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悪霊(上) (新潮文庫) 文庫 – 2004/12/1
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どうあがいてもわだちは見えぬ、
道踏み迷うたぞなんとしょう……。
『カラマーゾフの兄弟』と並び、文豪の思想的、文学的探求の頂点に位置する代表作。
1861年の農奴解放令によっていっさいの旧価値が崩壊し、動揺と混乱を深める過渡期ロシア。青年たちは、無政府主義や無神論に走り秘密結社を組織してロシア社会の転覆を企てる。――聖書に、悪霊に憑かれた豚の群れが湖に飛び込んで溺死するという記述があるが、本書は、無神論的革命思想を悪霊に見たて、それに憑かれた人々とその破滅を、実在の事件をもとに描いた歴史的大長編である。
【目次】
第一部
第一章 序に代えて――
第二章 ハリー王子。縁談
第三章 他人の不始末
第四章 びっこの女
第五章 賢しき蛇
第二部
第一章 夜
第二章 夜(つづき)
第三章 決闘
第四章 一同の期待
第五章 祭りの前
本文冒頭より
今日までなんの特記すべきこともなかったわが町において、最近、相次いで起ったまことに奇怪なる事件の叙述に手を染めるにあたり、私は、おのが非才のいたすところとはいえ、いささか迂遠なところから、すなわち、才能ゆたかにして最も尊敬すべきステパン・トロフィーモヴィチ・ヴェルホーヴェンスキー氏の一代記にかかわる若干のディテールからして、稿を起すことを余儀なくされている。……
ドストエフスキー Фёдор М.Достоевский(1821-1881)
19世紀ロシア文学を代表する世界的巨匠。父はモスクワの慈善病院の医師。1846年の処女作『貧しき人びと』が絶賛を受けるが、1849年、空想的社会主義に関係して逮捕され、シベリアに流刑。この時持病の癲癇が悪化した。出獄すると『死の家の記録』等で復帰。1861年の農奴解放前後の過渡的矛盾の只中にあって、鋭い直観で時代状況の本質を捉え、『地下室の手記』を皮切りに『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』等、「現代の予言書」とまでよばれた文学を創造した。
江川卓(1927-2001)
東京生れ。東京大学法学部卒。ロシア語は独学で、終戦後実地で鍛えあげた。『謎とき「罪と罰」』(読売文学賞)等の著書、パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』等の翻訳がある。
道踏み迷うたぞなんとしょう……。
『カラマーゾフの兄弟』と並び、文豪の思想的、文学的探求の頂点に位置する代表作。
1861年の農奴解放令によっていっさいの旧価値が崩壊し、動揺と混乱を深める過渡期ロシア。青年たちは、無政府主義や無神論に走り秘密結社を組織してロシア社会の転覆を企てる。――聖書に、悪霊に憑かれた豚の群れが湖に飛び込んで溺死するという記述があるが、本書は、無神論的革命思想を悪霊に見たて、それに憑かれた人々とその破滅を、実在の事件をもとに描いた歴史的大長編である。
【目次】
第一部
第一章 序に代えて――
第二章 ハリー王子。縁談
第三章 他人の不始末
第四章 びっこの女
第五章 賢しき蛇
第二部
第一章 夜
第二章 夜(つづき)
第三章 決闘
第四章 一同の期待
第五章 祭りの前
本文冒頭より
今日までなんの特記すべきこともなかったわが町において、最近、相次いで起ったまことに奇怪なる事件の叙述に手を染めるにあたり、私は、おのが非才のいたすところとはいえ、いささか迂遠なところから、すなわち、才能ゆたかにして最も尊敬すべきステパン・トロフィーモヴィチ・ヴェルホーヴェンスキー氏の一代記にかかわる若干のディテールからして、稿を起すことを余儀なくされている。……
ドストエフスキー Фёдор М.Достоевский(1821-1881)
19世紀ロシア文学を代表する世界的巨匠。父はモスクワの慈善病院の医師。1846年の処女作『貧しき人びと』が絶賛を受けるが、1849年、空想的社会主義に関係して逮捕され、シベリアに流刑。この時持病の癲癇が悪化した。出獄すると『死の家の記録』等で復帰。1861年の農奴解放前後の過渡的矛盾の只中にあって、鋭い直観で時代状況の本質を捉え、『地下室の手記』を皮切りに『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』等、「現代の予言書」とまでよばれた文学を創造した。
江川卓(1927-2001)
東京生れ。東京大学法学部卒。ロシア語は独学で、終戦後実地で鍛えあげた。『謎とき「罪と罰」』(読売文学賞)等の著書、パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』等の翻訳がある。
- 本の長さ651ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2004/12/1
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104102010173
- ISBN-13978-4102010174
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白痴〔上〕 | 白痴〔下〕 | 貧しき人びと | 永遠の夫 | 賭博者 | 地下室の手記 | |
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【新潮文】ドストエフスキー 作品 | 白痴と呼ばれる純真なムイシュキン公爵を襲う悲しい破局……作者の”無条件に美しい人間”を創造しようとした意図が結実した傑作。 | 世間から侮㚽の目で見られている小心で善良な小役人マカール・ジェーヴシキンと薄幸の乙女ワーレンカの不幸な恋を描いた処女作。 | 妻は次々と愛人を替えていくのに、その妻にしがみついているしか能のない”永遠の夫”トルソーツキイの深層心理を鮮やかに照射する。 | 賭博の魔力にとりつかれ身を滅ぼしていく青年を通して、ロシア人に特有の病的性格を浮彫りにする。著者の体験にもとづく異色作品。 | 極端な自意識過剰から地下に閉じこもった男の独白を通して、理性による社会改造を否定し、人間の非合理的な本性を主張する異色作。 |
カラマーゾフの兄弟〔上〕 | カラマーゾフの兄弟〔中〕 | カラマーゾフの兄弟〔下〕 | 悪霊〔上〕 | 悪霊〔下〕 | 死の家の記録 | |
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カラマーゾフの三人兄弟を中心に、十九世紀のロシア社会に生きる人間の愛憎うずまく地獄絵を描き、人間と神の問題を追究した大作。 | 無神論的革命思想を悪霊に見立て、それに憑かれた人々の破滅を実在の事件をもとに描く。文豪の、文学的思想的探究の頂点に立つ大作。 | 地獄さながらの獄内の生活、悽惨目を覆う笞刑、野獣のような状態に陥った犯罪者の心理──著者のシベリア流刑の体験と見聞の記録。 |
虐げられた人びと | 罪と罰〔上〕 | 罪と罰〔下〕 | 未成年〔上〕 | 未成年〔下〕 | |
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青年貴族アリョーシャと清純な娘ナターシャの悲恋を中心に、農奴解放、ブルジョア社会へ移り変わる混乱の時代に生きた人々を描く。 | 独自の犯罪哲学によって、高利貸の老婆を殺し財産を奪った貧しい学生ラスコーリニコフ。良心の呵責に苦しむ彼の魂の遍歴を辿る名作。 | ロシア社会の混乱を背景に、「父と子」の葛藤、未成年の魂の遍歴を描きながら人間の救済を追求するドストエフスキー円熟期の名作。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (2004/12/1)
- 発売日 : 2004/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 651ページ
- ISBN-10 : 4102010173
- ISBN-13 : 978-4102010174
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 79,315位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 84位ロシア・ソビエト文学 (本)
- - 1,806位新潮文庫
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2021年12月5日に日本でレビュー済み
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私にこの本を読めと、いや佛かな神も仏もある時代の、神や佛を信じない人に向けてのメッセージです。
2018年6月24日に日本でレビュー済み
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下巻の解説によると、本作は何度か構想が二転三転し、「無神論」のちに「偉大なる罪人の生涯」という大長編を完成させることができずにまとめられた作品ということになる。当初は、ロシアの1840年代の自由思想の代表者としてステパン(モデルはグラノフスキー)から、その後の世代のフーリエ主義者(=空想的社会主義)p424・ニヒリストp404・汎スラブ主義という多様な思想を背景とし社会を変革しようとする急進主義派のグループの代表者ピョートル(モデルはネチャーエフ)1861年の農奴解放を描き、前者が後者を生みだす必然性を骨子にした小説の構想であった。それが大長編から来た人物であろうスタヴローギンの登場とネチャーエフ事件などもあり、さらに「スタヴローギンの告白」の章が出版社の抵抗で本編に当初含まれないという経緯も重なった上で完成をみた。本作は登場人物が多すぎて、それぞれの思想がつかみにくく、多くの人物は描かれ方が不十分であるのは上記の作品の成立の背景のためであろう。上巻の最後くらいになってようやく、おぼろげにではあるが主要登場人物の思想的背景がわかってくるので、スローテンポである。本作で一番よく人物像がわかりやすいのがステパンで知識人・思想家で名前だけは知られているのだが、業績はほとんどなく政治的・社会的には重要人物とみなされておらず、このことは本人も気にしている。資産家のワルワーラ夫人はステパンを尊敬し経済的に援助しており、ステパンはプラトニックな愛を20年持っている。ステパンは時代遅れの内実のない人物のように、どこかいつも滑稽に描かれており読者の共感は呼ばないような損な役回りともいえる。ピョートルの実父であり、スタヴローギンの家庭教師であったステパンが次世代の思想を生む大きな力になったはずであるが、この辺はほとんど描かれていない。この新旧世代に近い対立を描いたのツルゲーネフの「父と子」(本作でもp407で紹介されている)が、ニヒリストを理解するには本作より「父と子」がわかりやすい。こうしたロシアの歴史・思想的背景の予備知識がないと本作の登場人物の理解は困難な部分はあるが、これとは別にステパンとワルワーラ夫人の関係は大人の恋愛として現代にも通じるものがある。彼らは20年来の友人関係で、夫人はステパンに多大な尊敬を払っていたはずであるのに、ステパンは感情が一定しないところがあり、時に不用意な言動をしてしまう。夫人はステパンに理想像をあてはめていたせいであろうが、そうしたものがガラガラと、ちょっとしたことで崩れ去ってしまい、20年来の友情は忘れ去られたかのように絶交を言い渡してしまう。夫人はステパンの小さなミスも蒸し返す(たとえば13年前の小さな失態を13年前と同じように責めるp26)。こうしたことが繰り返されても、ステパンの側からの夫人への友情は変わることがない。ステパンは女性的なやさしさを夫人に求めており、彼にとって夫人は唯一の特別な女性であり、その精神は中世の騎士のようでもあるが、夫人に対しては癒しを欲してだろうが自分の弱さをみせて泣きついてしまう。これに対して夫人は、ステパンが精神的にも肉体的にもダメージを受け、助けを欲しているときにすら、厳しい態度でのぞんでしまう。こうした時に、夫人は後には態度をあらためステパンを結局は見捨てず、友情は続いていくことにはなる。男に理想的な人物像をあてはめ、それゆえ小さな欠点を過大にみてしまう女性と、女性に信頼と友情を抱いているがために、女性的なやさしさを求めて自分の弱さをさらけだしてしまう男性。ステパンと夫人の友情と愛の形は、現代にも通じるもので、お互いの小さな欠点を十分に克服できる本質的には美しいもの。
以下は上巻からの抜粋。
ステパン:いっさいをあの人に告白できないくらいなら、ぼくは死んでしまう!p22
ワルワーラ夫人は、自分の頭の中でステパンを創り出し、その想像の所産をまず自身が真っ先に信じたp24
自分が知りもしないものを愛するわけにはいかない。ところが連中は、ロシアの民衆のことなど、これっぱかりもわかっちゃいなかったんですからね!p67
家庭にあっては暴君でけちん坊、高利貸気質の持ち主でありながら、そのくせ、なにやら得体の知れぬ未来の社会のハーモニーとかの熱烈な信者で、来るべき共産団の空想的な絵図を思い描いては有頂天になるp95
キリーロフ:生きていても、生きていなくても、どうでもいい人間、それが新しい人間なんです。最高の自由を望む者は、だれも自分を殺す勇気をもたなくちゃならないp218-219
結婚というのは、誇りをもった人、独立心に燃える人にとっては、つねに精神的な意味での死ですよp233
キリーロフ:この地上の永遠の生ですよ。そういう瞬間がある。その瞬間まで行き着くと、突然時間が静止して、永遠になるのです。人間が不幸なのは、自分が幸福であることを知らないから、それだけですp450-451.
シャートフ:労働によって神を手に入れるのです。百姓の労働です。P489
人間の後半生はふつう前半生に蓄積された習慣から成り立つp504
ステパン:ぼくは自分の定めた女性に最後まで忠実な騎士として一生を終えるつもりです。なぜなら、あなたのご意見はぼくにとってはつねに何よりも貴重なものだったからですp650
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キリーロフ:生きていても、生きていなくても、どうでもいい人間、それが新しい人間なんです。最高の自由を望む者は、だれも自分を殺す勇気をもたなくちゃならないp218-219
結婚というのは、誇りをもった人、独立心に燃える人にとっては、つねに精神的な意味での死ですよp233
キリーロフ:この地上の永遠の生ですよ。そういう瞬間がある。その瞬間まで行き着くと、突然時間が静止して、永遠になるのです。人間が不幸なのは、自分が幸福であることを知らないから、それだけですp450-451.
シャートフ:労働によって神を手に入れるのです。百姓の労働です。P489
人間の後半生はふつう前半生に蓄積された習慣から成り立つp504
ステパン:ぼくは自分の定めた女性に最後まで忠実な騎士として一生を終えるつもりです。なぜなら、あなたのご意見はぼくにとってはつねに何よりも貴重なものだったからですp650
2018年12月29日に日本でレビュー済み
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19世紀ロシアの社交界の様子が手に取るようにわかり、上流階級のちょっとした意地の張り合いが馬鹿馬鹿しくも面白い。
ただ、一人称による語り手の手記という体裁をとっているにしては、それほど上手くいってない箇所がちょこちょこ見受けられ、気になる点がある。
例えば、スタヴローギンが一人でキリーロフの家に出掛けていく場面など後ろから付けていったのかと思うほど細かい描写がある。この箇所には流石に「おい、お前はストーカーなのか」と笑ってしまった。
しかし、そうはいっても思想小説としての面白さは保証して余りあるので、語りの不備を指摘してもしょうがないのかもしれない。ただ、それにしたって、やはり語りの粗雑さは気になるが...。
ただ、一人称による語り手の手記という体裁をとっているにしては、それほど上手くいってない箇所がちょこちょこ見受けられ、気になる点がある。
例えば、スタヴローギンが一人でキリーロフの家に出掛けていく場面など後ろから付けていったのかと思うほど細かい描写がある。この箇所には流石に「おい、お前はストーカーなのか」と笑ってしまった。
しかし、そうはいっても思想小説としての面白さは保証して余りあるので、語りの不備を指摘してもしょうがないのかもしれない。ただ、それにしたって、やはり語りの粗雑さは気になるが...。
2022年11月6日に日本でレビュー済み
実在の「ネチャーエフ事件」を基に革命運動とその破壊性、無生産性が描かれた作品。
この物語の構成も単純でなく、様々な登場人物が大小の事件を織り成し、それらが有機的に結合しながら物語のダイナミズムが形成されていく。
正直難解で謎めいた雰囲気の作品かもしれない。
スタヴローギンはニヒリズム・相対主義の体現者。
理想も愛もなく、一切の行動基準を持たずに振る舞う。
ある書評では「怪物」と畏怖され、また一方では「自己中心的な子供」とも評価される、掴み所のない人物だ。
ピョートルは、革命運動の首謀者。
異常なほどの行動力と弁舌で他を圧倒し、様々な人を貶め、数々の事件の原因となる人物だ。
自信における節度が一切見られず、他者を一切顧みないが故に、一切の躊躇なく人を利用し、貶め、驚異的な行動力を発揮する人物だ。
スタヴローギンやピョートルのような新世代人は何故生まれたのか?
この作品ではステパン氏の存在がヒントとなる。
ステパン氏は、旧世代に属しながら進歩的な思想を持つと自称する、滑稽なパフォーマーという特徴を持つ。
ピョートルの父であり、且つかつてスタヴローギンの家庭教師を勤めた彼は、恐らく持ち前の進歩的思想をスタヴローギンやピョートルにたっぷりと振り撒いたであろうことが伺える。
しかしステパン氏は、常に自身を進歩派らしく見せるような口を利きながら、遂に何一つ行動することなく死んでいく。
そう、ステパン氏の中身は空っぽなのだ。
空っぽなステパン氏からスタヴローギンもピョートルも影響された。
スタヴローギンは根なしの相対主義者。
ピョートルは他者を顧みない唯我独尊。
ここに共通して見えてくるのは、空虚で亡霊のような人間像だ。
革命運動をプロットとする本作品のタイトルが『悪霊』である所以は、こうした亡霊どもが徘徊する世界を描いたものだからだと思う。
更に踏み込み、私の言葉で彼らの特徴を表すならば、彼らの恐ろしさは「他者への興味の無さ」ではないだろうか。
虚栄も相対主義も唯我独尊も、他人に興味がないのだ。
それがドストエフスキーが描いた「悪霊」という存在の本質だと私は思う。
現代、日本でも進む個人主義の流行。
「あんまり人に興味ないんだよねぇ〜」が自立の表れであるかのように、カッコいいとすら見られるこの時代。
私は「悪霊」が徘徊する世の中を見るようで、恐ろしい。
ドストエフスキーの警句が現代に対して最も光るのはこの作品かもしれない。
この物語の構成も単純でなく、様々な登場人物が大小の事件を織り成し、それらが有機的に結合しながら物語のダイナミズムが形成されていく。
正直難解で謎めいた雰囲気の作品かもしれない。
スタヴローギンはニヒリズム・相対主義の体現者。
理想も愛もなく、一切の行動基準を持たずに振る舞う。
ある書評では「怪物」と畏怖され、また一方では「自己中心的な子供」とも評価される、掴み所のない人物だ。
ピョートルは、革命運動の首謀者。
異常なほどの行動力と弁舌で他を圧倒し、様々な人を貶め、数々の事件の原因となる人物だ。
自信における節度が一切見られず、他者を一切顧みないが故に、一切の躊躇なく人を利用し、貶め、驚異的な行動力を発揮する人物だ。
スタヴローギンやピョートルのような新世代人は何故生まれたのか?
この作品ではステパン氏の存在がヒントとなる。
ステパン氏は、旧世代に属しながら進歩的な思想を持つと自称する、滑稽なパフォーマーという特徴を持つ。
ピョートルの父であり、且つかつてスタヴローギンの家庭教師を勤めた彼は、恐らく持ち前の進歩的思想をスタヴローギンやピョートルにたっぷりと振り撒いたであろうことが伺える。
しかしステパン氏は、常に自身を進歩派らしく見せるような口を利きながら、遂に何一つ行動することなく死んでいく。
そう、ステパン氏の中身は空っぽなのだ。
空っぽなステパン氏からスタヴローギンもピョートルも影響された。
スタヴローギンは根なしの相対主義者。
ピョートルは他者を顧みない唯我独尊。
ここに共通して見えてくるのは、空虚で亡霊のような人間像だ。
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更に踏み込み、私の言葉で彼らの特徴を表すならば、彼らの恐ろしさは「他者への興味の無さ」ではないだろうか。
虚栄も相対主義も唯我独尊も、他人に興味がないのだ。
それがドストエフスキーが描いた「悪霊」という存在の本質だと私は思う。
現代、日本でも進む個人主義の流行。
「あんまり人に興味ないんだよねぇ〜」が自立の表れであるかのように、カッコいいとすら見られるこの時代。
私は「悪霊」が徘徊する世の中を見るようで、恐ろしい。
ドストエフスキーの警句が現代に対して最も光るのはこの作品かもしれない。
2007年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
下巻をまだ読んでいない、すなわち、今後の展開をまったく知らないという状態でこのレビューを書いているが・・・
・・・・・・・・・・・難しい
上巻は下巻のための基礎工事という位置付けなのか、正直、読みにくい。さまざまな、どうにも奇天烈な登場人物たちのエピソードから人格・立場・関係を把握するのに骨が折れる。会話中に突然、Aは気絶したり、Bは何の脈絡もなくCを殴りつけたり・・といった具合で、「なんだなんだ??」という箇所が何カ所かある。「罪と罰」以上に難解であり、1回読んだだけでは理解しがたい。
・・・2018年9月29日再読・・・
ステパンは最初の結婚で一人息子・ピョートルを得たがその後、妻を亡くす。息子は遠縁の伯母に養育されたため没交渉。ワルワーラ夫人はステパンを好きだったらしいが、ステパンは別の女性と結婚し、またもや妻に先立たれる。以来、独身。その後は、ワルワーラ夫人と友人関係にある。
ワルワーラ夫人は、スタヴローギン家の裕福な未亡人。
ワルワーラ夫人をパトロンとした友人グループみたいなものがあり、リプーチンやシャートフ、ヴィルギンスキーはそのメンバー。シャートフは元・農奴。
ワルワーラ夫人の一人息子がニコライ。美形であり、優秀であるが、奇矯でもある。ニコライは青年将校であり、帰郷したときには町の貴婦人たちが夢中になったほど。
ワルワーラ夫人の旧友の娘がリーザ。リーザはニコライのことが好き。そのニコライが、ワルワーラ夫人の養女のダーシャ(シャートフの妹)と仲良しになったという話を聞き、ワルワーラ夫人はステパンとダーシャを結婚させようとする。ダーシャは承知したがステパンは動転。この結婚話はそのうちウヤムヤになる。
キリーロフとシャートフはアメリカに渡ったことがあるらしい。また、ニコライがその金銭的援助をしたらしい。
びっこでちょっと狂人的なマリアとニコライは密かに婚約。
10年ぶりにピョートルとステパンは再会。ニコライも現われる。レビャートキンは妹・マリアとニコライの関係を知り、マリアを金づるにしようとしているらしい。また、ここでステパンがダーシャとの結婚を実はためらっていることをピョートルが暴露。更に、シャートフが唐突にニコライを殴りつけ、リーザは失神。この事件のあと、レビャートキンとマリアは行方知れずとなる。
シャートフは、ニコライは、苦悩を求める情熱から、良心を責めさいなみたい情熱から、精神的な情欲から結婚した、と喝破している。
ニコライはマリアと再会し、結婚を公表しようとするが、マリアはリーザの視線などを思い出してためらう。しかし、どうもマリアは頭がおかしい感じで、そのうち二人は大げんか。
ガガーノフは、ニコライに家名を辱められたことを恨み、ニコライを決闘に引き込む。しかし、ニコライはわざとガガーノフを撃たず、この決闘はウヤムヤになる。ニコライには殺人歴もあるくらいなのだが。
ワルワーラ夫人は、ステパンを見切り、二人は別れる。
その他・・・
自由というのは生きていても生きていなくても同じになるとき、はじめてえられる。これがすべての目的である。
最高の自由を望む者は、だれも自分を殺す勇気をもたなくちゃならない。
結婚というのは、誇りを持った人、独立心に燃える人にとっては、つねに精神的な意味での死である。
人間が不幸なのは、自分が幸福であることを知らないから。それだけであり、これがいっさいである。知るものはただちに幸福になる。
無神論者はロシア人たりえない。無神論者はただちにロシア人たることをやめる。
常識に反してまで自分の立場をつらぬくためには、真に偉大な人間である必要がある。
・・・・・・・・・・・難しい
上巻は下巻のための基礎工事という位置付けなのか、正直、読みにくい。さまざまな、どうにも奇天烈な登場人物たちのエピソードから人格・立場・関係を把握するのに骨が折れる。会話中に突然、Aは気絶したり、Bは何の脈絡もなくCを殴りつけたり・・といった具合で、「なんだなんだ??」という箇所が何カ所かある。「罪と罰」以上に難解であり、1回読んだだけでは理解しがたい。
・・・2018年9月29日再読・・・
ステパンは最初の結婚で一人息子・ピョートルを得たがその後、妻を亡くす。息子は遠縁の伯母に養育されたため没交渉。ワルワーラ夫人はステパンを好きだったらしいが、ステパンは別の女性と結婚し、またもや妻に先立たれる。以来、独身。その後は、ワルワーラ夫人と友人関係にある。
ワルワーラ夫人は、スタヴローギン家の裕福な未亡人。
ワルワーラ夫人をパトロンとした友人グループみたいなものがあり、リプーチンやシャートフ、ヴィルギンスキーはそのメンバー。シャートフは元・農奴。
ワルワーラ夫人の一人息子がニコライ。美形であり、優秀であるが、奇矯でもある。ニコライは青年将校であり、帰郷したときには町の貴婦人たちが夢中になったほど。
ワルワーラ夫人の旧友の娘がリーザ。リーザはニコライのことが好き。そのニコライが、ワルワーラ夫人の養女のダーシャ(シャートフの妹)と仲良しになったという話を聞き、ワルワーラ夫人はステパンとダーシャを結婚させようとする。ダーシャは承知したがステパンは動転。この結婚話はそのうちウヤムヤになる。
キリーロフとシャートフはアメリカに渡ったことがあるらしい。また、ニコライがその金銭的援助をしたらしい。
びっこでちょっと狂人的なマリアとニコライは密かに婚約。
10年ぶりにピョートルとステパンは再会。ニコライも現われる。レビャートキンは妹・マリアとニコライの関係を知り、マリアを金づるにしようとしているらしい。また、ここでステパンがダーシャとの結婚を実はためらっていることをピョートルが暴露。更に、シャートフが唐突にニコライを殴りつけ、リーザは失神。この事件のあと、レビャートキンとマリアは行方知れずとなる。
シャートフは、ニコライは、苦悩を求める情熱から、良心を責めさいなみたい情熱から、精神的な情欲から結婚した、と喝破している。
ニコライはマリアと再会し、結婚を公表しようとするが、マリアはリーザの視線などを思い出してためらう。しかし、どうもマリアは頭がおかしい感じで、そのうち二人は大げんか。
ガガーノフは、ニコライに家名を辱められたことを恨み、ニコライを決闘に引き込む。しかし、ニコライはわざとガガーノフを撃たず、この決闘はウヤムヤになる。ニコライには殺人歴もあるくらいなのだが。
ワルワーラ夫人は、ステパンを見切り、二人は別れる。
その他・・・
自由というのは生きていても生きていなくても同じになるとき、はじめてえられる。これがすべての目的である。
最高の自由を望む者は、だれも自分を殺す勇気をもたなくちゃならない。
結婚というのは、誇りを持った人、独立心に燃える人にとっては、つねに精神的な意味での死である。
人間が不幸なのは、自分が幸福であることを知らないから。それだけであり、これがいっさいである。知るものはただちに幸福になる。
無神論者はロシア人たりえない。無神論者はただちにロシア人たることをやめる。
常識に反してまで自分の立場をつらぬくためには、真に偉大な人間である必要がある。
2020年5月6日に日本でレビュー済み
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早期の到着と状態のよさに満足。