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ヨギ ガンジーの妖術 (新潮文庫) 文庫 – 1987/1/27

4.1 5つ星のうち4.1 37個の評価

驚愕の仕掛けで話題の文庫『しあわせの書』『生者と死者』シリーズの第1作!

名(酩? 迷)?探偵ヨギ ガンジー登場! ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の血をひき、ロンドンではヨーガを教え、シカゴではすりの実演、東京では医者を相手に催眠術の講義をする、謎の男ヨギ ガンジー。心霊術、念力術、予言術、枯木術、読心術、分身術、そして遠隔殺人術……。
頭にターバンを巻き、長い白衣を着た正体不明の名探偵が、超常現象としか思えない不思議な事件の謎に挑む!

【目次】
王たちの恵み〈心霊術〉
隼の贄〈遠隔殺人術〉
心魂平の怪光〈念力術〉
ヨギガンジーの予言〈予言術〉
帰りた銀杏〈枯木術〉
釈尊と悪魔〈読心術〉
蘭と幽霊〈分身術〉
解説:二上洋一
「泡坂マジック」への入口:新保博久

本文より
ガンジーは頭に白いターバンを巻き、長い白衣を着て、手に太い杖を握っている。
杖の他に、ガンジーが演壇に持ち出した品物は三つあった。一つは二十センチばかりの玩具(おもちゃ)のアヒル。もう一つは西瓜(すいか)ほどの地球儀。最後は丸型の電気掃除機で、機械にはT字型のホースが取り付けられている。
ガンジーは紹介されて演壇に立つと、すぐ奇妙な話を始めた。福岡には話の内容がよく判らなかった。正直、ちんぷんかんぷんと言ってよかった。……(「王たちの恵み」)

本書「解説」より
泡坂妻夫氏は、腕のいい錬金術師のように人心を惑わせ、とろとろにとろかしてしまう字義通りの魔術師であると同時に、ミステリーの世界で、レッド・ヘリング(注 カードのマジック等において、人の注意を他へそらす技法)やフォースの手法を駆使して、読者(ファン)を、十二分に堪能させてくれる、魔術師の如く輝きに満ちた推理作家でもある。
やや飾った婉曲な言い回しになってしまったが、泡坂妻夫氏は、推理小説の名手であると同時に、手練の奇術師としても、つとに有名なのである。
――二上洋一(評論家)

泡坂妻夫(1933-2009)
東京・神田生れ。家業の紋章上絵師の仕事をするかたわら推理小説を書き、1976年「DL2号機事件」で第一回幻影城新人賞に入賞しデビューした。1978年『乱れからくり』で日本推理作家協会賞を、1988年『折鶴』で泉鏡花文学賞を、1990(平成2)年『蔭桔梗』で直木賞を受賞。マジシャンとしても著名で、創作奇術で石田天海賞を受賞している。


登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1987/1/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1987/1/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 366ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101445028
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101445021
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 37個の評価

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泡坂 妻夫
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カスタマーレビュー

星5つ中4.1つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2020年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ガンジーシリーズの「しあわせの書」と「生者と死者」は大がかりな仕掛けがあり
大変面白かったので、こちらも読んでみました。
短編集ということもあり、当初はそれほど期待していなかったのですが、
本作品では冒頭から主人公が登場し活躍するので中だるみもなく、
サスペンスを構成するためだけの「無意味な殺人」も少なく、
手品好きにはたまらないトリックも満載なので、最後までテンポよく楽しめました。
個人的に泡坂作品で3本の指に入る作品です。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
個人的には作者の代表作とされる「11枚のトランプ」や「乱れからくり」よりも、遊び心満載の奇想天外な大仕掛けを使った「ガンジー・シリーズ」中の長編「しあわせの書」の方が好きなのだが、本作はそんな「ガンジー・シリーズ」の連作短編ミステリ集である。「しあわせの書」程の大仕掛けこそないものの、各短編(7編、<心霊術>、<遠隔殺人術>、<念力術>、<予言術>、<枯木術>、<読心術>、<分身術>)が良く練れていて文句なく楽しめる。

作者が(本物の)マジシャンである事は夙に知られており、各短編で使われているトリックは、まあ、手品と言って良いものだが、その使い方が上手いのである。マジシャンが右手を強調したら、その間、左手で何かやっているという風な奇術の基本が心理トリックとして活きているのである。この意味において、舞台設定までが心理トリックとして使われている冒頭の<心霊術>が一番印象に残った。また、本短編に限らず、作者が人間心理の機微を把握した上で、それを自在に操っている点にも感心した。更に、二編目の<遠隔殺人術>で犯人役を演じた不動丸という男がガンジーに調伏され、その結果、ガンジーの弟子となり、以降凸凹コンビとして各編に登場するという趣向も本作の楽しさを助長している。

一般にミステリと奇術は相性が悪いが、本作にはそんな気配は微塵も感じられない。これは、怪異譚や奇跡を好むが、そんな事は実際には起こらないという行者らしくない(?)合理主義的な信念を作者がガンジーに持たせているためであろう。題名中の「妖術」という呼称は如何なものかと思ったが、マジック的雰囲気が漂う中で、巧みな心理トリックを用いて、飽くまで論理的に解決に導く姿勢を貫いている楽しい快作だと思った。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「先生、ほんまもんの怪異を経験されたことは?」と問われたヨギの回答。
 先日この次作にあたる、『しあわせの書』を読んだ時には迂闊にも気づかなかったが、本短篇集を読んで遅まきながらわかった。
 ヨギ ガンジーというドイツ人とミクロネシア人と大阪人の混血(自称)だという、この特徴のあるキャラクターを若い貧乳美人の奇術師に変えたのが、ドラマがヒットして、何本かの映画まで作られた『トリック』シリーズである。

 Wikipediaで確認しても、ヨギ ガンジーには何の言及もなく、横溝作品を踏襲した内容だとトンチンカンなコメントが書かれていたが、横溝作品から持ってきたのは、因習深い山村といった背景の借用であって、謎の構成や似非超能力者との対決は、完全に本作をネタ元にしている筈だ。
 超常現象の嘘を奇術の立場から暴くという基本構成だけでなく、やり過ぎ感が強くてひいてしまうギャグ要素までが双方に共通している。赤染シリーズはなんだアレ?

 おそらく本書で使われたトリックの多くは、ドラマで使われていると思う。著者の了解を得ていれば良いのだが、その可能性は低いだろう。
 確認はしていないものの、少なくとも「ヨギ ガンジーの予言<予言術>」の予言トリックの手順は、そのままパクられていたんじゃないかな。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年11月6日に日本でレビュー済み
はるか昔に読んだ大傑作。
まさか電子書籍化されていたとは思いませんでした。
国内の短編集としては私的No.1です。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年8月14日に日本でレビュー済み
 格好良くて間抜けで、その実超絶頭脳の持ち主の亜愛一郎。
 富豪の美貌寡婦、元マジシャン曾我佳城。
 二人の影に隠れていますが、インチキ霊媒師のヨギガンジーもなかなか。
 ストーリーは、小ネタ集とも言える軽いトリックの作品集なのですが、それ故に、ヨギガンジー以下のキャラクターが素晴らしく、ヘビーな推理小説ファンでなくとも楽しめます。
 そして他の二人とは明らかに違うのが、エッチ度と言えましょう。
 氏の文章には独特の艶があって、僅か二〜三行の濡れ場が驚くほど官能的に書けちゃう人なんですが、この作品ではあくまでもコミカルなので、いやらしさが漂ってきません。どちらかというと程良いお色気程度の味付けです。
 とにかく肩の力を抜いて、気楽に読んで欲しい一品。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年5月15日に日本でレビュー済み
ヨギガンジーシリーズははじめて読んだ。著者らしさあふれる質の高い短編集で、好みだったのはヨギガンジーの予言(予言術)。個性ゆたかなキャラクターがユーモラスで魅力的で、シリーズの他の作品も読みたくなった。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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