"『その人のことは気にしないでいいのよ』と女がいった。『こういうこと、その人にはどうってことないの。金持ちなの。ロールスロイス三千八百五十九台持ってるくらい』"1975年発刊の本書は、ポストモダン文学とは、翻訳とは、後マヨネーズについて。47の幻想的な物語が感じさせてくれます。
個人的には、とはいえ。手にとり、ページをめくりはじめての第一印象は困ったなあ?という感覚。何しろタイトル通りには誰もちゃんと鱒釣りをしに行かないし(笑)張り巡らせれた伏線が見事に終盤に回収される起承転結型の物語に慣れ親しんだ感覚で読もうとする人にとっては【何だかよくわからないままに終わってしまう】のではないかと危惧してしまう位に。一方で、これは【感じるままにどのページを開いても良い】のだと。途中から私のように肩の力を抜いて読む人には、何だか癖になる言語感覚が楽しくなってくるのではないかと思いました。
もちろん、著者自身は本書は60年代のアメリカ社会を反映して執筆した。と、往年のアメリカの夢や、大衆社会の到来、メルヴィルの白鯨やヘミングウェイ的な男らしさマッチョに対する【やわらかなアンチテーゼ】だとか、当時の社会情勢を調べて読み解いていこうとする人も沢山いるかもしれませんが。それはそれで。銃を使って自死した著者と関係が近いからこその翻訳や註釈、文体模写的なあとがきを楽しむのが、個人的には一番ではないかと思うのです。"ごめんなさいね、例のマヨネーズ。"的に。
感じるままに読みたい誰かに、また翻訳文学の楽しさを感じたい誰かに。あと、村上春樹ファンな方にもオススメ
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アメリカの鱒釣り (新潮文庫) 文庫 – 2005/7/28
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二つの墓地のあいだを墓場クリークが流れていた。いい鱒がたくさんいて、夏の日の葬送行列のようにゆるやかに流れていた。――涼やかで苦みのある笑いと、神話めいた深い静けさ。街に、自然に、そして歴史のただなかに、失われた〈アメリカの鱒釣り〉の姿を探す47の物語。大仰さを一切遠ざけた軽やかなことばで、まったく新しいアメリカ文学を打ちたてたブローティガンの最高傑作。
- 本の長さ268ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2005/7/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104102147020
- ISBN-13978-4102147023
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2005/7/28)
- 発売日 : 2005/7/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 268ページ
- ISBN-10 : 4102147020
- ISBN-13 : 978-4102147023
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 12,111位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2019年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
意味を求めて読むものじゃないなと思いながら読んだのですが、結局のところ感覚でも私には難しかったです。
描写にユーモアがあり物語に急激に引き込まれたかと思うと途端に突き放されて
理解の範疇を超えて遠くまでぶっ飛んで行ったりと、何が書いてあるのかさっぱりわからないんだけど、
どこかかわいらしかったり、胸がざわっとしたりする不思議な魅力のある文章でした。
私の感覚ではおもしろいとは思いませんでしたが、他の作品にも挑戦してみたくもなりました。
描写にユーモアがあり物語に急激に引き込まれたかと思うと途端に突き放されて
理解の範疇を超えて遠くまでぶっ飛んで行ったりと、何が書いてあるのかさっぱりわからないんだけど、
どこかかわいらしかったり、胸がざわっとしたりする不思議な魅力のある文章でした。
私の感覚ではおもしろいとは思いませんでしたが、他の作品にも挑戦してみたくもなりました。
2022年9月18日に日本でレビュー済み
ストリートが現実ではない様相なのに、なぜかスッと入ってくる不思議な感覚。なにか現世の抑圧をとっぱらうようなカタルシスがある。ヒッピー時代だから、麻薬などによる幻視。。?と思わせるような、普通は思いつかないような成り行きや比喩。翻訳の力も大きい気がする。
クリークを叩いたら木で出来ていた。
鉛筆削りに消化器を突っ込んで、鳥にくっつけて飛び立たたせ、驚かせようとした。
などなど。いい意味で最高にクレイジー。
ハマります。
クリークを叩いたら木で出来ていた。
鉛筆削りに消化器を突っ込んで、鳥にくっつけて飛び立たたせ、驚かせようとした。
などなど。いい意味で最高にクレイジー。
ハマります。
2012年8月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
鱒釣りのこと、鱒を釣る人のことについて書かれた、短編小説のような、
エッセイのような、自伝のような、書き殴りのようなものたちが集まった不思議な本。
どれもが、ユーモアがあって、アイロニックで、少し哀しく、なんだかいい。
そのふわふわとした魅力は、とても説明しにくいのだかけれども、
それぞれの章は短いし、文章も読みやすい(翻訳が素晴らしすぎる!)ので、
もし迷っているひとがいるならぜひ手に取ってほしい。
短い時間で別世界に連れて行ってくれる素敵な本である。
このふわふわとした魅力は、とても説明しにくい。
空気をビニール袋でとらえると、いずれ、空気は減って、ビニール袋はしぼんでしまうように、
その魅力をとらえてしまうと、いずれ目減りしてしまいそうな気もする。
でも、あえて魅力を袋に入れてみる。
まだ読んでいない人は読まない方がいいかもしれない。
読もうかどうかかなり迷っている人、もう読んだ人は読んでみていいかもしれない。
鱒釣りをしない私が(そして鱒釣りをしたことがない世界中の人々が)引き込まれてしまうのは、なぜだろう。
あとがきで訳者がこう書いている。
「ブローティガンの幻想は、都市化社会・工業化社会」からのとりあえずの逃走者としての<自然主義者>のそれではない。
まぎれもなく鋼鉄とガソリンの二十世紀に、その刻印をひきうけたところで、鱒釣りの物語を語るのだ」
ケルアックのように森林監査官となって2ヶ月間誰とも会わずに一人森に籠る孤絶した生活ではない。
ソローの『森の生活』のように森に2年間入って自給自足をするような仙人のような生活でもない。
これは「森と"都会"の生活」である。鱒のいる川と、サンフランシスコ(60年代の世界で最もヒップだった)を行き来しながら書かれた小説。
あえて誤解を恐れず書くとすれば、東京に住んでいる村上春樹が信州の渓流を行き来し、鱒釣りについて描いているような本なのである。
鱒のいる川と少しの想像力さえあれば、お金がなくても人生楽しくやっていけるよ。
そんなことをブローティガンは言っているように思える。その身軽な人生のスタイルがかっこいい。
話はそれるが、どうも、この小説は俳句っぽい。
風景の情景だけをのべる。心の中は語らない。文章は短くそぎ落とされている。
説明がない。しかし、そこにほのかに情景が浮かんでくる。
松尾芭蕉がもしアメリカで鱒を釣っていながら小説書いていたら、こんな本を書いていたのかもしれないな。
エッセイのような、自伝のような、書き殴りのようなものたちが集まった不思議な本。
どれもが、ユーモアがあって、アイロニックで、少し哀しく、なんだかいい。
そのふわふわとした魅力は、とても説明しにくいのだかけれども、
それぞれの章は短いし、文章も読みやすい(翻訳が素晴らしすぎる!)ので、
もし迷っているひとがいるならぜひ手に取ってほしい。
短い時間で別世界に連れて行ってくれる素敵な本である。
このふわふわとした魅力は、とても説明しにくい。
空気をビニール袋でとらえると、いずれ、空気は減って、ビニール袋はしぼんでしまうように、
その魅力をとらえてしまうと、いずれ目減りしてしまいそうな気もする。
でも、あえて魅力を袋に入れてみる。
まだ読んでいない人は読まない方がいいかもしれない。
読もうかどうかかなり迷っている人、もう読んだ人は読んでみていいかもしれない。
鱒釣りをしない私が(そして鱒釣りをしたことがない世界中の人々が)引き込まれてしまうのは、なぜだろう。
あとがきで訳者がこう書いている。
「ブローティガンの幻想は、都市化社会・工業化社会」からのとりあえずの逃走者としての<自然主義者>のそれではない。
まぎれもなく鋼鉄とガソリンの二十世紀に、その刻印をひきうけたところで、鱒釣りの物語を語るのだ」
ケルアックのように森林監査官となって2ヶ月間誰とも会わずに一人森に籠る孤絶した生活ではない。
ソローの『森の生活』のように森に2年間入って自給自足をするような仙人のような生活でもない。
これは「森と"都会"の生活」である。鱒のいる川と、サンフランシスコ(60年代の世界で最もヒップだった)を行き来しながら書かれた小説。
あえて誤解を恐れず書くとすれば、東京に住んでいる村上春樹が信州の渓流を行き来し、鱒釣りについて描いているような本なのである。
鱒のいる川と少しの想像力さえあれば、お金がなくても人生楽しくやっていけるよ。
そんなことをブローティガンは言っているように思える。その身軽な人生のスタイルがかっこいい。
話はそれるが、どうも、この小説は俳句っぽい。
風景の情景だけをのべる。心の中は語らない。文章は短くそぎ落とされている。
説明がない。しかし、そこにほのかに情景が浮かんでくる。
松尾芭蕉がもしアメリカで鱒を釣っていながら小説書いていたら、こんな本を書いていたのかもしれないな。
2012年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
外国の小説はあまり読んだことはない。
そのせいか内容がちんぷんかんぷん。
これは小説と言えるのだろうか?
だが、不思議な魅力を感じ取れた。
そのせいか内容がちんぷんかんぷん。
これは小説と言えるのだろうか?
だが、不思議な魅力を感じ取れた。
2012年10月25日に日本でレビュー済み
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簡単に判ったと言えないモノがあります。
難解、という感じでもなく、妄想的と言った方が近いと思われます。
この小説(とも断言しづらい)で、ブローディガンは何を描こうとしたのか。
訳者あとがきで、その答えを説明したがる若者が大勢いることを藤本さんがお書きになっています。
えっこんなやり方、こんな文学があったの。という驚きでしょうか。
理屈を判ろうとする必要はなく、テクストを理解するべきなのでしょう。
心の中に浮かぶ言葉を可能な限りそのまま呈示したように思うのですが・・・。
お伽噺のようであり、メタファーであり。
日本でも影響を受けた作家がたくさんおられますが、刺激を受けるのは必然だと思います。
今まで使っていなかった脳の部分に働き掛けてきたような感じです。
難解、という感じでもなく、妄想的と言った方が近いと思われます。
この小説(とも断言しづらい)で、ブローディガンは何を描こうとしたのか。
訳者あとがきで、その答えを説明したがる若者が大勢いることを藤本さんがお書きになっています。
えっこんなやり方、こんな文学があったの。という驚きでしょうか。
理屈を判ろうとする必要はなく、テクストを理解するべきなのでしょう。
心の中に浮かぶ言葉を可能な限りそのまま呈示したように思うのですが・・・。
お伽噺のようであり、メタファーであり。
日本でも影響を受けた作家がたくさんおられますが、刺激を受けるのは必然だと思います。
今まで使っていなかった脳の部分に働き掛けてきたような感じです。
2005年12月1日に日本でレビュー済み
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"奇怪な満足感"を味わった、久々の本。背景に1960年代初頭のアメリカのカルチャーを濃厚に感じさせるコクのあるアンソロジー、といったところか。
文字通り『アメリカの鱒釣り』を通じてみえる当時のアメリカのスナップをシニカルに、ときにはユーモアに、ときには自らを徹底的に蔑んで自嘲的にさらっと書き綴る文章は、"奇怪な満足感"としか言いようがない。
故・開高健氏が絶賛しそうな名文だと思うが、本書について述べたものをみたことがないが… ある!?
文字通り『アメリカの鱒釣り』を通じてみえる当時のアメリカのスナップをシニカルに、ときにはユーモアに、ときには自らを徹底的に蔑んで自嘲的にさらっと書き綴る文章は、"奇怪な満足感"としか言いようがない。
故・開高健氏が絶賛しそうな名文だと思うが、本書について述べたものをみたことがないが… ある!?