一章と二章以降に分かれる。
一章はシュリーマンの自伝。二章以降はシュリーマン没後、その意思を継ぐ者たちの記述、発掘に関すること。
圧倒的に一章が面白い。
二章以降は発掘に関する内容。私には、面白がるだけの教養を持ち合わせていなかった。私のストックした知識では有機的につながるものがなかった。面白がれるだけの教養を身につけたい。
一章自伝のうち、語学勉強法について。圧倒的な努力をしている。何かを成し遂げた人に共通する異常なまでの努力をシュリーマンの自伝の中にも見つけた。
私などの凡人は、シュリーマンだからできたとか、誰それだからできた、と嫉妬に駆られてしまう。しかし、イチローしかり、大きな成果を手にしている人は、それに見合う努力という代償を支払っていることを改めて確認させられた。
何か成果を得たければ、これだけやったらさすがに大丈夫、と言えるだけの圧倒的な努力を自分に課そうと思う。自分の周りの人を会話で楽しませるために、まっちゃんのすべらない話を100話分でも暗唱できるようになろうか。
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古代への情熱―シュリーマン自伝 (新潮文庫) 文庫 – 1977/9/1
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トロイア戦争は実際にあった事に違いない。トロイアの都は、今は地中に埋もれているのだ。――少年時代にいだいた夢と信念を実現するために、シュリーマンは、まず財産作りに専念し、ついで驚異的な語学力によって十数カ国語を身につける。そして、当時は空想上の産物とされていたホメーロスの事跡を次々と発掘してゆく。考古学史上、最も劇的な成功を遂げた男の波瀾の生涯の記録。
- 本の長さ181ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1977/9/1
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104102079017
- ISBN-13978-4102079010
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1977/9/1)
- 発売日 : 1977/9/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 181ページ
- ISBN-10 : 4102079017
- ISBN-13 : 978-4102079010
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 26,460位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2021年12月12日に日本でレビュー済み
小さなころ読んだホメーロスの叙事詩
実際にその伝説の都市があると信じ
貧しい牧師の息子が、
努力を重ね
豊かな商人へ
その過程で、何十か国語もマスターして
リタイア後に
子供のころから夢見ていた遺跡の発掘をしていく
考古学史上、劇的な成功を収めた
シュリーマンの自伝です。
もう何度も読み返していますが、
少年時代と商人としての人生行路
と
晩年
のページが読み応えあります。
中間の発掘のストーリーは
歴史が大好きな方にはとても興味深く読めると思いますが
地名などが沢山でてきてちょっと難しい
シュリーマンの自伝として
貧しい少年時代から
語学の学びを徹底的に行い
何十か国もの言葉を話せるようになるところは
実際に語学の勉強の役に立つと思われます。
音読や作文、、無駄な文法にとらわれずにどんどん学習をしていくやり方
そして、仕事も堅実に拡大していき
富を作り
夢にみたトロイアの都を発掘していくのです。
日本的にいうと
昔話を聞いて、実際にそんなところがあるだろうと
大人になるまで信じて、
お金を貯めてから、昔話に出てきた土地を探す、、、という感じですね。
子供の頃に見た夢をずっと追いかけて実現させていくことのすばらしさ
努力を重ね学習をしていく大切さ
成し遂げたいことのために、富が必要であるという現実
考古学的に素晴らしいことは当たり前ですが、
生き方としてもすばらしいと感じます。
実際にその伝説の都市があると信じ
貧しい牧師の息子が、
努力を重ね
豊かな商人へ
その過程で、何十か国語もマスターして
リタイア後に
子供のころから夢見ていた遺跡の発掘をしていく
考古学史上、劇的な成功を収めた
シュリーマンの自伝です。
もう何度も読み返していますが、
少年時代と商人としての人生行路
と
晩年
のページが読み応えあります。
中間の発掘のストーリーは
歴史が大好きな方にはとても興味深く読めると思いますが
地名などが沢山でてきてちょっと難しい
シュリーマンの自伝として
貧しい少年時代から
語学の学びを徹底的に行い
何十か国もの言葉を話せるようになるところは
実際に語学の勉強の役に立つと思われます。
音読や作文、、無駄な文法にとらわれずにどんどん学習をしていくやり方
そして、仕事も堅実に拡大していき
富を作り
夢にみたトロイアの都を発掘していくのです。
日本的にいうと
昔話を聞いて、実際にそんなところがあるだろうと
大人になるまで信じて、
お金を貯めてから、昔話に出てきた土地を探す、、、という感じですね。
子供の頃に見た夢をずっと追いかけて実現させていくことのすばらしさ
努力を重ね学習をしていく大切さ
成し遂げたいことのために、富が必要であるという現実
考古学的に素晴らしいことは当たり前ですが、
生き方としてもすばらしいと感じます。
2020年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
歴史が好きな中学1年生の息子が、あまり本を読まないので一緒に読みました。
はじめに語学の習得法が書いてあり、息子はシュリーマンの語学の勉強法にとても興味を持ちました。
はじめに語学の習得法が書いてあり、息子はシュリーマンの語学の勉強法にとても興味を持ちました。
2022年6月6日に日本でレビュー済み
「まるでマンガみたいだ」
現実離れしていて、あり得ない・有り難い状況を形容するのに使用したりしますね。外国語ペラペラ、お金もたんまりあってFIRE達成。日頃は趣味の文化的活動にいそしみ、教科書に載ってしまうほどの業績を挙げる。果ては、欧州人の年の離れた若い奥さんをもらう。
羨ましいと思われる御仁もいらっしゃるかもしれまんが、これこそが本作の筆者シュリーマンの自伝で語られる内容です。彼が、ホメロスによる『イリアス』に描かれたトロイア遺跡を発見したという事実は、多くの世界史の教科書に掲載されていると思います。
・・・
自伝の内容ですが、これがまた紆余曲折ありドラマチックです。
子供のころに父親に教えてもらった『イリアス』に胸を熱くし、いつかトロイアを見に行きたいと願う。そんな彼のよき理解者である幼馴染ミンナと子供ながらに将来を約束しあうも、父親のスキャンダルや母親との死別があり、ギムナジウムを退学、丁稚奉公に出る。その後コツコツと外国語の勉強をしつつ業務に勤しみ、貿易業でようやく財を成したときにはかつてのミンナはちょうど結婚してしまった、という展開。
傷心もあったのか46歳にしてビジネスをたたみ、世界一周旅行の最中、1868年には日本にも寄っているそうです。安全も確保しづらい日本に(幕末ですよ)旅行に来るというのは相当な好奇心ですよね(ここまでで約30%強)。
その後の内容(ボリュームにして約70%弱)は、ギリシア人ソフィアと結婚後にトロイア遺跡やそのほかの遺跡を発掘する、ないしは発掘関連の話です。遺跡の発掘話は・・・まあそこまで面白くないかもしれません笑
ところで本作上では恋愛話が全く載っておらず、いつの間にか奥様と結婚しトロイア遺跡しているという風の編集になっています。一体年若い奥さんとどのように知り合ったのかとか、しょうもないことが色々気になりだし、恋愛事情を探るべくwikiを見てみると、また違った視点が得られました。
他の著者による作品『甦るトロイア戦争』『シュリーマン 黄金と偽りのトロイ』などの内容のようですが、曰く、一度ロシア人と結婚・離婚していた(幼馴染のミンナを思い続けていたわけでもない?)。発掘事業は商売を畳んだ後に思いついた(昔からの夢じゃなかったの?)。19か国語をマスターしたというのは疑わしい(これはまあ確かに)、などなどです。本自伝では大分ストイックな雰囲気だったんですがね。
・・・
本作、確かに多少の脚色はあるのやもしれません。上記の著者言及内容は未読なので正確には分かりません。しかし、トロイア遺跡の発掘の成功という事実は消えません。また本作は、著者没後に奥様と出版社が手記等をまとめて出版したものだそうです。その意味では大切な故人をしのぶ記録でもあり、決して自己顕示欲ばかりの作品でもないと思います。
ということで、幕末時代の一趣味人の記録として本作楽しく読めました。古代ギリシアや遺跡好きの人にはお勧めできる作品です。
現実離れしていて、あり得ない・有り難い状況を形容するのに使用したりしますね。外国語ペラペラ、お金もたんまりあってFIRE達成。日頃は趣味の文化的活動にいそしみ、教科書に載ってしまうほどの業績を挙げる。果ては、欧州人の年の離れた若い奥さんをもらう。
羨ましいと思われる御仁もいらっしゃるかもしれまんが、これこそが本作の筆者シュリーマンの自伝で語られる内容です。彼が、ホメロスによる『イリアス』に描かれたトロイア遺跡を発見したという事実は、多くの世界史の教科書に掲載されていると思います。
・・・
自伝の内容ですが、これがまた紆余曲折ありドラマチックです。
子供のころに父親に教えてもらった『イリアス』に胸を熱くし、いつかトロイアを見に行きたいと願う。そんな彼のよき理解者である幼馴染ミンナと子供ながらに将来を約束しあうも、父親のスキャンダルや母親との死別があり、ギムナジウムを退学、丁稚奉公に出る。その後コツコツと外国語の勉強をしつつ業務に勤しみ、貿易業でようやく財を成したときにはかつてのミンナはちょうど結婚してしまった、という展開。
傷心もあったのか46歳にしてビジネスをたたみ、世界一周旅行の最中、1868年には日本にも寄っているそうです。安全も確保しづらい日本に(幕末ですよ)旅行に来るというのは相当な好奇心ですよね(ここまでで約30%強)。
その後の内容(ボリュームにして約70%弱)は、ギリシア人ソフィアと結婚後にトロイア遺跡やそのほかの遺跡を発掘する、ないしは発掘関連の話です。遺跡の発掘話は・・・まあそこまで面白くないかもしれません笑
ところで本作上では恋愛話が全く載っておらず、いつの間にか奥様と結婚しトロイア遺跡しているという風の編集になっています。一体年若い奥さんとどのように知り合ったのかとか、しょうもないことが色々気になりだし、恋愛事情を探るべくwikiを見てみると、また違った視点が得られました。
他の著者による作品『甦るトロイア戦争』『シュリーマン 黄金と偽りのトロイ』などの内容のようですが、曰く、一度ロシア人と結婚・離婚していた(幼馴染のミンナを思い続けていたわけでもない?)。発掘事業は商売を畳んだ後に思いついた(昔からの夢じゃなかったの?)。19か国語をマスターしたというのは疑わしい(これはまあ確かに)、などなどです。本自伝では大分ストイックな雰囲気だったんですがね。
・・・
本作、確かに多少の脚色はあるのやもしれません。上記の著者言及内容は未読なので正確には分かりません。しかし、トロイア遺跡の発掘の成功という事実は消えません。また本作は、著者没後に奥様と出版社が手記等をまとめて出版したものだそうです。その意味では大切な故人をしのぶ記録でもあり、決して自己顕示欲ばかりの作品でもないと思います。
ということで、幕末時代の一趣味人の記録として本作楽しく読めました。古代ギリシアや遺跡好きの人にはお勧めできる作品です。
2009年7月15日に日本でレビュー済み
この本は、現代作家の巨峰のひとつであり、最高の読書人でもあったヘンリー・ミラーが
人生で最も影響を受けた100冊のなかの一冊として挙げている。
ミラーはいう。「ぼくのお気に入りの作家たちはみな、ロマンチックで、デーモニッシュで、
告白的で、主観的なタイプの作家たちだ」。
シュリーマンもそうしたタイプの人物の一人なのだろう。
『古代への情熱』の冒頭、シュリーマンは書く。「わたしの後半生の活動はすべて、
わたしがまだほんの子供だったころに受けたいくつかの感銘によって規定されたのだ」。
彼は少年期、朝の5時から夜11時まで働きづめに働いて、「勉学に向ける時間の余裕は全くなかった」。
「1枚の毛布を手に入れるために上着を売りに出した」。
「暖房もないみすぼらしい屋根裏部屋で、冬は寒さに震え、夏は焼け付くような暑さに耐えながら」、
彼はいくつもの語学を超ハイスピードで習得していく。その習得の仕方なども具体的に記述されている。
この文庫本の39ページ目までは、シュリーマンが一人称で記述した自伝の文章で、
最初の発掘までが語られる。そこから後は、彼の文章を引用しながら、発掘活動の叙述。
典型的で、痛快な、ひとつの立身出世物語として読めるが、彼の側面について「病的な虚言癖があった」ことや、
「研究者全員がシュリーマンの自伝が虚偽に満ちていることを認めている」こと、あるいは
「幼年時代にトロイに関心を持っていたという記述は存在しない」ことなどが、彼の死後に指摘されている。
強烈な光を放った彼に付随する、影の部分なのだろうか。
彼はこの自伝的文章を、当初、発表するつもりではなく書き、それを作文の練習だったとする学者もいる。
だとするとこの本は、事実を基にして、フィクションを混在させた奇書といえるのかもしれない。
書かれていることがすべて真実かどうか、ということは横に置いた上で、「この本は面白いのか。
読む価値があるのか」と問うなら、「べらぼうに面白い必読本だ」と答える。訳文もこなれている。
彼はやはり「文章家」としてとても優れている。率直で、分かりやすく、熱気をはらんだ文章。
それは処女作の『シュリーマン旅行記 清国・日本』でも顕著。冒頭の数行で、
もう彼の世界に引き込まれるのは、『古代への情熱』とおなじ。
関連書籍としては、バランス良くシュリーマンの事跡をビジュアルを交えつつまとめあげた
「知の再発見双書/シュリーマン 黄金発掘の夢」がおすすめ。
人生で最も影響を受けた100冊のなかの一冊として挙げている。
ミラーはいう。「ぼくのお気に入りの作家たちはみな、ロマンチックで、デーモニッシュで、
告白的で、主観的なタイプの作家たちだ」。
シュリーマンもそうしたタイプの人物の一人なのだろう。
『古代への情熱』の冒頭、シュリーマンは書く。「わたしの後半生の活動はすべて、
わたしがまだほんの子供だったころに受けたいくつかの感銘によって規定されたのだ」。
彼は少年期、朝の5時から夜11時まで働きづめに働いて、「勉学に向ける時間の余裕は全くなかった」。
「1枚の毛布を手に入れるために上着を売りに出した」。
「暖房もないみすぼらしい屋根裏部屋で、冬は寒さに震え、夏は焼け付くような暑さに耐えながら」、
彼はいくつもの語学を超ハイスピードで習得していく。その習得の仕方なども具体的に記述されている。
この文庫本の39ページ目までは、シュリーマンが一人称で記述した自伝の文章で、
最初の発掘までが語られる。そこから後は、彼の文章を引用しながら、発掘活動の叙述。
典型的で、痛快な、ひとつの立身出世物語として読めるが、彼の側面について「病的な虚言癖があった」ことや、
「研究者全員がシュリーマンの自伝が虚偽に満ちていることを認めている」こと、あるいは
「幼年時代にトロイに関心を持っていたという記述は存在しない」ことなどが、彼の死後に指摘されている。
強烈な光を放った彼に付随する、影の部分なのだろうか。
彼はこの自伝的文章を、当初、発表するつもりではなく書き、それを作文の練習だったとする学者もいる。
だとするとこの本は、事実を基にして、フィクションを混在させた奇書といえるのかもしれない。
書かれていることがすべて真実かどうか、ということは横に置いた上で、「この本は面白いのか。
読む価値があるのか」と問うなら、「べらぼうに面白い必読本だ」と答える。訳文もこなれている。
彼はやはり「文章家」としてとても優れている。率直で、分かりやすく、熱気をはらんだ文章。
それは処女作の『シュリーマン旅行記 清国・日本』でも顕著。冒頭の数行で、
もう彼の世界に引き込まれるのは、『古代への情熱』とおなじ。
関連書籍としては、バランス良くシュリーマンの事跡をビジュアルを交えつつまとめあげた
「知の再発見双書/シュリーマン 黄金発掘の夢」がおすすめ。
2016年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
遺跡を巡るギリシャ旅行の前に購入しました。
本当は遺跡になどさらさら興味なく、ただ昨今話題のギリシャが一体全体どうなっているのか、野次馬根性のみで出かけただけですが、せっかく遺跡を巡るなら、それなりに勉強しておかないと、意味がない。ギリシャの遺跡といえばシュリーマン。ということで読んだ次第です。
前半は発掘に至るまでの彼の前半生、後半は発掘物語です。面白かったのは、前半だけ。特に彼の語学習得法は(嘘まみれなのかもしれないが)大変ユニークで(ロシア語習得の際は、夜な夜な大声で朗読するので大家に追い出されたとか)さっそく真似してみました。
大声で英語のテキストを朗読。家族からはど顰蹙。でも、頭に入る。効果があるんですよ。
後半の発掘物語は、古代に興味ゼロの私には退屈なだけでした。この本は、嘘が多いという人もいますが、どの辺が嘘なのか、教えていただけるとありがたいです。
今回、ギリシャの遺跡をいろいろまわりましたが、ミケーネ遺跡には感動しました。のどかな田園地帯に立つ丘に突如として現れる遺跡。丘の上からギリシャの美しい緑を見晴らし、無粋な私もしばし古代に思いを馳せました。
基礎知識を得るには(少なくとも古代音痴の私には)いい本でした。
本当は遺跡になどさらさら興味なく、ただ昨今話題のギリシャが一体全体どうなっているのか、野次馬根性のみで出かけただけですが、せっかく遺跡を巡るなら、それなりに勉強しておかないと、意味がない。ギリシャの遺跡といえばシュリーマン。ということで読んだ次第です。
前半は発掘に至るまでの彼の前半生、後半は発掘物語です。面白かったのは、前半だけ。特に彼の語学習得法は(嘘まみれなのかもしれないが)大変ユニークで(ロシア語習得の際は、夜な夜な大声で朗読するので大家に追い出されたとか)さっそく真似してみました。
大声で英語のテキストを朗読。家族からはど顰蹙。でも、頭に入る。効果があるんですよ。
後半の発掘物語は、古代に興味ゼロの私には退屈なだけでした。この本は、嘘が多いという人もいますが、どの辺が嘘なのか、教えていただけるとありがたいです。
今回、ギリシャの遺跡をいろいろまわりましたが、ミケーネ遺跡には感動しました。のどかな田園地帯に立つ丘に突如として現れる遺跡。丘の上からギリシャの美しい緑を見晴らし、無粋な私もしばし古代に思いを馳せました。
基礎知識を得るには(少なくとも古代音痴の私には)いい本でした。