この60年、理性か本能かと悩みました。自分がどういう人間なのかわかりませんでした。
「知と愛」もその相克を描いていると思っております。しかし、「日本のこころ(岡潔)」を読み、本能だけでは動物と変わらない・理性の中に人は住めない・その上にあるのが情緒であると知りました。情緒とは「思いやり」ないし「無私」であると考えます。
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知と愛 (新潮文庫) 文庫 – 1959/6/9
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エロスなくして美の創造はありえない。しかし、エロスだけでは美は創造されない――。
ヘッセの作品中、もっとも美しい作品として愛読され続ける一編。
精神の人になろうとして修道院に入った美少年ゴルトムントは、そこで出会った若い師ナルチスによって、自分は精神よりもむしろ芸術に奉仕すべき人間であることを教えられた。知を断念して愛に生きようと、愛欲と放浪の生活を送ったゴルトムントが辿り着いたのは――。
人間のもっとも根源的な欲求である知と愛とが、反撥しあいながら互いに慕いあう姿を描いた、多彩な恋愛変奏曲ともいうべき作品。詳細な年譜を付す。
原題は『ナルチスとゴルトムント』。ナルチスは神学者であり哲学者で知を象徴し、ゴルトムントは愛欲遍歴の彫刻家で、愛を象徴しているので、『知と愛』という邦訳名に。
本文より
もうながいあいだゴルトムントはさすらっていた。二度おなじ場所に泊ることはまれだった。いたるところで女たちに熱望され幸福にされた。日に焼けてトビ色になり、さすらいと乏しい食物のためやせた。たくさんの女が早朝彼に別れを告げていった。涙を流して別れるのもいた。ときおり彼はこう考えるのだった。「なぜひとりの女もおれのところにとどまらないのか。おれを愛し、愛の一夜のゆえに姦通をしたのに、なぜ――」(「第八章」)
ヘッセ Hesse, Hermann(1877-1962)
ドイツの抒情詩人・小説家。南独カルプの牧師の家庭に生れ、神学校に進むが、「詩人になるか、でなければ、何にもなりたくない」と脱走、職を転々の後、書店員となり、1904年の『郷愁』の成功で作家生活に入る。両大戦時には、非戦論者として苦境に立ったが、スイス国籍を得、在住、人間の精神の幸福を問う作品を著し続けた。1946年ノーベル文学賞受賞。
高橋健二 (1902-1998)
東京生れ。東大独文科卒業。ドイツ文学者。第8代日本ペンクラブ会長、芸術院会員、文化功労者。1931(昭和6)年ドイツ留学中に、ヘルマン・ヘッセを識り、交流が始まる。『ヘッセ全集』の全翻訳と別巻『ヘッセ研究』で1957年、読売文学賞を、1968年、『グリム兄弟』で芸術選奨文部大臣賞を受賞する。『ヴァイマルのゲーテ』『ケストナーの生涯』などの著書の他に、訳書多数。
ヘッセの作品中、もっとも美しい作品として愛読され続ける一編。
精神の人になろうとして修道院に入った美少年ゴルトムントは、そこで出会った若い師ナルチスによって、自分は精神よりもむしろ芸術に奉仕すべき人間であることを教えられた。知を断念して愛に生きようと、愛欲と放浪の生活を送ったゴルトムントが辿り着いたのは――。
人間のもっとも根源的な欲求である知と愛とが、反撥しあいながら互いに慕いあう姿を描いた、多彩な恋愛変奏曲ともいうべき作品。詳細な年譜を付す。
原題は『ナルチスとゴルトムント』。ナルチスは神学者であり哲学者で知を象徴し、ゴルトムントは愛欲遍歴の彫刻家で、愛を象徴しているので、『知と愛』という邦訳名に。
本文より
もうながいあいだゴルトムントはさすらっていた。二度おなじ場所に泊ることはまれだった。いたるところで女たちに熱望され幸福にされた。日に焼けてトビ色になり、さすらいと乏しい食物のためやせた。たくさんの女が早朝彼に別れを告げていった。涙を流して別れるのもいた。ときおり彼はこう考えるのだった。「なぜひとりの女もおれのところにとどまらないのか。おれを愛し、愛の一夜のゆえに姦通をしたのに、なぜ――」(「第八章」)
ヘッセ Hesse, Hermann(1877-1962)
ドイツの抒情詩人・小説家。南独カルプの牧師の家庭に生れ、神学校に進むが、「詩人になるか、でなければ、何にもなりたくない」と脱走、職を転々の後、書店員となり、1904年の『郷愁』の成功で作家生活に入る。両大戦時には、非戦論者として苦境に立ったが、スイス国籍を得、在住、人間の精神の幸福を問う作品を著し続けた。1946年ノーベル文学賞受賞。
高橋健二 (1902-1998)
東京生れ。東大独文科卒業。ドイツ文学者。第8代日本ペンクラブ会長、芸術院会員、文化功労者。1931(昭和6)年ドイツ留学中に、ヘルマン・ヘッセを識り、交流が始まる。『ヘッセ全集』の全翻訳と別巻『ヘッセ研究』で1957年、読売文学賞を、1968年、『グリム兄弟』で芸術選奨文部大臣賞を受賞する。『ヴァイマルのゲーテ』『ケストナーの生涯』などの著書の他に、訳書多数。
- ISBN-104102001107
- ISBN-13978-4102001103
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1959/6/9
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ495ページ
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春の嵐 | デミアン | 車輪の下 | 青春は美わし | クヌルプ | 郷愁 | |
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【新潮文庫】ヘッセ 作品 | 暴走した橇と共に、少年時代の淡い恋と健康な左足とを失った時、クーンの志は音楽に向った……。幸福の意義を求める孤独な魂の歌。 | 主人公シンクレールが、友人デミアンや、孤独な神秘主義者の音楽家の影響を受けて、真の自己を見出していく過程を描いた代表作。 | 子供の心を押しつぶす教育の車輪から逃れようとして、人生の苦難の渦に巻きこまれていくハンスに、著者の体験をこめた自伝的小説。 | 二十世紀最大の文学者といわれるヘッセの、青春時代の魂の記録。孤独な漂泊者の郷愁が美しい自然との交流の中に浮びあがる名作。 | 漂泊の旅を重ねながら自然と人生の美しさを見出して、人々に明るさを与えるクヌルプ。その姿に永遠に流浪する芸術家の魂を写し出す。 | 都会での多くの経験の後で、自然の恵み深い故郷の小さな町こそ安住の地と悟った少年に、作者の自画像を投影させたヘッセの処女作。 |
知と愛 | シッダールタ | 荒野のおおかみ | メルヒェン | 幸福論 | ヘッセ詩集 | |
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ナルチスによって、芸術に奉仕すべき人間であると教えられたゴルトムント。人間の最も根源的な欲求である知と愛を主題とした作品。 | シッダールタとは釈尊の出家以前の名である。本書は、悟りを開くまでの求道者の苦行を追いながら、著者の宗教的体験を語った異色作。 | 複雑な魂の悩みをいだく主人公の行動に託し、機械文明の発達に幻惑されて己れを見失った同時代人を批判した著者の自己告白の書。 | おとなの心に純粋な子供の魂を呼びもどし、清らかな感動へと誘うヘッセの創作童話集。「アウグスツス」「アヤメ」など全 9 編を収録。 | 多くの危機を超えて静かな晩年を迎えたヘッセの随想と小品。はぐれ者のからすにアウトサイダーの人生を見る「小がらす」など14編。 | ドイツ最大の抒情詩人ヘッセ──十八歳の頃の処女詩集より晩年に至る全詩集の中から、各時代を代表する作品を選びぬいて収録する。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1959/6/9)
- 発売日 : 1959/6/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 495ページ
- ISBN-10 : 4102001107
- ISBN-13 : 978-4102001103
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 136,238位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年1月9日に日本でレビュー済み
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遙か昔、大学生の頃、何も無い一人暮らしの部屋で、むさぼるように読んだ本のひとつ。
それまでヘッセのイメージは、当時色々な場で紹介されていた「愛の詩人」という印象しか無く、勝手に「男のくせに、めめしい詩しか書かない軟弱野郎」と思い込んでいました。
しかし、この書に出会って、ヘッセに対する先入観が如何に間違っていたか知りました。
原題は「ナルチスとゴルトムント」で、感性に生きる美少年ゴルトムントと、理性に生きる聡明なナルチスの
両極端のパーソナリティだけれど、惹きつけ合う妙。
それまで全く意識したことの無かった、感性、理性、知性など、人間の内面を鋭く捉えた本と出会うことが出来たことを嬉しく思いました。
ヘッセは、二人の別の人格として登場させていますが、実はヘッセ自身の心の中を、ナルチスとゴルトムントととして表現しているのでは無いかと思えてきます。
それまでヘッセのイメージは、当時色々な場で紹介されていた「愛の詩人」という印象しか無く、勝手に「男のくせに、めめしい詩しか書かない軟弱野郎」と思い込んでいました。
しかし、この書に出会って、ヘッセに対する先入観が如何に間違っていたか知りました。
原題は「ナルチスとゴルトムント」で、感性に生きる美少年ゴルトムントと、理性に生きる聡明なナルチスの
両極端のパーソナリティだけれど、惹きつけ合う妙。
それまで全く意識したことの無かった、感性、理性、知性など、人間の内面を鋭く捉えた本と出会うことが出来たことを嬉しく思いました。
ヘッセは、二人の別の人格として登場させていますが、実はヘッセ自身の心の中を、ナルチスとゴルトムントととして表現しているのでは無いかと思えてきます。
2008年4月17日に日本でレビュー済み
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知が中心の人・ナルチスと、情が中心の人・ゴルトムントの物語は、私の日頃抱いていた考えのうちの一つとテーマが重なる。
真理を生きるには、真知と情が欠かせないと思う。そして、情が真知以上に無ければ、本当の悟りには至らないのではないかと感じている。
読み終えてすぐは、ナルチスよりゴルトムントのほうがより真理に近づいたのだなと、情の部分で真理を深く感じ取ることが出来たのだなと感じた。
しかし更に考えを進めた今、ゴルトムントの愛が絶対界に立っていたかどうかも、ナルチスの愛がゴルトムントのそれより質的に劣っていたのかどうかも、今の私にははっきりと結論付けることが出来なくなっている。私は物事を考えるのに時間がかかるので、数ヶ月、数年、或いはもっと時間が必要かもしれない。けれど、必ず答えを出したいテーマである。
『シッダールタ』ほどの感動は無かったけれど、日頃考えていたことを、更に深く考えさせてるきっかけを与えてくれた。
最後に。田舎暮らしで本屋が無く(手にとってから買えない)、『中年』に近い年齢までほとんど本を読んでこなかった無知な私には、レビューが大変参考になります。ありがとうございます。
真理を生きるには、真知と情が欠かせないと思う。そして、情が真知以上に無ければ、本当の悟りには至らないのではないかと感じている。
読み終えてすぐは、ナルチスよりゴルトムントのほうがより真理に近づいたのだなと、情の部分で真理を深く感じ取ることが出来たのだなと感じた。
しかし更に考えを進めた今、ゴルトムントの愛が絶対界に立っていたかどうかも、ナルチスの愛がゴルトムントのそれより質的に劣っていたのかどうかも、今の私にははっきりと結論付けることが出来なくなっている。私は物事を考えるのに時間がかかるので、数ヶ月、数年、或いはもっと時間が必要かもしれない。けれど、必ず答えを出したいテーマである。
『シッダールタ』ほどの感動は無かったけれど、日頃考えていたことを、更に深く考えさせてるきっかけを与えてくれた。
最後に。田舎暮らしで本屋が無く(手にとってから買えない)、『中年』に近い年齢までほとんど本を読んでこなかった無知な私には、レビューが大変参考になります。ありがとうございます。
2020年6月9日に日本でレビュー済み
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ナルチスとゴルトムントの友情と愛に考えさせられ、又深い感銘を受けました。泣きました。とても良い作品です。
2019年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何度も何度も読み返してます。精神に生きるナルチスと愛に生きるゴルトムント、2人の性質をあわせもったのが人間の本質だと思う。お互いに補完しあいながらもその真摯さゆえに、最後になって融合する2人。どちらの人物も魅力的で、どちらの苦悩もどちらの喜びも自分のことのように感じ入る。しかし、ヘッセという人物はなんと素晴らしい作家なのだろう。この作品に限らず、私はヘッセの静謐かつ精密な思考、権力にも負けないゆるぎない自己、言葉の美しさに感動する。
2017年10月17日に日本でレビュー済み
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本日読了。自分のヘルマン・ヘッセ遍歴は「車輪の下」「シッダールタ」「荒野の狼」「デミアン」についで本作品「知と愛」になる。ヘッセは牧師の卵として将来を有望されていながら、修道院学校の抑圧的禁欲的な生活に嫌気がさしたのか飛び出して詩人として立身しようと様々な職業遍歴をした経験の持ち主。これらの作品はヘッセ自身の体験を反映したのが多いように思える。例えば「車輪の下」なぞはヘッセ青年期の学校を中退したて学校というしがらみから解放された少年の心情を歌い、「荒野の狼」は老年期の抑圧された感情の解放を歌っている具合である。「デミアン」は「車輪の下」の少年期の経験と「荒野の狼」の老年期の幻想的というか妄想的な空想体験を混ぜたような作品である。ところでこの「知と愛」もそうしたヘッセの体験を元にした作品の一つであることに間違いはないだろう。ヘッセには分裂的気質があるように思われる。一つには少年期に培われたクリスチャンとしての禁欲的宗教的側面。一つには青年期以降の宗教的しがらみから脱却して感情の赴くままに人生を楽しもうという快楽的側面。この分裂的気質に彼はかなり苦しめられたに違いない。「一体どちらの道が正しかったのだろうか?」そう何度も何度も人生の中で幾度となく考えたに違いない。その悩みに一つの解答を出した作品が「シッダールタ」であり「知と愛」なのだと思う。ナルチスは知の男でその生き方はまさに完璧。彼の道は最初から最後までレールが敷かれていてそこから一切踏み外さない。まさに模範的とも言うべき生き方でマウルブロン修道院の院長にまでなる。かたや一方のゴルトムントは愛の男でその生き方は放浪遍歴の連続。彼の道には決まったレールはなくまさに気のむくまま(タロットでいえばFool=愚か者)のような生き方。その不摂生な生き方故に急速に老けて死んでしまう。ヘッセ自身は他の作品を読んでも後者のゴルトムント的生活を肯定しているようにみえるが、それは逆に自己の後ろめたさに対する弁解のようにも思えてくるのである。さて自分も高校の中退者でヘッセほど優等生ではないにしても、普通一般の道を歩んでればと思うようなことがある。そのためヘッセ作品を読むと胸が締め付けられるような思いがする。「あの時もう少し我慢してれば今頃はもっともマシな会社に入って楽な生活もできたろうに・・・」とか理由は宗教的な高尚なものでなくもっと俗で下衆なものであるが考える事はあるが、結局のところまぁ自分の好きなように生きたわけだからまぁいいやと考え直す自分もいるわけで、ゴルトムントのような踏み外し人生も悪くないと思えるのである。ただせっかく安住の地を見つけたのに蹴るようなことは年齢も年齢なのでしないとは思うが・・・。
さてこの作品は1930年に公開されたそうである。ちょうどナチスドイツが台頭する前夜なのであるが、この作品中に出てくる黒死病蔓延の巷の様子が、アウシュヴィッツを始めとする強制収容所の描写にそっくりなのである。一種のパンデミック状態になると黒死病患者もユダヤ人も同じような目にあうらしい。予言めいた描写が気を引いた。ナチスといえばアドルフ・ヒトラーであるが、このヒトラーもまた放蕩人間で、実家学校を中途で飛び出し画家になるべくウィーンに行った人間で、父親の恩給を使い果たし、ついには浮浪者まで落ちるのだが、ゴルトムント(ヘッセ)の生き方に似ていないだろうか? ドイツの精神構造に「知と愛」つまり「ナルチス的な勤勉さとゴルトムント的放蕩さ」があり、ナルチス的なものはゴルトムント的なものに憧れているというのがあるならばナチスドイツが一躍歴史の表舞台に登ったのもあながち偶然の産物でもないような気もするのである。ってことで感想終わりw
さてこの作品は1930年に公開されたそうである。ちょうどナチスドイツが台頭する前夜なのであるが、この作品中に出てくる黒死病蔓延の巷の様子が、アウシュヴィッツを始めとする強制収容所の描写にそっくりなのである。一種のパンデミック状態になると黒死病患者もユダヤ人も同じような目にあうらしい。予言めいた描写が気を引いた。ナチスといえばアドルフ・ヒトラーであるが、このヒトラーもまた放蕩人間で、実家学校を中途で飛び出し画家になるべくウィーンに行った人間で、父親の恩給を使い果たし、ついには浮浪者まで落ちるのだが、ゴルトムント(ヘッセ)の生き方に似ていないだろうか? ドイツの精神構造に「知と愛」つまり「ナルチス的な勤勉さとゴルトムント的放蕩さ」があり、ナルチス的なものはゴルトムント的なものに憧れているというのがあるならばナチスドイツが一躍歴史の表舞台に登ったのもあながち偶然の産物でもないような気もするのである。ってことで感想終わりw
2016年12月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ヘッセ好きの方はすでに読まれていると思います。何も言うことはありません。