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悲しみよ こんにちは (新潮文庫) 文庫 – 2008/12/20
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ものうさと甘さが胸から離れないこの見知らぬ感情に、
悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、わたしはためらう――。
海外名作新訳コレクション。解説・小池真理子。南仏の陽光に導かれ、セシルは悲劇への扉を開く。
セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ……。
20世紀仏文学界が生んだ少女小説の聖典、半世紀を経て新訳成る。
本文より
〈罪は、現代社会に残った唯一の鮮明な色彩である〉
わたしはこのことばを、実行に移すよりもはるかにしっかりと、揺るぎない確信をもって、自分のものにした。わたしの人生は、このことばをなぞり、このことばにインスピレーションを受け、このことばからわきあがっていくのだろうと考えた。教訓に満ちたエピナル版画の、背徳の絵のように。無為の時間や、物事はとぎれとぎれにしか起きないことや、日々の善良な感情などは、忘れていた。観念の世界で、わたしは、恥知らずの低劣な人生を考えていた。(「第二章」)
フランソワーズ・サガン Sagan,Francoise(1935-2004)
カジャルク生れ。19歳の夏に、処女小説『悲しみよ こんにちは』が批評家賞を受け、一躍フランス文壇の寵児になる。その感性をモーリヤックは「魅力的な小悪魔」と絶賛。1957年自動車事故で九死に一生をえる。1978年に来日。小説、戯曲と著書多数。
河野万里子
1959年生れ。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。主な訳書にウィリアムズ『自閉症だったわたしへ』、サン=テグジュペリ『星の王子さま』、サガン『悲しみよこんにちは』、レヴィ『あたしのママ』など。
悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、わたしはためらう――。
海外名作新訳コレクション。解説・小池真理子。南仏の陽光に導かれ、セシルは悲劇への扉を開く。
セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ……。
20世紀仏文学界が生んだ少女小説の聖典、半世紀を経て新訳成る。
本文より
〈罪は、現代社会に残った唯一の鮮明な色彩である〉
わたしはこのことばを、実行に移すよりもはるかにしっかりと、揺るぎない確信をもって、自分のものにした。わたしの人生は、このことばをなぞり、このことばにインスピレーションを受け、このことばからわきあがっていくのだろうと考えた。教訓に満ちたエピナル版画の、背徳の絵のように。無為の時間や、物事はとぎれとぎれにしか起きないことや、日々の善良な感情などは、忘れていた。観念の世界で、わたしは、恥知らずの低劣な人生を考えていた。(「第二章」)
フランソワーズ・サガン Sagan,Francoise(1935-2004)
カジャルク生れ。19歳の夏に、処女小説『悲しみよ こんにちは』が批評家賞を受け、一躍フランス文壇の寵児になる。その感性をモーリヤックは「魅力的な小悪魔」と絶賛。1957年自動車事故で九死に一生をえる。1978年に来日。小説、戯曲と著書多数。
河野万里子
1959年生れ。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。主な訳書にウィリアムズ『自閉症だったわたしへ』、サン=テグジュペリ『星の王子さま』、サガン『悲しみよこんにちは』、レヴィ『あたしのママ』など。
- 本の長さ197ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2008/12/20
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104102118284
- ISBN-13978-4102118283
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価格 | ¥781¥781 | ¥649¥649 |
【新潮文庫】フランソワーズ・サガン 作品 | パリに暮らすインテリアデザイナーのポールは39歳。長年の恋人がいるが、美貌の青年に求愛され——。美しく残酷な恋愛小説の名品。 | 父とその愛人とのヴァカンス。新たな恋の予感。だが、 17歳のセシルは悲劇への扉を開いてしまう──。少女小説の聖典、新訳成る。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2008/12/20)
- 発売日 : 2008/12/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 197ページ
- ISBN-10 : 4102118284
- ISBN-13 : 978-4102118283
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 8,593位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
朝吹さん訳の同書を読んだが、流石に古さを感じさせる箇所があり、200頁に満たない著作なのに度々読み進める手が止まった。同じ新潮社から新訳があると知って読んでみた。
こなれた文書で今回は、一息で読むことができた。「ブラームスはお好き」等、他の著作の新訳も期待したい。
こなれた文書で今回は、一息で読むことができた。「ブラームスはお好き」等、他の著作の新訳も期待したい。
2020年3月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本に出会えて良かったと思う。純粋な少女が残忍に目覚めていく心の機微が深く書かれていた。文体簡潔だが、瑞々しさを感じる。非凡な感性で無ければこの文章は書けない。長年愛されてきた本である事に納得せざるを得なかった。
2023年7月4日に日本でレビュー済み
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この小説の意義は、やはりサガン19歳の作品であるというところにあるのだと思う。大変なおませさんだな。これを読んで、何かを感じるには、自分は歳を取り過ぎたなと感じた。南仏のさつさ、気だるさだけが残った。
2019年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
サガンの作品はこれが初めてです。外国文学は原文を読む程の英語力は大半の方が無いので、訳の出来次第で評価が分かれてしまいますが、この本はとても自然で読みやすく、非常に味わいがある日本語で構成されています。
内容も思春期の少女が持つ複雑な心理の揺れ動きが描写されており、素晴らしい文学作品となっています。
内容も思春期の少女が持つ複雑な心理の揺れ動きが描写されており、素晴らしい文学作品となっています。
2014年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めて読んだのは高校の時だったか。
論説やドキュメントは好きでも小説はいまいちなんですが、
久しぶりに、と思って短いこの作品から読もうと思いました。
昔は朝吹さんの訳でしたが、訳者が変わり、訳文も違和感はありませんでした。
論説やドキュメントは好きでも小説はいまいちなんですが、
久しぶりに、と思って短いこの作品から読もうと思いました。
昔は朝吹さんの訳でしたが、訳者が変わり、訳文も違和感はありませんでした。
2023年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なぜが懐かしい自分の青春時代を思い起こさせた。甘酸っぱい気持ちになれた。
2014年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
夏のバカンスを別荘で過ごすフランス上流階級の人々、しょうもない(かの地かの時ではありがちな?)性癖の父娘等、わたしにとってのアナザーワールドがとても美しく、(訳がマッチしているのでしょう)なめらかで、洗練を感じました。普通の人アンヌは本当に気の毒でしたが。
しかし、これをリリースして18歳でデビューしたというのが、最大のアナザーワールドですね。
しかし、これをリリースして18歳でデビューしたというのが、最大のアナザーワールドですね。