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赤と黒(上) (新潮文庫) 文庫 – 1957/2/27

スタンダール (著), 小林正 (翻訳)

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貧しい生まれの美青年が燃やす権力への野心。
19世紀フランス文学の革命的名著。

製材小屋のせがれとして生れ、父や兄から絶えず虐待され、暗い日々を送るジュリヤン・ソレル。彼は華奢な体つきとデリケートな美貌の持主だが、不屈の強靱な意志を内に秘め、町を支配するブルジョアに対する激しい憎悪の念に燃えていた。僧侶になって出世しようという野心を抱いていたジュリヤンは、たまたま町長レーナル家の家庭教師になり、純真な夫人を誘惑してしまう……。

本文より
ジュリヤンは頬を赤くし、目を伏せていた。一見、弱々しい、十八、九の、小柄の青年。整ってはいないが、品のある顔だちで、鷲鼻。大きな黒い目は、平静なときは思慮と情熱を示すが、今ははげしい憎悪の色に燃えている。生えぎわのひどく低い、濃い栗色の髪が、額を狭く見せ、怒ったときは顔を意地悪く見せる。顔だちは各人各様だとはいえ、これほどきわだった特徴のある顔はまたとあるまい。……(第四章「父と子」)

スタンダール Stendhal(1783-1842)
東南フランス、ドーフィネ地方のグルノーブルに生れた。本名はアンリ・ベール。ナポレオン遠征軍に参加していた陸軍士官時代にミラノに入城し、以来熱烈なイタリア賛美者となる。ミラノでの恋愛体験をもとに著した『恋愛論』、あるいは意志と情熱に満ちた人物の若々しい行動を描きあげた『赤と黒』や『パルムの僧院』など、その著作はロマン主義とリアリズムにまたがる近代文学の最も偉大な先駆とされる。

小林正(1911-1975)
旧満州・旅順生れ。東京帝大文学部仏文科卒。スタンダール研究の権威として知られ、日仏文化センター理事長など数々の要職を歴任した。1968年、レジオン・ド・ヌール勲章を受章。

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ISBN-10

4102008039
ISBN-13

978-4102008034
版

改
出版社

新潮社
発売日

1957/2/27
言語

日本語
寸法

14.8 x 10.5 x 2 cm
本の長さ

354ページ
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	パルムの僧院〔上〕	パルムの僧院〔下〕	赤と黒〔上〕	赤と黒〔下〕	恋愛論

カスタマーレビュー	51	40	115	80	36
価格	￥693	￥825	￥737	￥1,045	￥1,045
【新潮文庫】スタンダール　作品	”幸福の追求”に生命を賭ける情熱的な青年貴族ファブリスが、愛する人の死によって僧院に入るまでの波瀾万丈の半生を描いた傑作。		美貌で、強い自尊心と鋭い感受性をもつジュリヤン・ソレルが、長年の夢であった地位をその手で摑もうとした時、無惨な破局が……。		豊富な恋愛体験をもとにすべての恋愛を「情熱恋愛」「趣味恋愛」「肉体的恋愛」「虚栄恋愛」に分類し、各国各時代の恋愛について語る。

登録情報

出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1957/2/27)
発売日 ‏ : ‎ 1957/2/27
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 354ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4102008039
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102008034
寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm

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フランス語の原文を読んでからの購入です。

2017年12月8日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

予定より早い到着で、嬉しかったです。
日本語でストーリーを味わってみたいと思い購入しました。

2人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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ラムの読書日記

上巻は実に面白い

2024年5月27日に日本でレビュー済み

◯上巻はとても面白いです。瑞々しいジュリアン・ソレルとレーナル夫人。その出会いの場面からぐんぐん引き込まれます。

◯確かに造型されたソレルの精神構造はかなりオカシなところがあります。情愛より義務感に迫られて行動するところや、コロコロ考えの変わるところ。しかし、下巻の後半で姿を現す階級闘争の意識を考えれば、頷けることかも知れません。

◯ソレルはしかも天才的な記憶力が与えられており、その美貌と含め、漫画的ですらあります。

2019年9月24日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

まだ読んでは居ないが、商品ページの表紙とは違うバージョンのが届いた。（平成三年の71 刷版）
イラスト調のちょっと毒々しい表紙。

あまり状態の良い本ではなく、紙は真っ茶色、毛場立ちが目立つ古い本ではあったが、値段からしたら仕方ないかもしれない。
そう長く読めそうにもないし、商品ページの表紙の本が欲しかったので、いずれ新しく買い直すと思います。

内容は、一度読んでおりますが、訳はやっぱり小林正さんのが読みやすくて好きです。

7人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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やまねこ旅行社

ジュリアン・ソレルの情熱

2018年5月26日に日本でレビュー済み

４０年ほど前、宝塚の舞台でこの赤と黒を見ました。
ジュリアン・ソレルの男らしさ！情熱！苦悩！
今でもありありと思い出されます。
年月を重ねて今あらためて原作を読んでみました。
ジュリアン・ソレルはそこに生き生きと動いて生きていました。
その緊迫した心理描写の細やかさ、文学の素晴らしさが若い日々の懐かしさとともに広がりました。

8人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

羽島

ただの恋愛小説ではない

2017年4月12日に日本でレビュー済み

　赤と黒は英雄ナポレオンに憧れる若きジュリアン・ソレルの短い一生の話である。彼は地位の高い主人の家での家庭教師となり、出世しようと恋愛等の画策をし、それと同時に世の荒波に翻弄されていく作品である。そしてフランス文学の金字塔的な作品の一つと言われている。

　私はこの長い（短いか長いかと聞かれれば長いであろう）作品を３回読んだ。一回目は８年前。就職が間近に控えていた時期、二回目は４年前、仕事は辞めいよいよ３０代になろうとした時期、そして三回目は今である。最初この作品を読んだとき私はこの作品のよさがあまりよくわからなかった。一応最後まで読みはしたが格別に印象を受けたというわけではなかった。二回目読んだときは、かなり興味深い作品だな、と思った。そして今三回目読んで間違いなく文学の代表作の一冊であると思った。
　
　しかしながら、こう書くと変に思われるかもしれないが、実を言うとこの作品の何が格別に面白いか、と聞かれれば返答に窮する。単純に物語の進め方がうまく、人物描写が写実的である、と言えばいいのか。主人公は英雄を目指しているが、わかりやすい情熱的なものを少なくとも私はあまり感じなかったし、作者は文章能力がそこまで高いとは思えず、読んで何が起きているのかよくわからないこともなくはなかった。ある意味上級者向けと言えなくはないのではないのか。かつての私のようにこの作品を読んでも楽しめない人もいるであろう。

　この作品は「心理小説」と呼ばれることが度々あり、そして私はそのことを否定しない。しかしながら、私は何よりもこの作品を「恋愛小説」である、と主張したい。無論ジュリアンにとって恋愛は立身出世のための一手段にしか過ぎないためそう呼称するのはどこか不適切であると思われるかもしれない。恋愛とは無関係な場面もある。しかし、この作品において恋愛が重要な要素を占めていることに疑いを挟む人間はいないであろう。
　物語中二つの恋愛がある。前半はレナール夫人との恋愛で、純的な要素がある。ジュリアンが彼女の手を握ろうとするシーンが個人的には非常に印象に残った。後半は社交界の花形であるマチルドとの恋愛が描かれるが、その描かれる様がこの作品の最大の見どころであり、クライマックスであると言っていいだろう。マチルドがジュリアンを愛したと思ったら愛さなくなるといった女の気まぐれ要素が巧みに描かれているし、ジュリアンは最初それに翻弄されるが、逆にそれを計算高い態度をとることにより、恋を勝ち取ろとする駆け引きが行われるのである。高く謳われがちな恋愛をここまで見事に描いた、と賛辞を呈してい良い。

　総合的に見れば、少なくとも文学愛好者を自負するのであれば、やはり読むべき作品であろう。そして読んで面白みをそれほど感じずとも、古本屋に売らず、また年数が経ってから読むことをお勧めする。

10人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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スナ

社会風刺的に捉える

2023年3月15日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

"ジュリヤンは司祭の前では敬虔な感情しか見せなかった。色白で、いかにも優しそうな、娘のような顔の少年が、出世できないくらいなら、死んでもかまわないなどという、固い決意をいだいていようとは、誰が見ぬけたろう？"1830年発刊の本書は世界の十大小説の一冊。フランスのリアリズム小説の出発点。
⁡
個人的には主宰する読書会の課題本として再読しました。
⁡
さて、そんな本書は製材小屋のせがれとして生まれるも、華奢なからだつきで虐待されていたジュリアン・ソレルが、たまたま町長レーナル家の家庭教師となるのですが。。
⁡
と、誰もが知るあらすじは割愛。さておき、本書は実際に本書の数年前に起きた『ベルテ事件』を下敷きに創作されているのですが。『古典』あるいは恋愛小説として読む私たちと違って、当時の人たちがどのように本書を受け止めたのか。おそらくは【かなりの『社会風刺作』だったのではないだろうか】と、あらためて思いました。
⁡
また、本書執筆当時の著者が40代と知り。その創作意欲に【同年代として刺激を受けて】失意の中でも精力的な姿を脳裏に浮かべて感銘を受けたり。
⁡
数多く引用されたり、映画化、舞台化されている一冊として。また、やはりリアリズム小説の始まりとしてオススメ。

4人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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misa

苦手な文章表現

2021年8月30日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

名作と言われるが、文章が助長過ぎて要旨がぼやける。
延々だらだらと修飾節が繰り返されて、非常に苦手。

5人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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tomo1943

歴史の中でジュリヤンの生涯は・・・

2017年9月20日に日本でレビュー済み

ジュリヤン・ソレルが、一八三〇年時点における青年の典型と考えてよいとすれば、次のようなことが考えられる。この時代、フランス大革命、ナポレオンの時代、王政復古とつづいた激動の時代のすぐ後である。その中で、赤と黒に象徴される軍人と聖職とになって出世するということはどれ程の意味があったのだろうか。もちろん、そういう時代は、何が真で何が偽か、何が正義で何が不正義か、分かり難い時代ではある。そのなかで、若者が何かを求めて実力を養い延ばすことは大切なことだろうが、それらが歴史の流れと無関係に行われるならば、いかに華々しくともどこかで破綻に至るのではないだろうか。ジュリヤンの刑死は、それだったのかも知れない。

この本の副題には「一八三〇年年代記」とあるからには、年代のことも読みとらなければいけないのかも知れない。しかし、今回の読書では、ジュリヤンの行動にばかり関心が向いてしまい、当時の社会や歴史の動きやら、貴族社会のありさまなどにはほとんど気が向いていなかった。したがって、上に書いたようなジュリアンたち若者がどう社会と関わりどんな歴史の中でどう動いたかなどは、ほんの断片的にしか記憶に残っていない。もし、幸いにも再度読む機会があったならば、そうしたことも頭に入れて考えながら読んで見たいものだ。

7人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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