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風の墓碑銘(エピタフ)〈上〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫) 文庫 – 2009/1/28

4.2 5つ星のうち4.2 138個の評価

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貸家だった木造民家の解体現場から、白骨死体が発見された。音道貴子は、家主の今川篤行から店子の話を聞こうとするが、認知症で要領を得ず、収穫のない日々が過ぎていく。そんな矢先、その今川が殺害される……。唯一の鍵が消えた。捜査本部が置かれ、刑事たちが召集される。音道の相棒は……、滝沢保だった。『凍える牙』の名コンビが再び、謎が謎を呼ぶ難事件に挑む傑作長篇ミステリー。

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 文庫版 (2009/1/28)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/1/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 351ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101425477
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101425474
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 138個の評価

著者について

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乃南 アサ
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1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。1988年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作になる。1996(平成8)年『凍える牙』で直木賞受賞。他に『ボクの町』『団欒』『風紋』『晩鐘』『鎖』『嗤う闇』『しゃぼん玉』『ウツボカズラの夢』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ニサッタ、ニサッタ』『犯意』(共著)、エッセイ集『いのちの王国』『ミャンマー』など著書多数。巧みな人物造形、心理描写が高く評価されている。

カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2020年5月30日に日本でレビュー済み
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音道貴子シリーズは
「凍える牙」「鎖」からのファンです。
音道と滝沢のコンビ、凍える牙の中で描かれている当初の関係性が徐々に変化していき、本音では少しずつ心が通じ合っていく様が好きです。
「風の墓碑銘」のエピローグ、お互い憎まれ口をたたきながら葬儀に向かう場面からのラストは爽快でした。
2016年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
事件関係者間の人間模様、音道自身の交友関係の中での人間模様、
前者はストーリーの中で音道が解明していく。後者はリアルタイムで変化していく。
この2つのストーリーが並行して展開していく。読み手を飽きさせない優れた組み立てだと感心する。
しかし、今回の音道は、経験も年齢も重ね単に気の強い意地っ張りで一本気な女から、自身の将来に不安や焦りを感じ、それまで通していた信念のようなものに揺らぎが生じ、人間としてのエゴが目立つように感じる。
そんな音道に私は肩入れし感情移入することが希薄になる、むしろ距離を置く観方になってしまった。正直ちょっと嫌だな、と。
まぁ、しかし、それが普通の女性の感性と捉えればリアルで巧みな描写とも言える。
最近は未婚で仕事一筋で生きている女性も多い。本作の音道はその彼女たちの代弁者になっているのだと思う。
「結婚しないの、したくないの?」「誰かいないの?」周囲は、すでに結婚していることが当然のこととして異口同音に簡単に尋ねてくるが、一言で答えられる質問じゃぁない。その質問自体が私を理解していない証拠…って感じるのではないだろうか?
私は男だからよくわからないが、もしそうだとすると、音道はよくわかってくれる相手だと感じるのではないだろうか。
が、薮内奈苗に対する音道のアンビバレントな感情を滝沢が正し、その在り方はキッパリと否定。
薮内奈苗は好きになれないが、彼女の内面ももう少し覗いてみたい気もする。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2015年2月14日に日本でレビュー済み
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女刑事音道貴子シリーズの作品です。これまでに、「凍える牙」、 「花散る頃の殺人」、「鎖」、「未練」、「嗤う闇」の作品が出ているので、できれば、この順番で読んでおくと背景がわかりやすいと思います。
今回は、以前の作品でもコンビを組んだ滝沢という、オッサン刑事と音道が再びコンビを組みます。
事件自体は、ありがちといえばありがちな話だとは思いましたが、音道に感情移入して、滝沢とのコンビっぷりや、事件を解決していく過程を楽しめました。
このシリーズは、もともと著者が「凍える牙」で直木賞を取ったこともあるのか、最も多くの作品が書かれているシリーズで、ファンとしても期待を裏切られること無く、安心して楽しめるシリーズだと思います。女刑事音道貴子シリーズの作品です。これまでに、「凍える牙」、 「花散る頃の殺人」、「鎖」、「未練」、「嗤う闇」の作品が出ているので、できれば、この順番で読んでおくと背景がわかりやすいと思います。
今回は、以前の作品でもコンビを組んだ滝沢という、オッサン刑事と音道が再びコンビを組みます。
事件自体は、ありがちといえばありがちな話だとは思いましたが、音道に感情移入して、滝沢とのコンビっぷりや、事件を解決していく過程を楽しめました。
このシリーズは、もともと著者が「凍える牙」で直木賞を取ったこともあるのか、最も多くの作品が書かれているシリーズで、ファンとしても期待を裏切られること無く、安心して楽しめるシリーズだと思います。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年9月30日に日本でレビュー済み
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やはり乃南アサは面白い。凍える牙以来の音道刑事のストーリーを読んだが、面白かった。
2013年10月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
このシリーズは大好きで読みたいのですがまかなか書かない著者。だからたま~に書いているのを見つけると「会えた!」と思えますね。乃南アサさんは凄い作家です。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年2月26日に日本でレビュー済み
「凍える牙」を読んだときは私もまだ30歳代。
滝沢よりも音道に感情移入できたのだが、
この本を読んでいる私は、もう40半ばを過ぎた。
当然、音道よりも滝沢に感情移入してしまう。
私が、仕事で今ペアを組んでいる女性は、37歳。
バツイチではないが、外見は音道に似ているかもしれない。
彼女から見れば、私も滝沢のように見えるのかと思うと
なんだかへこむ。

さて本書だが、音道丸くなってしまった印象を受ける。
音道らしくない。
成長なのか。

ストーリーに関しては文句がない。
さすがは直木賞作家。
読ませどころ満載である。
また、文章がよみやすい。
すらすらと読めるし、頭にも入ってきやすい。
まるで映像を見ているよう。
下巻も期待大である。

また、新潮文庫は、字が大きくなったので、
老眼が出だした私にとっては大変ありがたい。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年3月12日に日本でレビュー済み
 今回の相方は「凍える牙」でコンビを組んだ滝沢保。
 今までの作品にはほとんど出てくるので、2回目というと以外に思えてしまうが「コンビ」として動くのは2回目。
 この2人が会話している時に面白いシーンがあった。

 些細なことから口論になり、険悪な雰囲気になっていく・・・、あれ?どっかで見たきがする。これは「デジャブ」か?
 そうだ『鎖』の星野と口論になり、音道貴子が監禁される原因となった、あのシーンだ。
 あの時は星野に対して散々言った滝沢がどういう反応をするか楽しみだったが、「さすがはベテラン」といった対応だった。
 違う見方をすると「滝沢も歳には勝てないのか?」と考え、またちがった見方をすると「滝沢は貴を育てようとしているのかも」と思える。

 『鎖』と比べるとページ数は少なく、一見すると「少しは落ちるかも」と思ってしまうが、そこは直木賞作家・乃南アサ。
 面白さは少しも落ちることはない。
 
 容疑者がおぼろげながら見え始めたところで終わった上巻。
 今後の展開が楽しみな終わり方だった。
 下巻も楽しみだ。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年2月14日に日本でレビュー済み
音道貴子シリーズを順に読んできました。
鎖に星5つをつけました。シチュエーションのすごさにしびれました。
そして、この作品に星6つをあげたいです。捜査のストーリーにしびれました。
鎖が力ずくの迫力だったのに対して、こちらは、計算しつくされた緻密さを感じました。

最後、色々、丸く収まって良かったです、と言いたい所ですが、被害者たちにとっては、取り返しのつかない結果になってしまっているわけで…その重さを感じさせました。音道さんにも滝沢さんにもどうにもならない、増してや、私たち読者には手も足も出せない悲しさを感じました。

音道さんと滝沢さん、2人とも良い人なのに、なぜかうまくいかない関係をもどかしく感じさせながら、最後、事件の解決と共に2人の誤解も解けたように感じさせてくれたことも良かったです。

枝葉の部分の挿話も良かったです。同僚の泥沼のような恋愛。この作品に重みを加えてくれたと感じました。

乃南さんの他の作品も読むのが楽しみです。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート