本書は、有名な難問であり、またその解決にコンピュータが使われたことで議論を巻き起こした「四色問題」の歴史と、それに取り組んだ数学者たちの話である。
しかし、単に人間ドラマで終わりになりがちな数学一般書と違い、本書ではきちんと数学が取り扱われているのが嬉しい。
例えば、地図を五色で塗り分けられることの証明は、本書の第七章できちんと書かれている。
証明そのものは全く数学的には難解でなく、むしろパズルを解くような感じで解けてしまう。
こういったことをきちんと解説してくれているのは大変ありがたい。
どういうアイデアで追い込んで、どこをコンピュータに任せたのか、という部分もきちんと書かれている。
コンピュータが証明したとよくいわれているが、きちんと読めば有限の範囲に追い込むところまでは人間がやっていて、最後の(とても重要だが)煩雑な部分をコンピュータに委ねたということが分かる。
(これは、根幹についてもコンピュータの助けを借りている
ケプラー予想
との大きな違いである)
ドラマとしても面白く、数学の手抜きもほとんどなく、一般向け数学書としては非常に良い出来だと思われる。
おススメの一冊
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四色問題 (新潮文庫) 文庫 – 2013/11/28
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四色あればどんな地図でも塗り分けられるか? 一見簡単そうだが、どうにも証明できない難問として人々の頭を悩ませ続けた「四色問題」。ルイス・キャロルをはじめ幾多の人物が挑戦しながら失敗。一世紀半後、ふたりの数学者がコンピューターを駆使して解決するが、「これは数学じゃない」と拒絶反応も。天才たちの苦闘の歴史を通じ、世紀の難問が解かれるまでを描く興奮の数学ドラマ。
- 本の長さ384ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2013/11/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104102184619
- ISBN-13978-4102184615
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2013/11/28)
- 発売日 : 2013/11/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 384ページ
- ISBN-10 : 4102184619
- ISBN-13 : 978-4102184615
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 134,034位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1962年、東京生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学特別研究教授。東京大学理学部、法学部卒業後、 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専門は脳科学、認知科学。2005年、『脳と仮 想』で、第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 15歳の寺子屋 ひとり遊びのススメ (ISBN-13: 978-4062162678 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2006年7月1日に日本でレビュー済み
「四色問題」と言えば、数学に関心のある人ならば誰でも知っていると思う。
地図の隣り合うエリアを別々の色で塗り分けるためには、最低四色必要であるという問題だ。
そしてこの問題はすでに解決済みである。コンピューターの利用によって。
厳密な証明の要求される数学において、証明の過程に検証困難なコンピューターが利用されたことは
大きな波紋を呼んだ。四色問題の証明は、証明の概念を変えたとして1976年に新聞でも大きく
取り上げられたのである。
四色問題自体が有名であり、これまで紙と鉛筆でエレガントな証明は誰にもできなかったため、
初めて証明にコンピューターが利用されたことはよりセンセーショナルな事態となったのだ。
ただし、本書ではコンピューターの話題は問題解決の最終局面で登場するだけである。
本書の構成は問題発生の歴史的経緯に始まり、多くの数学者の様々なアプローチが描かれ、最終的な
証明へ近づいていくというものであり、この手の本の王道は外していない。
特に「数学史上、最も有名な間違った証明」のくだりは非常に面白かった。
この間違った証明方法はじっくり読めば理解できるのだが、非常にうまい方法でどこが間違っているのかは
まず分からない。だから、間違いの理由の説明が早く読みたくてたまらない気持ちにさせられるのだ。
四色で地図が塗り分けられるという結果よりも、本書ではコンピューターと証明の関係、証明の先取権争いなど、
その結論に至るまでのドラマを堪能して欲しい。
地図の隣り合うエリアを別々の色で塗り分けるためには、最低四色必要であるという問題だ。
そしてこの問題はすでに解決済みである。コンピューターの利用によって。
厳密な証明の要求される数学において、証明の過程に検証困難なコンピューターが利用されたことは
大きな波紋を呼んだ。四色問題の証明は、証明の概念を変えたとして1976年に新聞でも大きく
取り上げられたのである。
四色問題自体が有名であり、これまで紙と鉛筆でエレガントな証明は誰にもできなかったため、
初めて証明にコンピューターが利用されたことはよりセンセーショナルな事態となったのだ。
ただし、本書ではコンピューターの話題は問題解決の最終局面で登場するだけである。
本書の構成は問題発生の歴史的経緯に始まり、多くの数学者の様々なアプローチが描かれ、最終的な
証明へ近づいていくというものであり、この手の本の王道は外していない。
特に「数学史上、最も有名な間違った証明」のくだりは非常に面白かった。
この間違った証明方法はじっくり読めば理解できるのだが、非常にうまい方法でどこが間違っているのかは
まず分からない。だから、間違いの理由の説明が早く読みたくてたまらない気持ちにさせられるのだ。
四色で地図が塗り分けられるという結果よりも、本書ではコンピューターと証明の関係、証明の先取権争いなど、
その結論に至るまでのドラマを堪能して欲しい。
2015年12月30日に日本でレビュー済み
四色問題に関連する歴史的な流れと共に、グラフ理論の基礎概念を無理なく紹介している。決して技術的に手を抜かず、初等的手法で五色定理まで証明をわかりやすく説明している。縦書きで証明を読むことで新鮮な感動が得られる。
2023年8月11日に日本でレビュー済み
ロビン・ウィルソン「四色問題」読了。どんな地図でも四色あれば数ある国々を塗り分ける事ができる。1750年頃から始まったその証明に至る経緯と数多の情熱からこのシンプルな問題に潜む奥深さを垣間見た。またこの証明には数学史上初めてコンピュータが活用され物議を醸した事を知り時代の転機を感じた。
2008年3月22日に日本でレビュー済み
近代に説かれた数学の未解決問題の解決に関連する成果として、ヨシオ シマモトという人が、シマモトの馬蹄形という問題を提起し、D可約性を課題とする環の大きさが14の配置に関する課題があったということを知りました。
また、コンピュータを使って証明されたことが、検証の妥当性に疑問や懐疑を投げかけられたということを、この本で初めて知りました。
「コンピュータは疲れを知らない」反面、電磁的な不具合があった際に、検出可能であることが証明されていない場合があるかもしれません。
いずれにしても、四色問題という数学的にしか価値がないような問題を、一部の数学者による批評では美しい数学的手法ではない方法で解決されたということが、数学のおもしろさと、コンピュータのおもしろさを知るきっかけになるかもしれない。
また、コンピュータを使って証明されたことが、検証の妥当性に疑問や懐疑を投げかけられたということを、この本で初めて知りました。
「コンピュータは疲れを知らない」反面、電磁的な不具合があった際に、検出可能であることが証明されていない場合があるかもしれません。
いずれにしても、四色問題という数学的にしか価値がないような問題を、一部の数学者による批評では美しい数学的手法ではない方法で解決されたということが、数学のおもしろさと、コンピュータのおもしろさを知るきっかけになるかもしれない。
2009年8月30日に日本でレビュー済み
有名な数学の未解決問題だった、四色問題についての読み物。素晴らしい出来だ。とても面白い。四色問題は、地図上の国々を塗り分けるには、どんなに国があっても4色で足りるかどうか、というもの。問題自体の理解のしやすさは、他の有名な数学の未解決(だった)問題−−ポアンカレ予想、フェルマーの最終予想、ゴールドバッハ予想、P=NP予想など−−に比べて抜群だ。そしてそのような理解しやすい問題を、さらに理解しやすく解説したのが本書である。
四色問題の歴史についての従来の通説を排して、史実に基づいて提示している。問題に関わった個々の人のエピソードも面白い。失敗者も取り上げられる。こういった有名な問題は、ときに数学者以外からも様々なアプローチがなされる。しかし著者は、泡沫な意見は取り上げない。間違えた人も、その間違え方が重要だったからだ。この観点は大事である。
四色問題の解決に至る、重要な概念が順を追って導入される。オイラーの多面体公式から「どんな地図にも、5個以上の隣国しか持たない国が少なくとも一つある」という重要な定理へ。問題解決の主要なアプローチとなるケンプ鎖についても、例を挙げつつ詳説される。そして最終解決への鍵となる概念、可約性と不可避集合についてもそうだ。詳しく書くところと、さらっと流すエピソード。バランス感覚が素晴らしい。
四色問題の証明がコンピューターを広範に用いたことに対する騒動についても書かれている。だが、実際に専門家の中で四色問題の証明に対して挙げられた疑念は、この点に関してではないこともきちんと記されている。この点、読むには踏まえるべきである。
本書は四色問題だけを扱っている。つまり、それがグラフ論の問題であることは、わずかに示唆される(p.109,217)だけ。これは執筆上の方針だろう。これによって焦点が絞られた記述となっている。だが結果として、あたかも四色問題が独立した、「浮世離れした」問題に見えてしまうことも一面としてある。
最後に、訳者の名前を見て非常に不安な気持ちになる。しかしこれは「名前貸し」。本当の訳者は別の人であり、翻訳の質について問題はない。むしろ、かなりよくできた翻訳だ。この名目上の訳者が、四色問題それ自体にほとんど関心を持っていないことは、的はずれな訳者解説を見れば分かる。
四色問題の歴史についての従来の通説を排して、史実に基づいて提示している。問題に関わった個々の人のエピソードも面白い。失敗者も取り上げられる。こういった有名な問題は、ときに数学者以外からも様々なアプローチがなされる。しかし著者は、泡沫な意見は取り上げない。間違えた人も、その間違え方が重要だったからだ。この観点は大事である。
四色問題の解決に至る、重要な概念が順を追って導入される。オイラーの多面体公式から「どんな地図にも、5個以上の隣国しか持たない国が少なくとも一つある」という重要な定理へ。問題解決の主要なアプローチとなるケンプ鎖についても、例を挙げつつ詳説される。そして最終解決への鍵となる概念、可約性と不可避集合についてもそうだ。詳しく書くところと、さらっと流すエピソード。バランス感覚が素晴らしい。
四色問題の証明がコンピューターを広範に用いたことに対する騒動についても書かれている。だが、実際に専門家の中で四色問題の証明に対して挙げられた疑念は、この点に関してではないこともきちんと記されている。この点、読むには踏まえるべきである。
本書は四色問題だけを扱っている。つまり、それがグラフ論の問題であることは、わずかに示唆される(p.109,217)だけ。これは執筆上の方針だろう。これによって焦点が絞られた記述となっている。だが結果として、あたかも四色問題が独立した、「浮世離れした」問題に見えてしまうことも一面としてある。
最後に、訳者の名前を見て非常に不安な気持ちになる。しかしこれは「名前貸し」。本当の訳者は別の人であり、翻訳の質について問題はない。むしろ、かなりよくできた翻訳だ。この名目上の訳者が、四色問題それ自体にほとんど関心を持っていないことは、的はずれな訳者解説を見れば分かる。
2005年12月28日に日本でレビュー済み
組み合わせや確率の理論などを知りたくて読みました
モノには厚みが在る
存在の仕方やその基盤となる様相がちょっと理解できたように思います
今度は式の書き方を学びたいです
モノには厚みが在る
存在の仕方やその基盤となる様相がちょっと理解できたように思います
今度は式の書き方を学びたいです
2014年1月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「平面(または球面)上のどんな地図も少なくとも四色あれば隣国同士を違う色で塗り分けられるというのは本当か?」
という有名な四色問題が解決されるまでの歴史が分かる本。
簡単そうに見えるのに歴史的難問であったという点ではフェルマーの最終定理とも似て好奇心をかきたてる。同時に、コンピューターによる膨大な計算を通して証明が行われたことで有名だ。しかしなぜ四色問題の解決にそんな膨大な計算が必要だったのかはそれほど知られていないのではないだろうか。本書を読むと大体の事情がわかる。正確な理解ではないかもしれないが、「わかった気になれる」くらいにはわかりやすく書かれている。
以下、ネタバレ気味。本書の興を削ぐ可能性があるので、これから読む方やいま読んでいる方はご注意。
1.どんな地図にもその中のどれか一つが必ず一部として含まれているような基本的な国の並べ方(配置)の集合である「不可避集合」というものが存在する。
2.五色必要な地図(反例)の中で国の数が最小であるものが得られたと仮定しよう。その「最小反例」の地図にも不可避集合の中の少なくとも一つが必ず含まれているが、その部分を取り除いたとすると、その周囲は(最小反例より小さいから)四色で塗り分け可能なはずだ。
3.周囲が四色で塗り分けられているときに続けて自分自身も四色で塗り分けられる国の並べ方を「可約配置」というが、そういう配置だけを含む不可避集合を作ることができれば、最小反例が得られたという仮定は間違っていたことになる。かくして四色問題が解決される。
ハーケンとアッペルは「有限個の配置からなる不可避集合」を作成する手続きを考案したが、そうして作られるであろう配置は多数(彼らの場合には数千個)あり、それらの一つ一つの配置が本当に可約かどうかは人間が手で調べるには時間がかかりすぎると予想された。そこでコンピューターを「不可避集合の生成」と「可約性の検証」の両方に使った、ということのようだ。
読み終わってみるとなんだか巧妙ではあるけれども「壮大な場合分け」を一生懸命にやったという印象が強い。一部の人々がハーケンとアッペルのやり方に落胆、あるいは立腹したというのもなんとなく理解できないことではない。もちろんコンピューターに解かせられるところまで問題を単純化・整理したところに意味があるのはわかっているのだが。
という有名な四色問題が解決されるまでの歴史が分かる本。
簡単そうに見えるのに歴史的難問であったという点ではフェルマーの最終定理とも似て好奇心をかきたてる。同時に、コンピューターによる膨大な計算を通して証明が行われたことで有名だ。しかしなぜ四色問題の解決にそんな膨大な計算が必要だったのかはそれほど知られていないのではないだろうか。本書を読むと大体の事情がわかる。正確な理解ではないかもしれないが、「わかった気になれる」くらいにはわかりやすく書かれている。
以下、ネタバレ気味。本書の興を削ぐ可能性があるので、これから読む方やいま読んでいる方はご注意。
1.どんな地図にもその中のどれか一つが必ず一部として含まれているような基本的な国の並べ方(配置)の集合である「不可避集合」というものが存在する。
2.五色必要な地図(反例)の中で国の数が最小であるものが得られたと仮定しよう。その「最小反例」の地図にも不可避集合の中の少なくとも一つが必ず含まれているが、その部分を取り除いたとすると、その周囲は(最小反例より小さいから)四色で塗り分け可能なはずだ。
3.周囲が四色で塗り分けられているときに続けて自分自身も四色で塗り分けられる国の並べ方を「可約配置」というが、そういう配置だけを含む不可避集合を作ることができれば、最小反例が得られたという仮定は間違っていたことになる。かくして四色問題が解決される。
ハーケンとアッペルは「有限個の配置からなる不可避集合」を作成する手続きを考案したが、そうして作られるであろう配置は多数(彼らの場合には数千個)あり、それらの一つ一つの配置が本当に可約かどうかは人間が手で調べるには時間がかかりすぎると予想された。そこでコンピューターを「不可避集合の生成」と「可約性の検証」の両方に使った、ということのようだ。
読み終わってみるとなんだか巧妙ではあるけれども「壮大な場合分け」を一生懸命にやったという印象が強い。一部の人々がハーケンとアッペルのやり方に落胆、あるいは立腹したというのもなんとなく理解できないことではない。もちろんコンピューターに解かせられるところまで問題を単純化・整理したところに意味があるのはわかっているのだが。