朗かにされるビュイックの過去と、その正体に取り付かれていくネッド少年の父、カート巡査。長い物語の果てに少年のとる行動は!。
物語の完結です。
しかし読後は「スタンド・バイ・ミー」のような、ほろ苦い郷愁も無いですし「刑務所のリタ・ヘイワース」のような希望への喜びもありません。
個人的にはあまり面白くなかった「グリーン・マイル」より評価は低いですね。
ただ抜群のストーリーテラーであるキングは健在で、読んでいる間読者を飽きさせるという事は絶対ありません。
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回想のビュイック8 下巻 (新潮文庫 キ 3-38) 文庫 – 2005/8/1
- 本の長さ351ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2005/8/1
- ISBN-104102193383
- ISBN-13978-4102193389
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2005/8/1)
- 発売日 : 2005/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 351ページ
- ISBN-10 : 4102193383
- ISBN-13 : 978-4102193389
- Amazon 売れ筋ランキング: - 367,118位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年9月12日に日本でレビュー済み
こちらに、読み取る能力が無いのか、それともキング氏の世界に飽きたのか。
ただ、行き先を知らないまま何処かに連れ去られるといったいやな感じはした。ただそれだけ。だから、過度の期待はしないで読んでみることを薦める。キング氏の非ホラー作品は秀作、名作が多いが、これは別物。ぐいぐい引き込まれる感じもするが、これは”こんなはずじゃないぞ!”といった期待感がさせていることなのだと読後に気付く。あえて良い所を探すとしたら。ラストの部分。でもキング氏の実績からいうと、、、。
ただ、行き先を知らないまま何処かに連れ去られるといったいやな感じはした。ただそれだけ。だから、過度の期待はしないで読んでみることを薦める。キング氏の非ホラー作品は秀作、名作が多いが、これは別物。ぐいぐい引き込まれる感じもするが、これは”こんなはずじゃないぞ!”といった期待感がさせていることなのだと読後に気付く。あえて良い所を探すとしたら。ラストの部分。でもキング氏の実績からいうと、、、。
2014年7月6日に日本でレビュー済み
だが、俺はこれを圧倒的にキング自身(および読者や批評家、出版業界といった周囲の環境も含めて)についての現況報告と回想録として読んでしまう。そういううがった見方でもしないと退屈すぎ。
キングは着想から物語の完成までの、執筆そのものを題材に織り込んだ作品を折々に発表している。それらの作品のなかで批評家に毒を、それよりもはるかにマイルドな毒を「着想をどこから得るのか?」「自分の作品を怖いと思ったことはあるか?」といったおきまりの質問しかしてこない、せいぜい熱心な本好きにとどまっていたほうが身の為といったファン兼作家志望の人々に対して吐いてきている。また、自分のキャリアがどのように語られようとも、主流−現在まで長らくその座を保持してきたのは、ざっくばらんに言ってしまえば最新の政情や武器や医科学の情報がふんだんに盛り込まれたクライムサスペンスということになるだろう−たりえないことももらしている。キングは物語はあくまで物語であってそこにフィルターをかけて解釈するようなことは愚の骨頂とあきれるだろう、しかしこの作品で繰り広げられる語りにはそういった彼の真情を読み取らざるをえない。
《ネタバレ注意》
四辻で出会った悪魔に魂を売り渡したブルーズマンじゃないが、異世界との交点としてところの、ビュイックであってビュイックでないこのものは創作において何らかの機能を果たすもの、端的に言えば才能であり、「オイルはきれいだ!」といい残して掻き消えた黒衣の男は、全くケイオティックに才能をどうにかできてしまう(あるいはしなくてはならない)悪魔ってところだろう(これは悪魔にとっても疎ましい仕事なのかもしれない)。
この作品を読んでいてまず気になる点は、間歇的に異界から送りだされるものが、あまりに矮小で、短命なことだ。
作中で価値あるものは、分署の身内の安否だけで、それが危うくされるところが物語のただひとつの起伏としての要素なんだけど、だったら警官だけを執拗に狙う、そしてその犯人のいびつな動機に新米が絡めとられていくようなリアルなクライムサスペンスを読めばいいわけで。キング作品を読むからには異界に精神的に囚われて、ついには肉体をそちらに自ら送り出してしまう強迫観念(それを引き起こすのも「うなり」とか「頭の中に聞こえてくる声」とか・・・キングじゃなければ失笑ものの)だけじゃなく、異界からもたらされるものがなにか日常にしみこんでじわじわと人々の正気を犯していくような話を運びを期待してしまう、それがないとあまりにもアンバランスだと感じるのは俺だけじゃないはずだ。
しかしこの作品では、異界から送られてくるものは、悪臭を放ちつつあっという間に腐食したり、証拠物件として袋に入れられ地下牢のような小部屋にしまいこまれたり、やがては単に焼却処分にされてしまうほどのぞんざいな扱いを受けるまでに貶められる。唯一の生存者?も警官的であるよりもはるかに原始的なリアクション、発作的なリンチによってたちまち惨殺されてしまう。
俺にはこれが、なんだかキングのあまりにも自己否定的な過去の清算のように思える。
こういう見方をすると、作品のすべての要素が象徴的に見えてしまうけれど、蝙蝠めいた生き物なんかはその最たるものだろう。
後年モダンホラーの帝王と呼ばれることになるキングだけど、結局お前の書いてるものは何なん?動物?トリ?ホラー?ヒューマンドラマ?サイコスリラー?SF?中途半端なんだよ!という内外の葛藤は常にあったはずだ。しかも最大の支柱であるホラーというジャンルは少なくともキングのキャリアスタート時点では傍流もいいところで格調高い作品、つまりホラーと銘打ってはいても実際は俗物のためのブンガク作品、の需要はそれなりにあったかもしれないけど、娯楽となるとそれは一般のオトナからすればもう蔑視の対象でしかなかったのではないだろうか。その道なき道を筆一本で切り開いてきたキング。マイナーなジャンルを主戦場にせざるをえなかったものにとって盛者必衰の理の酷薄さはひとしおだっただろう。ただそこには、メインストリームの作家と読者にはない「あなたでなきゃダメなの!」的なつながりがあったことだろう。
そしてここからは鶏が先か卵が先かという話になるが、作品に勢いはなくなり、ファンの声も昔の作品を懐かしむ類のものが多くなってきた。確かに俺が身をおいているジャンルはマイナーかもしれないが、俺ほどファンを愉しませているやつはそうはいない、いてたまるか!という自負はそのまま重い十字架になったはずだ。
一方で日本のコミックブームの少なからぬ影響力は、世界中にエコーとなって響き渡り、近年では洋ドラでも異能力ホラー・SF・ファンタジーは、もはやブームに左右されない定番となり、それらは文化の中で不動のレギュラーの地位を確立したといっていい(まあ紛争地帯を除く世界が幼児化させられているのかもしれないが)。マイナーなジャンルが脚光を浴びるのは大いに結構なことだけど、実質は変わってなくて、アイドル露出装置が俗悪なものへとどんどん仕様が変更されたってだけで、キングからすれば金の流れが変わった今こそドカンと派手に本物の花火を打ち上げたい、しかし・・・この作品で、俺が最後に受け取ったメッセージは、「おれ、そっち方面は枯れたっぽいわ^^まだわかんないけど、そういうことにしといて、頼むよ。でも書きたいことはまだあるから、そこんとこヨロシク」というあっけらかんとした開き直り、達観だ。
たしかに悪い意味でキングにしかかけない作品の冗長さ、退屈さに触れるくらいなら、ひとまずホラーやサイコスリラーの思い出は脇において、キングの新境地を先入観なく愉しみたい。ただ今回のこれに関して言わせてもらえば・・・面白くなかったです^^
キングは着想から物語の完成までの、執筆そのものを題材に織り込んだ作品を折々に発表している。それらの作品のなかで批評家に毒を、それよりもはるかにマイルドな毒を「着想をどこから得るのか?」「自分の作品を怖いと思ったことはあるか?」といったおきまりの質問しかしてこない、せいぜい熱心な本好きにとどまっていたほうが身の為といったファン兼作家志望の人々に対して吐いてきている。また、自分のキャリアがどのように語られようとも、主流−現在まで長らくその座を保持してきたのは、ざっくばらんに言ってしまえば最新の政情や武器や医科学の情報がふんだんに盛り込まれたクライムサスペンスということになるだろう−たりえないことももらしている。キングは物語はあくまで物語であってそこにフィルターをかけて解釈するようなことは愚の骨頂とあきれるだろう、しかしこの作品で繰り広げられる語りにはそういった彼の真情を読み取らざるをえない。
《ネタバレ注意》
四辻で出会った悪魔に魂を売り渡したブルーズマンじゃないが、異世界との交点としてところの、ビュイックであってビュイックでないこのものは創作において何らかの機能を果たすもの、端的に言えば才能であり、「オイルはきれいだ!」といい残して掻き消えた黒衣の男は、全くケイオティックに才能をどうにかできてしまう(あるいはしなくてはならない)悪魔ってところだろう(これは悪魔にとっても疎ましい仕事なのかもしれない)。
この作品を読んでいてまず気になる点は、間歇的に異界から送りだされるものが、あまりに矮小で、短命なことだ。
作中で価値あるものは、分署の身内の安否だけで、それが危うくされるところが物語のただひとつの起伏としての要素なんだけど、だったら警官だけを執拗に狙う、そしてその犯人のいびつな動機に新米が絡めとられていくようなリアルなクライムサスペンスを読めばいいわけで。キング作品を読むからには異界に精神的に囚われて、ついには肉体をそちらに自ら送り出してしまう強迫観念(それを引き起こすのも「うなり」とか「頭の中に聞こえてくる声」とか・・・キングじゃなければ失笑ものの)だけじゃなく、異界からもたらされるものがなにか日常にしみこんでじわじわと人々の正気を犯していくような話を運びを期待してしまう、それがないとあまりにもアンバランスだと感じるのは俺だけじゃないはずだ。
しかしこの作品では、異界から送られてくるものは、悪臭を放ちつつあっという間に腐食したり、証拠物件として袋に入れられ地下牢のような小部屋にしまいこまれたり、やがては単に焼却処分にされてしまうほどのぞんざいな扱いを受けるまでに貶められる。唯一の生存者?も警官的であるよりもはるかに原始的なリアクション、発作的なリンチによってたちまち惨殺されてしまう。
俺にはこれが、なんだかキングのあまりにも自己否定的な過去の清算のように思える。
こういう見方をすると、作品のすべての要素が象徴的に見えてしまうけれど、蝙蝠めいた生き物なんかはその最たるものだろう。
後年モダンホラーの帝王と呼ばれることになるキングだけど、結局お前の書いてるものは何なん?動物?トリ?ホラー?ヒューマンドラマ?サイコスリラー?SF?中途半端なんだよ!という内外の葛藤は常にあったはずだ。しかも最大の支柱であるホラーというジャンルは少なくともキングのキャリアスタート時点では傍流もいいところで格調高い作品、つまりホラーと銘打ってはいても実際は俗物のためのブンガク作品、の需要はそれなりにあったかもしれないけど、娯楽となるとそれは一般のオトナからすればもう蔑視の対象でしかなかったのではないだろうか。その道なき道を筆一本で切り開いてきたキング。マイナーなジャンルを主戦場にせざるをえなかったものにとって盛者必衰の理の酷薄さはひとしおだっただろう。ただそこには、メインストリームの作家と読者にはない「あなたでなきゃダメなの!」的なつながりがあったことだろう。
そしてここからは鶏が先か卵が先かという話になるが、作品に勢いはなくなり、ファンの声も昔の作品を懐かしむ類のものが多くなってきた。確かに俺が身をおいているジャンルはマイナーかもしれないが、俺ほどファンを愉しませているやつはそうはいない、いてたまるか!という自負はそのまま重い十字架になったはずだ。
一方で日本のコミックブームの少なからぬ影響力は、世界中にエコーとなって響き渡り、近年では洋ドラでも異能力ホラー・SF・ファンタジーは、もはやブームに左右されない定番となり、それらは文化の中で不動のレギュラーの地位を確立したといっていい(まあ紛争地帯を除く世界が幼児化させられているのかもしれないが)。マイナーなジャンルが脚光を浴びるのは大いに結構なことだけど、実質は変わってなくて、アイドル露出装置が俗悪なものへとどんどん仕様が変更されたってだけで、キングからすれば金の流れが変わった今こそドカンと派手に本物の花火を打ち上げたい、しかし・・・この作品で、俺が最後に受け取ったメッセージは、「おれ、そっち方面は枯れたっぽいわ^^まだわかんないけど、そういうことにしといて、頼むよ。でも書きたいことはまだあるから、そこんとこヨロシク」というあっけらかんとした開き直り、達観だ。
たしかに悪い意味でキングにしかかけない作品の冗長さ、退屈さに触れるくらいなら、ひとまずホラーやサイコスリラーの思い出は脇において、キングの新境地を先入観なく愉しみたい。ただ今回のこれに関して言わせてもらえば・・・面白くなかったです^^
2006年10月20日に日本でレビュー済み
キング作品の中でもかなり地味かつ薄気味悪〜い方の話だった。映画化してほしい〜、B級に。50年代アメリカ地味地味B級ホラー映画に(「なにこのモンスター、プッ」)。最近のキングだから当然「人生への深い洞察」は過不足なく書かれていてそれはそれで本当に素晴らしいのだけど、それもやはり「なにこのモンスター、プッ」の引き立て役なわけですよ!(映像化し(ちゃっ)たチャチい「なにこのモンスター、プッ」の姿が目に浮かぶようだ!)。下巻は久々に本を一気読み。キングを読まずにホラー好きを名乗るなかれ!
2005年10月6日に日本でレビュー済み
20年くらい前に「ファイアスターター」を読んでから、キングの小説は出版されるたびに夢中になって読んできたが・・。正直この作品は読み通すのがつらかった。文字を追っていても頭に入ってこない。ようやく読み終えても、徒労感しか残らなかった。大体、アイディアが長編向きではないと思う。この長さにするのなら、(少なくとも今までのキングなら)もう一ひねりも二ひねりもないと。
2005年10月3日に日本でレビュー済み
筋は予想とおりに、ただいつものS・キングとは空気が違うように思えた。海水魚かと思ったら淡水魚のマスだったという感じかな~。フライじゃ分からないでしょ、食べてみなきゃ^^
2005年12月3日に日本でレビュー済み
作者が瀕死の交通事故から復帰してから発表された作品。満を持して、というには話が膨らまない。
自身も認めているようにキングという人は書きながら筋書きを考える。あとがきから読みとれるように本作は基本的にワンアイデアストーリーであって、長編にする必然性はプロットにはない。
ただ、これは作品の欠点にはなりえない。ってのも、それこそが同氏の傑作に共通する特徴で、筋は単純だけどディテールの書き込みによってリアリティと緊張感が連動してたかまっていくというのがキングの持ち味のはず。
本作ははっきり言って冗長。理由は、膨らんだ字数がプロットを盛り上げるために費やされているのではなく、ペンシルヴェニアという独立13州のなかのしかもアーミッシュが住んでいる州西部の土地をモチーフにアメリカ人の郷愁を誘うために費やされているからかと思われる。
味付けは、市民としての誇り、警察官の職業に対する誇り。
我々がキングに期待するのはホラー、またはヒューマニスティックな感動であって、周囲360°地平線が見えて町のほとんどの人が顔見知り、といったアメリカの田舎風物への共感ではない。
じゃあ、アメリカ人には面白いのかってえと…そうでもないみたいで、レビュー読んでも皆同じような感想を述べてる。ReviesOfBooks.comが、味も素っ気もなく「典型的なキングのホラーではなく、彼の代表作でもないだろうが、大方のキング・ファンには楽しめるかもしれない」と苦しくも無難な評を記しているのからも推して知るべし。
叙情に訴える記述に走るあまり、ホラーとしても成長譚としても中途半端になってしまった本作は他の作家ならともかく、キングにあっては失敗作と呼んでよいのでは(あっ、言っちゃった…)。
帯で煽りまくった新潮社はJAROに駆け込まれても抗弁できないと思う。
自身も認めているようにキングという人は書きながら筋書きを考える。あとがきから読みとれるように本作は基本的にワンアイデアストーリーであって、長編にする必然性はプロットにはない。
ただ、これは作品の欠点にはなりえない。ってのも、それこそが同氏の傑作に共通する特徴で、筋は単純だけどディテールの書き込みによってリアリティと緊張感が連動してたかまっていくというのがキングの持ち味のはず。
本作ははっきり言って冗長。理由は、膨らんだ字数がプロットを盛り上げるために費やされているのではなく、ペンシルヴェニアという独立13州のなかのしかもアーミッシュが住んでいる州西部の土地をモチーフにアメリカ人の郷愁を誘うために費やされているからかと思われる。
味付けは、市民としての誇り、警察官の職業に対する誇り。
我々がキングに期待するのはホラー、またはヒューマニスティックな感動であって、周囲360°地平線が見えて町のほとんどの人が顔見知り、といったアメリカの田舎風物への共感ではない。
じゃあ、アメリカ人には面白いのかってえと…そうでもないみたいで、レビュー読んでも皆同じような感想を述べてる。ReviesOfBooks.comが、味も素っ気もなく「典型的なキングのホラーではなく、彼の代表作でもないだろうが、大方のキング・ファンには楽しめるかもしれない」と苦しくも無難な評を記しているのからも推して知るべし。
叙情に訴える記述に走るあまり、ホラーとしても成長譚としても中途半端になってしまった本作は他の作家ならともかく、キングにあっては失敗作と呼んでよいのでは(あっ、言っちゃった…)。
帯で煽りまくった新潮社はJAROに駆け込まれても抗弁できないと思う。