今から60年前に書かれたレイチェル・カーソンの『沈黙の春』は、生物多様性の大切さをいち早く世界に訴えかけた、当時としては非常にセンセーショナルな著書でした。
第二次世界大戦後のアメリカでは農薬を大々的に散布するようになり、川や森や海洋において、化学薬品による深刻な汚染が生じました。この事態に警鐘を鳴らしたのが、生物学者のレイチェル・カーソン女史です。
タイトルの『沈黙の春』とは「ものみな死に絶えし春」という意味。本書は環境問題が普遍的になった現代でも、読み応えのある内容だと思います。
1番痛切に感じられるのは人間の傲慢さ。害虫や雑草を徹底的に叩くため、次から次へと強力な農薬を撒き、益虫や全く害の無い植物、鳥や魚、小動物達までが皆殺しに。ついには人間自身にまで健康被害が及ぶことになるのです。
自然を思うがままに操れると信じて被害を拡大させたにも関わらず、農薬に耐性がついた虫が生まれ、天敵が死に絶えたのを契機に再び大発生してしまうという事態は、まるで自然が人間の浅はかさを嘲笑うかのようで、胸に詰まされます。
折しもこの本が書かれた当時、日本では水俣病などの公害が社会問題となっていました。利益を追求し、より快適で便利な生活を手に入れたいという人類の果てしない欲望が大きな代償をもたらす恐ろしさを、本書は私達に知らしめているように思います。
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沈黙の春 (新潮文庫) 文庫 – 1974/2/20
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自然を忘れた現代人に魂のふるさとを思い起こさせる美しい声と、自然を破壊し人体を蝕む化学薬品の浸透、循環、蓄積を追究する冷徹な眼、そして、いま私たちは何をなすべきかを訴えるたくましい実行力。三つを備えた、自然保護と化学物質公害追及の先駆的な本がこれだ。ドイツ、アメリカなど多くの国の人々はこの声に耳を傾け、現実を変革してきた。日本人は何をしてきたか?
- ISBN-104102074015
- ISBN-13978-4102074015
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1974/2/20
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ394ページ
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地球の声に耳を澄まそうーー。永遠の子どもたちに贈る名著。福岡伸一、若松英輔、大隅典子、角野栄子各氏の解説を収録した決定版。 | 自然を破壊し人体蝕む化学薬品の浸透……現代人に自然の尊さを思い起させ、自然保護と化学公害告発の先駆となった世界的名著。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1974/2/20)
- 発売日 : 1974/2/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 394ページ
- ISBN-10 : 4102074015
- ISBN-13 : 978-4102074015
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
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1 星
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※本の内容についてのレビューではありません。新品と記載されていたのに、カバーに沢山の傷やBOOKOFFでよく見かける謎のバーコードあり、届いたものは明らかに中古品でした。中身に汚れがあるわけでは無いので読むことに支障はありませんが、お金を無駄にとられて非常に不快です。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2024年4月30日に日本でレビュー済み
今から60年前に書かれたレイチェル・カーソンの『沈黙の春』は、生物多様性の大切さをいち早く世界に訴えかけた、当時としては非常にセンセーショナルな著書でした。
第二次世界大戦後のアメリカでは農薬を大々的に散布するようになり、川や森や海洋において、化学薬品による深刻な汚染が生じました。この事態に警鐘を鳴らしたのが、生物学者のレイチェル・カーソン女史です。
タイトルの『沈黙の春』とは「ものみな死に絶えし春」という意味。本書は環境問題が普遍的になった現代でも、読み応えのある内容だと思います。
1番痛切に感じられるのは人間の傲慢さ。害虫や雑草を徹底的に叩くため、次から次へと強力な農薬を撒き、益虫や全く害の無い植物、鳥や魚、小動物達までが皆殺しに。ついには人間自身にまで健康被害が及ぶことになるのです。
自然を思うがままに操れると信じて被害を拡大させたにも関わらず、農薬に耐性がついた虫が生まれ、天敵が死に絶えたのを契機に再び大発生してしまうという事態は、まるで自然が人間の浅はかさを嘲笑うかのようで、胸に詰まされます。
折しもこの本が書かれた当時、日本では水俣病などの公害が社会問題となっていました。利益を追求し、より快適で便利な生活を手に入れたいという人類の果てしない欲望が大きな代償をもたらす恐ろしさを、本書は私達に知らしめているように思います。
第二次世界大戦後のアメリカでは農薬を大々的に散布するようになり、川や森や海洋において、化学薬品による深刻な汚染が生じました。この事態に警鐘を鳴らしたのが、生物学者のレイチェル・カーソン女史です。
タイトルの『沈黙の春』とは「ものみな死に絶えし春」という意味。本書は環境問題が普遍的になった現代でも、読み応えのある内容だと思います。
1番痛切に感じられるのは人間の傲慢さ。害虫や雑草を徹底的に叩くため、次から次へと強力な農薬を撒き、益虫や全く害の無い植物、鳥や魚、小動物達までが皆殺しに。ついには人間自身にまで健康被害が及ぶことになるのです。
自然を思うがままに操れると信じて被害を拡大させたにも関わらず、農薬に耐性がついた虫が生まれ、天敵が死に絶えたのを契機に再び大発生してしまうという事態は、まるで自然が人間の浅はかさを嘲笑うかのようで、胸に詰まされます。
折しもこの本が書かれた当時、日本では水俣病などの公害が社会問題となっていました。利益を追求し、より快適で便利な生活を手に入れたいという人類の果てしない欲望が大きな代償をもたらす恐ろしさを、本書は私達に知らしめているように思います。
2024年3月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
途中でギブアップした。
もう内容が難し過ぎてダメだった。
要約すると、農薬等殺虫剤やらの薬品を多用した結果、人間を含む多くの生き物が死んでしまうから安易に使っちゃダメーって話なんだと思う。
ドキュメント系の話なので仕方ないんだけど、とりあえず薬品名とかどっかの著名な人に名前とか垂れ流されても共感できんて。
ただ思う。
結局人間目線の人間主体の偽物の共存的な謳いを垂れ流してる感じがちょっと気に入らない感じ。
もう内容が難し過ぎてダメだった。
要約すると、農薬等殺虫剤やらの薬品を多用した結果、人間を含む多くの生き物が死んでしまうから安易に使っちゃダメーって話なんだと思う。
ドキュメント系の話なので仕方ないんだけど、とりあえず薬品名とかどっかの著名な人に名前とか垂れ流されても共感できんて。
ただ思う。
結局人間目線の人間主体の偽物の共存的な謳いを垂れ流してる感じがちょっと気に入らない感じ。
2023年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
書かれた時代はだいぶ前ですが、現在も続いている問題で、考えさせられました。
2022年5月14日に日本でレビュー済み
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「沈黙の春」を読んで、愕然とした。
私たちの子どもの頃は、水たまりにはアメンボがいて、土手にはオケラを見つけた。蜻蛉や蝶は煩いほど飛んでいた。それが今や、オケラもアメンボもタガメも見ない。ほとんど絶滅したのではないか。
この現在の世界に産まれた子どもたちは、これを普通だと思い、沈黙の春が訪れても沈黙の意味さえ分からないかも知れない。
私たちだって、日本狼なんて見たこともないから、それが絶滅して寂しいとは思わない。豊かな自然が貧しい自然になっても、人の記憶のなかのノスタルジアをかき立てることはないかもしれない。
ただ、グレタ・トゥンベリさんたちは絶滅しかけているのは、他でもない自分たちだという意識で資本主義システムに否を突きつけている。
「沈黙の春」から60年、人類の長い闘いは敗けられない闘いでもある。
私たちの子どもの頃は、水たまりにはアメンボがいて、土手にはオケラを見つけた。蜻蛉や蝶は煩いほど飛んでいた。それが今や、オケラもアメンボもタガメも見ない。ほとんど絶滅したのではないか。
この現在の世界に産まれた子どもたちは、これを普通だと思い、沈黙の春が訪れても沈黙の意味さえ分からないかも知れない。
私たちだって、日本狼なんて見たこともないから、それが絶滅して寂しいとは思わない。豊かな自然が貧しい自然になっても、人の記憶のなかのノスタルジアをかき立てることはないかもしれない。
ただ、グレタ・トゥンベリさんたちは絶滅しかけているのは、他でもない自分たちだという意識で資本主義システムに否を突きつけている。
「沈黙の春」から60年、人類の長い闘いは敗けられない闘いでもある。
2023年7月1日に日本でレビュー済み
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一度は読んでほしい本です。
2023年4月19日に日本でレビュー済み
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言わずと知れた、レイチェル・カーソンの名著。読むべし!