この本は、ジェームズ・ジョイスの作品としては、若書きの習作、と言う印象が有るが、翻訳としては、素晴らしく、上々の出来ばえです。
今現在、この新潮文庫は、絶版の模様ですが、同じ翻訳者の、丸谷才一先生による、和訳の文庫が、存在するらしいので、新品が欲しい方は、そちらで読むと、良いと思います。
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若い芸術家の肖像 (新潮文庫 シ 3-2) 文庫 – 1994/2/25
- ISBN-104102092021
- ISBN-13978-4102092026
- 出版社新潮社
- 発売日1994/2/25
- 言語日本語
- 本の長さ414ページ
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1994/2/25)
- 発売日 : 1994/2/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 414ページ
- ISBN-10 : 4102092021
- ISBN-13 : 978-4102092026
- Amazon 売れ筋ランキング: - 477,068位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
意識の流れ、神話的手法など、
言語の可能性を追求したジョイスの小説。
一人の青年の物語だが、成長過程にあわせて
ジョイスは様々な文体で書いている。
『フィネガンズ・ウェイク』や『ユリシーズ』などと比べると、
読みやすく楽しめる作品だと思うので、
あまりジョイスになじみがない人でも手に取りやすいだろう。
ジョイスを読もうとしている方、読みたい方は、
この作品か『ダブリナーズ』から始めるとよいと思う。
言語の可能性を追求したジョイスの小説。
一人の青年の物語だが、成長過程にあわせて
ジョイスは様々な文体で書いている。
『フィネガンズ・ウェイク』や『ユリシーズ』などと比べると、
読みやすく楽しめる作品だと思うので、
あまりジョイスになじみがない人でも手に取りやすいだろう。
ジョイスを読もうとしている方、読みたい方は、
この作品か『ダブリナーズ』から始めるとよいと思う。
2019年9月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英文と対照しながら読んだので、丸谷才一の訳がすばらしいことに感服した。
2018年2月24日に日本でレビュー済み
『若い芸術家の肖像』はジョイスの半自伝的な作品ですが、できれば『ユリシーズ』の前に読んでおくことをお勧めします。
なぜなら、この小説の主人公スティーブン・ディーダラス(デダラス)は、『ユリシーズ』第一部の主人公でもあり、『ユリシーズ』は本作の続編とも言えるからです。
『ユリシーズ』の中には、本作の内容を踏まえて書かれている部分も多いです。
この小説は冒頭から意表を突いてきます。まるで童話を思わせる平仮名だらけの文章。それが次第に難解な文体へと変わっていきます。
つまり、主人公の成長ぶりが文体で表現されているのです。
『ユリシーズ』もそうですが、読み解いていくにはある程度の予備知識があった方がいいです。
まずは、舞台となる1900年前後のアイルランドにおける社会事情について(歴史、宗教、政治、文学)。時間がない人は大雑把でも良いので、知っておいた方がいいです(特にイギリスとの関係は必須)。
キリスト教の知識はなかでも重要だと思います。私はキリスト教徒ではありませんが、基本的な知識だけでも頭に入れておくべきだったと後悔しました(カトリックとプロテスタントの違いなど)。
それから、ギリシア神話に出てくるダイダロスとイカロスの話も頭に入れておくべきです。(主人公の名前「ディーダラス(デダラス)」は、「ダイダロス」からきています)
たかがひとつの作品に予備知識なんて面倒くさいと思われる向きもあるでしょう。しかしこれらの知識がないと、途中で「わけわからん!」となってしまう可能性大です。急がば回れです。
最後に、丸谷訳と大澤訳との比較について。
私が下手な説明をするより、実際に見比べた方がわかりやすいと思うので、一部を抜き出してみます。
まず「チャールズおじさん原理」として有名な、第2章冒頭付近の一文。
丸谷訳
「それで毎朝、チャールズおじさんは小屋へとおもむくのだが、ただしそれは後ろの髪に油をつけ、きちんとブラシでなでつけ、埃を払ったシルク・ハットをかぶってからである。」
大澤訳
「こういう次第で、チャールズおじさんは朝ごとにこの小屋に赴くのだが、そのまえにはかならず後ろ髪をきちんとなでつけ入念にブラシをかけ、シルクハットにもブラシをかけてから頭にのせる。」
第3章の最初の一文。
丸谷訳
「十二月のあわただしい黄昏が、鈍重な晝(ひる)のあとから、田舎者めいた足どりでどたどたとやって来た。」
大澤訳
「足早な十二月のたそがれが、どんより陰気な昼のあとから道化師よろしくこけつまろびつやってきた。」
また、集英社版の丸谷訳はページ下部に詳細な注釈がついています。これはかなり親切なもので、私は途中で何度助けられたかわかりません。
一方で、あまり注釈にこだわり過ぎるのもよくないと思います。たいして重要でない部分まで詳しく解説してあったりしますので。
今回私はどうしても引っ掛かる部分だけを注釈に頼るという読み方をしましたが、
「(注釈が)詳細すぎるのも時によっては善し悪しだ。ジョイスの文章の肌合い、その色合い、手触り、匂いを直接感じとることがむしろ難しくなっている。これはまずいと思う。いわゆる割注は読みの速度にブレーキがかかってぎくしゃくするばかり」
という大澤氏の意見に私は基本的に賛成です。「意識の流れ」を読み解くには、一定のリズム感のようなものが必要だと思うからです。
(岩波文庫の大澤訳は、巻末に最低限の訳注だけがまとめられています)
どちらが良いと思うかは、好みによるでしょう。(ちなみに、丸谷氏は付記で大澤訳に特別な謝意を述べています。)できれば両方を買って読み比べたいところです。
なぜなら、この小説の主人公スティーブン・ディーダラス(デダラス)は、『ユリシーズ』第一部の主人公でもあり、『ユリシーズ』は本作の続編とも言えるからです。
『ユリシーズ』の中には、本作の内容を踏まえて書かれている部分も多いです。
この小説は冒頭から意表を突いてきます。まるで童話を思わせる平仮名だらけの文章。それが次第に難解な文体へと変わっていきます。
つまり、主人公の成長ぶりが文体で表現されているのです。
『ユリシーズ』もそうですが、読み解いていくにはある程度の予備知識があった方がいいです。
まずは、舞台となる1900年前後のアイルランドにおける社会事情について(歴史、宗教、政治、文学)。時間がない人は大雑把でも良いので、知っておいた方がいいです(特にイギリスとの関係は必須)。
キリスト教の知識はなかでも重要だと思います。私はキリスト教徒ではありませんが、基本的な知識だけでも頭に入れておくべきだったと後悔しました(カトリックとプロテスタントの違いなど)。
それから、ギリシア神話に出てくるダイダロスとイカロスの話も頭に入れておくべきです。(主人公の名前「ディーダラス(デダラス)」は、「ダイダロス」からきています)
たかがひとつの作品に予備知識なんて面倒くさいと思われる向きもあるでしょう。しかしこれらの知識がないと、途中で「わけわからん!」となってしまう可能性大です。急がば回れです。
最後に、丸谷訳と大澤訳との比較について。
私が下手な説明をするより、実際に見比べた方がわかりやすいと思うので、一部を抜き出してみます。
まず「チャールズおじさん原理」として有名な、第2章冒頭付近の一文。
丸谷訳
「それで毎朝、チャールズおじさんは小屋へとおもむくのだが、ただしそれは後ろの髪に油をつけ、きちんとブラシでなでつけ、埃を払ったシルク・ハットをかぶってからである。」
大澤訳
「こういう次第で、チャールズおじさんは朝ごとにこの小屋に赴くのだが、そのまえにはかならず後ろ髪をきちんとなでつけ入念にブラシをかけ、シルクハットにもブラシをかけてから頭にのせる。」
第3章の最初の一文。
丸谷訳
「十二月のあわただしい黄昏が、鈍重な晝(ひる)のあとから、田舎者めいた足どりでどたどたとやって来た。」
大澤訳
「足早な十二月のたそがれが、どんより陰気な昼のあとから道化師よろしくこけつまろびつやってきた。」
また、集英社版の丸谷訳はページ下部に詳細な注釈がついています。これはかなり親切なもので、私は途中で何度助けられたかわかりません。
一方で、あまり注釈にこだわり過ぎるのもよくないと思います。たいして重要でない部分まで詳しく解説してあったりしますので。
今回私はどうしても引っ掛かる部分だけを注釈に頼るという読み方をしましたが、
「(注釈が)詳細すぎるのも時によっては善し悪しだ。ジョイスの文章の肌合い、その色合い、手触り、匂いを直接感じとることがむしろ難しくなっている。これはまずいと思う。いわゆる割注は読みの速度にブレーキがかかってぎくしゃくするばかり」
という大澤氏の意見に私は基本的に賛成です。「意識の流れ」を読み解くには、一定のリズム感のようなものが必要だと思うからです。
(岩波文庫の大澤訳は、巻末に最低限の訳注だけがまとめられています)
どちらが良いと思うかは、好みによるでしょう。(ちなみに、丸谷氏は付記で大澤訳に特別な謝意を述べています。)できれば両方を買って読み比べたいところです。
2017年2月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ユリシーズを読む根性はないけど、後世の偉大な作家(ノーベル文学賞受賞者を多数含む)に多大な影響を与えたジョイスを知りたくて読んでみました。彼から影響を受けた作家達の原点が見つかります。前半はキリスト教の教えとの葛藤と決別、後半はジョイスの美学を述べた彼の自伝的小説。しかも、主人公は後のユリシーズで重要なキャラクターとなります。大変興味深く読みました。
2004年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ジョイスの半自伝的小説とか、神話的手法とかいうことで語られる作品だけど、そんなこと文学者に任せておけばいい。肝心なのは、青春小説として面白い、ということ。今世紀はじめのダブリンに生まれたインテリのカトリック教徒の気持ちなんか、ぼくには想像できないところも多かったし、長々と繰り広げられる神学論とか、美学論とかはっきり言って退屈だけど、淡い恋心とか、性の悩みとか、友情とか、夢とか、青春時代に誰もが悩んだ普遍的な問題に主人公が格闘しているとき、ぼくたちも主人公と一緒に悩み、語り、泣き、そして笑うことが出来る。それはすばらしい小説である証拠なのだ。
2012年5月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
さっぱりわけわからん。
おれは洋文学結構読むのだが、ほんと、ぜんぜんおもしろさがわからん。
「キリスト教の知識(要は聖書読んだがどうか)がないと洋物はわからないよ」とのたまう方々にこれまでいくらも会ったことがある。しかし別に知識なくとも不自由しなかった。
だが今回ばかりはだめである。主人公以下登場人物の言ってること考えてることがさっぱりわからん。
大好きなヴォネガットが「ジョイス! ジョイス!」って言ってたから読んだのだけど。
おれがバカなのか、みんなが理解不能なものをありがたがっているのか、わからん。
あと丸谷さんの訳がなんだかいけすかない。「アイルランド人あるある」みたいな訳出しやがって。あんた日本人だろーっ!?
なんでみんなジョイスジョイス言うんだー! むかー! 「ユリシーズ」絶対読まねえぞ!
(ちなみに「ダブリン市民」はボードレール的なところが感じられて楽しかったんだけど、うーん。作家も作品によりけりですね。「フィネガンズウェイク」なんか読み終えるのも奇跡だっていうし)
おれは洋文学結構読むのだが、ほんと、ぜんぜんおもしろさがわからん。
「キリスト教の知識(要は聖書読んだがどうか)がないと洋物はわからないよ」とのたまう方々にこれまでいくらも会ったことがある。しかし別に知識なくとも不自由しなかった。
だが今回ばかりはだめである。主人公以下登場人物の言ってること考えてることがさっぱりわからん。
大好きなヴォネガットが「ジョイス! ジョイス!」って言ってたから読んだのだけど。
おれがバカなのか、みんなが理解不能なものをありがたがっているのか、わからん。
あと丸谷さんの訳がなんだかいけすかない。「アイルランド人あるある」みたいな訳出しやがって。あんた日本人だろーっ!?
なんでみんなジョイスジョイス言うんだー! むかー! 「ユリシーズ」絶対読まねえぞ!
(ちなみに「ダブリン市民」はボードレール的なところが感じられて楽しかったんだけど、うーん。作家も作品によりけりですね。「フィネガンズウェイク」なんか読み終えるのも奇跡だっていうし)
2016年8月30日に日本でレビュー済み
古典の名著って難解なのだろうと思ってたが、そう肩肘はらずとも気軽に読めた。翻訳が良いのかもしれない。百年も前のアイルランドだから今よりは宗教教育とかも保守的だったのだろうけど、キリスト教の予備知識などなくとも読めた。小学生〜青春時代くらいの主人公の成長物語で、作者のちょっとおフザケモードも入ってユーモラスな感じ。もっと若いときに読めばヨカッタような気もした。