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オリバー・ツイスト〈上〉 (新潮文庫) 文庫 – 2005/12/14

チャールズディケンズ (著), Charles Dickens (原名), 中村能三 (翻訳)

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救貧院の孤児として育てられたオリバーは、食べ物も満足にあたえられず、煙突掃除屋や葬儀屋に「貸出」される仕打ちに耐え切れず、9歳のある日そこを抜け出してロンドンへ向かう。オリバーは、道中で出会った少年に案内されて、とある家に泊ることができたが、そこはユダヤ人フェイギン率いる窃盗団の巣窟だった。いやいや一味に加えられたオリバーは、早々に警察に捕まってしまう。

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ISBN-10

4102030050
ISBN-13

978-4102030059
版

改
出版社

新潮社
発売日

2005/12/14
言語

日本語
本の長さ

372ページ
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登録情報

出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (2005/12/14)
発売日 ‏ : ‎ 2005/12/14
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 372ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4102030050
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102030059

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spacecowboy

これが世の中の現実なのでしょう。

2013年1月7日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

この時代の代表的な作家として名前の挙がっているディケンズの本を読んでみたいと思い、他の作品とともに購入、一番最初に読みました。とてもリアリティがあり、富める者とそうでない者との差がはっきりと記述されていました。どんな逆境にあっても、素直で心の優しい主人公の少年の姿に心を打たれ、もし自分が同じ立場にいたら同じように振る舞うことができるだろうかと考えてしまいました。程度の差はあれ、資本主義の下ではいつの時代においても貧富の差はあるものだと改めて感じるとともに、今普通に暮らすことの出来ている自分の環境をありがたいと感じることが出来ました。

7人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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life

ディケンズ

2006年10月21日に日本でレビュー済み

様々な顔を持っていますが、ストーリーテーラーとしてのディケンズは読み手を裏切りません。うまい。
英語圏の思想や行動の勉強にもなります。本作は「リトルドリット」ほど長すぎず読み易いボリュームになっています。孤児オリバーの遍歴を主軸に脇役の書き割が絶妙できっちり社会背景や世俗を織り込み、少年の成長物語として大団円に収めつつもほろ苦さも忘れない。
構成と伏線、機微まで王道で現代小説なら何本か書けそうな充実度。素材や題材なんてパーツの問題ではなく基礎体力。

27人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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清水　景子

ディケンズ好きには！？

2013年10月10日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

「ディビット・コパフィールド」の出来を想像して読みましたが、今一つでした。

2020年4月1日に日本でレビュー済み

"老紳士は親切に言った、『そうすれば、外側を眺めるより、もっと好きになるだろうー場合によってそういうことがあるんだよ。本の中には、背や被いが内容よりずっと良いという本が現にあるんだからね』"1838年発刊の本書は何度も映像化された社会的弱者に寄り添い続けた著者初期の本格長編。

個人的にはクリスマスの風景を形作った『クリスマス・キャロル』そして『二都物語』に続く3冊目として本書を手にとりました。

さて、そんな本書は救貧院での虐待に耐えかねた孤児のオリヴァが単身ロンドンへと逃げだし、悪人と善人との間で取り合いに巻き込まれる様な展開を見せつつ【最終的には出生の秘密も明かされ大団円】となるわけですが。まず印象に残るのは本書の影響で(！)実際に大改革に繋がった救貧院の描写です。19世紀イギリスの今からすれば顔が真っ青になるような【非人道的な扱いの様子をリアルに描きむぞ！】といった著者のジャーナリスト精神、意気込みは見事に果たされていると思いました。

一方で、著者20代の若かりし時の作品ということで仕方がないのかもしれませんが、個性的な登場人物たちが登場し、サービス精神豊かな【まるで連載漫画の様な短い章が続く展開】はエンターテイメントとしては決して悪くはないのですが。主人公オリヴァの終始受け身な様子、また【割と強引で矛盾をはらむ構成】は他の作品同様に難があるように感じました。

イギリスの国民的作家の代表作として、また19世紀イギリスの風俗や様子を知りたい方や、小説での社会変革を起こそうとしている書き手にもオススメ。

1人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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shinyaosawa

昔はよかったなんてウソだ！

2006年2月12日に日本でレビュー済み

　今まで読みたいと思っていて映画化を機に一気に読んだ。どんなに悲惨で汚辱にまみれていても、キリスト教的純真さを失わなければ幸福を得る、というテーマが一時代も二時代も昔の物語に感じたが、構造的な貧困の差が決定的な現代にあってはむしろ悪役、敵役がいかにも魅力的だ。孤児たちを食い物にするバンブル氏や、典型的なユダヤ人の悪党フェイギン、凶暴なサイクスたちのリアル感、ディティールは、彼らの住む貧民窟の描写と相まって非常に活き活きとして印象的だ。保護者は次々と死に、いい人間は少数しか登場しない。今の子供が読んだら本当にあった恐ろしい世界であるはずだ。

24人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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ringmoo

今もある「貧富の差」

2006年1月20日に日本でレビュー済み

ディケンズは、産業革命の広がる中で貧富の差が激しくなった時代を見事に描写しています。富める者は、その自己弁護のために救貧法を制定しています。一方で、困窮層は食うものも満足にない状態にあります。そんな社会を舞台に、彼は、貧しさにも優しさを失わないオリバーを登場させます。

今から考えれば、善悪がはっきりし過ぎていると言う面はありますが、そうした社会状況を見事に風刺した作品です。

何故今「オリバー・ツイスト」かと言うことについては、日本でも「下流社会」と言う本がベスト・セラーになっているように、当時とは違った意味で、貧富の差が広がり、新たな「下流社会」を作りつつあるということが影響しているのでしょうか。

24人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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