第一部で主人公田中の行動を三人称で捉えている。続く第二部で田中の一人称という構成。
跡目を継ぐことがかなわず新たに組を立ち上げ、成功するが、組長という立場に違和感を覚えている。
そんな男の屈折した人格と心情が、短編連作という体裁によって、くっきりと浮かび上がってくるような作りになっている。
男の心の襞に分け入るような書き方がされており、人間存在の業みたいなものを目の当たりにした気さえした。
読み応えのある一冊だが「エンタメ」とは言い難い。
時間つぶしにパッと読んでスッキリするというには内容が重すぎる。
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棒の哀しみ (新潮文庫 き 10-6) 文庫 – 1994/3/1
北方 謙三
(著)
- 本の長さ271ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1994/3/1
- ISBN-104101464065
- ISBN-13978-4101464060
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1994/3/1)
- 発売日 : 1994/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 271ページ
- ISBN-10 : 4101464065
- ISBN-13 : 978-4101464060
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,674,464位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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昭和22(1947)年、佐賀県唐津市生れ。47年中央大学法学部卒。58年「眠りなき夜」で第1回日本冒険小説協会大賞、第4回吉川英治文学新人賞、平 成3年「破軍の星」で第4回柴田錬三郎賞、16年「楊家将」で第38回吉川英治文学賞、18年「水滸伝」で第9回司馬遼太郎賞、19年「独り群せず」で第 1回舟橋聖一文学賞、22年第13回日本ミステリー文学大賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 独り群せず (ISBN-13: 978-4167419110 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
二部構成の物語で、
第一部では他人の目から見た田中組長(この頃はまだ組長じゃないけど)の
容姿や行動などを綴っている内容。
三人称と言えば良いの?
それが第二部になると、田中組長の視点で物語が進んでゆく内容になっている。
物語は、田中組長がのし上がってゆく過程を描いていて、
最後も(さぁ、俺たちの戦いはこれからだ!)みたいな、良い所で終了しています。
田中組長の性格・行動も、善人とは思えんけど、
悪人でもない感じで(まぁ、シャブは扱ってるけど)、掴みどころがないというか、
よくわからん人です(そして、作中で組長自身も悩んだりしている。
ぶっ殺したいほど嫌いだった育ての親である組長の瀕死の姿を病室で見て泣き崩れたりとか)。
田中組長の人格が魅力的で、それを取り巻く若い連中も個性的で面白く、
その彼らが立ち上げた新しい組が成り上がってゆく過程が面白いのでオススメです。
第一部では他人の目から見た田中組長(この頃はまだ組長じゃないけど)の
容姿や行動などを綴っている内容。
三人称と言えば良いの?
それが第二部になると、田中組長の視点で物語が進んでゆく内容になっている。
物語は、田中組長がのし上がってゆく過程を描いていて、
最後も(さぁ、俺たちの戦いはこれからだ!)みたいな、良い所で終了しています。
田中組長の性格・行動も、善人とは思えんけど、
悪人でもない感じで(まぁ、シャブは扱ってるけど)、掴みどころがないというか、
よくわからん人です(そして、作中で組長自身も悩んだりしている。
ぶっ殺したいほど嫌いだった育ての親である組長の瀕死の姿を病室で見て泣き崩れたりとか)。
田中組長の人格が魅力的で、それを取り巻く若い連中も個性的で面白く、
その彼らが立ち上げた新しい組が成り上がってゆく過程が面白いのでオススメです。
2021年1月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
哀しい、虚しい、寂しい、年配ヤクザの日常と心情を、乾いた文章で描く。日本流の哀しきハードボイルドの傑作。奥田瑛二が本作に惚れ込んで映画化したのも分かります。金のある奴を女を使って引っ張り込むやり方など、ディティールの記述も素晴らしいです。