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異邦人 (新潮文庫) 文庫 – 1963/7/2

4.3 5つ星のうち4.3 549個の評価

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私ははじめて、世界の優しい無関心に、心をひらいた。

太陽の眩しさを理由にアラビア人を殺し、死刑判決を受けたのちも幸福であると確信する主人公ムルソー。不条理をテーマにした、著者の代表作。

母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。
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異邦人 シーシュポスの神話 ペスト 幸福な死
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【新潮文庫】カミュ 作品 太陽が眩しくてアラビア人を殺し、死刑判決を受けたのちも自分は幸福であると確信する主人公ムルソー。不条理をテーマにした名作。 ギリシアの神話に寓して”不条理”の理論を追究した哲学的エッセイで、カミュの世界を支えている根本思想が展開されている。 ペストに襲われ孤立した町の中で悪疫と戦う市民たちの姿を描いて、あらゆる人生の悪に立ち向うための連帯感の確立を追う代表作。 平凡な青年メルソーは、富裕な身体障害者の”時間は金で購われる”という主張に従い、彼を殺し金を奪う。『異邦人』誕生の秘密を解く作品。
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革命家反抗か―カミュ=サルトル論争― 転落・追放と王国 最初の人間
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人間はいかにして「歴史を生きる」ことができるか──鋭く対立するサルトルとカミュの間にたたかわされた、存在の根本に迫る論争。 暗いオランダの風土を舞台に、過去という楽園から現在の孤独地獄に転落したクラマンスの懊悩を捉えた「転落」と「追放と王国」を併録。 突然の交通事故で世を去ったカミュ。事故現場には未完の自伝的小説が──。戦後最年少でノーベル文学賞を受賞した天才作家の遺作。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1963/7/2)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1963/7/2
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 143ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4102114017
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102114018
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.67 x 1.02 x 14.99 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 549個の評価

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カミュ
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年4月26日に日本でレビュー済み
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短いので気軽に読めるし、内容も濃い。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年2月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
と、読み始めた。
なのに頁数の割に読み進めない。
始めて読むわけでもないのに。
40年ほど前、夏休みの読書感想文で妹から相談を受け
"本が薄い=短いから"とヘミングウェイ『老人と海』を進めたら
皆、考えることは同じと見えて
《売り切れだった》・・・・と、替わりに買ってきたのが
カミュの「異邦人」だった。今にして思えば『老人と海』だって決して感想書きやすい本とは言い切れないけれど、ど~せいちゅうねん⁉
冷や汗流し流し読み込んで、自主上映の16㍉で観たヴィスコンティの映画の記憶まで動員し
青息吐息で書き上げた感想文。
先生からのジャッジは《むずかしい本をよく読みこなしています》だった・・・とか。
イロイロな意味で思い出深い一冊。また読みたい。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年4月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ムルソーの思考は自分そのもののようでゾッとした。その場その場の感覚に身を委ね行動する青年。実に素直な青年。自分らしくあることが世間様には受け入れられず死刑判決へ。社会的、また(当時の社会で)神を信じない宗教的異端者の物語。異邦人、という邦題だが、異端者、のほうがしっくりくる。
刑務所生活さえもその思考特性で幸福に変えられる。
今このときを大切にする人物か。
世間的には不思議な男、だが、私は親しみを覚えた。私も彼の言う死刑囚だ。世間様にとっては異端者かもしれない。
…愛する母親が死んだら、必ず泣かなきゃいかんのかね?必ず、深く悲しむものかね?愛してるが、その死への反応など、様々だろう?今、今この輝く太陽と海を愛して何が悪い。通常の論理的な一貫性が失われている男、などと背表紙の要約には書かれているが、私にはそうは思えない。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年5月16日に日本でレビュー済み
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* 最後に死刑で終わるというのは、よくあるパターンなのかなと思った。
* 『赤と黒』も、自称優秀な青年が最後死刑で終わる。
* 殺人をしても、どこか他人事というか、ちょっと主人公が何を考えているのかがわからなかった。
* モヤモヤする作品。
* 母が死んでから、人格が崩壊?過去に生きている感じ?
* 死刑を告げられても、絶望する訳でもなく、神に助けを求める訳でもない。
* それ以降、自分の心臓が止まることが信じられないとは言うものの、生に対する執着などがある訳でもない。
* 何か大事なものが無くなっている感じがした。
* 最後に自分が死刑になる時に、聴衆が憎悪を示すことが望みという、最後の文章が共感できなかった。
* 歪んでいると感じた。
* そこに自分の生を見つけようとすることがわからない。
* 母が死んでから、悲しくないと嘘吹き、空虚なまま殺人まで起こす。
* しかし、自分の時間は母が死んでいるところで止まっており、それ以降は何をしても空虚なまま進んでいく。
* 殺人しても、裁判にかけられても、死刑を告げられても、どこかに自分じゃない自分がいて、目的もなく、訳もなく、時間が過ぎて行く。
* 世の中の不条理を説いている。
* キリスト教や実存主義、共産主義など、世の中の思想を全て否定している。
* その人物こそ、異邦人である。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年5月8日に日本でレビュー済み
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前半は「これが名作?」というくらいピンとこなかったのですが、後半はさすがにすごい。重かった。読む側の精神状態にもよる作品かと思う。今の私には合わなかった。アルジェリアの暑さと不快感が残った。読後感が非常に悪い。再読は無い。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年12月6日に日本でレビュー済み
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よく分からなかった
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年8月14日に日本でレビュー済み
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人間は言葉を持って以降、自然から乖離し、あらゆる出来事に意味を見出し、喜怒哀楽に翻弄されながら生きてきた。
人間同士が暗黙のうちに想定する文脈の食い違いが、時に笑いや憎しみを生む。そこから様々な小説のテーマが生まれてきたといえる。

この小説では、アルジェリアの海と太陽の中で、自然に同化して生きる人物が主人公になっている。
いま目の前にある世界にのみ関心を寄せ、過去を振り返ることのない男。
羨んだり、恨んだり、悲観したりといったこととは無縁の人生。
無限の海と太陽が、彼に満ち足りた気分を与えてくれる。

しかし、こうした自然に同化した人間の存在を許さない「社会の掟」が主人公の前に立ちはだかる。
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文脈を共有しない異邦人は、罪人同様に敵視されるのが人間社会の本質なのか。
象徴や文脈といったものから脱却し、リアルな自然に没入することを許さない人間社会の一面を描き出した小説。
また、その不条理に対峙し、それでも自然のままに生きる/死ぬことを選択した男の生き様を浮かび上がらせた小説。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年8月19日に日本でレビュー済み
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ムルソーは世の中の慣例的な行為と乖離した人物だ。現象のみを抽出する特異な目を持っている。
太陽は輝き、波は打ち寄せ、砂浜はきらめき、殺人を犯す。それらはみなムルソーにとって同列である。外部に対するスタンスは「どちらでも同じことだが…」なのだが、これはポーズではない。ムルソーは嘘をつかないのだ。
しかし、ムルソーは生きている。慣例的で紋切り型の人生を生きている者たちよりも確実に生きている。そうムルソーは自信を持って言い切ることができる。
なぜなら、「まだやってこない未来の底から来たるべき『死』」その真理から目を逸らさず、『死』が自分を捕らえているのと同じように自分も『死』を捕らえる、それがムルソーにとって生きているということだからだ。
ムルソーの目を通してみた世間はその『死』から意識を逸らして、『死』の存在を誤魔化して、虚妄の生活を送っている、欺瞞に満ちた罪人なのである。
そう初めて他者を断罪して憤怒したとき、断罪される自己と断罪した他者は、無関心な世界の下では互いに同じものとして融和し、ムルソーはさらなる一体感を求めるゆえ、人々が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることを望む。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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