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冷血 (新潮文庫 赤 95C) 文庫 – 1978/9/1

3.7 5つ星のうち3.7 15個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (1978/9/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1978/9/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 559ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4102095039
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102095034
  • カスタマーレビュー:
    3.7 5つ星のうち3.7 15個の評価

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「一見動機がないように思われる殺人」
5 星
「一見動機がないように思われる殺人」
この本の476ページ以降、2人の殺人犯に関する精神病医の分析が書かれた箇所は、特に私たちの目を開かせ、深いため息をつかせる。まずヒコックの分析。「知性は平均以上」「思考力はよく組織されて論理的」だが、「あとの結果とか、そのため将来、自分自身や他の人間にどのような不快なことが起こるかといったことを考慮せずに物事を行う傾向のある人間」であり、「挫折感にたいしては、もっと正常な人間ならばがまんしていくところを、がまんすることができず、反社会的な行動に出る以外に、その挫折感を取り除くすべを知らないよう」なタイプ。もう一人の殺人犯ペリーの分析。「その貧弱な教育的背景を考慮すれば、なかなか広範囲の知識をそなえている」が、「他人が口にする事柄のうちに侮蔑とか侮辱とかいったものを鋭く感じとり、しばしば善意の言葉を曲解」し、「他人にだまされたり、さげすまれたり、劣っているとレッテルを貼られたと感じると、わけもなく激発」し、そして「彼は非常に狭い範囲の友人以外の人たちにたいしては、ほとんどどのような感情も示さず、人間の生命というものにたいしてほんとうの価値をほとんど認めていない」タイプ。まさに、日本でもほぼ日常的に報道されている凶悪犯の人物像が、ヒコックとペリーに見事に重なる。それどころか、アイツがそっくりだ、と自分に身近な人間が思い浮かぶはず。そして、486ページ以降に出てくる、ある論文に書かれた仮説がさらに裏付ける。この論文では、“精神正常者”と“精神異常者”という区分のどちらにも入らないような犯人−「殺人者が一見、合理的で、矛盾がなく、抑制がきいているような人間に思えながら、それでいて、怪奇な、一見、無意味と思われるような殺人行為を犯す」犯人を考察している。論文では、それらの犯人は「将来の犠牲者が、ある過去の外傷性形態において中心的人物であると無意識に感知される場合」に(暴発的な殺意が)活性化する、と書いている。わかりやすく言うと、殺される人は、殺人犯が悪意を抱くような言動は全くしておらず、悪い点は一つもない。しかし、犯人側のトラウマ(幼少時の虐待、両親の不仲など)がある瞬間に蘇えり、その何も罪のない被害者に“偶然”重なってしまった場合、犯人の凶行が噴出するのだという。大阪府池田市の事件、秋葉原の事件…日本の犯罪史上でも、私たちは論文の仮説と重なるような事件を容易に思い出すことができる。殺人、裁判、死刑といった、自分の日常から遠いと思っていた問題が、実は自宅の玄関のドアを出たすぐそこに身を隠し、凶器をもって私たちが近づくのを待っているかもしれないという現実…でも、この本を読んでその現実を世間より先に知り得た私たち読者は、少しだけ幸せかもしれない。気休めにもならないけど。
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上位レビュー、対象国: 日本

2020年3月11日に日本でレビュー済み
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2019年4月9日に日本でレビュー済み
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2014年5月19日に日本でレビュー済み
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2011年6月4日に日本でレビュー済み
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5つ星のうち5.0 「一見動機がないように思われる殺人」
2011年6月4日に日本でレビュー済み
この本の476ページ以降、2人の殺人犯に関する精神病医の分析が書かれた箇所は、特に私たちの目を開かせ、深いため息をつかせる。

まずヒコックの分析。
「知性は平均以上」「思考力はよく組織されて論理的」だが、「あとの結果とか、そのため将来、自分自身や他の人間にどのような不快なことが起こるかといったことを考慮せずに物事を行う傾向のある人間」であり、「挫折感にたいしては、もっと正常な人間ならばがまんしていくところを、がまんすることができず、反社会的な行動に出る以外に、その挫折感を取り除くすべを知らないよう」なタイプ。

もう一人の殺人犯ペリーの分析。
「その貧弱な教育的背景を考慮すれば、なかなか広範囲の知識をそなえている」が、「他人が口にする事柄のうちに侮蔑とか侮辱とかいったものを鋭く感じとり、しばしば善意の言葉を曲解」し、「他人にだまされたり、さげすまれたり、劣っているとレッテルを貼られたと感じると、わけもなく激発」し、そして「彼は非常に狭い範囲の友人以外の人たちにたいしては、ほとんどどのような感情も示さず、人間の生命というものにたいしてほんとうの価値をほとんど認めていない」タイプ。

まさに、日本でもほぼ日常的に報道されている凶悪犯の人物像が、ヒコックとペリーに見事に重なる。
それどころか、アイツがそっくりだ、と自分に身近な人間が思い浮かぶはず。

そして、486ページ以降に出てくる、ある論文に書かれた仮説がさらに裏付ける。
この論文では、“精神正常者”と“精神異常者”という区分のどちらにも入らないような犯人−「殺人者が一見、合理的で、矛盾がなく、抑制がきいているような人間に思えながら、それでいて、怪奇な、一見、無意味と思われるような殺人行為を犯す」犯人を考察している。

論文では、それらの犯人は「将来の犠牲者が、ある過去の外傷性形態において中心的人物であると無意識に感知される場合」に(暴発的な殺意が)活性化する、と書いている。
わかりやすく言うと、殺される人は、殺人犯が悪意を抱くような言動は全くしておらず、悪い点は一つもない。
しかし、犯人側のトラウマ(幼少時の虐待、両親の不仲など)がある瞬間に蘇えり、その何も罪のない被害者に“偶然”重なってしまった場合、犯人の凶行が噴出するのだという。

大阪府池田市の事件、秋葉原の事件…日本の犯罪史上でも、私たちは論文の仮説と重なるような事件を容易に思い出すことができる。
殺人、裁判、死刑といった、自分の日常から遠いと思っていた問題が、実は自宅の玄関のドアを出たすぐそこに身を隠し、凶器をもって私たちが近づくのを待っているかもしれないという現実…
でも、この本を読んでその現実を世間より先に知り得た私たち読者は、少しだけ幸せかもしれない。気休めにもならないけど。
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5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2013年1月6日に日本でレビュー済み
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2005年8月16日に日本でレビュー済み
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2006年4月19日に日本でレビュー済み
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2004年7月15日に日本でレビュー済み
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