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青春は美わし (新潮文庫) 文庫 – 1954/10/27

4.4 5つ星のうち4.4 25個の評価

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楽しき時の命は美わし。青春は美わし。そはもはや来たらず――。
「幼少年時代と故郷」、ヘッセの作品を貫く主題がかくも美しく描かれた2編。


何年ぶりかで家族の住む故郷に帰ってきた青年は、昔恋したことのある美しい少女に再会する。しかしその愛は実らず、その上、妹の友達への恋にも破れる。彼は孤独な、しかし清らかな思い出を胸に故郷を去って行く……。
ふるさとを懐かしみながら放浪に心ひかれ、地道に生きようと願いながら浪漫的な憧れに駆られる青春の心を抒情性豊かに謳いあげた表題作。他に、「ラテン語学校生」。

目次
青春は美わし
ラテン語学校生
解説高橋健二

本書収録「青春は美わし」より
夕食後、私は半時間、庭に水をやってすごした。ぬれて、よごれて、うちにはいって来ると、廊下で、半ば聞きおぼえのある少女の声が中で話しているのを耳にした。急いで私がハンケチで手をふいて、中にはいると、薄むらさきの着物を着、つばの広い麦わら帽子をかぶった、背の高い美しい少女がこしかけていた。彼女が立ちあがって、私をじっと見、手をさし出したとき、それは妹の友だちで、むかし私が恋したことのあるヘレーネ・クルツだということがわかった。
「まだぼくをおぼえていますか」と私は喜んで尋ねた。

ヘッセ Hesse, Hermann(1877-1962)
ドイツの抒情詩人・小説家。南独カルプの牧師の家庭に生れ、神学校に進むが、「詩人になるか、でなければ、何にもなりたくない」と脱走、職を転々の後、書店員となり、1904年の『郷愁』の成功で作家生活に入る。両大戦時には、非戦論者として苦境に立ったが、スイス国籍を得、在住、人間の精神の幸福を問う作品を著し続けた。1946年ノーベル文学賞受賞。

高橋健二 (1902-1998)
東京生れ。東大独文科卒業。ドイツ文学者。第8代日本ペンクラブ会長、芸術院会員、文化功労者。1931(昭和6)年ドイツ留学中に、ヘルマン・ヘッセを識り、交流が始まる。『ヘッセ全集』の全翻訳と別巻『ヘッセ研究』で1957年、読売文学賞を、1968年、『グリム兄弟』で芸術選奨文部大臣賞を受賞する。『ヴァイマルのゲーテ』『ケストナーの生涯』などの著書の他に、訳書多数。


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春の嵐 デミアン 車輪の下 青春は美わし クヌルプ 郷愁
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【新潮文庫】ヘッセ 作品 暴走した橇と共に、少年時代の淡い恋と健康な左足とを失った時、クーンの志は音楽に向った……。幸福の意義を求める孤独な魂の歌。 主人公シンクレールが、友人デミアンや、孤独な神秘主義者の音楽家の影響を受けて、真の自己を見出していく過程を描いた代表作。 子供の心を押しつぶす教育の車輪から逃れようとして、人生の苦難の渦に巻きこまれていくハンスに、著者の体験をこめた自伝的小説。 二十世紀最大の文学者といわれるヘッセの、青春時代の魂の記録。孤独な漂泊者の郷愁が美しい自然との交流の中に浮びあがる名作。 漂泊の旅を重ねながら自然と人生の美しさを見出して、人々に明るさを与えるクヌルプ。その姿に永遠に流浪する芸術家の魂を写し出す。 都会での多くの経験の後で、自然の恵み深い故郷の小さな町こそ安住の地と悟った少年に、作者の自画像を投影させたヘッセの処女作。
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知と愛 シッダールタ 荒野のおおかみ メルヒェン 幸福論 ヘッセ詩集
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ナルチスによって、芸術に奉仕すべき人間であると教えられたゴルトムント。人間の最も根源的な欲求である知と愛を主題とした作品。 シッダールタとは釈尊の出家以前の名である。本書は、悟りを開くまでの求道者の苦行を追いながら、著者の宗教的体験を語った異色作。 複雑な魂の悩みをいだく主人公の行動に託し、機械文明の発達に幻惑されて己れを見失った同時代人を批判した著者の自己告白の書。 おとなの心に純粋な子供の魂を呼びもどし、清らかな感動へと誘うヘッセの創作童話集。「アウグスツス」「アヤメ」など全 9 編を収録。 多くの危機を超えて静かな晩年を迎えたヘッセの随想と小品。はぐれ者のからすにアウトサイダーの人生を見る「小がらす」など14編。 ドイツ最大の抒情詩人ヘッセ──十八歳の頃の処女詩集より晩年に至る全詩集の中から、各時代を代表する作品を選びぬいて収録する。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1954/10/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1954/10/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 146ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4102001042
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102001042
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 25個の評価

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ヘルマン・ヘッセ
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
収録されている二作品ともとても良い作品でした。ヘッセの作品は何冊か読んだことがあり結構難しいものが多いという印象だったのですが本作はどちらも読みやすかったです。
「青春は美わし」は夏の休暇に久しぶりに故郷へ帰った青年が妹の友人アンナに恋をする物語です。最初は初恋の美少女に再会し胸がときめく青年ですが次第にアンナに惹かれていくようになります。青年が旅立つ日の二人の別れの場面、アンナの聡明な優しさが反映されたセリフに心が揺さぶられました。全編に渡る美しい情景描写も素晴らしかったです。
「ラテン語学校生」はラテン語学校に通う少年が下宿先の女中バベットの友人で年上の女性ティーネに恋をする物語です。恋には破れますが何かと世話を焼く女中バベットの助けもあり立ち直っていく少年。少年を見守る女中バベットの母親のような優しさが心に残ります。ラスト、ティーネの不幸に寄り添う少年の姿に少年の心の成長を見ることができました。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 一途なこと、盲目であること、悲観的なこと、楽観的なこと。

 青春というのはそんな時期なんだろうか。若い頃読んだこの本を再び購入して読んだ。若い頃は、主人公と同一化し、あれこれとはらはらしながら読んだが、今はしみじみと青春時代って良いなあと、感慨深く読んでいる。

 命の輝くとき、そんな人生の一時のキラリと光る恋の物語。
 初恋は美しい。叶えられなかった恋は更に一際美しい。

現役を引退し、遙か昔を懐かしむ世代におすすめ。
若い人たちには、ストーリー展開が緩慢過ぎ、物足りなくて読み続けるのが苦痛になるかも知れない。読書力のある人にはお勧めだが。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年5月19日に日本でレビュー済み
本作所収の「青春はうるわし」「ラテン語学校生」は中学か高校の時に同じ新潮文庫で読んで以来、四十数年ぶりの再読でした。以前よりも活字がずいぶん大きくなっていて読みやすかったです。

むろんストーリーはどちらの作品も完全に忘れていて、かすかに覚えていたのは「初恋・胸キュン青春小説」という大まかな印象と、どちらかといえば「ラテン語学校生」のほうが自分好みだったという点のみ。
再読してみて、こんなストーリーだったのかと、まったくの初読のように新鮮でした。やはり両方とも胸がキュンとしました。そして、四十数年前の初読時と同じく、「ラテン語学校生」のほうにより一層、感銘を受けました。

印象深かった点を作品ごとにかいつまんで述べます。

「青春はうるわし」:
・久しぶりに帰ってきた郷里の描写がじつにすばらしい。
・弟のフリッツや妹のロッテ、それに父や母など家族と主人公との触れ合いが幸福感に溢れていてよい。
・主人公と故郷の女友達 (ヘレーネ・クルツ&アンナ・アンベルク) との触れ合い (淡い恋) が胸キュンでいい。特にアンナ・アンベルクが主人公に話す最後の台詞はとても印象的。いずれも恋は成就しなかったけど、相手の少女を思う主人公の純真さにホロリとさせられる。

「ラテン語学校生」:
・これも失恋の物語ではあるけど、「青春はうるわし」よりも作品世界のひろがりを感じる。
・主人公のカール・バウワー少年も、一人でウジウジしているのではなく、下宿暮らしをしながら、四十歳の女中バベットに可愛がられたり、多くの少女と交流をもったり、結婚式に呼ばれたり、みんなの前でヴァイオリンを弾いたりと、学校以外でも中々充実した青春を過ごしている。
・カールが悪い夜遊び仲間と夜道でティーネに悪戯をしかけ、彼女からビンタを食らったのがティーネとのはじめての出会いの場面、というのも面白かった。
・しかも二度目に彼女に会った時、彼女があの夜のことを全然覚えていなかったというところも面白かった。
・ティーネとの恋は実らなかったものの、ティーネ自身もカール少年のことを憎からず思ってくれていたところに心が温まった。
・大工さんと結婚したティーネ自身も無条件に幸せというわけではなく、幸福なはずのカップルも逃れがたい運命の支配を受けている・・・・というところに、人生の深い味わいを感じた。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年8月16日に日本でレビュー済み
"青年が数年異郷にいて、それからある日、一応相当なものになって帰って来たとすると、どんなに慎重な親類でも微笑を浮べ、喜んで握手するものである。"1916年発刊の本書は、20世紀ドイツを代表する著者による不器用な青年の心を繊細に描いた青春小説の名作。

個人的にはお盆休み、実家に帰るタイミングで何年かぶりに同じく【故郷に戻る青年を描く】約60ページの本書を思い出し再読してみました。

さて、そんな本書は汽車を使って故郷に戻った青年が駅に出迎えてくれた妹と弟、そして母親の"試験"(青年の近況報告)を終えて実家に過ごし去るまでの数週間、その間に起きるかっての憧れの美少女との再会、新しい出会いで起きる2つの失恋を描いているわけですが。

まず感じたのは、100年以上前の本にも関わらず全く【違和感なく没入できる故郷の懐かしさ】でしょうか。素朴で美しい描写に、まるで青年が自分と同一であるかの様に心情を重ね、追体験するかのように家族や兄弟との再会、そして2回の失恋の場面を感じる事ができました。

また、一緒に収録された『ラテン語学校生』こちらもこちらで、少年が自分勝手な思い込みからの初恋に破れるも【ちょっとだけ大人へと成長する】姿が力強く描かれていて、爽やかな読後感でした。

かっての青春を懐かしく感じる全ての方へ、また故郷に戻る時の旅のお供の一冊としてオススメ。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年2月8日に日本でレビュー済み
ノーベル賞受賞作家ヘルマン・ヘッセの短編で数時間で読めるため結末は知らずに読みたい。商品説明などに、あらすじのすべてが書かれてあることが多いので注意が必要。外国に6年いた青年が、ひとかどの職を得て故郷に久々に夏の休暇で戻り、家族(父母、妹弟)と妹の対照的な二人の友人と出会う話。一人はへレーネで、「この上品な立派な少女からは、あこがれてながめるよりほかのことを得る望みは、まったくないように思われた。それだけでは悲しいけれども、うれしくもあった」というほどの美女。もう一人のアンナは、「高い程度の明朗さを持っており、友達として交際し、人生や文学について語り得るような少女は、そのころの私の生活環境の中では、まれにしかなかった」という存在。本作は、初版と現在の形とは、かなり異なり、簡素化されているとのことで、題名のもとになった「楽しき時の命は美わし。青春は美わし。そはもはや来らず」という民謡も、初めは巻頭にかかげられていたのが、今は削られている。本編を青春の感傷のように解釈する解説もあるが、本書が筆者が39歳の時に書かれたものであり、また、民謡の「そはもはや来らず」の節を、後年、敢えて削ったところにヘッセの意図を感じたい。人生では、時に、互いに尊敬し合う男女が、運命の悪戯で、魅かれあいながらも、恋愛関係にはいたれないといった状況は起こりうる(相手に既に恋人がいるとか、あるいは自分が相手の結婚相手に相応しいとは思えずに身を引くとか)。そうした相手に、「優しいいたわりをもって、恥ずかしい悲しい思いをさせないように」接する美しい友情が、ここでは描かれている。本書は、青春小説の形はとりつつも、そうした成熟した大人にこそ共感を呼ぶ内容といえる。主人公はこの青春の一日一日を「すべての美しいものは、甘美きわまるものでも、一時のものに過ぎず、一定の終点がある」と思えていたのであるが、この夏にもらった母親からの「最後の贈り物」や父親からの象徴的な3つの贈り物(父の人生訓を書いた手帳、その手帳に今後自らの格言を書くためのペン、倹約こそすれ出し惜しみせず使うようにすすめららたお金の入った財布)を、その後の人生の指針のように受け止めた印象である。大切な人との瞬間は、それが青春の1ページであっても、本人には永遠にこころに在るものであり、「そはもはや来らず」という言葉は、そうした意味では、もはや適当ではない。味わい深い言葉は以下。

私は外(異郷)ではどんなにさまよいまわったことだろう。町から町へ、いろいろな人の中を、仕事と夢想の間を、研究と酒宴の夜の間を、毎月別人のようになった!ところが、ここでは(故郷では)、10年前、20年前と同じようであった。

私は、はっきりかきをめぐらされている友情の庭から、恋の広い自由な国へはいりたいと願ったのだが、どうしたらそれとなく無心な女友だちをその道へ誘うことができるか、見当がつかなかった。しかし、まさしくその点から、満足した状態とそれ以上を願う心との間に、すばらしく自由な浮遊状態が生じた。

(主人公の母)知識はまったくなんの役にも立たないんだからね。心得るとか確実に知るとかいうことが、なんにもならなかったということを、人に示すような事がらをすることが、毎日のように起きるんだよ。だけど、人間は信頼と安心とが必要なんだよ。自信をもって不安を抱かずに死んだ人は(ソクラテスら二、三人を除いては)おおぜいはいない。それは賢かったからではなく、心持ちも良心も清かったからだよ。他方に数しれぬ哀れな平凡な人がいるんだよ。その人たちはそれなりに、救世主を信じていたばかりに、喜んで安心して死ぬことができたのです。信仰というものは、愛と同様、分別によるものじゃありません。だが、おまえもいつかは、分別だけですべてに間に合うものではないということがわかるでしょう。そういうときが来たら、おまえは困ったおりに、慰めのように見えるすべてのことに手を差しのばすでしょう。

あなたが私におっしゃりたいことは、私、もうわかってますの。でも今はほんとにお願いですから、それをおっしゃらないで!

(愛している人と結ばれないといった)そういう思いをしている人は、友情やそのほか自分の手に入れ得る良いものや楽しいものをすべて二倍もしっかりつかまえていなければならないんじゃないでしょうか
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年6月27日に日本でレビュー済み
 ヘッセの「青春は美わし」と「ラテン語学校生」の2編を収録。
 青春は美わし・・・
 主人公(学生)は帰省したとき、かつて恋したヘレーネにふたたびみとれる。しかし、ヘレーネは婚約間近。恋は密かに破れる。主人公は、また、妹の友人であるアンナにも惹かれる。しかし、アンナは好きな人がいるし、主人公の気持ちもお見通し。そんな青春の一コマ。
 ラテン語学校生・・・
 主人公のカールは下宿先の女中のバベット(おばさん)に親切にされている。バベットのおかげで女中仲間の輪に入れてもらう。やがて、主人公はティーネという女中を好きになる。ティーネはカールを軽くいなすのだが、そのうちティーネは大工の職人と恋仲になり、結婚することに。カールのことを思い出して悪いなと思うのだが、恋人は大けがをしてしまう。カールは、彼が幸福だと見ていた人たちも、のがれがたい運命の支配を受けていることを悟る。ティーネの恋人は命はとりとめるが身障者となり先行き不安。カールはティーネの幸運を祈り、自分もまた愛し、愛を受けたいと願う。
2003年2月8日に日本でレビュー済み
 若き日の恋にとって最も大きな痛手となるのは、受け入れられないことではなく、認められないこと。この小説のどこかにこんな言葉があったような記憶があります。心にしみた一言です。
 青春小説として大事にしたい作品です。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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