久しぶりに読み返してみた。
小説と言うものは、読み手のその時の心情に敏感に反応し、様々に顔を変えるものだと改めて思わされたのは「三分の一」を読み終えた時だった。
こちらの善意や思いやりが通らず、逆に嘘八百を並べ立てて名誉を汚そうとする事に躍起になる隣国の事を思い出したのだ。
我が国と隣国との間に、晃之助のような仲介者が現れる事はあるのだろうか。
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峠―慶次郎縁側日記 (新潮文庫) 文庫 – 2003/9/28
北原 亞以子
(著)
山深い碓氷峠で、思いがけず人を殺めた薬売りの若者。江戸に逃れ、別の人間になり変わって生きようとするが、過去を嗅ぎつけた者たちに狙われ、底知れぬ運命の変転に呑み込まれることに。一瞬の過ちで人生の「峠」を踏み外し、幸せから遠ざけられて捩れてゆく人間たちに、慶次郎の慈悲の心は届くのか――。晃之助、玄庵、佐七ら、お馴染みの面々の活躍も冴える、好評シリーズ第四弾。
- 本の長さ414ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2003/9/28
- ISBN-104101414173
- ISBN-13978-4101414171
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2003/9/28)
- 発売日 : 2003/9/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 414ページ
- ISBN-10 : 4101414173
- ISBN-13 : 978-4101414171
- Amazon 売れ筋ランキング: - 636,087位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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東京都出身。コピーライターなどを経て、昭和44年「ママは知らなかったのよ」で第一回新潮新人賞を受賞して、作家デビュー。平成元年『深川澪通り木戸番 小屋』で第十七回泉鏡花文学賞、平成5年『恋忘れ草』で第百九回直木賞、平成9年『江戸風狂伝』で第三十六回女流文学賞、平成17年『夜の明けるまで』で 第三十九回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 あんちゃん (ISBN-13: 978-4163292205 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年2月20日に日本でレビュー済み
捕り物の派手さはないけれど、人の感情の機微の表現には毎回うなってしまう、このシリーズ。
慶次郎、晃之助といった主役格が、登場するのがだいぶ後だったり、まったく脇のような描かれ方なので、毎回違う短編を読んでいるようだ。
共感を抱くようなキャラは少ない。毎回、人をうらやむ負け犬のような、「幸せ」を感じずに生きる人間が出てくる。
また、用意された結末も、「幸せ」を約束したものではない。どこかへつながるような、ここで終わってしまうような。
割り切れない思いを感じながらも読んでしまうのは、自分とシンクロするような話があるから。
「蝶」は、夫婦喧嘩したときの、心理状態ってこんなだったよな、と改めて思った一作。夫に虐げられ続けてきた妻の逆襲が始まるのだが、夫に押さえつけられ、まともに前を見て生きてこられなかった妻の心理、なんだかわかるのです。私の場合、押さえつけてたのは夫じゃなくて、かつての上司なのですが。
慶次郎、晃之助といった主役格が、登場するのがだいぶ後だったり、まったく脇のような描かれ方なので、毎回違う短編を読んでいるようだ。
共感を抱くようなキャラは少ない。毎回、人をうらやむ負け犬のような、「幸せ」を感じずに生きる人間が出てくる。
また、用意された結末も、「幸せ」を約束したものではない。どこかへつながるような、ここで終わってしまうような。
割り切れない思いを感じながらも読んでしまうのは、自分とシンクロするような話があるから。
「蝶」は、夫婦喧嘩したときの、心理状態ってこんなだったよな、と改めて思った一作。夫に虐げられ続けてきた妻の逆襲が始まるのだが、夫に押さえつけられ、まともに前を見て生きてこられなかった妻の心理、なんだかわかるのです。私の場合、押さえつけてたのは夫じゃなくて、かつての上司なのですが。
2005年8月12日に日本でレビュー済み
「慶次郎縁側日記」シリーズの第四弾。NHKあたりの連続時代劇でドラマ化されたら、きっと地味ながら見応えのある大江戸人間模様が深く心に残る映像になるだろう(と思っていたら、これはすでに放映済みだった)。シリーズの最初からじっくりと読み進めていたならば、たぶん先を読むのが惜しいほどのコクのある物語体験を味わえたのではないかとも。残念ながら本連作の登場人物たち、とりわけ元定町廻りの同心にして今は隠居の身で酒問屋の居候・森口慶次郎の魅力がまだ腑に落ちない。私の中で、北原亞以子の人情譚に耳を傾けるフォーマットが出来上がっていない。口説きと語りに身をゆだねる愉悦。もう少し読み込んでいけば、そういった極上の時間を堪能させてくれる器になりそうな予感がする。