まず、文章の勢いがすごい。
読んでいて息をするのを忘れるような感覚がある。
ついて行けなくなるぐらいに、ポンポンと話題が飛躍していく。
この一冊で、天皇とは何か、国家とは何なのかが、何となく分かってしまう。
おまけに北朝鮮についても知ることができるお得な一冊。
私は同じ小説を2度読まない。
けれども本作は、なんども読み返してしまう、不思議さがある。
天才と狂人は紙一重というのが、よく分かる作品。
こんな作品をもっと読みたかったのに逝ってしまった。残念。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
天皇ごっこ (新潮文庫 み 27-2) 文庫 – 1999/7/1
見沢 知廉
(著)
- 本の長さ419ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1999/7/1
- ISBN-104101473226
- ISBN-13978-4101473222
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1999/7/1)
- 発売日 : 1999/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 419ページ
- ISBN-10 : 4101473226
- ISBN-13 : 978-4101473222
- Amazon 売れ筋ランキング: - 443,612位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年11月10日に日本でレビュー済み
現実に運動の中に身を置いたものにしか描くことが出来ない、そんなリアリティーを作品に感じる。
最後のほうに北朝鮮が舞台になった部分があるが共産主義も国粋主義も一種の全体主義に帰着するのではないだろうかと自問してしまった。
右だ左だといっても体制をつくってしまえば行き着くところは「強権と腐敗」。
見沢氏は左翼運動から新右翼(民族運動)へ転向(失礼)された方と聞き及んでいるが、その辺のことを見抜いていたんだろうな。きっと。
最後のほうに北朝鮮が舞台になった部分があるが共産主義も国粋主義も一種の全体主義に帰着するのではないだろうかと自問してしまった。
右だ左だといっても体制をつくってしまえば行き着くところは「強権と腐敗」。
見沢氏は左翼運動から新右翼(民族運動)へ転向(失礼)された方と聞き及んでいるが、その辺のことを見抜いていたんだろうな。きっと。
2020年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
獄中記ですわ。
しかし、酷い!この国の監獄は。人権無視である。
憲法が遵守されていない。
犯罪者など、どう扱ってもエエという体質である。
民主国家でも法治国家でもない低級国家と知る。
しかし、酷い!この国の監獄は。人権無視である。
憲法が遵守されていない。
犯罪者など、どう扱ってもエエという体質である。
民主国家でも法治国家でもない低級国家と知る。
2016年10月31日に日本でレビュー済み
著者の経歴と内容から期待を持たされるが、1章の私小説的な面白さを除けば何だか支離滅裂というか、時系列や視点がちゃんと統一されていないところがあり、また人物造詣・描写もイマイチ(田村、石田、羽田、と誰が誰だかわからなくなる。)で、小説としての出来はイマイチだと思う。
ただまあ、「天皇ごっこ」というタイトルと、その内容から何かを感じられるか、というだけの小説未満なのだろう。詩のようなものか。
残念ながら、20年前に書かれたものだけあって共有している知識なり感覚が足りないからか、イマイチわからないところが多かった。今やネットウヨクもパヨクも天皇とは関係のないところで動いているわけだし、と私のほうが冷めてしまったのか。
1章をまとめると、天皇崩御の恩赦を待ち望む受刑囚が、思ったような結果にならず「人殺しのくせによ」と「官」のつぶやきにきれて暴動、というところ。読む価値があるのは1章で、その他は、元受刑者という経歴の著者が、政治活動家らを主人公にした小説を書いて、というところで、そこに社会の需要があったという点は注目してもいいか。あとは「あとがき」の興奮した調子、などかな。
ただまあ、「天皇ごっこ」というタイトルと、その内容から何かを感じられるか、というだけの小説未満なのだろう。詩のようなものか。
残念ながら、20年前に書かれたものだけあって共有している知識なり感覚が足りないからか、イマイチわからないところが多かった。今やネットウヨクもパヨクも天皇とは関係のないところで動いているわけだし、と私のほうが冷めてしまったのか。
1章をまとめると、天皇崩御の恩赦を待ち望む受刑囚が、思ったような結果にならず「人殺しのくせによ」と「官」のつぶやきにきれて暴動、というところ。読む価値があるのは1章で、その他は、元受刑者という経歴の著者が、政治活動家らを主人公にした小説を書いて、というところで、そこに社会の需要があったという点は注目してもいいか。あとは「あとがき」の興奮した調子、などかな。
2007年5月11日に日本でレビュー済み
「革命」とやらをめぐって、血みどろの闘争をしている左翼の諸党派が、ひとたび、「天皇」を罵り始めるやいなや、党派対立は吹き飛び「その瞬間、・・・敵意の魂の反逆者たちは、逆の意味で〈陛下の赤子〉となった。−おそらく、マルクスやレーニンが生き返ってアジっても、もう決して一つにはなれぬ老大家達が。可愛い可愛い、陛下の赤子に」この文章を読むだけでも、この本の価値は十分にある。つまり、日本人が「天皇」という存在を如何に捉えているか、これほど端的に見事に表現した文章は類例をみない。敢えて挙げるなら田村泰次郎の「春婦伝」くらいか。見沢のこの本は、日本人と天皇という根源的課題を今一度考えさせてくれる示唆に富んだ素晴らしい書物。見沢の自死は、第三者としては惜しみたいが、彼なりの人生の総決算であったことだろう。冥福を祈りたい。
2004年3月12日に日本でレビュー済み
■『真実』が常に偽りの中にのみしか存在し得ぬのなら
虚構に満ちた社会で、偽りの中の『真実』を握り締め
物語の主人公として生きるのも有りだ。
■注釈も付いてはいるが、予備知識のない人間が
一読しただけでは著者の表現の真意はわかりづらいかもしれない。
■『解説』のみ読んでいる人も多いと思いますが
この小説は買って読むだけの価値はあります。
虚構に満ちた社会で、偽りの中の『真実』を握り締め
物語の主人公として生きるのも有りだ。
■注釈も付いてはいるが、予備知識のない人間が
一読しただけでは著者の表現の真意はわかりづらいかもしれない。
■『解説』のみ読んでいる人も多いと思いますが
この小説は買って読むだけの価値はあります。
2014年5月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
天皇というタブーに触れて、『左翼」が「天皇を打倒する」、の一言で左翼内部の敵も味方もひとつになった、とか言うお話は、ホントかウソか知らないが、今ではあり得ないことです。
現在の左翼の有力な主張は、「天皇制は取りあえず存続を認めるが将来国民の大半が廃止した方が良いと考えたらその時は廃止する」(つまり国民の多数が天皇制を存続させたいと考えるなら1000年でも1億年でも存続を認めると言う事)。
また、現状で天皇制に反対する大きな理由は、天皇に個人としての自由が無い為に(戸籍も無く選挙権も無い)それは人権蹂躙が酷すぎるんじゃないか、ということです。
つまり天皇個人の権利を回復するためには天皇制を無くすか、改善しなければならないというのが現在の「左翼」の、全部ではないが主流的な考えです。
また、ここに出て来る「純粋右翼」の「天皇は神の子であって政治的に利用する勢力は許せない」という考えは勿論「自由」であって、他人が「そんな考えはおかしい」とか言う筋合いのものでは勿論ありません。
さて、、この本に出て来る大勢の人々の主張は、世間一般常識からはかなり外れている物です。
例えば「人格障害」の定義を著者注で「昔は精神病質とも言った」と書かれているのをそのまま覚えても、現在の精神医学の定義からはズレているわけです。そういう「一般常識からはかなりおかしい」記述がこれでもかと出てくるので、チェックの付箋だらけになってしまう。
そういったチェック機能としての一般常識や、ちょっと踏み込んだ雑学に自信が有る人にはお勧めしますが、
この本を読む事によって何かを「これから学ぼう」とする人には、お勧め出来ません。
「未来の日本の都市は(地震に強いから)地下都市にすべきだ」、とかいう
その一行を取り上げても(常識的におかしい)のはわかるでしょう。
地震が来た時に地下鉄に乗っていたらどうなるか?
まあこれは全体が「小説」であって評論文ではありません。その事を忘れずに読めば面白いでしょう。
登場人物はめいめいが、根拠の希薄な(もちろん、必ずしも間違っている話ばかりではないが)主張を繰り返し、
またそれに一々突っ込みをいれる人物は登場しないのです。
現在の左翼の有力な主張は、「天皇制は取りあえず存続を認めるが将来国民の大半が廃止した方が良いと考えたらその時は廃止する」(つまり国民の多数が天皇制を存続させたいと考えるなら1000年でも1億年でも存続を認めると言う事)。
また、現状で天皇制に反対する大きな理由は、天皇に個人としての自由が無い為に(戸籍も無く選挙権も無い)それは人権蹂躙が酷すぎるんじゃないか、ということです。
つまり天皇個人の権利を回復するためには天皇制を無くすか、改善しなければならないというのが現在の「左翼」の、全部ではないが主流的な考えです。
また、ここに出て来る「純粋右翼」の「天皇は神の子であって政治的に利用する勢力は許せない」という考えは勿論「自由」であって、他人が「そんな考えはおかしい」とか言う筋合いのものでは勿論ありません。
さて、、この本に出て来る大勢の人々の主張は、世間一般常識からはかなり外れている物です。
例えば「人格障害」の定義を著者注で「昔は精神病質とも言った」と書かれているのをそのまま覚えても、現在の精神医学の定義からはズレているわけです。そういう「一般常識からはかなりおかしい」記述がこれでもかと出てくるので、チェックの付箋だらけになってしまう。
そういったチェック機能としての一般常識や、ちょっと踏み込んだ雑学に自信が有る人にはお勧めしますが、
この本を読む事によって何かを「これから学ぼう」とする人には、お勧め出来ません。
「未来の日本の都市は(地震に強いから)地下都市にすべきだ」、とかいう
その一行を取り上げても(常識的におかしい)のはわかるでしょう。
地震が来た時に地下鉄に乗っていたらどうなるか?
まあこれは全体が「小説」であって評論文ではありません。その事を忘れずに読めば面白いでしょう。
登場人物はめいめいが、根拠の希薄な(もちろん、必ずしも間違っている話ばかりではないが)主張を繰り返し、
またそれに一々突っ込みをいれる人物は登場しないのです。
2015年3月29日に日本でレビュー済み
タイトルの「ごっこ」は、右翼文化人・江藤淳さんの「日本人は何しても「ごっこ」になってしまう」という言葉からの流用かもしれません。
見沢さんは自殺されてしまいましたが、今後、残ってゆくとしたら代表作として、この作品なのかなと思います。
見沢さんは自殺されてしまいましたが、今後、残ってゆくとしたら代表作として、この作品なのかなと思います。