることば「リンパ球、顆粒球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、Tヘルパー細胞」などなど色々な言葉についても分かりやすく解説してある。まあ読んだ後に忘れてしまう言葉も多いが。
200ページの薄い文庫本なので直ぐに読めてしまう。免疫学素人が最初に読むのに最適。
2018年8月24日に日本でレビュー済み
やっと『高校生物の教科書』を読了し、免疫のことをもう少し詳しく勉強したいと思ってネット検索したら難しそうな本ばかり。ふと我が本棚を覗いたらこの本があった。
イラストレーターの伸坊さんが専門家に1年間じっくりレクチャーを受け、その内容をレポートするというこの「個人授業シリーズ」。実は十数年前に『生物学個人授業』と『心理療法個人授業』も含めて読んでいるんですね。どれも良書だと思って捨てないでとっておいた。
この『免疫学個人授業』、久しぶりに読んだら実に素晴らしい。ページ数は多くはないが、免疫学の古典的概念「疫病を免れる」から「自己と非自己の区別」への展開を、ジェンナーの種痘からエイズ(後天性免疫不全症候群)まで要領よく的確にしかもわかりやすくまとめてあり、免疫学の入門本として好個の本だと思われます。
多田先生の哲学的ないしは文学的な味わいのあるレクチャーと「先生の一言」、生徒役の伸坊さんの軽妙にしてツボを得た「復習ノート」。両者のやり取りも楽しく、理系の本にしては親しみやすいものになっています。
最初のレクチャーで「免疫というからには病から免れられるはずなのに、難病の多くは免疫のせいだ」という免疫の最大の矛盾に気づいた伸坊さん。先生から「永年講義してきた東大生でも、それに初めから気づいた学生はほとんどいませんでした」と称賛されました。確かに、臓器移植やアレルギーの問題などを含めて「免疫」は多様で奥深いものがありますね。
我々に馴染みの薄い「胸腺」の説明は印象的。胸腺は心臓の表面に付着しているのでギリシャ時代の神殿の生贄(バージンの雌)の際に知られてをり、タイムという香草の匂いに似ていて食べておいしく、現代のフランス料理のメニューにもなっているとのこと。胸腺(Thymus)で作られる免疫の主役T細胞のTの由来はThymusなんですね。
胸腺は10歳ぐらいの時が一番大きく、歳を経るにつれてしぼんでいく。私は自己免疫疾患の潰瘍性大腸炎の持病があり、胸腺のT細胞が関係するとの記事は相当以前に新聞記事で読んだことがあります。この胸腺そしてT細胞が学問的に注目されたのは1960年代とのことで比較的最近なんですね。
免疫学が急速に進展したのは1950年代以降とのことで、同時期にタンパク質の構造、細胞の働きが少しづつわかってきて1970年代に遺伝子の解析があり、これらの生命科学との連携で免疫学も単に「疫病を免れる」という概念から「自己とは何か」というテーマを追求するようになった。
細胞の自殺(アポトーシス)も刺激的。胸腺では多量で多種類のT細胞が作られるが自己に適合する3%ほどが免疫細胞として生き残り、残りの97%は「非自己」として自殺に追いやられる。この予定死というかプログラム死というか、壮大な無駄は神秘的ですね。生殖においても多数の精子が一個の卵子を目指して泳いでいくが、卵子と結合するのは一匹だけ、切ないものがありますね。
今の時代は、医療関係者でなくとも、You Tubeなどの動画で、好中球やマイクロファージ、B細胞、T細胞などが、細菌やウイルスなどの抗原に対して戦っている場面を最新の電子顕微鏡写真で見ることができます。 実に幸せなことだと思っています。
イラストレーターの伸坊さんが専門家に1年間じっくりレクチャーを受け、その内容をレポートするというこの「個人授業シリーズ」。実は十数年前に『生物学個人授業』と『心理療法個人授業』も含めて読んでいるんですね。どれも良書だと思って捨てないでとっておいた。
この『免疫学個人授業』、久しぶりに読んだら実に素晴らしい。ページ数は多くはないが、免疫学の古典的概念「疫病を免れる」から「自己と非自己の区別」への展開を、ジェンナーの種痘からエイズ(後天性免疫不全症候群)まで要領よく的確にしかもわかりやすくまとめてあり、免疫学の入門本として好個の本だと思われます。
多田先生の哲学的ないしは文学的な味わいのあるレクチャーと「先生の一言」、生徒役の伸坊さんの軽妙にしてツボを得た「復習ノート」。両者のやり取りも楽しく、理系の本にしては親しみやすいものになっています。
最初のレクチャーで「免疫というからには病から免れられるはずなのに、難病の多くは免疫のせいだ」という免疫の最大の矛盾に気づいた伸坊さん。先生から「永年講義してきた東大生でも、それに初めから気づいた学生はほとんどいませんでした」と称賛されました。確かに、臓器移植やアレルギーの問題などを含めて「免疫」は多様で奥深いものがありますね。
我々に馴染みの薄い「胸腺」の説明は印象的。胸腺は心臓の表面に付着しているのでギリシャ時代の神殿の生贄(バージンの雌)の際に知られてをり、タイムという香草の匂いに似ていて食べておいしく、現代のフランス料理のメニューにもなっているとのこと。胸腺(Thymus)で作られる免疫の主役T細胞のTの由来はThymusなんですね。
胸腺は10歳ぐらいの時が一番大きく、歳を経るにつれてしぼんでいく。私は自己免疫疾患の潰瘍性大腸炎の持病があり、胸腺のT細胞が関係するとの記事は相当以前に新聞記事で読んだことがあります。この胸腺そしてT細胞が学問的に注目されたのは1960年代とのことで比較的最近なんですね。
免疫学が急速に進展したのは1950年代以降とのことで、同時期にタンパク質の構造、細胞の働きが少しづつわかってきて1970年代に遺伝子の解析があり、これらの生命科学との連携で免疫学も単に「疫病を免れる」という概念から「自己とは何か」というテーマを追求するようになった。
細胞の自殺(アポトーシス)も刺激的。胸腺では多量で多種類のT細胞が作られるが自己に適合する3%ほどが免疫細胞として生き残り、残りの97%は「非自己」として自殺に追いやられる。この予定死というかプログラム死というか、壮大な無駄は神秘的ですね。生殖においても多数の精子が一個の卵子を目指して泳いでいくが、卵子と結合するのは一匹だけ、切ないものがありますね。
今の時代は、医療関係者でなくとも、You Tubeなどの動画で、好中球やマイクロファージ、B細胞、T細胞などが、細菌やウイルスなどの抗原に対して戦っている場面を最新の電子顕微鏡写真で見ることができます。 実に幸せなことだと思っています。
2007年10月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『個人授業』シリーズ第2弾ですが、本当に出来が素晴らしい!
シリーズ自体のコンセプトが、全くのドシロートである(が、しかしユニークな発想を持つ)シンボーさんでもわかるような講義を、ということなので、私のような免疫学の初心者でもスラスラ読めるぐらいにわかりやすい本に仕上がっています。
下手に難しい本を読むよりもおそらく免疫学の「本質」はこの本を読む方がわかりやすく、且つ、十分なのではないかなあと思います。
もちろんこの本を読んだからといって細かい知識がつくわけではありませんが、免疫学の入門書としての資格を完全に備えているということは、私だけではなく、読者全員が感じることではないでしょうか。
そして驚くことに、こんなに素晴らしい本が380円とは・・・
牛丼を一度食べるの我慢して、是非この本を読んでみて欲しいなあと思います。
シリーズ自体のコンセプトが、全くのドシロートである(が、しかしユニークな発想を持つ)シンボーさんでもわかるような講義を、ということなので、私のような免疫学の初心者でもスラスラ読めるぐらいにわかりやすい本に仕上がっています。
下手に難しい本を読むよりもおそらく免疫学の「本質」はこの本を読む方がわかりやすく、且つ、十分なのではないかなあと思います。
もちろんこの本を読んだからといって細かい知識がつくわけではありませんが、免疫学の入門書としての資格を完全に備えているということは、私だけではなく、読者全員が感じることではないでしょうか。
そして驚くことに、こんなに素晴らしい本が380円とは・・・
牛丼を一度食べるの我慢して、是非この本を読んでみて欲しいなあと思います。
2003年4月26日に日本でレビュー済み
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2015年12月2日に日本でレビュー済み
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米寿を迎えて全く予期しない膀胱がんのご宣託を受け、歴史的膀胱全摘出の治療の勧めを受け、「ちょっと待てよ、先端医学の治療を!」、癌免疫治療・
抗PD-1抗体剤剤”オプジーボ”に出会いました。血管カテーテルにより膀胱血管に直接注入、僅か1時間の治療で1カ月後に完治、万歳! 免疫治療の凄さに感謝、まず免疫の知識の勉強家らと購入した本です。大変勉強になりました。さらに詳しい本を探しています。
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