フロイト=リビドー(性欲)みたいにシンプルなキーワードでわかった気になって語ってました。
また過去の人=(すでに一部否定されたり、論破されている)ようなイメージを持ってました。
本書を読んでまず内容よりフロイトの真実に対する真摯な態度、批判や非難に対してブレない信念に感動しました。
そのスタンスは小気味良いくらいニュートラルで公平で伝わりやすい表現で本書を貫いてます。
フロイト自身の言葉で「ダーウィンは自分の理論に都合の悪い事実をむしろ積極的にメモした」とありますが「進化論」もフロイトの「無意識」や「幼児性欲」も(きっと地動説や相対性理論も)突拍子もない思いつきではなく真実を追究した結果たどり着いた答えであったことを思い知りました。
しかもそれが「現時点での不確定な今後検証されるべき事実である」というような信じがたいほど自己を客観的に俯瞰した形で科学全体の中に位置づけて認識しているところが素晴らしい。
本書の内容で「人間は自我がすべてだと思っているが実は無意識の領域のほうが圧倒的に大きい」また「記憶の無い幼児期に感じたことは生涯ついてまわる」「人は種としての進化の過程を成長の過程で反復する。」という主旨に関してこれは世界全体の多くのことに当てはまるのでは?という思いがします。
目に見えてることは全体からしてほんの一部(それが現出するまでに無限のファクターがある)、自分が知っていると思っていることは思い込みに過ぎない。最初に何を目指したか?が最後までついてまわる。なんとなくいろんな場面で思い起こしたい教訓のようにも思えます。
冒頭の部分の「夢」や「言い間違い」の意義、意味やそれが起こる経路などに対する解釈を読むと切迫した実感は無いまでも「世の中に意味のないことなんてない」という考え方が可能であるということを学んだ気がします。
また当時において宗教やマルクス主義の矛盾点、大衆にとっての効用、自分に対する予想される批判、未来の姿などをビシっと指摘している点、とにかく頭がいいというより勇気がある人だと思います(科学者というのは皆、基本的にそういうものなのかもしれませんが)
100年後の我々はフロイトの発見した真実に目を背け「そうあるべき」「そうだったらいいな」「みんながそう思っていることが事実」みたいなフワフワした視点に流されてしまっている気がします。
「本当のこと」をしっかり見ることがいかに大変か、その勇気を与えてくれる本であり内容を鵜呑みにしないまでも学ぶことが尽きない良書だと思います。
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精神分析入門(上) (新潮文庫) 文庫 – 1977/2/1
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精神病の命名と分類に終始していた伝統的精神医学に対し、自由連想の採用という画期的方法によって症状の隠された意味を探る精神分析を創始して、二十世紀文学にも多大な影響を与えたフロイト。本書は、1915年から17年までウィーン大学で一般向けに行われた講義の記録であり、明快な論旨の進め方、啓蒙を目的とした対話的手法で書かれた最適の入門書である。
- ISBN-104102038051
- ISBN-13978-4102038055
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1977/2/1
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ547ページ
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【新潮社】フロイト 作品 | 自由連想という画期的方法による精神分析の創始者がウィーン大学で行なった講義の記録。フロイト理論を理解するために絶好の手引き。 | 日常生活において無意識に抑圧されている欲求と夢との関係を分析、実例を示して詳しく解説することによって人間心理を探る名著。 | さあ、あなたの夢を言ってごらん──。夢とは望みを叶え、「本当の自分」が潜む場所。精神科医により蘇る歴史的名著、読んで愉しく寝て愉しい〈心の探検旅行記〉。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1977/2/1)
- 発売日 : 1977/2/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 547ページ
- ISBN-10 : 4102038051
- ISBN-13 : 978-4102038055
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 30,413位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 163位臨床心理学・精神分析
- - 783位新潮文庫
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著者について
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2011年12月21日に日本でレビュー済み
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2023年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学生時代に読んだが再度読みたくなった。まだ現代にも通用するのではと思います。
2010年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
夢や錯語について、それぞれにこれだけの臨床例と分析、聞く者を納得させるだけの構成には舌を巻きました。
翻訳本とは思えないほど見事な饒舌、人を食った言い回し。引き込まれるような文章。巧みに散りばめられ、反論の余地をじわじわと封じていき、納得せざるを得ない論調。翻訳家の力量も感じられるなかなかの一冊です。
最初の方は、あまりにも慎重に精神医学を学ぶに当たっての注意事項が続き、退屈で、のっけから放り出しそうでした。それも講義が進むに従い、じわじわと有効にその前提が論者と読者をバックアップします。あえて初めからつまらなく、学ぶ者の意欲をそぐような精神医学の欠点から述べるフロイトの勇気と困難な研究の道のりを実感させられます。
専門書は、項目別に整然とした説明や図解が提示されるような思い込みがあったので、ひたすらしゃべり口調そのままの文章というのも意外でした。
実際に聴講したとすれば、その熱弁や一体感であっという間の講義だったかもしれません。しかし、例えばそれをビデオ録画したものだとすれば、全てを視聴するのはかなりの気力が必要でしょうし、活字となると……面白く興味深く引き込まれる論調なのに、なかなかページが進まずに難儀しました。
各項目の結論や決め手となる数語については、強調ルビが振ってあり、一度読んで理論が頭に入れば、後で強調部分だけ読み返し、実際に役立てる工夫もあり、助かります。
はっきり言って、読む労力がかなり必要で、項目ごとに知りたいことが簡潔に説明されてるものではないので、低評価としたいところです。
しかし、見事な翻訳者の力量、フロイトの論調と分析内容の見事さ、重要箇所の強調ルビのおかげで、何とか、買っても良かった、本棚に置いといても損はないと思い留まりました。
翻訳本とは思えないほど見事な饒舌、人を食った言い回し。引き込まれるような文章。巧みに散りばめられ、反論の余地をじわじわと封じていき、納得せざるを得ない論調。翻訳家の力量も感じられるなかなかの一冊です。
最初の方は、あまりにも慎重に精神医学を学ぶに当たっての注意事項が続き、退屈で、のっけから放り出しそうでした。それも講義が進むに従い、じわじわと有効にその前提が論者と読者をバックアップします。あえて初めからつまらなく、学ぶ者の意欲をそぐような精神医学の欠点から述べるフロイトの勇気と困難な研究の道のりを実感させられます。
専門書は、項目別に整然とした説明や図解が提示されるような思い込みがあったので、ひたすらしゃべり口調そのままの文章というのも意外でした。
実際に聴講したとすれば、その熱弁や一体感であっという間の講義だったかもしれません。しかし、例えばそれをビデオ録画したものだとすれば、全てを視聴するのはかなりの気力が必要でしょうし、活字となると……面白く興味深く引き込まれる論調なのに、なかなかページが進まずに難儀しました。
各項目の結論や決め手となる数語については、強調ルビが振ってあり、一度読んで理論が頭に入れば、後で強調部分だけ読み返し、実際に役立てる工夫もあり、助かります。
はっきり言って、読む労力がかなり必要で、項目ごとに知りたいことが簡潔に説明されてるものではないので、低評価としたいところです。
しかし、見事な翻訳者の力量、フロイトの論調と分析内容の見事さ、重要箇所の強調ルビのおかげで、何とか、買っても良かった、本棚に置いといても損はないと思い留まりました。
2008年3月28日に日本でレビュー済み
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本書は、1915年から17年までウィーン大学で一般向けに行われた講義の内容が記録されたものです。
講義記録が纏められた本だけあって、河合先生の「カウンセリングを語る」シリーズの様に、他のフロイト本よりも比較的平易な文章で綴られていて、
フロイトの書籍の中でも割と読みやすい初学者向きの本だと思います。
あの時代背景において、もっとも禁忌とされていたこと。
でもだからこそ、勇気をもって主張していかなければならなかった。
たとへ、社会から抹殺され孤立しようとも。
大切な友人を失う事となっても。
人々に嘲笑されようとも。
ブロイエルさんなんかも、分かってはいたけれどとてもとても言えなかった。
でも、フロイトはそれをやってのけた(言ったモン勝ちっていうか)。
なので、わたしの率直な感想としては、「フロイトかっけ〜」のひと言に尽きます。
あと、あまり”狙っていない”面白さがあって良かった。
講義記録が纏められた本だけあって、河合先生の「カウンセリングを語る」シリーズの様に、他のフロイト本よりも比較的平易な文章で綴られていて、
フロイトの書籍の中でも割と読みやすい初学者向きの本だと思います。
あの時代背景において、もっとも禁忌とされていたこと。
でもだからこそ、勇気をもって主張していかなければならなかった。
たとへ、社会から抹殺され孤立しようとも。
大切な友人を失う事となっても。
人々に嘲笑されようとも。
ブロイエルさんなんかも、分かってはいたけれどとてもとても言えなかった。
でも、フロイトはそれをやってのけた(言ったモン勝ちっていうか)。
なので、わたしの率直な感想としては、「フロイトかっけ〜」のひと言に尽きます。
あと、あまり”狙っていない”面白さがあって良かった。
2014年6月1日に日本でレビュー済み
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フロイトはあまり信頼されていないけれど、
そういった評判で一度も読まないのはもったいないと思います。
フロイトをはじめて読む人にはよい一冊。
おもしろい発見があると思いますよ。
そういった評判で一度も読まないのはもったいないと思います。
フロイトをはじめて読む人にはよい一冊。
おもしろい発見があると思いますよ。
2020年3月29日に日本でレビュー済み
96年に読んでいた。J・L・ハーマンの『心的外傷と回復』も基本的にはフロイトの精神分析の枠組にある。
*
さまざまな場所でフロイトや精神分析の書物に対する反応を見ていると儒教圏出身の文化人は母性からの圧力を感じているらしくフロイトを否定的に捉えなければならない社会的立場にあるようである。精神分析は親不孝思想という解釈になるのだろう。それも社会的な抑圧である。
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さまざまな場所でフロイトや精神分析の書物に対する反応を見ていると儒教圏出身の文化人は母性からの圧力を感じているらしくフロイトを否定的に捉えなければならない社会的立場にあるようである。精神分析は親不孝思想という解釈になるのだろう。それも社会的な抑圧である。
2005年7月11日に日本でレビュー済み
フロイトは自身が精神病者だった。例えば医学実験でマウスを使うが自分の心の中に実験用マウスをかってたような人物。これはユングも同じ。だからあの業績を残せた。そこを理解しないとフロイトやユングの研究は進まないだろう。
2019年12月4日に日本でレビュー済み
フロイトは天才だった。今まで、いろんなフロイトの解説書やフロイトの言説についての解説を読んできましたが、その時は「何を言っているんだ?この人は...所詮、前近代の非科学的発想だな」と思っていました。しかし、当の本人の文章は、石橋を叩いて渡り過ぎだというぐらいに、堅固で演繹的に見えます。
もちろん、ツッコミどころも多々あります。それでも彼の文章を読んでいると、まるで全て真実ではないかと思わされるぐらいの説得力がありました。いったん彼の説を引き受けて初めて、精神分析の理論を批判できるな、とも思い、自分はその入り口の前まで来たにすぎないと思いました。
下巻も楽しみです。
もちろん、ツッコミどころも多々あります。それでも彼の文章を読んでいると、まるで全て真実ではないかと思わされるぐらいの説得力がありました。いったん彼の説を引き受けて初めて、精神分析の理論を批判できるな、とも思い、自分はその入り口の前まで来たにすぎないと思いました。
下巻も楽しみです。